JPH058691A - 自動車の視界調整装置 - Google Patents
自動車の視界調整装置Info
- Publication number
- JPH058691A JPH058691A JP1128091A JP1128091A JPH058691A JP H058691 A JPH058691 A JP H058691A JP 1128091 A JP1128091 A JP 1128091A JP 1128091 A JP1128091 A JP 1128091A JP H058691 A JPH058691 A JP H058691A
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- Japan
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- vehicle
- driver
- vehicle height
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- Rear-View Mirror Devices That Are Mounted On The Exterior Of The Vehicle (AREA)
- Vehicle Body Suspensions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】悪路走行時に自動車近傍の地面状態を的確に把
握して運転できるようにする。 【構成】運転状態検出手段28により自動車の悪路運転
が検出されたときに、運転者の視界を支配する要素(例
えばフロントノーズ7)と運転者との相対的な位置若し
くは向きを、自動車の近傍を視るに適した状態になるよ
うに変更する。例えば運転席のシートクッションを高位
置にする。
握して運転できるようにする。 【構成】運転状態検出手段28により自動車の悪路運転
が検出されたときに、運転者の視界を支配する要素(例
えばフロントノーズ7)と運転者との相対的な位置若し
くは向きを、自動車の近傍を視るに適した状態になるよ
うに変更する。例えば運転席のシートクッションを高位
置にする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車の視界調整装置に
関する。
関する。
【0002】
【従来の技術】車高を荷重、路面状態等に応じて自動的
に調整する車高調整装置を備えた自動車において、ヘッ
ドライトの照射位置を適性なものにできるように車高を
調整するという提案はある(実開昭61−122907
号公報参照)。すなわち、車高が高くなると、それに伴
ってヘッドライトの光軸も高くなり、適正位置を照射で
きなくなる。そこで、上記提案は、ヘッドライト点灯時
には自動車の前部の車高を後部の車高よりも低くするこ
とにより、上記光軸を前下りにしてヘッドライトで適正
位置を照射できるようにするものである。
に調整する車高調整装置を備えた自動車において、ヘッ
ドライトの照射位置を適性なものにできるように車高を
調整するという提案はある(実開昭61−122907
号公報参照)。すなわち、車高が高くなると、それに伴
ってヘッドライトの光軸も高くなり、適正位置を照射で
きなくなる。そこで、上記提案は、ヘッドライト点灯時
には自動車の前部の車高を後部の車高よりも低くするこ
とにより、上記光軸を前下りにしてヘッドライトで適正
位置を照射できるようにするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自動車で悪
路、例えば凹凸の多い非舗装路を走行する場合、運転者
は、タイヤが地面上の突起に乗り上げたり、凹所に落ち
込むということがないように、あるいは地面の凹凸によ
って運転者が不意に衝撃を受けることがないように、地
面の状態を的確に把握することが要求される。
路、例えば凹凸の多い非舗装路を走行する場合、運転者
は、タイヤが地面上の突起に乗り上げたり、凹所に落ち
込むということがないように、あるいは地面の凹凸によ
って運転者が不意に衝撃を受けることがないように、地
面の状態を的確に把握することが要求される。
【0004】これに対して、上述のヘッドライトの光軸
を前下がりにするという提案は、夜間に地面の自動車に
比較的近い部分を照らすことができるため、上記悪路を
走行する上で有利になる。しかし、自動車の運転席から
視界は例えば自動車のフロントノーズやフロントウイン
ドサッシュによって決まり限られたものであるから、単
に上記光軸を前下がりにするだけでは、地面の状態を適
格に把握することは難しく、また、悪路走行の場合、昼
夜を問わず自動車近傍の地面状態を適格に把握できるよ
うにする必要がある。さらに、車高調整装置を備えた自
動車の場合、悪路では車高を高くするのが通常であるか
ら、それだけ自動車近傍を視ることが難しくなる。
を前下がりにするという提案は、夜間に地面の自動車に
比較的近い部分を照らすことができるため、上記悪路を
走行する上で有利になる。しかし、自動車の運転席から
視界は例えば自動車のフロントノーズやフロントウイン
ドサッシュによって決まり限られたものであるから、単
に上記光軸を前下がりにするだけでは、地面の状態を適
格に把握することは難しく、また、悪路走行の場合、昼
夜を問わず自動車近傍の地面状態を適格に把握できるよ
うにする必要がある。さらに、車高調整装置を備えた自
動車の場合、悪路では車高を高くするのが通常であるか
ら、それだけ自動車近傍を視ることが難しくなる。
【0005】すなわち、本発明の課題は、悪路走行時に
自動車近傍の地面状態を的確に把握して運転できるよう
にすることにあり、さらに、自動車の周辺に障害物があ
る場合でも、これを見ながら運転できるようにすること
にある。
自動車近傍の地面状態を的確に把握して運転できるよう
にすることにあり、さらに、自動車の周辺に障害物があ
る場合でも、これを見ながら運転できるようにすること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題に対して、悪路走行時には自動車近傍の路面状態や障
害物の視認が容易なように運転席からの視界を変更でき
るようにするものである。
題に対して、悪路走行時には自動車近傍の路面状態や障
害物の視認が容易なように運転席からの視界を変更でき
るようにするものである。
【0007】すなわち、そのための具体的な手段は、自
動車が悪路で運転されている状態にあるか否かを検出す
る運転状態検出手段と、自動車の運転者の視界を支配す
る要素と運転者との相対的な位置若しくは向きを、運転
者が自動車の近傍を視るに適するように変更可能な視界
調節手段と、上記運転状態検出手段により悪路運転が検
出されたときに、自動車の運転者の視界を支配する要素
と運転者との相対的な位置若しくは向きが自動車の近傍
を視るに適した状態になるように上記視界調節手段を作
動せしめる視界制御手段とを備えていることを特徴とす
る自動車の視界調整装置である(以下、これを第1の手
段という)。
動車が悪路で運転されている状態にあるか否かを検出す
る運転状態検出手段と、自動車の運転者の視界を支配す
る要素と運転者との相対的な位置若しくは向きを、運転
者が自動車の近傍を視るに適するように変更可能な視界
調節手段と、上記運転状態検出手段により悪路運転が検
出されたときに、自動車の運転者の視界を支配する要素
と運転者との相対的な位置若しくは向きが自動車の近傍
を視るに適した状態になるように上記視界調節手段を作
動せしめる視界制御手段とを備えていることを特徴とす
る自動車の視界調整装置である(以下、これを第1の手
段という)。
【0008】また、上記第1の手段において、さらに自
動車の周辺の障害物の有無を検出する障害物センサを備
え、視界制御手段の構成を、運転状態検出手段により悪
路運転が検出され且つ上記障害物センサにより障害物が
検出されたときに、自動車の運転者の視界を支配する要
素と運転者との相対的な位置若しくは向きが自動車の近
傍を視るに適した状態になるように上記視界調節手段を
作動せしめるものとすることは、非舗装路において、自
動車近傍に障害物がある場合の自動車の運転性を向上せ
しめる手段である(以下、これを第2の手段という)。
動車の周辺の障害物の有無を検出する障害物センサを備
え、視界制御手段の構成を、運転状態検出手段により悪
路運転が検出され且つ上記障害物センサにより障害物が
検出されたときに、自動車の運転者の視界を支配する要
素と運転者との相対的な位置若しくは向きが自動車の近
傍を視るに適した状態になるように上記視界調節手段を
作動せしめるものとすることは、非舗装路において、自
動車近傍に障害物がある場合の自動車の運転性を向上せ
しめる手段である(以下、これを第2の手段という)。
【0009】また、上記第1の手段あるいは第2の手段
を、自動車の車高を調節する車高調節手段と、運転状態
検出手段により悪路運転が検出されたときに、上記車高
調節手段を車高が高くなるように作動せしめる車高制御
手段とを備えた自動車に設けることは、車高が高くなっ
た際の自動車近傍の視界を確保する手段となる(以下、
これを第3の手段という)。
を、自動車の車高を調節する車高調節手段と、運転状態
検出手段により悪路運転が検出されたときに、上記車高
調節手段を車高が高くなるように作動せしめる車高制御
手段とを備えた自動車に設けることは、車高が高くなっ
た際の自動車近傍の視界を確保する手段となる(以下、
これを第3の手段という)。
【0010】自動車の運転者の視界を支配する要素を自
動車のフロントノーズとする場合、視界調節手段は運転
席のシートクッション位置を高くすることにより上記フ
ロントノーズと運転者との相対的な高さを運転者が自動
車の近傍を視るに適するように変更するものとすること
ができる(以下、これを第4の手段という)。
動車のフロントノーズとする場合、視界調節手段は運転
席のシートクッション位置を高くすることにより上記フ
ロントノーズと運転者との相対的な高さを運転者が自動
車の近傍を視るに適するように変更するものとすること
ができる(以下、これを第4の手段という)。
【0011】また、自動車の運転者の視界を支配する要
素を自動車のフロントノーズとする場合、視界調節手段
は運転席のシートクッションに対するシートバック上部
の位置を車体前方に移動させることにより上記フロント
ノーズと運転者との相対的な前後方向の位置関係を運転
者が自動車の近傍を視るに適するように変更するものと
することができる(以下、これを第5の手段という)。
素を自動車のフロントノーズとする場合、視界調節手段
は運転席のシートクッションに対するシートバック上部
の位置を車体前方に移動させることにより上記フロント
ノーズと運転者との相対的な前後方向の位置関係を運転
者が自動車の近傍を視るに適するように変更するものと
することができる(以下、これを第5の手段という)。
【0012】また、自動車の運転者の視界を支配する要
素を、自動車の後方を視るためのリヤビューミラーとす
る場合、視界調節手段は前記リヤビューミラーを下方に
回動させることによりこのリヤビューミラーの鏡面に対
する運転者の視線の入射角を運転者が自動車の近傍を視
るに適するよ変更するものとすることができる(以下、
これを第6の手段という)。
素を、自動車の後方を視るためのリヤビューミラーとす
る場合、視界調節手段は前記リヤビューミラーを下方に
回動させることによりこのリヤビューミラーの鏡面に対
する運転者の視線の入射角を運転者が自動車の近傍を視
るに適するよ変更するものとすることができる(以下、
これを第6の手段という)。
【0013】また、上記課題を解決する他の手段は、自
動車が悪路で運転されている状態にあるか否かを検出す
る運転状態検出手段と、自動車の周辺の障害物の有無を
検出する障害物センサと、自動車の車高を調節する車高
調節手段と、上記運転状態検出手段により悪路運転が検
出されたときに上記車高調節手段を自動車の車高が高く
なるように駆動制御する車高制御手段と、上記障害物セ
ンサにより障害物が検出されたときに、自動車の車高が
運転者による自動車の近傍の視認に適する低車高になる
よう上記車高調節手段を上記車高制御手段による車高制
御に優先して駆動制御する視界制御手段とを備えている
自動車の視界調整装置である(以下、これを第7の手段
という)。
動車が悪路で運転されている状態にあるか否かを検出す
る運転状態検出手段と、自動車の周辺の障害物の有無を
検出する障害物センサと、自動車の車高を調節する車高
調節手段と、上記運転状態検出手段により悪路運転が検
出されたときに上記車高調節手段を自動車の車高が高く
なるように駆動制御する車高制御手段と、上記障害物セ
ンサにより障害物が検出されたときに、自動車の車高が
運転者による自動車の近傍の視認に適する低車高になる
よう上記車高調節手段を上記車高制御手段による車高制
御に優先して駆動制御する視界制御手段とを備えている
自動車の視界調整装置である(以下、これを第7の手段
という)。
【0014】
【作用】第の1手段においては、運転状態検出手段によ
り悪路運転が検出されたときに、視界制御手段により、
自動車の運転者の視界を支配する要素と運転者との相対
的な位置若しくは向きが自動車の近傍を視るに適した状
態になるように視界調節手段を作動せしめるから、悪路
において自動車近傍の地面状態を的確に把握しながら自
動車の運転を行なうことができるようになり、タイヤが
地面上の突起に乗り上げたり、凹所に落ち込むというこ
とを防止することができ、また、地面の凹凸によって運
転者が不意に衝撃を受けることを避けることができる。
り悪路運転が検出されたときに、視界制御手段により、
自動車の運転者の視界を支配する要素と運転者との相対
的な位置若しくは向きが自動車の近傍を視るに適した状
態になるように視界調節手段を作動せしめるから、悪路
において自動車近傍の地面状態を的確に把握しながら自
動車の運転を行なうことができるようになり、タイヤが
地面上の突起に乗り上げたり、凹所に落ち込むというこ
とを防止することができ、また、地面の凹凸によって運
転者が不意に衝撃を受けることを避けることができる。
【0015】第2の手段においては、運転状態検出手段
により悪路運転が検出され且つ障害物センサにより障害
物が検出されたときに、視界制御手段により、自動車の
運転者の視界を支配する要素と運転者との相対的な位置
若しくは向きが自動車の近傍を視るに適した状態になる
ように視界調節手段を作動せしめるから、悪路におい
て、自動車近傍に障害物がある場合でも、この障害物を
視認してこれに衝突しないように自動車を運転すること
が可能になる。
により悪路運転が検出され且つ障害物センサにより障害
物が検出されたときに、視界制御手段により、自動車の
運転者の視界を支配する要素と運転者との相対的な位置
若しくは向きが自動車の近傍を視るに適した状態になる
ように視界調節手段を作動せしめるから、悪路におい
て、自動車近傍に障害物がある場合でも、この障害物を
視認してこれに衝突しないように自動車を運転すること
が可能になる。
【0016】また、運転状態検出手段により悪路運転が
検出されたときに、車高制御手段により車高調節手段を
車高が高くなるように作動せしめるようにした自動車で
は、悪路において車高が高くなる分、自動車近傍の視界
が悪くなるが、第3の手段においては、自動車の車高が
高くなるときに、自動車の運転者の視界を支配する要素
と運転者との相対的な位置若しくは向きが自動車の近傍
を視るに適した状態になるように視界調節手段を作動せ
しめるから、自動車近傍の視界を確保することができ
る。
検出されたときに、車高制御手段により車高調節手段を
車高が高くなるように作動せしめるようにした自動車で
は、悪路において車高が高くなる分、自動車近傍の視界
が悪くなるが、第3の手段においては、自動車の車高が
高くなるときに、自動車の運転者の視界を支配する要素
と運転者との相対的な位置若しくは向きが自動車の近傍
を視るに適した状態になるように視界調節手段を作動せ
しめるから、自動車近傍の視界を確保することができ
る。
【0017】第4の手段においては、運転席のシートク
ッションの位置が高くなることにより運転者の位置が高
くなり、自動車のフロントノーズと運転者の目とを結ぶ
視線の前下り勾配が大きくなり、それだけ自動車前方の
自動車に近い部位の地面を視ることが容易になる。
ッションの位置が高くなることにより運転者の位置が高
くなり、自動車のフロントノーズと運転者の目とを結ぶ
視線の前下り勾配が大きくなり、それだけ自動車前方の
自動車に近い部位の地面を視ることが容易になる。
【0018】第5の手段においては、運転席のシートバ
ック上部の位置が車体前方に移動することにより、運転
者の目の位置が車体前方へ移動するため、自動車のフロ
ントノーズと運転者の目とを結ぶ視線の前下り勾配が大
きくなり、それだけ自動車前方の自動車に近い部位の地
面を視ることが容易になる。
ック上部の位置が車体前方に移動することにより、運転
者の目の位置が車体前方へ移動するため、自動車のフロ
ントノーズと運転者の目とを結ぶ視線の前下り勾配が大
きくなり、それだけ自動車前方の自動車に近い部位の地
面を視ることが容易になる。
【0019】第6の手段においては、リヤビューミラー
が下方に回動することにより、このリヤビューミラーの
鏡面に対する運転者の視線の反射方向がより下向きにな
り、自動車後方の自動車近傍の地面の視認が容易にな
る。
が下方に回動することにより、このリヤビューミラーの
鏡面に対する運転者の視線の反射方向がより下向きにな
り、自動車後方の自動車近傍の地面の視認が容易にな
る。
【0020】第7の手段においては、運転状態検出手段
により悪路運転が検出されたときに、車高制御手段によ
る車高調節手段の制御により車高が高くなるが、障害物
センサにより障害物が検出されたときには、視界制御手
段によって車高が低くなるように上記車高調節手段が駆
動制御されるから、悪路において障害物の視認が難しく
なることがない。
により悪路運転が検出されたときに、車高制御手段によ
る車高調節手段の制御により車高が高くなるが、障害物
センサにより障害物が検出されたときには、視界制御手
段によって車高が低くなるように上記車高調節手段が駆
動制御されるから、悪路において障害物の視認が難しく
なることがない。
【0021】
【発明の効果】従って、第1の手段によれば、運転状態
検出手段により悪路運転が検出されたときに、自動車の
運転者の視界を支配する要素と運転者との相対的な位置
若しくは向きが自動車の近傍を視るに適した状態になる
ように上記視界調節手段を作動せしめる視界制御手段を
設けたから、悪路において自動車近傍の地面状態を的確
に把握しながら自動車の運転を行なうことができるよう
になり、自動車の運転性の向上を図ることができる。
検出手段により悪路運転が検出されたときに、自動車の
運転者の視界を支配する要素と運転者との相対的な位置
若しくは向きが自動車の近傍を視るに適した状態になる
ように上記視界調節手段を作動せしめる視界制御手段を
設けたから、悪路において自動車近傍の地面状態を的確
に把握しながら自動車の運転を行なうことができるよう
になり、自動車の運転性の向上を図ることができる。
【0022】第2の手段によれば、自動車の周辺の障害
物の有無を検出する障害物センサを設け、視界制御手段
を、運転状態検出手段により悪路運転が検出され且つ上
記障害物センサにより障害物が検出されたときに、自動
車の運転者の視界を支配する要素と運転者との相対的な
位置若しくは向きが自動車の近傍を視るに適した状態に
なるように上記視界調節手段を作動せしめるものとした
から、悪路において、自動車近傍の障害物を視認してこ
れに衝突しないように自動車を運転することが容易にな
り自動車の運転性の向上を図ることができる。
物の有無を検出する障害物センサを設け、視界制御手段
を、運転状態検出手段により悪路運転が検出され且つ上
記障害物センサにより障害物が検出されたときに、自動
車の運転者の視界を支配する要素と運転者との相対的な
位置若しくは向きが自動車の近傍を視るに適した状態に
なるように上記視界調節手段を作動せしめるものとした
から、悪路において、自動車近傍の障害物を視認してこ
れに衝突しないように自動車を運転することが容易にな
り自動車の運転性の向上を図ることができる。
【0023】第3の手段によれば、自動車の車高を調節
する車高調節手段と、運転状態検出手段により悪路運転
が検出されたときに、上記車高調節手段を車高が高くな
るように作動せしめる車高制御手段とを備えた自動車に
おいて、車高が高くなるときに、視界制御手段によって
自動車の運転者の視界を支配する要素と運転者との相対
的な位置若しくは向きが自動車の近傍を視るに適した状
態になるように視界調節手段を作動せしめることができ
るから、車高が高くなるにも拘らず、自動車近傍の視界
を確保し、自動車の運転性の向上を図ることができる。
する車高調節手段と、運転状態検出手段により悪路運転
が検出されたときに、上記車高調節手段を車高が高くな
るように作動せしめる車高制御手段とを備えた自動車に
おいて、車高が高くなるときに、視界制御手段によって
自動車の運転者の視界を支配する要素と運転者との相対
的な位置若しくは向きが自動車の近傍を視るに適した状
態になるように視界調節手段を作動せしめることができ
るから、車高が高くなるにも拘らず、自動車近傍の視界
を確保し、自動車の運転性の向上を図ることができる。
【0024】第4の手段によれば、自動車の運転者の視
界を支配する要素を自動車のフロントノーズとする場
合、視界調節手段は運転席のシートクッション位置を高
くして上記フロントノーズと運転者との相対的な高さを
運転者が自動車の近傍を視るに適するように変更するも
のとしたから、悪路において、運転者の目の高さを高く
して、自動車前方の自動車に近い部位の地面を視ること
ができ、自動車の運転性の向上を図ることができる。
界を支配する要素を自動車のフロントノーズとする場
合、視界調節手段は運転席のシートクッション位置を高
くして上記フロントノーズと運転者との相対的な高さを
運転者が自動車の近傍を視るに適するように変更するも
のとしたから、悪路において、運転者の目の高さを高く
して、自動車前方の自動車に近い部位の地面を視ること
ができ、自動車の運転性の向上を図ることができる。
【0025】第5の手段によれば、自動車の運転者の視
界を支配する要素を自動車のフロントノーズとする場
合、視界調節手段は運転席のシートクッションに対する
シートバック上部の位置を車体前方に移動させて上記フ
ロントノーズと運転者との相対的な前後方向の位置関係
を運転者が自動車の近傍を視るに適するように変更する
ものとしたから、運転者の目の位置を車体前方へ移動さ
せて、自動車前方の自動車に近い部位の地面を視ること
ができ、自動車の運転性の向上を図ることができる。
界を支配する要素を自動車のフロントノーズとする場
合、視界調節手段は運転席のシートクッションに対する
シートバック上部の位置を車体前方に移動させて上記フ
ロントノーズと運転者との相対的な前後方向の位置関係
を運転者が自動車の近傍を視るに適するように変更する
ものとしたから、運転者の目の位置を車体前方へ移動さ
せて、自動車前方の自動車に近い部位の地面を視ること
ができ、自動車の運転性の向上を図ることができる。
【0026】第6の手段によれば、自動車の運転者の視
界を支配する要素を、自動車の後方を視るためのリヤビ
ューミラーとする場合、視界調節手段は前記リヤビュー
ミラーを下方に回動させてこのリヤビューミラーの鏡面
に対する運転者の視線の入射角を運転者が自動車の近傍
を視るに適するように変更するものとしたから、自動車
後方の自動車近傍の地面の視ることができるようにな
り、自動車を後退せしめる場合の運転が容易になる。
界を支配する要素を、自動車の後方を視るためのリヤビ
ューミラーとする場合、視界調節手段は前記リヤビュー
ミラーを下方に回動させてこのリヤビューミラーの鏡面
に対する運転者の視線の入射角を運転者が自動車の近傍
を視るに適するように変更するものとしたから、自動車
後方の自動車近傍の地面の視ることができるようにな
り、自動車を後退せしめる場合の運転が容易になる。
【0027】第7の手段によれば、運転状態検出手段に
より悪路運転が検出されたときに車高が高くなるように
車高調節手段を駆動制御する車高制御手段と、障害物セ
ンサにより障害物が検出されたときに車高が低くなるよ
うに上記車高調節手段を上記車高制御手段による制御に
優先して制御する視界制御手段とを設けたから、悪路に
おいて車高を高くしている場合においても、障害物があ
れば車高が低くなり、障害物を視認が容易になって自動
車の運転性が向上する。
より悪路運転が検出されたときに車高が高くなるように
車高調節手段を駆動制御する車高制御手段と、障害物セ
ンサにより障害物が検出されたときに車高が低くなるよ
うに上記車高調節手段を上記車高制御手段による制御に
優先して制御する視界制御手段とを設けたから、悪路に
おいて車高を高くしている場合においても、障害物があ
れば車高が低くなり、障害物を視認が容易になって自動
車の運転性が向上する。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
する。
【0029】−実施例1−
本例は、図1乃至図8に示されており、悪路運転時に自
動車の車高を高くする車高調整装置と、2輪駆動(2W
D)と4輪駆動(4WD)との切換が可能な駆動輪切換
装置とを備えた自動車において、運転席のシートクッシ
ョン位置を高くして自動車近傍の視界を確保すること可
能にした例である。
動車の車高を高くする車高調整装置と、2輪駆動(2W
D)と4輪駆動(4WD)との切換が可能な駆動輪切換
装置とを備えた自動車において、運転席のシートクッシ
ョン位置を高くして自動車近傍の視界を確保すること可
能にした例である。
【0030】図1において、1は車高調整装置及び駆動
輪切換装置を備えた自動車、2は車体、3は昇降可能に
構成された運転席のシートクッション、4はステアリン
グホイール、5は前輪、6は後輪であり、自動車前方の
自動車近傍に対する運転者の視界は自動車のフロントノ
ーズ7と運転者の目8との相対的な高さにより支配され
る。すなわち、運転者の目8の位置を高くすれば、フロ
ントノーズ7に対する運転者の視線は前下り勾配が小さ
い視線Hから、前下り勾配が大きい視線Lに変更され、
自動車近傍を視るに適したものとなる。
輪切換装置を備えた自動車、2は車体、3は昇降可能に
構成された運転席のシートクッション、4はステアリン
グホイール、5は前輪、6は後輪であり、自動車前方の
自動車近傍に対する運転者の視界は自動車のフロントノ
ーズ7と運転者の目8との相対的な高さにより支配され
る。すなわち、運転者の目8の位置を高くすれば、フロ
ントノーズ7に対する運転者の視線は前下り勾配が小さ
い視線Hから、前下り勾配が大きい視線Lに変更され、
自動車近傍を視るに適したものとなる。
【0031】図2には、車高調整と視界調整とを行なう
ための全体構成が示されている。
ための全体構成が示されている。
【0032】車体2と前輪5との間、車体2と後輪6と
の間には、各々流体シリンダ13が配設されている。流
体シリンダ13内は、シリンダ本体13aに嵌挿したピ
ストン13bにより液圧室13cが画成されている。上
記ピストン13bに連結したロッド13dの上端部は車
体2に連結され、シリンダ本体13aは各々対応する車
輪5,6に連結されている。
の間には、各々流体シリンダ13が配設されている。流
体シリンダ13内は、シリンダ本体13aに嵌挿したピ
ストン13bにより液圧室13cが画成されている。上
記ピストン13bに連結したロッド13dの上端部は車
体2に連結され、シリンダ本体13aは各々対応する車
輪5,6に連結されている。
【0033】また、上記各流体シリンダ13の液圧室1
3cの各々には連通路14を介してガスばね15が接続
されている。各ガスばね15は、ダイヤフラム15eに
よりガス室15fと液圧室15gとに区画され、この液
圧室15gが流体シリンダ13の液圧室13cに連通し
ている。
3cの各々には連通路14を介してガスばね15が接続
されている。各ガスばね15は、ダイヤフラム15eに
よりガス室15fと液圧室15gとに区画され、この液
圧室15gが流体シリンダ13の液圧室13cに連通し
ている。
【0034】また、18は油圧ポンプ、19,19は油
圧ポンプ18に液圧管路20を介して接続された比例流
量制御弁であって、各流体シリンダ3の液圧室3cの流
量を調整する機能を有する。
圧ポンプ18に液圧管路20を介して接続された比例流
量制御弁であって、各流体シリンダ3の液圧室3cの流
量を調整する機能を有する。
【0035】さらに、22は油圧ポンプ18の吐出圧を
検出する吐出圧計、23は各流体シリンダ13の液圧室
13cの液圧を検出する液圧センサ、24は車体2の地
面からの高さを検出する地上高センサ、25は対応する
車輪5,6のサスペンションのストローク量を検出する
サスストロークセンサ、26は車速センサ、27は自動
車の運転モードを良路モードと悪路モードと自動モード
との間で切換えるための運転モード選択スイッチ、28
は自動車が悪路で運転されている状態にあるか否かを検
出する運転状態検出手段である。また、31は車高制御
手段、32は視界制御手段、33は駆動輪切換制御手段
である。
検出する吐出圧計、23は各流体シリンダ13の液圧室
13cの液圧を検出する液圧センサ、24は車体2の地
面からの高さを検出する地上高センサ、25は対応する
車輪5,6のサスペンションのストローク量を検出する
サスストロークセンサ、26は車速センサ、27は自動
車の運転モードを良路モードと悪路モードと自動モード
との間で切換えるための運転モード選択スイッチ、28
は自動車が悪路で運転されている状態にあるか否かを検
出する運転状態検出手段である。また、31は車高制御
手段、32は視界制御手段、33は駆動輪切換制御手段
である。
【0036】以下、具体的に説明する。
【0037】上記運転状態検出手段28は、上記地上高
センサ24、サスストロークセンサ25、車速センサ2
6及び運転モード選択スイッチ27、並びに上記駆動輪
切換制御手段33からの信号に基いて、自動車が悪路で
運転されている状態にあるか否かを検出するものであ
る。上記地上高センサ24は、車体前部の左右に設けら
れており、超音波を地面に発射し発射波と地面からの反
射波との位相差に基いて車体2の前部左右の各部位の地
上高を検出するものである。そして、上記運転状態検出
手段28は、以下の各条件が成立するときに、悪路運転
(自動車が悪路で運転されている状態)を検出するよう
に構成されている。
センサ24、サスストロークセンサ25、車速センサ2
6及び運転モード選択スイッチ27、並びに上記駆動輪
切換制御手段33からの信号に基いて、自動車が悪路で
運転されている状態にあるか否かを検出するものであ
る。上記地上高センサ24は、車体前部の左右に設けら
れており、超音波を地面に発射し発射波と地面からの反
射波との位相差に基いて車体2の前部左右の各部位の地
上高を検出するものである。そして、上記運転状態検出
手段28は、以下の各条件が成立するときに、悪路運転
(自動車が悪路で運転されている状態)を検出するよう
に構成されている。
【0038】 運転モード選択スイッチ27により悪
路モードが選択されているとき 駆動輪切換制御手段
33により2WD→4WDの切換が行なわれているとき
地上高センサ24により検出される車体前部左右部
位の地上高に基いて、この左右部位の地上高のアンバン
ランス量が所定値以上のとき 上記サスストロークセ
ンサ25により検出される車体2のバンプ量及びリバウ
ンド量と、車速センサ26により検出される車速とに基
いて、自動車が図3に示す悪路領域にあると判定される
とき。
路モードが選択されているとき 駆動輪切換制御手段
33により2WD→4WDの切換が行なわれているとき
地上高センサ24により検出される車体前部左右部
位の地上高に基いて、この左右部位の地上高のアンバン
ランス量が所定値以上のとき 上記サスストロークセ
ンサ25により検出される車体2のバンプ量及びリバウ
ンド量と、車速センサ26により検出される車速とに基
いて、自動車が図3に示す悪路領域にあると判定される
とき。
【0039】上記車高制御手段31は上記運転状態検出
手段28からの信号に基いて悪路運転のときに比例流量
制御弁19に車高を高くする制御信号を出力するように
構成され、上記視界制御手段32は上記運転状態検出手
段28からの信号に基いて悪路運転のときに視界調節手
段34により運転席のシートクッション3を高くして視
界を自動車近傍側に広げるように構成され、上記駆動輪
切換制御手段33は上記運転モード選択スイッチ27、
地上高センサ24、サスストロークセンサ25、車速セ
ンサ26、路面摩擦係数検出手段(図示省略)等からの
信号に基いて、2WD−4WDの切換を行なうように構
成されている。
手段28からの信号に基いて悪路運転のときに比例流量
制御弁19に車高を高くする制御信号を出力するように
構成され、上記視界制御手段32は上記運転状態検出手
段28からの信号に基いて悪路運転のときに視界調節手
段34により運転席のシートクッション3を高くして視
界を自動車近傍側に広げるように構成され、上記駆動輪
切換制御手段33は上記運転モード選択スイッチ27、
地上高センサ24、サスストロークセンサ25、車速セ
ンサ26、路面摩擦係数検出手段(図示省略)等からの
信号に基いて、2WD−4WDの切換を行なうように構
成されている。
【0040】上記視界調節手段34は図4に示されてい
る。同図において、41は運転席のシートクッション3
のフレームであり、このシートクッションフレーム41
はその両側部の前部と後部の計4箇所が車体フロア42
に対し昇降リンク部材43,44により支持されてい
る。
る。同図において、41は運転席のシートクッション3
のフレームであり、このシートクッションフレーム41
はその両側部の前部と後部の計4箇所が車体フロア42
に対し昇降リンク部材43,44により支持されてい
る。
【0041】すなわち、シートクッションフレーム41
に連結されたリンク部材43の下端部と、車体フロア4
2に連結されたリンク部材43の上端部とが車幅方向の
ピンにより連結されている。また、シートクッションフ
レーム41の両側部中央の各々にはブラケット45が下
方に突設され、このブラケット45に駆動リンク部材4
6の中央が車幅方向に延びる回転駆動軸47により回動
自在に支持されている。そして、上記駆動リンク部材4
6の両端の各々と上記前後の支持リンク部材43,44
のピンとがそれぞれ伝動リンク部材48,48により連
結されている。
に連結されたリンク部材43の下端部と、車体フロア4
2に連結されたリンク部材43の上端部とが車幅方向の
ピンにより連結されている。また、シートクッションフ
レーム41の両側部中央の各々にはブラケット45が下
方に突設され、このブラケット45に駆動リンク部材4
6の中央が車幅方向に延びる回転駆動軸47により回動
自在に支持されている。そして、上記駆動リンク部材4
6の両端の各々と上記前後の支持リンク部材43,44
のピンとがそれぞれ伝動リンク部材48,48により連
結されている。
【0042】そして、上記回転駆動軸47がモータ49
により減速機50を介して所定の回転角度で回転駆動さ
れることにより、シートクッション3の位置が上下する
ように構成されている。この場合、図5に示すように、
駆動リンク部材46が垂直に回転位置決めされると、昇
降リンク部材43,44が伝動リンク部材48,48に
より互いに内側に引張られて傾斜しシートクッション3
の位置が低くなり、図6に示すように、駆動リンク部材
46が水平に回転位置決めされると、昇降リンク部材4
3,44が垂直になってシートクッション3の位置が高
くなるものである。
により減速機50を介して所定の回転角度で回転駆動さ
れることにより、シートクッション3の位置が上下する
ように構成されている。この場合、図5に示すように、
駆動リンク部材46が垂直に回転位置決めされると、昇
降リンク部材43,44が伝動リンク部材48,48に
より互いに内側に引張られて傾斜しシートクッション3
の位置が低くなり、図6に示すように、駆動リンク部材
46が水平に回転位置決めされると、昇降リンク部材4
3,44が垂直になってシートクッション3の位置が高
くなるものである。
【0043】図7には駆動輪切換のためのトランスファ
が示されている。同図において、51はトランスミッシ
ョンの出力軸52に連結された入力軸、53は入力軸5
1と同軸でかつ相対回転自在に配置された中間軸であ
る。中間軸53の軸線上には後輪駆動軸に連結される出
力軸54が中間軸53と相対回転自在に配設され、中間
軸53の外周には出力歯車55が配置され、この出力歯
車55は、前輪駆動軸に連結されるトランスファギヤ5
6にチェーン57を介して連結されている。また、上記
入力軸51と中間軸53との嵌合部外周には副変速ギヤ
機構58が配設され、上記中間軸53と出力軸54との
嵌合部外周にはセンタデファレンシャルギヤ(以下、セ
ンタデフという)59が配設されている。
が示されている。同図において、51はトランスミッシ
ョンの出力軸52に連結された入力軸、53は入力軸5
1と同軸でかつ相対回転自在に配置された中間軸であ
る。中間軸53の軸線上には後輪駆動軸に連結される出
力軸54が中間軸53と相対回転自在に配設され、中間
軸53の外周には出力歯車55が配置され、この出力歯
車55は、前輪駆動軸に連結されるトランスファギヤ5
6にチェーン57を介して連結されている。また、上記
入力軸51と中間軸53との嵌合部外周には副変速ギヤ
機構58が配設され、上記中間軸53と出力軸54との
嵌合部外周にはセンタデファレンシャルギヤ(以下、セ
ンタデフという)59が配設されている。
【0044】上記副変速ギヤ機構58は、遊星歯車装置
からなるものであって、上記入力軸51の端部に設けら
れたサンギヤ60と、このサンギヤ60の外周側に位置
するリングギヤ61と、上記サンギヤ60とリングギヤ
61との間にあって自転及び公転作用をなす複数のピニ
オンギヤ62,…とを有している。上記ピニオンギヤ6
2,…は、キャリア63によって回転自在に枢支されて
おり、このキャリア63は、中間軸53に対して共回り
可能に支持されている。また、上記リングギヤ61は、
中間軸53に対して相対回転自在に枢支されている。
からなるものであって、上記入力軸51の端部に設けら
れたサンギヤ60と、このサンギヤ60の外周側に位置
するリングギヤ61と、上記サンギヤ60とリングギヤ
61との間にあって自転及び公転作用をなす複数のピニ
オンギヤ62,…とを有している。上記ピニオンギヤ6
2,…は、キャリア63によって回転自在に枢支されて
おり、このキャリア63は、中間軸53に対して共回り
可能に支持されている。また、上記リングギヤ61は、
中間軸53に対して相対回転自在に枢支されている。
【0045】上記リングギヤ61の枢支部外周にはクラ
ッチハブ64を介してスリーブ65が軸方向にスライド
可能に支持されている。このスリーブ65の軸方向両側
には、トランスファケーシング66に係止された係止部
材67に設けられたクラッチ用歯68と、中間軸53に
共回り可能に支持されたクラッチ用歯69とが配置され
ており、これらのクラッチ用歯68,69に対して軸方
向にスライドしたスリーブ65が選択的に係止するよう
になっている。上記スリーブ65及びクラッチ用歯6
8,69等によって上記副変速ギヤ機構58による変速
を切換える第1切換装置70が構成され、この第1切換
装置70はシフトフォーク(図示省略)によりスリーブ
65が軸方向にスライドされるようになっている。
ッチハブ64を介してスリーブ65が軸方向にスライド
可能に支持されている。このスリーブ65の軸方向両側
には、トランスファケーシング66に係止された係止部
材67に設けられたクラッチ用歯68と、中間軸53に
共回り可能に支持されたクラッチ用歯69とが配置され
ており、これらのクラッチ用歯68,69に対して軸方
向にスライドしたスリーブ65が選択的に係止するよう
になっている。上記スリーブ65及びクラッチ用歯6
8,69等によって上記副変速ギヤ機構58による変速
を切換える第1切換装置70が構成され、この第1切換
装置70はシフトフォーク(図示省略)によりスリーブ
65が軸方向にスライドされるようになっている。
【0046】そして、上記第1切換装置70の切換え操
作により、上記副変速ギヤ機構8において、スリーブ6
5を図示の如くいずれのクラッチ用歯68,69にも係
合させていないニュートラルモードと、スリーブ65を
係止部材67側のクラッチ用歯68に係合させた低速回
転伝達モードと、スリーブ65をクラッチ用歯69に係
合させた高速回転伝達モードとの各変速作用がなされ
る。
作により、上記副変速ギヤ機構8において、スリーブ6
5を図示の如くいずれのクラッチ用歯68,69にも係
合させていないニュートラルモードと、スリーブ65を
係止部材67側のクラッチ用歯68に係合させた低速回
転伝達モードと、スリーブ65をクラッチ用歯69に係
合させた高速回転伝達モードとの各変速作用がなされ
る。
【0047】一方、上記センタデフ59は、上記副変速
ギヤ機構58と同様に遊星歯車装置からなるものであっ
て、中間軸53の外周に相対回転自在に枢支されたサン
ギヤ71と、このサンギヤ71の外周側に位置するリン
グギヤ72と、上記サンギヤ71とリングギヤ72との
間にあって自転及び公転作用をなす複数のピニオンギヤ
73,…とを有している。上記ピニオンギヤ73,…
は、キャリア74によって回転自在に枢支されており、
このキャリア74は、中間軸53の端部に共回り可能に
支持されている。また、上記リングギヤ72は、後輪駆
動軸側への出力部たる出力軸54に共回り可能に支持さ
れている。
ギヤ機構58と同様に遊星歯車装置からなるものであっ
て、中間軸53の外周に相対回転自在に枢支されたサン
ギヤ71と、このサンギヤ71の外周側に位置するリン
グギヤ72と、上記サンギヤ71とリングギヤ72との
間にあって自転及び公転作用をなす複数のピニオンギヤ
73,…とを有している。上記ピニオンギヤ73,…
は、キャリア74によって回転自在に枢支されており、
このキャリア74は、中間軸53の端部に共回り可能に
支持されている。また、上記リングギヤ72は、後輪駆
動軸側への出力部たる出力軸54に共回り可能に支持さ
れている。
【0048】上記サンギヤ71の枢支部外周には、前輪
駆動軸側への出力部たる出力歯車55が相対回転自在に
枢支されているとともに、この出力歯車55よりも副変
速ギヤ機構58側の位置にクラッチハブ75を介してス
リーブ76が軸方向にスライド可能に支持されている。
このスリーブ76の軸方向両側には、中間軸53に対し
て共回り可能に支持されたクラッチ用歯77と、上記出
力歯車55に一体形成されたクラッチ用歯78とが配置
されており、これらのクラッチ用歯77,78に対して
軸方向にスライドしたスリーブ76が選択的に係止する
ようになっている。上記のスリーブ76及びクラッチ用
歯77,78等によって上記センタデフ59による動力
分配を切換える第2切換装置79が構成され、この第2
切換装置79はシフトフォーク(図示省略)によりスリ
ーブ76が軸方向にスライドされるようになっている。
駆動軸側への出力部たる出力歯車55が相対回転自在に
枢支されているとともに、この出力歯車55よりも副変
速ギヤ機構58側の位置にクラッチハブ75を介してス
リーブ76が軸方向にスライド可能に支持されている。
このスリーブ76の軸方向両側には、中間軸53に対し
て共回り可能に支持されたクラッチ用歯77と、上記出
力歯車55に一体形成されたクラッチ用歯78とが配置
されており、これらのクラッチ用歯77,78に対して
軸方向にスライドしたスリーブ76が選択的に係止する
ようになっている。上記のスリーブ76及びクラッチ用
歯77,78等によって上記センタデフ59による動力
分配を切換える第2切換装置79が構成され、この第2
切換装置79はシフトフォーク(図示省略)によりスリ
ーブ76が軸方向にスライドされるようになっている。
【0049】そして、上記第2切換装置79の切換え操
作により、上記センタデフ9において、スリーブ76を
図示の如く中間軸53側のクラッチ用歯77に係合させ
サンギヤ71を中間軸53に連結させて後輪のみの2輪
駆動とした2輪駆動モードと、スリーブ76を中間軸5
3側のクラッチ用歯77及び出力歯車55側のクラッチ
用歯78の両方に係合させサンギヤ71を中間軸53及
び出力歯車55に連結させて前輪及び後輪による4輪駆
動となり、且つピニオンギヤ73が自転しない差動ロッ
クの4輪駆動モードと、スリーブ76を出力歯車5側の
クラッチ用歯78に係合させサンギヤ71を出力歯車5
に連結させて前輪及び後輪による4輪駆動となり、且つ
ピニオンギヤ73,…が自転及び公転をする差動フリー
の4輪駆動モードとの3種類のモードで動力分配作用が
なされる。
作により、上記センタデフ9において、スリーブ76を
図示の如く中間軸53側のクラッチ用歯77に係合させ
サンギヤ71を中間軸53に連結させて後輪のみの2輪
駆動とした2輪駆動モードと、スリーブ76を中間軸5
3側のクラッチ用歯77及び出力歯車55側のクラッチ
用歯78の両方に係合させサンギヤ71を中間軸53及
び出力歯車55に連結させて前輪及び後輪による4輪駆
動となり、且つピニオンギヤ73が自転しない差動ロッ
クの4輪駆動モードと、スリーブ76を出力歯車5側の
クラッチ用歯78に係合させサンギヤ71を出力歯車5
に連結させて前輪及び後輪による4輪駆動となり、且つ
ピニオンギヤ73,…が自転及び公転をする差動フリー
の4輪駆動モードとの3種類のモードで動力分配作用が
なされる。
【0050】この場合、上記駆動輪切換制御手段33
は、上記運転モード選択スイッチ27により悪路モード
が選択されているとき、地上高センサ24、サスストロ
ークセンサ25、車速センサ26により悪路が検出され
ているとき、路面摩擦係数検出手段により自動車のタイ
ヤと路面との間の摩擦係数が低いと検出されているとき
に、上記第2切換装置79に2WDから4WDへの切換
信号を出力することになる。
は、上記運転モード選択スイッチ27により悪路モード
が選択されているとき、地上高センサ24、サスストロ
ークセンサ25、車速センサ26により悪路が検出され
ているとき、路面摩擦係数検出手段により自動車のタイ
ヤと路面との間の摩擦係数が低いと検出されているとき
に、上記第2切換装置79に2WDから4WDへの切換
信号を出力することになる。
【0051】車高調整及び視界調整制御の流れは図8に
示されている。
示されている。
【0052】まず、各種データが入力され、運転モード
選択スイッチ27により悪路モードが選択されると、車
高制御手段31により車高が所定量高くなるように制御
されるとともに、視界制御手段32から視界調節手段3
4にシートクッション3を高位置にする信号が出力さ
れ、運転者の視界は自動車近傍を視るに適した手前側に
広いものとなる(ステップS1→S2→S3)。つま
り、運転席のシートクッション3の位置が高くなり、従
って運転者の目8の位置が高くなるため、自動車のフロ
ントノーズ7と運転者の目8とを結ぶ視線の前下り勾配
が大きくなり、それだけ自動車前方の自動車に近い部位
の地面を視ることが容易になる。
選択スイッチ27により悪路モードが選択されると、車
高制御手段31により車高が所定量高くなるように制御
されるとともに、視界制御手段32から視界調節手段3
4にシートクッション3を高位置にする信号が出力さ
れ、運転者の視界は自動車近傍を視るに適した手前側に
広いものとなる(ステップS1→S2→S3)。つま
り、運転席のシートクッション3の位置が高くなり、従
って運転者の目8の位置が高くなるため、自動車のフロ
ントノーズ7と運転者の目8とを結ぶ視線の前下り勾配
が大きくなり、それだけ自動車前方の自動車に近い部位
の地面を視ることが容易になる。
【0053】従って、運転者は自動車前方の走行すべき
地面の状態を良く把握しながら自動車の運転を行なうこ
とができ、タイヤが地面上の突起に乗り上げたり、凹所
に落ち込むということを防止することができ、また、地
面の凹凸によって運転者が不意に衝撃を受けることを避
けることができる。
地面の状態を良く把握しながら自動車の運転を行なうこ
とができ、タイヤが地面上の突起に乗り上げたり、凹所
に落ち込むということを防止することができ、また、地
面の凹凸によって運転者が不意に衝撃を受けることを避
けることができる。
【0054】一方、運転モード選択スイッチ27により
悪路モードが選択されると、車高制御手段31により車
高が所定量低くなるように制御されるとともに、視界制
御手段32から視界調節手段34にシートクッション3
を低位置にする信号が出力され、運転者の視界は通常の
視界となる(ステップS2→S4)。つまり、運転者の
目8の位置が低くなり、自動車のフロントノーズ7と運
転者の目8とを結ぶ視線の前下り勾配が小さくなり、そ
れだけ自動車前方の遠方を視ることが容易になる。
悪路モードが選択されると、車高制御手段31により車
高が所定量低くなるように制御されるとともに、視界制
御手段32から視界調節手段34にシートクッション3
を低位置にする信号が出力され、運転者の視界は通常の
視界となる(ステップS2→S4)。つまり、運転者の
目8の位置が低くなり、自動車のフロントノーズ7と運
転者の目8とを結ぶ視線の前下り勾配が小さくなり、そ
れだけ自動車前方の遠方を視ることが容易になる。
【0055】次に上記運転モード選択スイッチ27によ
り自動モードが選択された場合、悪路走行に伴って駆動
輪切換制御手段33により2WDから4WDへの切換が
行なわれると、車高制御手段31により車高が高位置に
なるように制御されるとともに、視界制御手段32によ
り運転者の視界が手前側に変更制御され、自動車に近い
部位の地面を視ることが容易になる(ステップS2→S
5→S3)。また、2WDのままであっても、地上高セ
ンサ24により地上高のアンバランス度が大きいことが
検出された場合や、サスストロークセンサ25及び車速
センサ26により悪路領域にあることが検出された場合
には、車高が高位置になるように、また視界が手前側に
なるように制御される(ステップS5→S6→S7→S
3)。そして、2WDにおいて、上記アンバランス度が
大きくなく且つ悪路領域でない(良路領域にある)場合
には、車高が低位置になるように制御され、視界は通常
視界になるように制御される(ステップS5→S6→S
7→S4)。
り自動モードが選択された場合、悪路走行に伴って駆動
輪切換制御手段33により2WDから4WDへの切換が
行なわれると、車高制御手段31により車高が高位置に
なるように制御されるとともに、視界制御手段32によ
り運転者の視界が手前側に変更制御され、自動車に近い
部位の地面を視ることが容易になる(ステップS2→S
5→S3)。また、2WDのままであっても、地上高セ
ンサ24により地上高のアンバランス度が大きいことが
検出された場合や、サスストロークセンサ25及び車速
センサ26により悪路領域にあることが検出された場合
には、車高が高位置になるように、また視界が手前側に
なるように制御される(ステップS5→S6→S7→S
3)。そして、2WDにおいて、上記アンバランス度が
大きくなく且つ悪路領域でない(良路領域にある)場合
には、車高が低位置になるように制御され、視界は通常
視界になるように制御される(ステップS5→S6→S
7→S4)。
【0056】−実施例2−
本例は図9乃至図10に示されており、自動車前方の障
害物を検出して視界を車高により調整するようにしたも
のである。
害物を検出して視界を車高により調整するようにしたも
のである。
【0057】図9において、81はバンパー82の両側
部に障害物センサ83,83が取り付けられた自動車で
あり、実施例1と同様の運転状態検出手段28及び車高
調節手段を備えているとともに、上記運転状態検出手段
28及び自動車の変速レンジ位置検出手段84からの検
出信号に基いて上記車高調節手段を駆動制御する車高制
御手段85と、上記障害物センサ83による検出信号に
基いて上記車高調節手段を上記車高制御手段85に優先
して駆動制御する視界制御手段86とを備えている。
部に障害物センサ83,83が取り付けられた自動車で
あり、実施例1と同様の運転状態検出手段28及び車高
調節手段を備えているとともに、上記運転状態検出手段
28及び自動車の変速レンジ位置検出手段84からの検
出信号に基いて上記車高調節手段を駆動制御する車高制
御手段85と、上記障害物センサ83による検出信号に
基いて上記車高調節手段を上記車高制御手段85に優先
して駆動制御する視界制御手段86とを備えている。
【0058】障害物センサ83は、前述の地上高センサ
と同様に超音波を自動車前方に発射し反射波の有無に基
いて障害物の有無を検出するとともに、発射波と障害物
からの反射波との位相差に基いて障害物の位置(自動車
と障害物との距離)を検出するものである。
と同様に超音波を自動車前方に発射し反射波の有無に基
いて障害物の有無を検出するとともに、発射波と障害物
からの反射波との位相差に基いて障害物の位置(自動車
と障害物との距離)を検出するものである。
【0059】しかして、上記車高制御手段85は、運転
状態検出手段28により悪路運転が検出されていないと
き、あるいは悪路運転が検出されているときでも、変速
レンジ位置検出手段84により変速レンジがパーキング
レンジにある場合や車速零でのニュートラルレンジにあ
るときには、車高が低くなるように車高調節手段を駆動
制御し、上記悪路運転が検出されているときであって、
変速レンジがパーキングレンジと車速零でのニュートラ
ルレンジとのいずれにもない場合に、車高が高くなるよ
うに車高調節手段を駆動制御するものである。
状態検出手段28により悪路運転が検出されていないと
き、あるいは悪路運転が検出されているときでも、変速
レンジ位置検出手段84により変速レンジがパーキング
レンジにある場合や車速零でのニュートラルレンジにあ
るときには、車高が低くなるように車高調節手段を駆動
制御し、上記悪路運転が検出されているときであって、
変速レンジがパーキングレンジと車速零でのニュートラ
ルレンジとのいずれにもない場合に、車高が高くなるよ
うに車高調節手段を駆動制御するものである。
【0060】一方、視界制御手段86は、上記障害物セ
ンサ83により障害物が検出されたときに、自動車の車
高が運転者による自動車の近傍の視認に適する低車高に
なるよう上記車高調節手段を上記車高制御手段85によ
る車高制御に優先して駆動制御するものである。
ンサ83により障害物が検出されたときに、自動車の車
高が運転者による自動車の近傍の視認に適する低車高に
なるよう上記車高調節手段を上記車高制御手段85によ
る車高制御に優先して駆動制御するものである。
【0061】すなわち、本実施例における車高制御の流
れは図10に示されており、各種データ画入力され、運
転モードとして良路モードが選択されている場合や、自
動モードにおいて、地上高センサ24により地上高のア
ンバランス度が大きくないことが検出され、且つサスス
トロークセンサ25及び車速センサ26により良路領域
にあることが検出された場合には、車高が低位置になる
ように制御される(ステップS1〜S5)。また、悪路
運転が検出されている場合(悪路モードの選択、地上高
のアンバランスド大、あるいは悪路領域検出)であって
も、変速レンジがパーキングレンジにあるか車速零でニ
ュートラルレンジにあれば、車高が低位置になるように
制御される(ステップS2〜S4→S6→S5)。
れは図10に示されており、各種データ画入力され、運
転モードとして良路モードが選択されている場合や、自
動モードにおいて、地上高センサ24により地上高のア
ンバランス度が大きくないことが検出され、且つサスス
トロークセンサ25及び車速センサ26により良路領域
にあることが検出された場合には、車高が低位置になる
ように制御される(ステップS1〜S5)。また、悪路
運転が検出されている場合(悪路モードの選択、地上高
のアンバランスド大、あるいは悪路領域検出)であって
も、変速レンジがパーキングレンジにあるか車速零でニ
ュートラルレンジにあれば、車高が低位置になるように
制御される(ステップS2〜S4→S6→S5)。
【0062】これに対して、悪路運転が検出されている
場合において、上記変速レンジがパーキングレンジと車
速零でのニュートラルレンジとのいずれにもない場合に
は、障害物の有無が判断され(ステップS2〜S4→S
6→S7)、障害物がない場合には車高が高位置になる
ように制御されるが、障害物があれば、悪路運転であっ
ても車高は低位置に制御される。
場合において、上記変速レンジがパーキングレンジと車
速零でのニュートラルレンジとのいずれにもない場合に
は、障害物の有無が判断され(ステップS2〜S4→S
6→S7)、障害物がない場合には車高が高位置になる
ように制御されるが、障害物があれば、悪路運転であっ
ても車高は低位置に制御される。
【0063】従って、障害物がある場合、悪路運転で車
高を高くした状態であっても車高が強制的に低くなるよ
うに制御されるため、運転者の視界が手前側に変更さ
れ、障害物を見ながら運転することが容易になる。
高を高くした状態であっても車高が強制的に低くなるよ
うに制御されるため、運転者の視界が手前側に変更さ
れ、障害物を見ながら運転することが容易になる。
【0064】次に視界調節手段の他の例について説明す
る。
る。
【0065】図11には、運転席のシートバック87を
車体前方に「く」の字状に屈曲可能にしてなる視界調節
手段が示されている。
車体前方に「く」の字状に屈曲可能にしてなる視界調節
手段が示されている。
【0066】すなわち、シートバック87はシートバッ
ク上部87aとシートバック下部87bとが車幅方向の
ピンにより回動可能に連結されてなる。そして、上記シ
ートバック上部87aをシートバック下部87bに対し
て回動せしめるための手段として、シートバック上部8
7aと一体に回動するように上記ピンより後方へ突出せ
しめたアーム88と、上端がアーム88の先端にピンで
連結され下端にラック89aが設けられた昇降ロッド8
9と、この昇降ロッド89のラック89aと噛合するピ
ニオン90が出力軸に取り付けられた減速機付きモータ
91とが設けられている。
ク上部87aとシートバック下部87bとが車幅方向の
ピンにより回動可能に連結されてなる。そして、上記シ
ートバック上部87aをシートバック下部87bに対し
て回動せしめるための手段として、シートバック上部8
7aと一体に回動するように上記ピンより後方へ突出せ
しめたアーム88と、上端がアーム88の先端にピンで
連結され下端にラック89aが設けられた昇降ロッド8
9と、この昇降ロッド89のラック89aと噛合するピ
ニオン90が出力軸に取り付けられた減速機付きモータ
91とが設けられている。
【0067】従って、本例の視界調節手段の場合、悪路
運転時に、上記モータ91により昇降ロッド89を上昇
せしめると、シートバック上部87aがシートバック下
部87bに対して前方に「く」の字状に屈曲する。これ
により、運転者は上半身が前方へ強制的に移動せられ、
運転者の目とフロントノーズとを結ぶ視線の前下り勾配
が大きくなり、運転者が自動車の近傍を視るに適するよ
うに視界が手前側に変更される。
運転時に、上記モータ91により昇降ロッド89を上昇
せしめると、シートバック上部87aがシートバック下
部87bに対して前方に「く」の字状に屈曲する。これ
により、運転者は上半身が前方へ強制的に移動せられ、
運転者の目とフロントノーズとを結ぶ視線の前下り勾配
が大きくなり、運転者が自動車の近傍を視るに適するよ
うに視界が手前側に変更される。
【0068】図12及び図13には自動車のドア92に
取り付けられた自動車後方を視るためのリヤビューミラ
ー93の向きを上下に変更可能にしてなる視界調節手段
が示されている。
取り付けられた自動車後方を視るためのリヤビューミラ
ー93の向きを上下に変更可能にしてなる視界調節手段
が示されている。
【0069】すなわち、図13に示すリヤビューミラー
93において、94はミラーハウジング、95はミラー
ハウジング94に固定ピボット96により上下左右に回
動自在に支持されたミラー本体、97はミラー本体95
の下部に係合し回転により上記固定ピボット96を中心
にミラー本体95の下部を前後動させて上下に回動せし
める上下回動用ピボットスクリュ、98はミラー本体9
5の側部に係合し回転により上記固定ピボット96を中
心にミラー本体95の側部を前後動させて左右に回動せ
しめる左右回動用ピボットスクリュである。そして、上
記上下回動用と左右回動用の各ピボットスクリュ97,
98を選択的に回転せしめるために、各ピボットスクリ
ュ97,98の軸にギヤ99,100が結合されている
とともに、モータ101により減速ギヤ102を介して
回転駆動されるチェンジギヤ103と、このチェンジギ
ヤ103をチェンジレバー104により前後動せしめて
上記上下回動用と左右回動用の各ピボットスクリュ9
7,98のギヤ99,100に選択的に噛合せしめるソ
レノイド105とが設けられている。
93において、94はミラーハウジング、95はミラー
ハウジング94に固定ピボット96により上下左右に回
動自在に支持されたミラー本体、97はミラー本体95
の下部に係合し回転により上記固定ピボット96を中心
にミラー本体95の下部を前後動させて上下に回動せし
める上下回動用ピボットスクリュ、98はミラー本体9
5の側部に係合し回転により上記固定ピボット96を中
心にミラー本体95の側部を前後動させて左右に回動せ
しめる左右回動用ピボットスクリュである。そして、上
記上下回動用と左右回動用の各ピボットスクリュ97,
98を選択的に回転せしめるために、各ピボットスクリ
ュ97,98の軸にギヤ99,100が結合されている
とともに、モータ101により減速ギヤ102を介して
回転駆動されるチェンジギヤ103と、このチェンジギ
ヤ103をチェンジレバー104により前後動せしめて
上記上下回動用と左右回動用の各ピボットスクリュ9
7,98のギヤ99,100に選択的に噛合せしめるソ
レノイド105とが設けられている。
【0070】従って、本例の視界調節手段の場合、悪路
運転時に上記チェンジギヤ103を上下回動用ピボット
スクリュ97のギヤ99に噛合させてモータ101によ
り当該ピボットスクリュ97を回転せしめ、ミラー本体
95を下方へ回動させると、図12に示すように、この
ミラー本体95の鏡面に対する運転者の視線の反射方向
が2点鎖線の如く下向きになり、自動車後方の自動車近
傍の地面の視認が容易になり、自動車の後退運転が容易
になる。
運転時に上記チェンジギヤ103を上下回動用ピボット
スクリュ97のギヤ99に噛合させてモータ101によ
り当該ピボットスクリュ97を回転せしめ、ミラー本体
95を下方へ回動させると、図12に示すように、この
ミラー本体95の鏡面に対する運転者の視線の反射方向
が2点鎖線の如く下向きになり、自動車後方の自動車近
傍の地面の視認が容易になり、自動車の後退運転が容易
になる。
【0071】なお、上記実施例1において、実施例2で
説明した障害物センサを設け、悪路運転時で且つ障害物
検出時に視界を手前側に変更するようにしてもよい。
説明した障害物センサを設け、悪路運転時で且つ障害物
検出時に視界を手前側に変更するようにしてもよい。
【0072】また、上記実施例1では車高調整と視界調
整とを同時に行なうようにしたが、車高調整と視界調整
とは独立に行なうようにしてもよい。
整とを同時に行なうようにしたが、車高調整と視界調整
とは独立に行なうようにしてもよい。
【0073】また、地上高センサや障害物センサには、
超音波でなく、光を用いることもできる。
超音波でなく、光を用いることもできる。
図1乃至図8は実施例1に関し、図9乃至図10は実施
例2に関し、図11乃至図13は視界調節手段に関す
る。
例2に関し、図11乃至図13は視界調節手段に関す
る。
【図1】自動車の運転席のシートクッション高さと前方
視界との関係を示す側面図
視界との関係を示す側面図
【図2】車高調整及び視界調整のための全体構成図
【図3】サスストロークと車速とにより決まる悪路領域
と良路領域とを示す特性図
と良路領域とを示す特性図
【図4】視界調節手段(シートクッション上下動手段)
を示す斜視図
を示す斜視図
【図5】視界調節手段によりシートクッションを低位置
にした状態を示す側面図
にした状態を示す側面図
【図6】視界調節手段によりシートクッションを高位置
にした状態を示す側面図
にした状態を示す側面図
【図7】トランスファのスケルトン図
【図8】制御のフロー図
【図9】制御系の構成図
【図10】制御のフロー図
【図11】視界調節手段(シートバック屈曲手段)の側
面図
面図
【図12】リヤビューミラーと後方視界との関係を示す
側面図
側面図
【図13】視界調節手段(リヤビューミラー変向手段)
を示す一部切欠いた斜視図
を示す一部切欠いた斜視図
1,81 自動車
2 車体
3 シートクッション
5 前輪
6 後輪
7 フロントノーズ
8 運転者の目
28 運転状態検出手段
31,85 車高制御手段
32,86 視界制御手段
83 障害物センサ
87 シートバック
93 リヤビューミラー
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 横打 敬人
広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ
株式会社内
Claims (7)
- 【請求項1】自動車が悪路で運転されている状態にある
か否かを検出する運転状態検出手段と、 自動車の運転者の視界を支配する要素と運転者との相対
的な位置若しくは向きを、運転者が自動車の近傍を視る
に適するように変更可能な視界調節手段と、 上記運転状態検出手段により悪路運転が検出されたとき
に、自動車の運転者の視界を支配する要素と運転者との
相対的な位置若しくは向きが自動車の近傍を視るに適し
た状態になるように上記視界調節手段を作動せしめる視
界制御手段とを備えていることを特徴とする自動車の視
界調整装置。 - 【請求項2】自動車の周辺の障害物の有無を検出する障
害物センサを備え、視界制御手段は、運転状態検出手段
により悪路運転が検出され且つ上記障害物センサにより
障害物が検出されたときに、自動車の運転者の視界を支
配する要素と運転者との相対的な位置若しくは向きが自
動車の近傍を視るに適した状態になるように上記視界調
節手段を作動せしめるものである請求項1に記載の自動
車の視界調整装置。 - 【請求項3】自動車の車高を調節する車高調節手段と、
運転状態検出手段により悪路運転が検出されたときに、
上記車高調節手段を車高が高くなるように作動せしめる
車高制御手段とを備えていることを特徴とする請求項1
または請求項2に記載の自動車の視界調整装置。 - 【請求項4】自動車の運転者の視界を支配する要素は自
動車のフロントノーズであり、視界調節手段は運転席の
シートクッション位置を高くすることにより上記フロン
トノーズ運転者との相対的な高さを運転者が自動車の近
傍を視るに適するように変更するものである請求項1乃
至請求項3のいずれか一に記載の自動車の視界調整装
置。 - 【請求項5】自動車の運転者の視界を支配する要素は自
動車のフロントノーズであり、視界調節手段は運転席の
シートクッションに対するシートバック上部の位置を車
体前方に移動させることにより上記フロントノーズと運
転者との相対的な前後方向の位置関係を運転者が自動車
の近傍を視るに適するように変更するものである請求項
1乃至請求項3のいずれか一に記載の自動車の視界調整
装置。 - 【請求項6】自動車の運転者の視界を支配する要素は自
動車の後方を視るためのリヤビューミラーであり、視界
調節手段は前記リヤビューミラーを上下方向に回動させ
ることによりこのリヤビューミラーの鏡面に対する運転
者の視線の入射角を運転者が自動車の近傍を視るに適す
るように変更するものである請求項1乃至請求項3のい
ずれか一に記載の自動車の視界調整装置。 - 【請求項7】自動車が悪路で運転されている状態にある
か否かを検出する運転状態検出手段と、 自動車の周辺の障害物の有無を検出する障害物センサ
と、 自動車の車高を調節する車高調節手段と、 上記運転状態検出手段により悪路運転が検出されたとき
に上記車高調節手段を自動車の車高が高くなるように駆
動制御する車高制御手段と、 上記障害物センサにより障害物が検出されたときに、自
動車の車高が運転者による自動車の近傍の視認に適する
低車高になるよう上記車高調節手段を上記車高制御手段
による車高制御に優先して駆動制御する視界制御手段と
を備えていることを特徴とする自動車の視界調整装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1128091A JPH058691A (ja) | 1991-01-31 | 1991-01-31 | 自動車の視界調整装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1128091A JPH058691A (ja) | 1991-01-31 | 1991-01-31 | 自動車の視界調整装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH058691A true JPH058691A (ja) | 1993-01-19 |
Family
ID=11773587
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1128091A Pending JPH058691A (ja) | 1991-01-31 | 1991-01-31 | 自動車の視界調整装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH058691A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007001539A (ja) * | 2005-06-27 | 2007-01-11 | Fuji Heavy Ind Ltd | 車両用衝突制御装置 |
FR2978941A1 (fr) * | 2011-08-12 | 2013-02-15 | Peugeot Citroen Automobiles Sa | Procede de controle des suspensions et des sieges d'un vehicule automobile |
JP2014135694A (ja) * | 2013-01-11 | 2014-07-24 | Denso Corp | 車載音響装置 |
CN118288902A (zh) * | 2024-06-03 | 2024-07-05 | 比亚迪股份有限公司 | 后视镜调节方法、控制装置、电子装置、车辆及存储介质 |
-
1991
- 1991-01-31 JP JP1128091A patent/JPH058691A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007001539A (ja) * | 2005-06-27 | 2007-01-11 | Fuji Heavy Ind Ltd | 車両用衝突制御装置 |
JP4584049B2 (ja) * | 2005-06-27 | 2010-11-17 | 富士重工業株式会社 | 車両用衝突制御装置 |
FR2978941A1 (fr) * | 2011-08-12 | 2013-02-15 | Peugeot Citroen Automobiles Sa | Procede de controle des suspensions et des sieges d'un vehicule automobile |
JP2014135694A (ja) * | 2013-01-11 | 2014-07-24 | Denso Corp | 車載音響装置 |
US9191765B2 (en) | 2013-01-11 | 2015-11-17 | Denso Corporation | In-vehicle audio device |
EP2755404A3 (en) * | 2013-01-11 | 2017-03-08 | Denso Corporation | In-vehicle audio device |
CN118288902A (zh) * | 2024-06-03 | 2024-07-05 | 比亚迪股份有限公司 | 后视镜调节方法、控制装置、电子装置、车辆及存储介质 |
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