JPH0586968A - エンジンの冷却装置 - Google Patents

エンジンの冷却装置

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JPH0586968A
JPH0586968A JP27686091A JP27686091A JPH0586968A JP H0586968 A JPH0586968 A JP H0586968A JP 27686091 A JP27686091 A JP 27686091A JP 27686091 A JP27686091 A JP 27686091A JP H0586968 A JPH0586968 A JP H0586968A
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cooling
port side
cylinder
water
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Shigeki Nakatani
茂樹 中谷
Masakazu Tokuyama
雅一 徳山
Mitsuyuki Murotani
満幸 室谷
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Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シリンダヘッド特にその吸気ポート側部分の
冷却性能を向上でき、シリンダブロックの気筒間部の冷
却性能も向上できるようなエンジンの冷却装置を提供す
る。 【構成】 シリンダヘッド5内のウォータジャケット1
1を隔壁14により吸気ポート側ウォータジャケット1
2と排気ポート側ウォータジャケット13とに分割し、
隔壁14に湾曲部15を形成してシリンダブロック4内
のウォータジャケット7の気筒間部から吸気ポート側ウ
ォータジャケット12へ冷却水を導入する連通孔18を
設け、ラジエータ25、第2通路27、ウォータジャケ
ット12、ポンプ21及び第3通路、ウォータジャケッ
ト7、排気ポート側ウォータジャケット13、第1通路
26、ラジエータ25の順に冷却水を循環させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの冷却装置、
特にシリンダヘッドを冷却する冷却性能を向上させた多
気筒エンジンの冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、多気筒エンジンの冷却装置におい
ては、一般に、ラジエータ、シリンダブロック内ウォー
タジャケット、シリンダヘッド内ウォータジャケット、
ラジエータの順に冷却水が循環させ、低温時には冷却水
をサーモスタットバルブを介してバイパス通路によりラ
ジエータをバイパスさせるように構成してある。一方、
例えば、特開昭60−125716号公報には、シリン
ダブロックとシリンダヘッドの温度の均一化を図るた
め、シリンダブロック内ウォータジャケットの気筒間部
分にブロック長手方向に延びる縦隔壁を形成し、また各
縦隔壁からブロック幅方向へ延び下端に冷却水通路を有
する横隔壁を形成してなるエンジンの冷却装置が開示さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の一般的なエンジ
ンの冷却装置においては、シリンダブロックの冷却に供
した後の昇温した冷却水がシリンダヘッド内ウォータジ
ャケットへ供給されるため、シリンダヘッドを冷却する
冷却性能を高めることが難しい。しかし、シリンダヘッ
ドは、燃焼室に大きく臨み、排気ポートも形成されてい
る関係上、その熱負荷はシリンダブロックよりも大き
く、特にアルミ合金製シリンダヘッドの場合には熱伝導
性が高いことから、排気ポートは勿論のこと吸気ポート
付近の温度がかなり高くなり、その結果吸気充填効率が
低下するという問題がある。しかも、シリンダブロック
内ウォータジャケットの気筒間の狭隘部及びシリンダヘ
ッド内ウォータジャケットの吸排気弁周辺の狭隘部で
は、冷却水の淀みが生じ、冷却性能が低下するという問
題もある。本発明の目的は、シリンダヘッド特にその吸
気ポート側の冷却性能を向上させることが出来且つ気筒
間の狭隘部の冷却性能も向上し得るようなエンジンの冷
却装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に係るエンジン
の冷却装置は、多気筒エンジンのシリンダヘッド内のウ
ォータジャケットを気筒配列方向に平行に2分割して吸
気ポート側ウォータジャケットと排気ポート側ウォータ
ジャケットとに分割し、シリンダブロックに、その内部
のウォータジャケットのうちの気筒間部分から吸気ポー
ト側ウォータジャケットに連通する連通孔を形成したこ
とを特徴とするものである。
【0005】請求項2に係るエンジンの冷却装置は、請
求項1の装置において、前記シリンダブロックの隣接す
るシリンダライナを一体形成し、前記シリンダヘッド内
のウォータジャケットを吸気ポート側ウォータジャケッ
トと排気ポート側ウォータジャケットとに分割する隔壁
を設け、その隔壁には連通孔を吸気ポート側ウォータジ
ャケットに連通させる為に排気ポート側ウォータジャケ
ット側へ膨出した湾曲部を形成したことを特徴とするも
のである。
【0006】請求項3に係るエンジンの冷却装置は、請
求項1に記載の冷却装置において、前記シリンダヘッド
内のウォータジャケットを吸気ポート側ウォータジャケ
ットと排気ポート側ウォータジャケットとに分割する隔
壁をシリンダヘッドに設け、前記排気ポート側ウォータ
ジャケットをラジエータに接続する第1通路と、前記ラ
ジエータを吸気ポート側ウォータジャケットに接続する
第2通路と、サーモスタットバルブを介して低温時に第
1通路の冷却水を第2通路へバイパスさせるバイパス通
路とを設け、吸気ポート側ウォータジャケットから出た
冷却水をポンプで加圧してシリンダブロック内のウォー
タジャケットへ供給するように構成したことを特徴とす
るものである。
【0007】請求項4に係るエンジンの冷却装置は、請
求項3に記載の冷却装置において、前記多気筒エンジン
がV型エンジンであり、前記隔壁の下流側端部には吸気
ポート側へ折曲した折曲部を形成して、排気ポート側ウ
ォータジャケットの下流端部をシリンダヘッド内側部ま
で延ばし、排気ポート側ウォータジャケットの下流端の
冷却水出口をシリンダヘッド内側部に形成したことを特
徴とするものである。
【0008】請求項5に係るエンジンの冷却装置は、請
求項4に記載の冷却装置において、前記吸気ポンプ側ウ
ォータジャケットの下流端の冷却水出口をシリンダヘッ
ド内側部に形成したことを特徴とするものである。
【0009】請求項6に係るエンジンの冷却装置は、請
求項5に記載の冷却装置において、前記隔壁の折曲部の
頂部に、吸気ポンプ側ウォータジャケットと排気ポンプ
側ウォータジャケットとを連通する連通穴を形成したこ
とを特徴とするものである。
【0010】請求項7に係るエンジンの冷却装置は、多
気筒エンジンの冷却装置において、ラジエータからシリ
ンダヘッド内ウォータジャケットへ冷却水を導く第1冷
却水通路であってポンプが介設された第1冷却水通路
と、シリンダヘッド内ウォータジャケットからシリンダ
ブロック内ウォータジャケットへ冷却水を導く第2冷却
水通路と、シリンダブロック内ウォータジャケットから
ラジエータへ冷却水を導く第3冷却水通路と、サーモス
タットバルブを介して低温時に第3冷却水通路の冷却水
を第1冷却水通路へバイパスさせるバイパス通路とを設
けたことを特徴とするものである。
【0011】
【作用】請求項1に係るエンジンの冷却装置において
は、多気筒エンジンのシリンダヘッド内のウォータジャ
ケットを気筒配列方向に平行に2分割して吸気ポート側
ウォータジャケットと排気ポート側ウォータジャケット
とに分割し、シリンダブロックに、その内部のウォータ
ジャケットのうちの気筒間部分から吸気ポート側ウォー
タジャケットに連通する連通孔を形成したので、シリン
ダブロック内ウォータジャケットの気筒間部分から連通
孔を通って冷却水が吸気ポート側ウォータジャケットに
流入することになる。その結果、シリンダヘッド内ウォ
ータジャケットの吸気ポート側ウォータジャケットの流
量が増えてシリンダヘッドの吸気ポート側を冷却する冷
却性能が向上するうえ、シリンダブロック内ウォータジ
ャケットの気筒間部分の冷却水の淀みが解消して気筒間
部分の冷却性能も向上する。
【0012】請求項2に係るエンジンの冷却装置におい
ては、基本的に請求項1と同様の作用が得られる。前記
シリンダブロックの隣接するシリンダライナを一体形成
してあるため、気筒間部分に冷却水の淀みが発生しやす
くなるが、吸気ポート側ウォータジャケットと排気ポー
ト側ウォータジャケットとに分割する隔壁には連通孔を
吸気ポート側ウォータジャケットに連通させる為に排気
ポート側ウォータジャケット側へ膨出した湾曲部を形成
したので、湾曲部と連通孔を介して気筒間部分から吸気
ポート側ウォータジャケットへ冷却水が流れるため、気
筒間部分の冷却性能を十分に高めることが出来る。
【0013】請求項3に係るエンジンの冷却装置におい
ては、基本的に請求項1と同様の作用が得られる。更
に、シリンダヘッド内のウォータジャケットは隔壁によ
り、吸気ポート側ウォータジャケットと排気ポート側ウ
ォータジャケットとに分割され、シリンダヘッド内の排
気ポート側ウォータジャケットの冷却水は第1通路から
ラジエータへ導入され、ラジエータで冷却された冷却水
は第2通路を通ってシリンダヘッド内の吸気ポート側ウ
ォータジャケットへ導入され、吸気ポート側ウォータジ
ャケットから出た冷却水はポンプで加圧してシリンダブ
ロック内のウォータジャケットへ導入される。このよう
に、ラジエータで冷却された冷却水が直接吸気ポート側
ウォータジャケットへ導入されるため、シリンダヘッド
の吸気ポート側の冷却性能が著しく向上し、これにより
吸気の充填効率が向上する。
【0014】請求項4に係るエンジンの冷却装置におい
ては、基本的に請求項3と同様の作用が得られる。更
に、多気筒エンジンがV型エンジンであり、前記隔壁の
下流側端部には吸気ポート側へ折曲した折曲部を形成し
て、排気ポート側ウォータジャケットの下流端部をシリ
ンダヘッド内側部まで延ばし、排気ポート側ウォータジ
ャケットの下流端の冷却水出口をシリンダヘッド内側部
に形成したので、排気ポート側ウォータジャケット内に
空気が溜るのを防ぐことが出来、且つV型エンジンのバ
ンク間スペース又はその付近のスペースを活用して第1
通路の一部を配設できる。
【0015】請求項5に係るエンジンの冷却装置におい
ては、基本的に請求項4と同様の作用が得られる。更
に、前記吸気ポート側ウォータジャケットの下流端の冷
却水出口をシリンダヘッド内側部に形成したので、V型
エンジンのバンク間スペースを活用してポンプとこのポ
ンプが介設される冷却水通路の一部を配設できる。
【0016】請求項6に係るエンジンの冷却装置におい
ては、基本的に請求項5と同様の作用が得られる。更
に、前記隔壁の折曲部の頂部に、吸気ポンプ側ウォータ
ジャケットと排気ポンプ側ウォータジャケットとを連通
する連通穴を形成したので、この連通穴から空気が流れ
るため最も高く位置する吸気ポート側ウォータジャケッ
トに空気が溜まることがない。
【0017】請求項7に係るエンジンの冷却装置におい
ては、多気筒エンジンの冷却装置において、ラジエータ
で冷却された冷却水はポンプが介設された第1冷却水通
路を通ってシリンダヘッド内ウォータジャケットへ導入
され、シリンダヘッドを冷却した冷却水はシリンダヘッ
ド内ウォータジャケットから第2冷却水通路を通ってシ
リンダブロック内ウォータジャケットへ導入され、シリ
ンダブロックを冷却した冷却水はシリンダブロック内ウ
ォータジャケットから第3冷却水通路を通ってラジエー
タへ導入される。尚、低温時にはバイパス通路によりサ
ーモスタットバルブを介して第3冷却水通路の冷却水が
第1冷却水通路へバイパスされる。このように、ラジエ
ータで冷却された冷却水が直接シリンダヘッド内ウォー
タジャケットへ導入されるため、低温の冷却水でシリン
ダヘッドを冷却できるから、シリンダヘッドを冷却する
冷却性能が著しく向上し、これにより吸気ポートの付近
の温度を下げて吸気充填効率が向上する。同時に、シリ
ンダヘッドの吸排気弁の周辺部の熱負荷を大幅に緩和で
きる。
【0018】
【発明の効果】前記作用の項で説明したように、次のよ
うな効果が得られる。請求項1に係るエンジンの冷却装
置によれば、シリンダヘッド内ウォータジャケットを吸
気ポート側ウォータジャケットと排気ポート側ウォータ
ジャケットとに分割し且つ前記連通孔を設けたことによ
り、シリンダブロック内ウォータジャケットの気筒間部
分から連通孔を通って冷却水が吸気ポート側ウォータジ
ャケットに流入することになるから、シリンダヘッド内
ウォータジャケットの吸気ポート側ウォータジャケット
の流量が増えてシリンダヘッドの吸気ポート側を冷却す
る冷却性能が向上するうえ、シリンダブロック内ウォー
タジャケットの気筒間部分における冷却水の淀みが解消
して気筒間部分の冷却性能も向上する。
【0019】請求項2に係るエンジンの冷却装置によれ
ば、基本的に請求項1と同様の効果が得られる。しか
も、前記シリンダブロックの隣接するシリンダライナが
一体形成された場合にも、隔壁と、湾曲部とを設けたこ
とにより、湾曲部と連通孔を介して気筒間部分から吸気
ポート側ウォータジャケットへ冷却水を導入して、気筒
間部分の冷却性能を十分に高めることが出来る。
【0020】請求項3に係るエンジンの冷却装置によれ
ば、基本的に請求項1と同様の効果が得られる。更に、
前記吸気ポート側ウォータジャケットと排気ポート側ウ
ォータジャケットとに分割する隔壁と、第1通路と、第
2通路とを設け、吸気ポート側ウォータジャケットから
出た冷却水はポンプで加圧してシリンダブロック内のウ
ォータジャケットへ導入するように構成したことによ
り、ラジエータで冷却された冷却水が直接吸気ポート側
ウォータジャケットへ導入されるため、シリンダヘッド
の吸気ポート側の冷却性能が著しく向上し、これにより
吸気の充填効率が向上する。
【0021】請求項4に係るエンジンの冷却装置によれ
ば、基本的に請求項3と同様の効果が得られる。更に、
多気筒V型エンジンにおいて隔壁の下流側端部に折曲部
を形成し、排気ポート側ウォータジャケットの下流端の
冷却水出口をシリンダヘッド内側部に形成することで、
排気ポート側ウォータジャケット内に空気が溜るのを防
ぐことが出来、且つV型エンジンのバンク間スペース又
はその付近のスペースを活用して第1通路の一部を配設
できる。
【0022】請求項5に係るエンジンの冷却装置によれ
ば、基本的に請求項4と同様の効果が得られる。更に、
吸気ポンプ側ウォータジャケットの下流端の冷却水出口
をシリンダヘッド内側部に形成したので、V型エンジン
のバンク間スペースを活用してポンプとこのポンプが介
設される冷却水通路の一部を配設できる。
【0023】請求項6に係るエンジンの冷却装置によれ
ば、基本的に請求項5と同様の効果が得られる。更に、
前記隔壁の折曲部の頂部に連通穴を形成することで、こ
の連通穴から空気が流れるため、最も高く位置する吸気
ポート側ウォータジャケットに空気が溜まることがな
い。
【0024】請求項7に係るエンジンの冷却装置によれ
ば、多気筒エンジンの冷却装置において、ポンプが介設
された第1冷却水通路と、第2冷却水通路と、第3冷却
水通路などを設けたことにより、ラジエータで冷却され
た冷却水が直接シリンダヘッド内ウォータジャケットへ
導入されるため、低温の冷却水でシリンダヘッドを冷却
できるから、シリンダヘッドを冷却する冷却性能が著し
く向上し、これにより吸気ポートの付近の温度を下げて
吸気充填効率を向上できる。同時に、シリンダヘッドの
吸排気弁の周辺部の熱負荷を大幅に緩和できる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基いて
説明する。本実施例は、V型6気筒エンジンの冷却装置
に本発明を適用した場合の実施例であり、図1〜図3に
示すように、このエンジン1の左右の各バンク2の各々
には、3つの気筒3が直列状に配設され、このエンジン
1のシリンダブロック4と左右のバンク2のシリンダヘ
ッド5は、夫々アルミ合金製のもので、各バンク2のシ
リンダライナ6は、サイアミーズ型のものであって鋳鉄
にて一体形成されて気筒間部分には隙間が設けられてい
ない。但し、サイアミーズ型のものにせずに各気筒3の
シリンダライナを独立のものに構成してもよい。前記各
バンク2においてシリンダブロック4内には、気筒3の
外周側を包囲するウォータジャケット7が形成され、前
記シリンダヘッド7には、各気筒3に通ずる吸気ポート
や排気ポートが形成されているが、これらについては通
常のシリンダヘッドと同様であり、前記吸気ポートは、
各バンク2の内側部(バンク間空間8側の部分)に形成
され、各バンク2において3本の吸気分岐管9はバンク
間空間8に延びてシリンダヘッド5の内側面に接続さ
れ、また各バンク2においてシリンダヘッド5の外側面
には3本の排気分岐管10が接続されている。
【0026】前記シリンダヘッド5内には通常のエンジ
ンのシリンダベットと同様の複雑な形状のウォータジャ
ケット11が形成されているが、以下に説明する隔壁1
4を設けた点と冷却水の循環方式において通常のシリン
ダヘッドのウォータジャケットと異なっている。前記シ
リンダヘッド5内のウォータジャケット11は、模式的
に図示すると図1に示すように構成され、前記各シリン
ダヘッド5にはその内部のウォータジャケット11を吸
気ポート側ウォータジャケット12と排気ポート側ウォ
ータジャケット13とに分割するシリンダ配列方向に延
びる隔壁14が設けられ、その隔壁14のうち気筒間部
に対応するする部分には排気ポート側ウォータジャケッ
ト13側へU字状に膨出した湾曲部15が設けられ、ま
た隔壁14のうちの後端部には排気ポート側ウォータジ
ャケット13をシリンダヘッド5の内側部まで延ばす為
にバンク間空間8の方向へ直角に折曲された折曲隔壁部
16が設けられ、排気ポート側ウォータジャケット13
の後端(下流端)はシリンダヘッド5の内側部に達して
いる。
【0027】更に、各バンク2においてシリンダブロッ
ク4内ウォータジャケット7から排気ポート側ウォータ
ジャケット13へ冷却水を導入するための複数の連通孔
17がシリンダブロック4とシリンダヘッド5とに形成
され、またシリンダブロック4のウォータジャケット7
のうちの各気筒間部から吸気ポート側ウォータジャケッ
ト12へ冷却水を導入する為の連通孔18が形成されて
いる。更に、各シリンダヘッド5の前端部には吸気ポー
ト側ウォータジャケット12へ冷却水を導入する為の冷
却水入口19が形成され、また前記各折曲隔壁部16の
前側近くにおいて各シリンダヘッド5の内側部には吸気
ポート側ウォータジャケット12内の冷却水をポンプ2
1へ取り出す為の冷却水出口20が形成され、各折曲隔
壁部16の頂部(最内側部分の最も高い部位)には空気
を排出する為の連通穴22が形成されている。そして、
各シリンダヘッド5の内側部後端には、排気ポンプ側ウ
ォータジャケット13から冷却水を導出する為の冷却水
出口23が形成されている。また、各バンク2において
シリンダブロックにはウォータジャケット7内へ冷却水
を導入する冷却水入口24が設けられている。
【0028】前記エンジン1の前側には、ラジエータ2
5が配設され、前記左右バンク2の排気ポート側ウォー
タジャケット13の冷却水出口23からラジエータ25
のアッパタンクへ冷却水を導く第1通路26と、ラジエ
ータ25のロアタンクから左右バンク2の吸気ポート側
ウォータジャケット12の冷却水入口19へ冷却水を導
く第2通路27と、左右バンク2の吸気ポート側ウォー
タジャケット13の冷却水出口20から左右バンク2の
シリンダブロック内ウォータジャケット7へ冷却水を導
く第3通路28と、第1通路26から分岐して第2通路
27に介設されたサーモスタットバルブ29に連通し、
低温時に第1通路26の冷却水をラジエータ25をバイ
パスして第2通路27へ導くバイパス通路30とが設け
られ、第3通路28の合流部にはポンプ21が介設され
ている。
【0029】次に、以上説明したエンジンの冷却装置の
作用について説明する。先ず、冷却水の循環について説
明すると、ラジエータ25で冷却された冷却水は、その
ロアタンクから第2通路27により両バンク2の吸気ポ
ンプ側ウォータジャケット12へ導入され、シリンダヘ
ッド5の吸気ポート側部分を冷却した後冷却水は第3通
路28のポンプ21で加圧され第3通路28によりシリ
ンダブロック4内の両ウォータジャケット7内へ導入さ
れ、シリンダブロック4を冷却した後大部分の冷却水は
複数の連通孔17から両排気ポンプ側ウォータジャケッ
ト13内へ導入されてシリンダヘッド5の排気ポート側
部分を冷却した後第1通路26によりラジエータ25へ
送られることになる。そして、シリンダブロック4内ウ
ォータジャケット7の冷却水の一部は、気筒間部の連通
孔18から吸気ポート側ウォータジャケット12内へ導
入されることになる。
【0030】ここで、シリンダブロック4内のウォータ
ジャケット7のうちの気筒間部の冷却水が連通孔18か
ら吸気ポート側ウォータジャケット12内へ流れるた
め、ウォータジャケット7の気筒間部に冷却水が淀むこ
となく流れるので、気筒間部の冷却性能が向上し、しか
も、連通孔18から吸気ポート側ウォータジャケット1
2内へ導入される冷却水によりその冷却水の流量が増し
て流速が大きくなるからシリンダヘッド5の吸気ポート
側部分を冷却する冷却性能が高くなる。ラジエータ25
で冷却された冷却水は直接両バンク2の吸気ポート側ウ
ォータジャケット12へ導入されるため、温度の低い冷
却水でもってシリンダヘッド5の吸気ポート側部分を強
力に冷却することが出来るから吸気ポート側部分を冷却
する冷却性能が飛躍的に向上し、循環する冷却水の全量
が両吸気ポート側ウォータジャケット12内を流れるた
め流速が高くなる分冷却性能が向上する。従って、吸気
の充填効率を高めることが出来る。
【0031】排気ポート側ウォータジャケット13にお
いても、循環する冷却水の全量が両排気ポート側ウォー
タジャケット13内を流れるため流速が高くなる分冷却
性能が向上する。但し、シリンダヘッド5の排気ポート
側部分を冷却する冷却性能を一層高めることが必要であ
る場合には、第2通路27の冷却水の一部をウォータジ
ャケット13へ導入させる通路を設けることも考えられ
る。前記折曲隔壁部16の頂部に連通穴22を形成した
ため、エンジン1において最も高い部位である吸気ポー
ト側ウォータジャケット12内の空気が吸気ポート側ウ
ォータジャケット12の頂部に溜まることなく排気ポー
ト側ウォータジャケット13の下流端部の冷却水流にの
って確実に排出される。
【0032】吸気ポート側ウォータジャケット12の冷
却水出口20をシリンダヘッド5の内側部に設けるた
め、ポンプ21や第3通路28の接続フランジ部などを
バンク間空間8を有効活用して配設でき、また排気ポー
ト側ウォータジャケット13の冷却水出口23をシリン
ダヘッド5の内側部後端部に設けるため、第1通路26
の一部やその接続フランジ部などをバンク間空間8又は
その付近の空間を活用して配設できる。但し、排気ポー
ト側ウォータジャケット13の冷却水出口23をシリン
ダヘッド5の内側部内面側に形成することも有り得る。
【0033】次に、エンジンの冷却装置の別実施例につ
いて説明する。但し、前記実施例と同様の構成要素には
同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について
のみ説明する。図5に図示のように、シリンダブロック
4内にはウォータジャケット7が設けられ、シリンダヘ
ッド5内のウォータジャケット11は、前記と略同様の
隔壁14Aにより吸気ポート側ウォータジャケット12
Aと排気ポート側ウォータジャケット13Aとに分割さ
れ、隔壁14Aの前記折曲隔壁部16は設けられておら
ず、吸気ポート側ウォータジャケット12Aの下流端に
排気ポート側ウォータジャケット13Aの上流端が接続
され、前記連通孔17は設けられておらず、吸気ポート
側ウォータジャケット12Aからウォータジャケット7
の気筒間部に冷却水を供給する連通孔18A(これら
は、前記連通孔18と同様のものであるが、冷却水の流
れの方向が逆になっている)が設けられている。
【0034】更に、各バンク2において、吸気ポート側
ウォータジャケット12Aへ冷却水を導入する為の冷却
水入口19Aががシリンダヘッド5の内側部前端に設け
られ、また排気ポート側ウォータジャケット13Aから
冷却水を取り出す冷却水出口23Aがシリンダヘッド5
の前端部に設けられ、各バンク2において、シリンダブ
ロック4のウォータジャケット7から冷却水を取り出す
冷却水出口43がシリンダブロック4の後端部に設けら
れ、ラジエータ25のロアタンクから両バンク2の吸気
ポート側ウォータジャケット12Aへ冷却水を導入する
第1冷却水通路40が設けられ、この第1冷却水通路4
0にはポンプ21Aが介設されている。更に、各バンク
2において、排気ポート側ウォータジャケット13Aか
らシリンダブロック4内のウォータジャケット7へ冷却
水を導入する第2冷却水通路41が設けられ、両バンク
2のウォータジャケット7からラジエータ25へ冷却水
を導く第3冷却水通路42が設けられている。
【0035】以上説明したエンジンの冷却装置の作用に
ついて説明する。ラジエータ25で冷却された冷却水
は、第1冷却水通路40のポンプ21Aで加圧され第1
冷却水通路40により両バンク2の吸気ポート側ウォー
タジャケット12Aへ圧送され、最初にシリンダヘッド
5の吸気ポート側部分を冷却してから排気ポート側ウォ
ータジャケット13Aへ圧送され、シリンダヘッド5の
排気ポート側部分を冷却してから第2冷却水通路41に
よりウォータジャケット7内へ圧送され、シリンダブロ
ック4を冷却してから、第3冷却水通路42によりラジ
エータ25のアッパタンクへ圧送され、ラジエータ25
で冷却されてから、再びポンプ21Aにより加圧圧送さ
れる。この実施例の冷却装置では、ラジエータ25で冷
却した冷却水を最初に吸気ポート側ウォータジャケット
12Aへ圧送してシリンダヘッド5の吸気ポート側部分
を冷却するため、この吸気ポート側部分を十分に冷却し
て吸気充填効率を向上させることが出来る。次に、その
冷却水を排気ポート側ウォータジャケット13Aへ圧送
するため、比較的低温の冷却水でシリンダヘッド5の排
気ポート側部分を十分に冷却することが出来る。
【0036】シリンダブロック4については、冷却水入
口24から流入した冷却水がウォータジャケット7の両
側を略均等に流れて冷却水出口43から取り出されるた
め、シリンダブロック4が全体に亙って一様に冷却され
る。しかも、吸気ポート側ウォータジャケット12A内
の低温の冷却水の一部は、連通孔18Aからウォータジ
ャケット7の気筒間部に流れるためウォータジャケット
7のうちの気筒間部に低温の冷却水が供給されて冷却水
の流れが確保されるため、気筒間部の冷却が十分に促進
されることになる。尚、本実施例においても、シリンダ
ライナ6がサイアミーズ型のものであるが、これに限ら
ず気筒毎に独立型のものでもよい。尚、前記実施例は、
V型多気筒エンジンの冷却装置に本発明を適用した場合
の例であるが、これに限らず直列多気筒エンジンにも本
発明を適用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るエンジンの冷却装置の構成図であ
る。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】図1の3−3線断面図である。
【図4】図1の4−4線断面図である。
【図5】別実施例に係るエンジンの冷却装置の構成図で
ある。
【符号の説明】
1 V型エンジン 4 シリンダブロック 5 シリンダヘッド 7 シリンダブロック内のウォータジャケット 11 シリンダヘッド内のウォータジャケット 12 吸気ポート側ウォータジャケット 13 排気ポート側ウォータジャケット 14 隔壁 16 折曲隔壁部 18 連通孔 20 冷却水出口 21 ポンプ 21A ポンプ 22 連通穴 23 冷却水出口 25 ラジエータ 26 第1通路 27 第2通路 28 第3通路 29 サーモスタットバルブ 30 バイパス通路 40 第1冷却水通路 41 第2冷却水通路 42 第3冷却水通路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多気筒エンジンのシリンダヘッド内のウ
    ォータジャケットを気筒配列方向に平行に2分割して吸
    気ポート側ウォータジャケットと排気ポート側ウォータ
    ジャケットとに分割し、シリンダブロックに、その内部
    のウォータジャケットのうちの気筒間部分から吸気ポー
    ト側ウォータジャケットに連通する連通孔を形成したこ
    とを特徴とするエンジンの冷却装置。
  2. 【請求項2】 前記シリンダブロックの隣接するシリン
    ダライナを一体形成し、前記シリンダヘッド内のウォー
    タジャケットを吸気ポート側ウォータジャケットと排気
    ポート側ウォータジャケットとに分割する隔壁を設け、
    その隔壁には連通孔を吸気ポート側ウォータジャケット
    に連通させる為に排気ポート側ウォータジャケット側へ
    膨出した湾曲部を形成したことを特徴とする請求項1に
    記載のエンジンの冷却装置。
  3. 【請求項3】 前記シリンダヘッド内のウォータジャケ
    ットを吸気ポート側ウォータジャケットと排気ポート側
    ウォータジャケットとに分割する隔壁をシリンダヘッド
    に設け、前記排気ポート側ウォータジャケットをラジエ
    ータに接続する第1通路と、前記ラジエータを吸気ポー
    ト側ウォータジャケットに接続する第2通路と、サーモ
    スタットバルブを介して低温時に第1通路の冷却水を第
    2通路へバイパスさせるバイパス通路とを設け、吸気ポ
    ート側ウォータジャケットから出た冷却水をポンプで加
    圧してシリンダブロック内のウォータジャケットへ供給
    するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の
    エンジンの冷却装置。
  4. 【請求項4】 前記多気筒エンジンがV型エンジンであ
    り、前記隔壁の下流側端部には吸気ポート側へ折曲した
    折曲部を形成して、排気ポート側ウォータジャケットの
    下流端部をシリンダヘッド内側部まで延ばし、排気ポー
    ト側ウォータジャケットの下流端の冷却水出口をシリン
    ダヘッド内側部に形成したことを特徴とする請求項3に
    記載のエンジンの冷却装置。
  5. 【請求項5】 前記吸気ポンプ側ウォータジャケットの
    下流端の冷却水出口をシリンダヘッド内側部に形成した
    ことを特徴とする請求項4に記載のエンジンの冷却装
    置。
  6. 【請求項6】 前記隔壁の折曲部の頂部に、吸気ポンプ
    側ウォータジャケットと排気ポンプ側ウォータジャケッ
    トとを連通する連通穴を形成したことを特徴とする請求
    項5に記載のエンジンの冷却装置。
  7. 【請求項7】 多気筒エンジンの冷却装置において、 ラジエータからシリンダヘッド内ウォータジャケットへ
    冷却水を導く第1冷却水通路であってポンプが介設され
    た第1冷却水通路と、シリンダヘッド内ウォータジャケ
    ットからシリンダブロック内ウォータジャケットへ冷却
    水を導く第2冷却水通路と、シリンダブロック内ウォー
    タジャケットからラジエータへ冷却水を導く第3冷却水
    通路と、サーモスタットバルブを介して低温時に第3冷
    却水通路の冷却水を第1冷却水通路へバイパスさせるバ
    イパス通路とを設けたことを特徴とするエンジンの冷却
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005036668A (ja) * 2003-07-16 2005-02-10 Mitsubishi Motors Corp シリンダヘッド先行冷却式のエンジン

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