JPH0586626A - 分割ケーソン設置工法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】ケーソン１を、鍋底状の底部函体２と、複数の
環状の上部函体６に分割する。底部函体２に柱設置穴３
を穿設する。上部函体６に案内穴７を貫通穿設する。底
部函体２を海底４０に沈設する。案内柱１０を、海面３
９まで伸延する形で、柱設置穴３に固定する（図１
（ａ））。各上部函体６を、案内穴７に案内柱１０を挿
入した状態で、順次、海中に投入する。各上部函体６
を、底部函体２上に積み上げる（図１（ｂ））。組み立
てられた底部函体２及び上部函体６の中詰空間４、８に
コンクリート１２を打設する（図１（ｃ））。 【効果】小型軽量の底部函体２又は上部函体６は、小型
のクレーンでも吊り上げることが出来る。また、底部函
体２を案内穴７および案内柱１０によって案内するの
で、海流などの影響を排除して、底部函体２及び各上部
函体６を整合させることが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ケーソンの水底への設
置工法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ケーソンの設置は、ケーソンを、
クレーン等によって吊り上げ、または曵船によって曵航
し、所定の位置まで移動させて、海中に設置するように
している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のケーソ
ンは、一体形成されており、大重量であるため、当該ケ
ーソンを吊り上げて海中に投入するには、大型のクレー
ン等が必要であった。

【０００４】本発明は、上記事情に鑑み、小型のクレー
ン等を使用することが出来る分割ケーソン設置工法を提
供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、ケーソン
（１）を、底部函体（２）と複数の環状の上部函体
（６）とに分割し、前記各上部函体（６）に、案内穴
（７）を、貫通する形で設け、前記底部函体（２）を、
水底（４０）に沈設し、該沈設された底部函体（２）
に、案内柱（１０）を、水面（３９）まで伸延する形で
設置し、前記各上部函体（６）を、前記案内穴（７）に
前記案内柱（１０）を挿入する形で、順次、前記底部函
体（２）上に積み上げるようにして構成される。

【０００６】なお、（ ）内の番号等は、図面における
対応する要素を示す、便宜的なものであり、従って、本
記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。以
下の「作用」の欄についても同様である。

【０００７】

【作用】上記した構成により、小型軽量の底部函体
（２）又は上部函体（６）を移動する形で、ケーソン
（１）の設置が行われるように作用する。

【０００８】

【実施例】以下、図面に基づき、本発明の実施例を説明
する。図１は、本発明による分割ケーソンの設置工法の
一実施例を示す工程図、図２は、図１に示す設置工法に
よって沈設されるケーソンの正面図、図３は、図２に示
すケーソンの平面図である。

【０００９】分割ケーソン１は、図３に示すように、断
面が略四角形の中空の箱状に形成されており、分割ケー
ソン１は、図２に示すように、所定の高さＬの底部函体
２及び複数（図においては６個）の上部函体６とに、鉛
直方向（図２上下方向）に、分割されている。尚、底部
函体２又は各上部函体６の高さＬは、全て等しくても、
それぞれ異なっていてもよい。底部函体２は、４つの側
部２ａと底部２ｂから成る、断面が略四角形の鍋底状に
形成されており、底部函体２の内部には、中詰空間４
が、図２上側が開放された形で形成されている。そし
て、底部函体２の上面２ｃは、上部函体６の下面６ｄと
整合する形に形成されている。また、底部函体２の角部
には、図３に示すように、４つの柱設置穴３が、図２上
側が開放された形で、鉛直方向（図２上下方向）に伸延
した形で穿設されている。各上部函体６は、４つの側部
６ａから成る、断面が略四角形の環状（枠状）に形成さ
れており、各上部函体６の内部には、中詰空間８が、上
面６ｃから下面６ｄまで鉛直方向（図２上下方向）に貫
通する形で、前記底部函体２の中詰空間４と整合する形
に形成されている。そして、各上部函体６の上面６ｃ
は、他の上部函体６の下面６ｄと整合する形に形成され
ており、各上部函体６の下面６ｄは、底部函体２の上面
２ｃ又は他の上部函体６の上面６ｃと整合する形に形成
されている。また、各上部函体６の角部には、図３に示
すように、４つの案内穴６が、上面６ｃから下面６ｄま
で鉛直方向（図２上下方向）に貫通する形で、前記底部
函体２の柱設置穴３と整合する形で穿設されている。

【００１０】分割ケーソン１は、以上のように構成され
ているので、当該分割ケーソン１を設置するに際して
は、まず、底部函体２を、海上のクレーン等によって吊
り上げて所定の位置に移動させて、海中に投入する。
尚、分割ケーソン１を構成する底部函体２（又は上部函
体６）は、小型軽量に形成されているので、底部函体２
（又は上部函体６）を１つずつ吊り上げて移動すること
は、小型のクレーンでも容易に行うことが出来る。そし
て、図１（ａ）に示すように、底部函体２を、上面２ｃ
を上向きにして柱設置穴３が上方に開放された状態で、
海底４０に沈設する。次に、沈設された底部函体２の各
柱設置穴３に、長尺の鋼材等の案内柱１０の図中下端部
を挿入する。そして、各柱設置穴３に水中コンクリート
１１を打設して、４本の案内柱１０を、互いに平行に、
海面３９まで鉛直に（図中上下方向に）伸延した状態で
底部函体２に固定する。

【００１１】４本の平行な案内柱１０が海底４０から海
面３９まで伸延した形で設置されると、１つの上部函体
６を、海上のクレーン等によって吊り上げて所定の位置
に移動させて、図１（ｂ）に示すように、各案内穴７に
各案内柱１０を挿入した形で海中に投入する。尚、使用
するクレーンの許容荷重に比して、上部函体６が軽量の
場合には、複数の上部函体６を一括して、クレーンで吊
り上げて移動させて、海中に投入するようにしてもよ
い。そして、上部函体６を、各案内柱１０によって案内
する形で沈降させて、底部函体２の図中上方に積載す
る。即ち、案内柱１０は、鋼材等で形成されているの
で、剪断力を受け持つことが出来る。従って、沈降中
に、上部函体６が海流などの外力を受けても、案内柱１
０を介して案内することによって、上部函体６の位置が
ずれるようなことを防止することが出来、上部函体６を
底部函体２に整合させることが出来る。そして、上部函
体６が底部函体２上に積載されると、上部函体６の下面
６ｄと底部函体２の上面２ｃとが密着して、底部函体２
の中詰空間４と上部函体６の中詰空間８とが連通した状
態となる。同様にして、新たな上部函体６を、各案内穴
７に各案内柱１０を挿入した状態で海中に投入して、案
内柱１０によって案内する形で沈降させる。そして、新
たな底部函体２を、前回積載された上部函体６上に積載
して、新たな上部函体６の下面６ｄを前回積載された上
部函体６の上面６ｃと密着させる。こうして、複数の上
部函体６を、順次、案内柱１０によって案内しつつ、既
に積載された上部函体６の図中上方に積載する形で、海
面３９まで底部函体２の図中上方に積み上げて行き、海
中で分割ケーソン１を組み立てる。尚、分割ケーソン１
の各函体２、６間を固定する方法としては、上部函体６
の下面６ｄに水中硬化型接着剤を塗布して、ケーソン１
の版を連続体とすることも可能である。

【００１２】即ち、従来、ケーソンを設置するに際して
は、大型のケーソンをそのまま海上のクレーンで吊り上
げて所定の位置に移動させて、海中に投入していたため
に、大型のクレーンが必要であった。しかし、本発明に
よる分割ケーソンの設置工法においては、小型軽量に分
割された底部函体２及び上部函体６を、海中で組み立て
るように構成したので、小型軽量の底部函体２又は上部
函体６を、１つづつ、クレーンで吊り上げて所定の位置
に移動させて、海中に投入することが出来、小型のクレ
ーンでも十分に施工を行うことが出来る。

【００１３】こうして、分割ケーソン１が海中で組み立
てられると、底部函体２の上面２ｃと上部函体６の下面
６ｄが密着し、各上部函体６の上面６ｃと他の上部函体
６の下面６ｄが密着して、底部函体２の中詰空間４と各
上部函体６の中詰空間８が連通して状態となる。そこ
で、最後に、図１（ｃ）に示すように、分割ケーソン１
の中詰空間４、８に、海上からコンクリート等を打設し
て、分割ケーソン１の中詰空間４、８を中詰する。

【００１４】尚、上述の実施例においては、図３に示す
ように、断面が略四角形の分割ケーソン１を設置する場
合について述べたが、種々の断面形状（例えば六角形
等）のケーソンについても、本発明による分割ケーソン
の設置工法によって、好適に設置することが出来る。ま
た、上述の実施例においては、図３に示すように、底部
函体２の角部に柱設置穴３を設け、上部函体６の角部に
案内穴７を設けた場合について述べたが、柱設置穴３と
案内穴７は互いに整合していれば、どの位置に設けても
よい。

【００１５】

【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、ケーソン１を、底部函体２と複数の環状の上部函体
６とに分割し、前記各上部函体６に、案内穴７を、貫通
する形で設け、前記底部函体２を、水底（海底４０）に
沈設し、該沈設された底部函体２に、案内柱１０を、水
面（海面３９）まで伸延する形で設置し、前記各上部函
体６を、前記案内穴７に前記案内柱１０を挿入する形
で、順次、前記底部函体２上に積み上げるようにして構
成したので、小型軽量の底部函体２又は上部函体６を移
動する形で、ケーソン１の設置を行うことが出来、小型
のクレーンでも十分に施工を行うことが出来る。また、
上部函体６に外力が作用した場合に、案内柱１０に剪断
力を生じる形で、上部函体６の移動を防止することが出
来る。従って、案内穴７および案内柱１０によって、上
部函体６が案内されるので、海流などの影響を排除し
て、上部函体６を底部函体２または他の上部函体６に整
合させることが出来、底部函体２および上部函体６を海
中で適正に組み立てることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による分割ケーソンの設置工法の一実施
例を示す工程図である。

【図２】図１に示す設置工法によって設置されるケーソ
ンの正面図である。

【図３】図２に示すケーソンの平面図である。

【符号の説明】

１……ケーソン ２……底部函体 ６……上部函体 ７……案内穴 １０……案内柱 ３９……水面（海面） ４０……水底（海底）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ケーソンを、底部函体と複数の環状の上部
   函体とに分割し、 前記各上部函体に、案内穴を、貫通する形で設け、 前記底部函体を、水底に沈設し、 該沈設された底部函体に、案内柱を、水面まで伸延する
   形で設置し、 前記各上部函体を、前記案内穴に前記案内柱を挿入する
   形で、順次、前記底部函体上に積み上げるようにして構
   成した分割ケーソン設置工法。