JPH0586493U - フィルム巻回体回収装置 - Google Patents

フィルム巻回体回収装置

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JPH0586493U
JPH0586493U JP3614492U JP3614492U JPH0586493U JP H0586493 U JPH0586493 U JP H0586493U JP 3614492 U JP3614492 U JP 3614492U JP 3614492 U JP3614492 U JP 3614492U JP H0586493 U JPH0586493 U JP H0586493U
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】本考案は比較的硬く巻径の太いフィルム巻回体
でも容易にカッタ刃でフィルムロールを切り開き、フィ
ルムロールと巻き芯とを個別に損傷させることなく分離
回収することのできる、フィルム巻回体回収装置を提供
する。 【構成】このフィルム巻回体回収装置は、フィルム巻回
体をコア軸への装着位置まで搬送する手段と、コア軸を
装着位置とフィルムロールの切開位置との間で昇降させ
る手段と、切開位置におけるフィルムロールをカッタ刃
による巻回体の軸方向への往復運動によって切開する手
段と、切開したフィルムロールと巻き芯とを分離し系外
に個別に排出する手段とからなる回収装置において、前
記カッタ刃を長さの異なる複数個で構成すると共に、コ
ア軸の上昇を段階的に行えるようにしたものである。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は巻き芯とこれに巻付けられた合成樹脂製のフィルムロールとからなる フィルム巻回体から、巻き芯とフィルムロールとを効率よく分離回収するための 、フィルム巻回体回収装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、包装用フィルムなど合成樹脂製フィルム(ここでいうフィルムの厚みは 0.005〜 0.300mmである)の製造ラインでは、しばしば出荷できない不良品が発 生することがあって、製造歩留の向上とコストの低減のためにフィルム巻回体か ら、巻き芯とフィルムロールとを分離回収して、それぞれ再利用する方法が取ら れていた。
【0003】 しかし、これまでのフィルム巻回体からの分離回収方法は、作業者がNTカッ タでフィルムロールを切り開いて巻き芯から取り除くか、予めハンマで巻き芯を 打ち出して抜き取るといった、専ら手作業に頼っていたため、作業性が悪くて能 率が上がらず、分離も適確には行われず、巻き芯に傷が付き易いなどの問題があ った。
【0004】 このため、機械的に分離回収する方法も考えられたが、従来の装置では、例え ば塩化ビニル系樹脂フィルムについていえば、可塑剤が40〜 50phr含まれていて 比較的軟らかく、フィルムの厚さが10〜20μで 500〜1000m巻きといった巻径の 細いフィルム巻回体にしか適用できず、可塑剤が20〜30phr でフィルムが比較的 硬く、フィルムの厚さが10〜20μで2000〜3000m巻きといった巻径の太いフィル ム巻回体ではカッタ刃が破損したり、カッタ刃がフィルムロールに切り込んだま ま動かなくなったりして、フィルムロールを完全に切り開くことができなかった 。
【0005】 そこで、比較的硬く巻径の太いフィルム巻回体では、フィルム巻回体を軸方向 に垂直に立てて置き、ギロチンカッタを垂直に押し下げてフィルムロールを切っ ていたが、フィルム巻回体を固定しにくいこともあって、フィルムロールを切る 際に巻き芯まで傷付けてしまったり、逆にギロチンカッタの刃が巻き芯にまで届 かずに、その後は作業者がNTカッタで切らなければならなかったりして、作業 性が著しく悪く、巻き芯の回収率も著しく低かった。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
したがって、本考案の目的は、比較的硬く巻径の太いフィルム巻回体でも容易 にカッタ刃でフィルムロールを切り開き、巻き芯とフィルムロールとを個別に損 傷させることなく分離回収することのできる、フィルム巻回体回収装置を提供し ようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案によるフィルム巻回体回収装置は、フィルム巻回体をコア軸への装着位 置まで搬送する手段と、コア軸を装着位置とフィルムロールの切開位置との間で 昇降させる手段と、切開位置におけるフィルムロールをカッタ刃による巻回体の 軸方向への往復運動によって切開する手段と、切開したフィルムロールと巻き芯 とを分離し系外に個別に排出する手段とからなる回収装置において、前記カッタ 刃を長さの異なる複数個で構成すると共に、コア軸の上昇を段階的に行えるよう にしたことを特徴とするものである。
【0008】 本考案はフィルム巻回体を切り開くカッタ刃が従来1枚であったのを、複数枚 、とくには3枚取り付け、1回のカットにカッタ刃の短いものから長いものを使 用すると共に、従来1回で切り開いていた作業を、複数回反復して行うことによ り、上記目的を達成しようとするものである。
【0009】 ここで長さの異なる複数のカッタ刃を用いる理由は、第1のカッタ刃でフィル ム巻回体のフィルムロール部分を切ると、切った部分が開くため、第2のカッタ 刃がより深く入って切り易くなるからである。カッタ刃の枚数が増えると、カッ ターホルダにかかる負荷が大きくなり、強度や耐久性が損なわれるため、3枚が 望ましい。
【0010】 これらの3枚のカッタ刃の間隔は10mm以上、とくには30mm以上であることが望 ましい。これが10mm未満のときは最初のカッタ刃が切ったフィルムロールが十分 に開かない内に、次のカッタ刃がくるため、次のカッタ刃にかかる負荷が大きく なるからである。カッタ刃の間隔が著しく大きくなると、装置全体の長さが大き くなるので、この間隔は50mm以下にするのが望ましい。
【0011】 3枚のカッタ刃の長さの間隔は20mm以下、とくには5〜15mmとするのがよく、 これが20mmを超えるときは、カッタ刃が深くフィルムロール内に切り込むため、 カッタ刃にかかる負荷が大きくなり、深過ぎるとカッタ刃が破損し易くなる。長 さの間隔が、例えば5mm以下というように狭過ぎると、カッタ刃が3回に分けて 切るには少なく5回に分けて切らなければならず、効率が悪くなる。
【0012】 カット回数が1回ではカッタ刃にかかる負荷が大きく、カッタ刃の破損やシリ ンダガイドの変形が起こる。また4回以上ではカット時間が長くなり、効率が悪 くなる。そこで、フィルムロールの硬さや巻き径により異なるが、カット回数は 2または3回にするのがよい。
【0013】 以下、本考案によるフィルム巻回体回収装置の一実施態様を、図1〜5に基づ いて詳細に説明する。 本装置は、その全体を正面図で示す図1から明らかなように、大別して(図の 右側より)切開部1、搬送部2および払出し部3から構成されている。4はこれ らの架台で、その上面の切開部1および搬送部2の領域にはフィルム巻回体Aを 軸方向に移送させるための搬送ローラ5が装備されている。
【0014】 搬送ローラ5は、図2に縦断面図で示すように、架台4の幅方向に対向して設 けられた1対のホルダ6、6と、それぞれのホルダ6、6に対向して設けられた 複数対のコーンホイル7、7‥と、ホルダ6、6の一端に軸着された螺軸8と、 コーンホイル7、7‥間の中心線上にこれらとは別個に配設されたチェーンコン ベア9とからなり、螺軸8の一端に設けられたハンドル10を廻すことにより、フ ィルム巻回体Aの外径に応じて、相対するホルダ6、6を介してコーンホイル7 、7‥の間隔を拡縮自在としている。
【0015】 チェーンコンベア9は、その適所に1または2以上の巻き芯用係止爪11とフィ ルムロール用係止爪12とを有するもので、架台4に設けられたチェーンホイル13 ‥間に張設され、正逆回転可能なモータ14により減速機15を介して、いずれの方 向にも回動自在となっている。 なお、巻き芯用係止爪11は巻き芯Cの下縁に接するのに十分な高さの係止爪を 、またフィルムロール用係止爪12はフィルムロールBの下縁に接するのに十分な 高さの係止爪を有する。
【0016】 搬送部2の一側にはフィルム巻回体Aの供給装置20が設けられていて、供給コ ンベア21より送られてきたフィルム巻回体Aは、シリンダ22の作動により支軸23 を中心に回動する反転フィーダ24によって搬送ローラ5上に送り込まれる。 なお、反対側のホルダ6には、これを受ける支杆25が設けられている。
【0017】 切開部1における架台4の中心線上方には、図3に示すように、リフタ30に一 端を支持された長円筒状のコア軸31が、架台4と平行に、かつリフタ30により上 下動自在に設けられている。このコア軸31の内部にはリフタ30の一端に設けられ た駆動部32により連結レバ33を介して前後動する操作軸34が挿着されていて、操 作軸34の作動時に、その中央部のカム面35においてクランプピン36をバネ(図示 せず)で付勢してコア軸31の外周面に突出させ、フィルム巻回体Aをその巻き芯 Cでコア軸31に結合させる作用を行う。
【0018】 リフタ30は、図4に示すように、架台4に固設された支枠40に設けられたガイ ドシャフト41に滑動自在に装着されていて、下方に設けられたシリンダ42の作動 によって、上方に設けられたストッパ43までの間を上下動できるようになってい る。なお、このストッパ43はハンドル44付きのスクリュ軸45を介して支枠40の上 部に取り付けられていて、フィルム巻回体AのフィルムロールB部分に対する3 回目のカットでの、刃先の位置をに調整できるようにしている。 また、ストッパ43の下方には、図5に示すように、位置調整可能のセンサ(図 示せず)が2段に設けられていて、リフタ30を位置PおよびQで止め、前記フィ ルムロールB部分に対する1回目および2回目のカットの際の刃先の位置をお よびに調整できるようにしている。
【0019】 切開部1における架台4の上方の支枠50‥上に支架されたサイドシャフト51に は、複数、好ましくは3個の異なる長さのものが順に配列されているカッタ刃52 が、ホルダ53を介してシリンダ54により滑動自在に設けられている。
【0020】 架台4の他端、払出し部3には互いに相対する複数のガイドロール60‥を備え た排出部61があって、正逆回転自在のモータ62により架台4の幅方向へ回動自在 になっている。
【0021】 次に、上記構成からなる本実施態様の回収装置の操作について説明する。 本装置において、フィルム巻回体Aが供給コンベア21より反転フィーダ24を経 て1本ずつ搬送部2の搬送ローラ5上に送り込まれると、センサ(図示せず)の 検知によるモータ14の起動でチェンコンベア9が搬送部2から切開部1に向けて (図1における右回りに)走行を開始し、コーンホイル7、7上のフィルム巻回 体Aは、チェンコンベア9のフィルムロール用係止爪11に押されて切開部1に至 り、そこで巻き芯Cにコア軸31を嵌挿して、完全に挿着し終わったところでモー タ14を停止させる。
【0022】 次に、駆動部32を作動させてコア軸31中の操作軸34をスライドさせ、クランプ ピン36を突出させて巻き芯Cと固定した後、シリンダ42を作動させてリフタ30を 20〜30mm上昇させ、図5に示すように、センサ(図示せず)により1回目のナイ フカットに適する位置Pで停止させる。 その後、シリンダ54を作動させてホルダ53をサイドシャフト51上をスライドさ せることによって、カッタ刃52をに位置するフィルム巻回体Aのフィルムロー ルBの一端から軸方向へ移動させ、1回目のカットを行う。
【0023】 作業終了の信号により、ホルダ53の位置を旧に復すると共に、再びシリンダ42 を作動させてリフタ30を20〜30mm上昇させ、上記と同様にして2回目のナイフカ ットに適する位置Qで停止させた後、1回目と全く同じ方法でに位置する前記 フィルムロールBの2回目のカットを行う。
【0024】 2回目の作業終了の信号により、ホルダ53の位置を旧に復すると共に、再びシ リンダ42を作動させてリフタ30を上昇させ、3回目のナイフカットに適する位置 、すなわちストッパ43で停止させた後、1回目と全く同じ方法でに位置する前 記フィルムロールBの3回目のカットを行う。 カッタ刃52による3回のカットの反復作業によって、フィルムロールBが完全 に切開されたフィルム巻回体Aは、作業終了の信号によってホルダ53の位置を旧 に復すると共に、シリンダ42によってリフタ30を下降させる。
【0025】 フィルム巻回体Aが最下位置に下りると、前記モータ14を逆回転させてチェン コンベア9を逆走させるので、切開されたフィルムロールBはチェンコンベア9 のフィルムロール用係止爪12に押されて巻き芯Cより離脱し、搬送ローラ5上を 経て払出し部3の排出部61に至り、モータ62の回転と共に回動して系外に排出さ れる。
【0026】 フィルムロールBが移送されている間に、駆動部32を作動させてコア軸31中の 操作軸34をスライドさせ、クランプピン36を没入させて巻き芯Cとの固定を解除 し、巻き芯Cはチェンコンベア9の巻き芯用係止爪11に押されて搬送ローラ5上 を経て払出し部3の排出部61に至り、モータ62の逆回転と共にフィルムロールB のときとは逆の方向に回動して系外の別の場所に排出される。
【0027】
【作用】
本考案によるフィルム巻回体回収装置では、受け入れたフィルム巻回体Aは搬 送手段により移送してコア軸に装着した後、コア軸をフィルムロール切開位置ま で上昇させ、そこでフィルムロールBの切開を複数の異なる長さのカッタの往復 動により、カッタの長さに合わせてコア軸を段階的に上昇させながら行う。その 結果、フィルムロールBの切開は次第に深く確実に行うことができる。切開後の フィルムロールBは巻き芯Cをコア軸に装着したままの状態で搬送手段により移 送すると、巻き芯Cと容易に分離し、両者は別個に系外に排出される。
【0028】
【実施例】
厚さ12μ、3000m巻きのポリ塩化ビニル樹脂製フィルムの巻回体(可塑剤 30p hr、巻径 230φ)を用いて下記のテストを行った。 実験 No.1: 本考案のフィルム巻回体回収装置において、ホルダに取り付けるカッタ刃の枚 数を変えたテストを行った。 (カッタ刃枚数) (結 果) 1枚 刃が破損した。 2枚 刃が切り込んだまま進まなかった。 3枚 カットOK。 結論として、カッタ刃は3枚がよかった。
【0029】 実験 No.2: 本考案のフィルム巻回体回収装置において、カッタ刃を3枚とし、その間隔を 変えたテストを行った。 (カッタ刃の間隔) (結 果) 5mm 刃が破損した。 30mm カットOK。 結論として、カッタ刃の間隔は30mmがよかった。
【0030】 実験 No.3: 本考案のフィルム巻回体回収装置において、3枚のカッタ刃の長さ間隔を変え たテストを行った。 (カッタ刃の長さ間隔) (結 果) 10mm カットOK。 20mm 刃が破損した。 結論として、カッタ刃の長さ間隔は10mmがよかった。
【0031】 実験 No.4: 本考案のフィルム巻回体回収装置に、長さ間隔が10mmのカッタ刃を3枚、それ ぞれ30mmの間隔で取り付け、カット回数を変えたテストを行った。 (カット回数) (結 果) 1回 刃が破損した。 2回 刃が破損した。 3回 カットOK。 結論として、カット回数は3回がよかった。
【0032】 実験 No.5: 人手による作業と、ギロチンカッタを用いた作業と、本考案のフィルム巻回体 回収装置を用いた作業とを、比較した。 (10分間での処理本数)(再利用可能な巻き芯本数 )人手による作業 2本 2本 ギロチンカッタを用いた作業 10本 0本 本考案の装置を用いた作業 20本 20本 本考案のフィルム巻回体回収装置は、人手またはギロチンカッタを用いた作業 に比べて、処理本数、再利用可能な巻き芯本数が著しく多かった。
【0033】
【考案の効果】
比較的硬く巻き径の太いフィルム巻回体は、従来ギロチンカッタを用いるか、 NTカッタにより人手で切り開いていたが、いずれの場合も手数のかかる割には 処理本数が少なく、作業性、効率が著しく悪かったが、本考案によるフィルム巻 回体回収装置では、フィルム巻回体を供給すると、自動的にカッタ刃がフィルム ロールを切り開いてくれる上、フィルムロールと巻き芯とを個別に回収するので 、作業性、処理能力が著しく向上するほか、切り開いたフィルムロールの回収率 も向上した。さらにギロチンカッタを用いると、巻き芯が傷ついて再利用できな かったが、本装置によれば、巻き芯が殆ど傷付かずに回収できるのでコストダウ ンになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るフィルム巻回体回収装置の一実施
態様を(供給装置を除いて)示す正面図である。
【図2】図1に示したフィルム巻回体回収装置のX−X
矢視線に沿う縦断面図である。
【図3】図1に示したフィルム巻回体回収装置の要部を
拡大して示す正面図である。
【図4】図1に示したフィルム巻回体回収装置のY−Y
矢視線に沿う縦断面図である。
【図5】図1に示したフィルム巻回体回収装置の作用
を、要部の拡大によって示した説明図である。
【符号の説明】
A‥フィルム巻回体、 B‥フィルムロール、 C‥巻
き芯、31‥コア軸、 52‥カッタ刃。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルム巻回体をコア軸への装着位置まで
    搬送する手段と、コア軸を装着位置とフィルムロールの
    切開位置との間で昇降させる手段と、切開位置における
    フィルムロールをカッタ刃による巻回体の軸方向への往
    復運動によって切開する手段と、切開したフィルムロー
    ルと巻き芯とを分離し系外に個別に排出する手段とから
    なる回収装置において、前記カッタ刃を長さの異なる複
    数個で構成すると共に、コア軸の上昇を段階的に行える
    ようにしたことを特徴とするフィルム巻回体回収装置。
JP3614492U 1992-04-30 1992-04-30 フィルム巻回体回収装置 Expired - Lifetime JP2564245Y2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100979958B1 (ko) * 2008-10-15 2010-09-03 장태호 휴지롤의 분리 배출장치
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