JPH0586850U - ヒンジ形キャップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 一部に簡単な加工を施すことにより冷却に基
ずく天蓋内の溜り水を外部に排出し、商品の信頼性を高
めるようにしたヒンジ形キャップを得る。 【構成】 頂壁１上面の周縁近くからは背の低い天蓋保
持用周壁２を、この周壁２内側からは背の高い注ぎ出し
口用周壁３を立設し、この周壁３内側の頂壁１部に破断
線４による破断帯５を形成し、この破断帯５の一部から
上方にプルリング６を起立し、かつ取付け用周壁７上端
一側から肉薄ヒンジ８により、閉蓋時前記天蓋保持用周
壁２外面に嵌合して保持される伏せ皿状の天蓋９を片開
き可能に設けたヒンジ形キャップにおいて、天蓋保持用
周壁２と注ぎ出し口用周壁３間の頂壁１に上下の貫通孔
10を開け、この貫通孔10を取付け用周壁７内面に縦設し
た縦溝11に連通させて当該頂壁１上の空所イの溜り水を
外部に排出できる溜り水排出路12を形成した構成。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本案は、破断開封式口栓付きのヒンジ形キャップに関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種キャップは、例示するまでもなくよく知られている。即ち、頂壁中央部 に破断帯を設け、この破断帯の一部からプルリングを起立して頂壁に破断開封式 の口栓を形成し、そしてこの頂壁上方に、一端を肉薄ヒンジで取付け用周壁上端 部に結合した天蓋を片開き可能に設けたものであり、流通時には口栓で壜口を密 封し、プルリングにより口栓を破断して開封した後は天蓋のワンタッチ操作で壜 口が開閉できることから、通常のねじキャップのように注出の都度取外し、また 取付ける必要がない便利さから広く用いられている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ジュースあるいは醤油等の液状食品は、壜に充填し、キャップで密閉したのち 加熱殺菌し、この後シャワー室を通し水で冷却して常温に戻し箱詰めされるが、 この一連の作業は殆んど自動化されている。

【０００４】 この一連の作業で、シャワー室で冷却水により壜を冷却すると、キャップの天 蓋内の暖まっている空気が収縮して負圧化し、このため天蓋下端まわりの僅かの 隙間を通して天蓋内に外気が流入する。キャップ外面には冷却水の水滴が付着し ているので、外気流入時この水滴が空気と共に天蓋内に吸引され、この天蓋を保 持している天蓋保持用周壁とその内側の注ぎ出し口用周壁との間の溝状空所に溜 まる。

【０００５】 消費者が購入後天蓋を開蓋したとき、この不要な溜まり水が残っていたりする と不潔感を与え、商品イメージを著しく低下させ信頼性を損なうことになる。

【０００６】 本考案は、一部に簡単な加工を施すことにより冷却に基ずく天蓋内の溜り水を 外部に排出し、商品の信頼性を高めるようにしたヒンジ形キャップを得るにある 。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、頂壁１上面の周縁近くからは背の低い天蓋保持用周壁２を、この周 壁２内側からは背の高い注ぎ出し口用周壁３を立設し、この周壁３内側の頂壁１ 部に破断線４による破断帯５を形成し、この破断帯５の一部から上方にプルリン グ６を起立し、かつ取付け用周壁７上端一側から肉薄ヒンジ８により、閉蓋時前 記天蓋保持用周壁２外面に嵌合して保持される伏せ皿状の天蓋９を片開き可能に 設けたヒンジ形キャップにおいて、天蓋保持用周壁２と注ぎ出し口用周壁３間の 頂壁１に上下の貫通孔10を開け、この貫通孔10を取付け用周壁７内面に縦設した 縦溝11に連通させる溜り水排出路12を形成した構成としている。

【０００８】

【作用】

上記構成において、液状食品を壜13入りの状態で加熱殺菌したのちシャワー室 を通し冷却水で冷却して常温に戻したとき、天蓋９内が負圧化して外気を吸気し 、このとき空気と共に外面付着の水滴が吸引され、この吸引された水滴が天蓋保 持用周壁２と注ぎ出し口用周壁３との間の頂壁１上である周溝状空所イに溜まる 。

【０００９】 しかし、この溜り水は貫通孔10とこれに連通する縦溝11との排出路12を通し壜 13外に排出されるので、この不要な水はキャップ内にとどまることはなく、商品 イメージを損なうことはない。

【００１０】

【実施例】

以下図面を参照して一実施例を説明するに、本考案は破断開封式口栓付きのヒ ンジ形キャップにおいて、加熱殺菌、冷却水冷却の作業工程でキャップの天蓋９ 内に吸引貯溜される不要な水を外部に排出する排出路12を設けたことを特徴とし ている。

【００１１】 即ち、頂壁１上面の周縁近くからは背の低い天蓋保持用周壁２を、この周壁２ 内側からは背の高い注ぎ出し口用周壁３を立設し、この周壁３内側の頂壁１部に 破断線４による破断帯５を形成し、この破断帯５の一部から上方にプルリング６ を起立し、かつ取付け用周壁７の後部側上端から肉薄ヒンジ８により、閉蓋時前 記天蓋保持用周壁２外面に嵌合して互いの係合突条14, 15の係合により保持され る伏せ皿状の天蓋９を片開き可能に設けたヒンジ形キャップにおいて、このキャ ップの前部側に、天蓋保持用周壁２と注ぎ出し口用周壁３の頂壁１の周壁２近く 上面から周壁２直下部下面に曲って抜けるカギ形の貫通孔10と、取付け用周壁７ 内面に縦設されて前記貫通孔10に連通する縦溝11との溜り水排出路12を形成した 構成である。

【００１２】 なお、図で16は壜13の口頸部、17はこの口頸部16に内嵌する頂壁１裏面の環栓 、18は注ぎ出し口に内嵌する天蓋９裏面の環栓、19は口頸部16外面凹条に係合す る突条、20はつまみである。

【００１３】 この実施例において、加熱殺菌後の冷却水冷却により天蓋９内に外気と共に吸 引された水分は、天蓋保持用周壁２と注ぎ出し口用周壁３間の開放状態にある周 溝状空所イに集まる。

【００１４】 しかし、この空所イは貫通孔10と縦溝11との排出路12により壜13外面に通じて いるので、この空所イに集まった吸引水は直ちに排出路12により壜13外に排出さ れるので、天蓋９内に貯溜されることはない。

【００１５】 上記実施例において、排出路12を設ける個所はキャップ前面側に限らない。勿 論、この排出路12は２個所以上に設けてもよい。また前記溝状空所イ部の頂壁１ 上面に、図示例でいえば後部側から前面側に徐々に深くなって貫通孔10につなが る浅溝を凹設し、必然的に貫通孔10に水が集まるようにすることは容易である。 また天蓋９は弾性反転形ヒンジ形であってもよい。

【００１６】

【考案の効果】

上記したように、本考案の破断開封式口栓付きのヒンジ形キャップにおいては 、天蓋９内の天蓋保持用周壁２と注ぎ出し口用周壁３間の溝状空所イを、この空 所イ部の頂壁１に設けた上下貫通孔10と取付け用周壁７内面に縦設した縦溝11と を連通させた排出路12により壜13外に通じさせ、加熱殺菌後の冷却水による冷却 で溝状空所イに溜ろうとする不要な吸引水を外部に排出できるようにしたので、 商品のイメージの低下を防ぎ信頼性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】壜口に取付けて示した一実施例の半部縦断正面
図である。

【図２】同実施例の単体の開蓋状態の全体を示し、ａは
上面図、ｂは縦断面図である。

【符号の説明】

５ 破断帯 ６ プルリング ９ 天蓋 10 貫通孔 11 縦溝 12 溜り水排出路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 頂壁１上面の周縁近くからは背の低い天
   蓋保持用周壁２を、この周壁２内側からは背の高い注ぎ
   出し口用周壁３を立設し、この周壁３内側の頂壁１部に
   破断線４による破断帯５を形成し、この破断帯５の一部
   から上方にプルリング６を起立し、かつ取付け用周壁７
   上端一側から肉薄ヒンジ８により、閉蓋時前記天蓋保持
   用周壁２外面に嵌合して保持される伏せ皿状の天蓋９を
   片開き可能に設けたヒンジ形キャップにおいて、天蓋保
   持用周壁２と注ぎ出し口用周壁３間の頂壁１に上下の貫
   通孔10を開け、この貫通孔10を取付け用周壁７内面に縦
   設した縦溝11に連通させる溜り水排出路12を形成したヒ
   ンジ形キャップ。