JPH0586470A - 巻取り式電子ビーム真空蒸着装置 - Google Patents

巻取り式電子ビーム真空蒸着装置

Info

Publication number
JPH0586470A
JPH0586470A JP24984391A JP24984391A JPH0586470A JP H0586470 A JPH0586470 A JP H0586470A JP 24984391 A JP24984391 A JP 24984391A JP 24984391 A JP24984391 A JP 24984391A JP H0586470 A JPH0586470 A JP H0586470A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
roll
electron beam
insulator film
charge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24984391A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Harada
隆宏 原田
Mamoru Sekiguchi
守 関口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP24984391A priority Critical patent/JPH0586470A/ja
Publication of JPH0586470A publication Critical patent/JPH0586470A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、絶縁性の物質からなる蒸発材料から
放出される2次電子の絶縁体フィルムへの入射を減少さ
せ、2次電子による絶縁体フィルムの帯電に起因するコ
ーティングドラムとの剥離放電を抑止して、クラック等
の損傷・破壊のない蒸着膜を形成できることを最も主要
な特徴としている。 【構成】本発明は、電子ビームを照射して絶縁性の物質
からなる蒸発材料を絶縁体フィルム上に連続的に蒸着す
る巻取り式電子ビーム真空蒸着装置において、絶縁体フ
ィルム表面の帯電極性と逆極性の電位を印加し、絶縁体
フィルムの初期帯電を除去する除電手段と、高周波グロ
ー放電プラズマにより、絶縁体フィルムの除電、絶縁体
フィルム表面の一様な負電位化処理を行なう高周波プラ
ズマ処理手段とを、巻き出しロールとコーティングドラ
ムとの間に配設することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子ビームを照射して
絶縁性の物質からなる蒸発材料を絶縁体フィルム上に蒸
着する巻取り式電子ビーム真空蒸着装置に係り、特に蒸
着時に蒸発材料から放出される2次電子の絶縁体フィル
ムへの入射を減少させ、2次電子による絶縁体フィルム
の帯電に起因するコーティングドラムとの剥離放電を抑
止して、クラック等の損傷・破壊のない蒸着膜を形成し
得るようにした巻取り式電子ビーム真空蒸着装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、巻取り式電子ビーム真空蒸着に
おける絶縁体フィルムの前処理としては、グロー放電を
用い、蒸着膜の密着性の向上や表面洗浄を目的として行
なわれるが、当然のことながら、絶縁体フィルムの初期
帯電の除去も多少行なわれる。
【0003】この場合、蒸発材料が導電体、金属等の場
合には、従来のグロー放電処理でも特に問題はないが、
蒸発材料が絶縁物の場合には、蒸発材料への電子ビーム
照射に伴なって、蒸発材料から放出される2次電子の量
が増加し、かつ絶縁体フィルムに捕捉されることから、
従来のグロー放電処理では、2次電子による絶縁体フィ
ルムの帯電は防止することができない。そのため、蒸着
後に、コーティングドラム上で剥離放電を引き起こし、
蒸着膜が損傷、破壊してしまうという問題が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
巻取り式電子ビーム真空蒸着装置においては、絶縁性の
物質からなる蒸発材料を絶縁体フィルム上に蒸着する時
に、蒸発材料から放出される2次電子による絶縁体フィ
ルムの帯電に起因するコーティングドラムとの剥離放電
が発生して、蒸着膜が損傷、破壊してしまうという問題
があった。
【0005】本発明は、上記のような問題を解決するた
めに成されたもので、その目的は絶縁性の物質からなる
蒸発材料を絶縁体フィルム上に蒸着する時に、蒸発材料
から放出される2次電子の絶縁体フィルムへの入射を減
少させ、2次電子による絶縁体フィルムの帯電に起因す
るコーティングドラムとの剥離放電を抑止して、クラッ
ク等の損傷・破壊のない蒸着膜を形成することが可能な
極めて信頼性の高い巻取り式電子ビーム真空蒸着装置を
提供することにある。
【0006】
【問題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明では、巻き出しロールから連続的に送出され
る絶縁体フィルムを走行させて巻き取りロールで巻き取
ると共に、走行ラインの途中に配設されたコーティング
ドラム上で、電子ビームを照射して絶縁性の物質からな
る蒸発材料を絶縁体フィルム上に連続的に蒸着するよう
にした巻取り式電子ビーム蒸着装置において、絶縁体フ
ィルム表面の帯電極性を測定する帯電極性測定手段と、
帯電極性測定手段により測定された帯電極性と逆極性の
電位を印加し、絶縁体フィルムの初期帯電を除去する除
電手段と、高周波グロー放電プラズマにより、絶縁体フ
ィルムの除電、および当該絶縁体フィルム表面の一様な
負電位化処理を行なう高周波プラズマ処理手段とを、巻
き出しロールとコーティングドラムとの間に配設するよ
うにしている。
【0007】
【作用】従って、本発明の巻取り式電子ビーム真空蒸着
装置においては、巻き出しロールから連続的に送出され
る絶縁体フィルムに絶縁性の物質からなる蒸発材料を蒸
着する前に、絶縁体フィルム表面の帯電量に応じて、後
処理を効果的に行なうために絶縁体フィルムの初期帯電
が除去され、さらに高周波グロー放電プラズマによっ
て、絶縁体フィルムの除電、および絶縁体フィルム表面
の一様な負電位化処理が行なわれる。
【0008】これにより、絶縁性の物質からなる蒸発材
料の絶縁体フィルムへの蒸着時に、絶縁体フィルムへ入
射する2次電子が減少し、この2次電子による絶縁体フ
ィルムの帯電に起因するコーティングドラムとの剥離放
電を抑止することが可能となり、クラック等の損傷・破
壊のない蒸着膜を形成することができる。
【0009】
【実施例】まず、本発明の考え方について説明する。
【0010】本発明は、絶縁性の物質からなる蒸発材料
の絶縁体フィルムへの蒸着前に、下記のような2つの処
理を行なって、絶縁体フィルム表面を一様な負電位とす
ることにより、蒸発材料から放出される2次電子の絶縁
体フィルムへの入射を抑制して帯電を防止するものであ
る。
【0011】(第1の処理)次の第2の処理で、絶縁体
フィルムの除電、および絶縁体フィルム表面を負電位と
するプラズマ処理を有効に行なうためには、まず、巻き
出された絶縁体フィルムの帯電を、第2の処理が効果の
あるレベルまで除電する必要がある。よって、巻き出し
ロールから絶縁体フィルムを連続的に一定速度で送出
し、高周波プラズマ処理手段の前に除電手段を設置し
て、この近傍に絶縁体フィルムを通すことにより、第2
の処理が効果的に行なえるレベルまで除電する。すなわ
ち、第1の処理での除電の効果が低いと、第2の処理に
おいて高周波プラズマ処理手段から送出されるまでの間
に、絶縁体フィルムが一様な負電位表面になることな
く、高周波プラズマ処理手段を出てくる可能性がある。
【0012】また、この場合、絶縁体フィルムの初期帯
電の極性も測定することにより、除電方法として、初期
帯電が正帯電の時には負電位を印加し、初期帯電が負帯
電の時には正電位を印加する。
【0013】(第2の処理)上記第1の処理により除電
された絶縁体フィルムを、さらに高周波グロー放電プラ
ズマ雰囲気中で除電し、かつ絶縁体フィルム表面を一様
な負電位とすることにより、絶縁性の物質からなる蒸発
材料の蒸着時に入射してくる2次電子を、電気的に反発
して入射を減少させる。
【0014】すなわち、上記第1の処理で除電された絶
縁体フィルムを、さらに高周波プラズマ処理手段内に送
入し、高周波グロー放電プラズマの雰囲気中に入れる。
高周波グロー放電プラズマ雰囲気中では、絶縁体フィル
ム表面付近で電子密度が非常に高く、一様な負電位とな
るセルフバイアス効果が起こるため、イオンが絶縁体フ
ィルム表面に向かって引き寄せされ、絶縁体フィルム表
面で電荷のやりとりが行なわれる。従って、絶縁体フィ
ルムは、高周波グロー放電プラズマ雰囲気中でさらに除
電されると共に、高周波グロー放電プラズマ特有のセル
フバイアス効果によって、絶縁体フィルム表面も一様な
負電位とされ、絶縁性の物質からなる蒸発材料の蒸着時
に、2次電子の絶縁体フィルムへの入射を減少させる。
【0015】ここで、高周波グロー放電プラズマとする
理由は、次のような理由によるものである。
【0016】(a)高周波グロー放電プラズマ中では、
基板表面の電子密度が高く、セルフバイアス電位と呼ば
れる負電位となるため、基板が絶縁体であっても一様な
負電位となる表面状態をとる。これに対して、直流グロ
ー放電では、セルフバイアス電圧は起こらないため、基
板が絶縁体である場合、一様な負電位となる表面状態に
はならない。
【0017】(b)高周波グロー放電は、電極が特に金
属である必要はなく、絶縁体基板でも対極の役割りを兼
ねる。これに対して、直流放電は、金属電極でなければ
ならない。
【0018】(c)高周波グロー放電では、放電が高周
波の振動電界に起因し、直流グロー放電の陰極からの陽
イオンによる2次電子放出とは異なるため、10-4[T
orr]程度でも放電を維持でき、真空蒸着装置内の真
空度の低下を小さく抑えること可能である。
【0019】以上のような点から、本発明では、絶縁性
の物質からなる蒸発材料への電子ビーム照射に伴なっ
て、蒸発材料から放出される2次電子の絶縁体フィルム
への入射を減少・抑制するために、蒸着の前処理手段と
して、前記第2の処理を効果的に行なうための絶縁体フ
ィルムの初期帯電をその帯電量に応じて除去する除電手
段と、高周波グロー放電プラズマにより、絶縁体フィル
ムの除電、および絶縁体フィルム表面の一様な負電位化
処理を行なう高周波プラズマ処理手段とを備えるもので
ある。
【0020】以下、上記のような考え方に基づく本発明
の一実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
【0021】図1は、本発明による巻取り式電子ビーム
真空蒸着装置の全体構成例を示す概要図である。図1に
おいて、巻き出しロール1から連続的に送出される絶縁
体フィルム2を、適宜の部所にそれぞれ配設された2個
の巻き出し側ガイドロール3、コーティングドラム4、
2個の巻き取り側ガイドロール5を介して走行させ、巻
き取りロール6で巻き取るようにしている。また、絶縁
体フィルム2の走行ラインの途中に配設されたコーティ
ングドラム4上で、電子ビームを照射して絶縁性の物質
からなる蒸発材料7を、絶縁体フィルム2上に連続的に
蒸着するようにしている。
【0022】一方、巻き出しロール1とコーティングド
ラム4との間、すなわち2個の巻き出し側ガイドロール
3間には、帯電極性測定手段である表面帯電センサー8
を配設し、下流側の巻き出し側ガイドロール3とコーテ
ィングドラム4と間には、除電器9と、高周波プラズマ
処理容器10とをそれぞれ配設している。
【0023】ここで、表面帯電センサー8は、絶縁体フ
ィルム2表面の帯電極性を測定するものである。また、
除電器9は、表面帯電センサー8により測定された帯電
極性と逆極性の電位を印加することにより、絶縁体フィ
ルム2の巻き出しから蒸着までの間に発生する初期帯電
をその帯電量に応じて除去するものである。さらに、高
周波プラズマ処理容器10は、高周波グロー放電プラズ
マにより、絶縁体フィルム2の除電、およびこの絶縁体
フィルム2表面の一様な負電位化処理を行なうものであ
る。
【0024】なお、11は真空容器であり、その内部が
蒸気しゃへい板12により仕切られている。そして、こ
の仕切りにより形成された真空槽13の内部には、図示
のように蒸発材料7を除いた上記各要素をそれぞれ収納
している。
【0025】図2は、図1における絶縁体フィルムが走
行する高周波電極が平行平板型の高周波プラズマ処理容
器10の概略構成例を示す断面図である。
【0026】図2において、10Aは高周波電源、10
Bはマッチングボックス、10Cはアルゴンガス導入
管、10Dは高周波電極、10Eは接地対極、10Fは
高周波グロー放電プラズマ雰囲気をそれぞれ示してい
る。ここで、高周波電極10D、接地対極10Eは、図
示のように平行平板型となっている。
【0027】次に、以上のように構成した本実施例の巻
取り式電子ビーム真空蒸着装置の作用について説明す
る。
【0028】図1において、まず、巻き出しロール1
に、絶縁体フィルム2として、例えば厚さ12μmのポ
リエチレンテレフタレートフィルムをセットし、また蒸
発材料7として、例えばAl2 3 (CaO、Si
2 、ZnO、BaO等の酸化物も使用可能)を入れ
て、1×10-5[Torr]以下まで排気する。
【0029】次に、除電器9の電源を投入して作動させ
る。
【0030】次に、高周波プラズマ処理容器10内に不
活性ガスを導入し、高周波電力を印加して高周波プラズ
マ処理容器10内に高周波グロー放電プラズマを発生さ
せる。
【0031】次に、ポリエチレンテレフタレートフィル
ム2を走行させると共に、コーティングドラム4上で、
電子ビームを照射して蒸発材料7をポリエチレンテレフ
タレートフィルム2上に連続的に蒸着する。
【0032】この場合、巻き出しロール1から送出され
たポリエチレンテレフタレートフィルム2は、表面帯電
センサー8により帯電極性が測定された後で、除電器9
により大きく除電された(数10V程度の表面電位)後
に、高周波プラズマ処理容器10内に送入される。そし
て、この送入されたポリエチレンテレフタレートフィル
ム2は、高周波プラズマ処理容器10内で、さらに除電
されると共に、高周波グロー放電プラズマ特有のセルフ
バイアス効果により、フィルム表面が一様に負電位を帯
びて高周波プラズマ処理容器10内から送出され、コー
ティングドラム4上で蒸発材料7がポリエチレンテレフ
タレートフィルム2上に電子ビーム蒸着される。
【0033】ここで、コーティングドラム4上で蒸着さ
れるポリエチレンテレフタレートフィルム2へ入射しよ
うとする2次電子は、フィルム表面が負電位であるため
に、ある程度跳ね返され、ポリエチレンテレフタレート
フィルム2に入射して捕捉される2次電子の量を減少さ
せることができる。従って、ポリエチレンテレフタレー
トフィルム2の帯電量は、コーティングドラム4との剥
離放電を起こすまでに致らず、剥離放電に伴なう発光、
およびポリエチレンテレフタレートフィルム2の波打ち
現象は、観察されなかった。
【0034】なお、比較例1として、前述した第1の処
理のみを行なった場合には、蒸着後に、コーティングド
ラム4とポリエチレンテレフタレートフィルム2との間
で、剥離放電による発光が見られ、ポリエチレンテレフ
タレートフィルム2の波打ち(走行)現象が起こり、ま
た2次電子入射による熱変形からくるレールすじがポリ
エチレンテレフタレートフィルム2の波打ち(走行)現
象が起こった。
【0035】また、比較例2として、前述した第2の処
理のみを行なった場合にも、第1の処理のみの場合と同
様に、ポリエチレンテレフタレートフィルム2の放電が
発生した。
【0036】これに対して、本実施例のように、前述し
た第1の処理、および第2の処理の両方を行なった場合
には、ポリエチレンテレフタレートフィルム2とコーテ
ィングドラム4との間の剥離放電が防止され、クラック
等の損傷・破壊のない蒸着膜を形成することができた。
また、2次電子の入射量の減少により、ポリエチレンテ
レフタレートフィルム2が受ける熱負荷が減少し、レー
ルすじは発生しなかった。
【0037】上述したように、本実施例では、巻き出し
ロール1から連続的に送出される絶縁体フィルム2を、
適宜の部所にそれぞれ配設された2個の巻き出し側ガイ
ドロール3、コーティングドラム4、2個の巻き取り側
ガイドロール5を介して走行させて、巻き取りロール6
で巻き取ると共に、絶縁体フィルム2の走行ラインの途
中に配設されたコーティングドラム4上で、電子ビーム
を照射して絶縁性の物質からなる蒸発材料7を、絶縁体
フィルム2上に連続的に蒸着するようにした巻取り式電
子ビーム真空蒸着装置において、巻き出しロール1とコ
ーティングドラム4との間である、2個の巻き出し側ガ
イドロール3間に、絶縁体フィルム2表面の帯電極性を
測定する表面帯電センサー8を配設し、また下流側の巻
き出し側ガイドロール3とコーティングドラム4と間
に、表面帯電センサー8により測定された帯電極性と逆
極性の電位を印加することにより、絶縁体フィルム2の
巻き出しから蒸着までの間に発生する初期帯電をその帯
電量に応じて除去する除電器9、および高周波グロー放
電プラズマにより、絶縁体フィルム2の除電、およびこ
の絶縁体フィルム2表面の一様な負電位化処理を行なう
高周波プラズマ処理容器10をそれぞれ配設するように
したものである。
【0038】従って、次のような種々の効果が得られる
ものである。
【0039】(a)絶縁性の物質からなる蒸発材料7を
絶縁体フィルム2上に蒸着する時に、蒸発材料7から放
出される2次電子の絶縁体フィルム2への入射を減少さ
せ、2次電子による絶縁体フィルム2の帯電に起因する
コーティングドラム4との間の剥離放電を抑止して、ク
ラック等の損傷・破壊のない蒸着膜を形成することが可
能となる。
【0040】(b)蒸発材料7から放出される2次電子
の絶縁体フィルム2への入射量の減少により、絶縁体フ
ィルム2が受ける熱負荷を減少することが可能となる。
【0041】尚、本発明は上記各実施例に限定されるも
のではなく、次のようにしても同様に実施して、同様の
効果が得られるものである。
【0042】上記実施例では、高周波プラズマ処理容器
として、高周波電極が平行平板型である場合について説
明したが、これに限らず高周波プラズマ処理容器とし
て、高周波電極がコイル型である場合についても、前述
の場合と同様の効果が得られるものである。
【0043】図3は、この種のコイル型の高周波プラズ
マ処理容器の概略構成例を示す断面図である。図3にお
いて、20Aは高周波電源、20Bはマッチングボック
ス、20Cはアルゴンガス導入管、20Dは高周波電
極、20Eは接地対極、20Fは高周波グロー放電プラ
ズマ雰囲気をそれぞれ示している。
【0044】かかるコイル型の高周波プラズマ処理容器
を用いた場合には、イオン濃度の高いコイル中を絶縁体
フィルム2が走行することにより、前述した効果をより
一層高めることが可能となる。
【0045】一方、上記各実施例において、高周波プラ
ズマ処理容器の形状を変えることによって、プラズマ処
理能力を変えることも可能となる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、電
子ビームを照射して絶縁性の物質からなる蒸発材料を絶
縁体フィルム上に連続的に蒸着するようにした巻取り式
電子ビーム真空蒸着装置において、絶縁体フィルム表面
の帯電極性を測定する帯電極性測定手段と、帯電極性測
定手段により測定された帯電極性と逆極性の電位を印加
し、絶縁体フィルムの初期帯電を除去する除電手段と、
高周波グロー放電プラズマにより、絶縁体フィルムの除
電、および当該絶縁体フィルム表面の一様な負電位化処
理を行なう高周波プラズマ処理手段とを、巻き出しロー
ルとコーティングドラムとの間に配設するようにしたの
で、絶縁性の物質からなる蒸発材料を絶縁体フィルム上
に蒸着する時に、蒸発材料から放出される2次電子の絶
縁体フィルムへの入射を減少させ、2次電子による絶縁
体フィルムの帯電に起因するコーティングドラムとの剥
離放電を抑止して、クラック等の損傷・破壊のない蒸着
膜を形成することが可能な極めて信頼性の高い巻取り式
電子ビーム真空蒸着装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による巻取り式電子ビーム真空蒸着装置
の一実施例を示す全体構成図。
【図2】同実施例における平行平板型の高周波プラズマ
処理容器の概略構成例を示す断面図。
【図3】本発明の他の実施例におけるコイル型の高周波
プラズマ処理容器の概略構成例を示す断面図。
【符号の説明】
1…巻き出しロール、2…絶縁体フィルム、3…巻き出
し側ガイドロール、4…コーティングドラム、5…巻き
取り側ガイドロール、6…巻き取りロール、7…蒸発材
料、8…表面帯電センサー、9…除電器、10…高周波
プラズマ処理容器、11…真空容器、12…蒸気しゃへ
い板、13…真空槽、10A…高周波電源、10B…マ
ッチングボックス、10C…アルゴンガス導入管、10
D…高周波電極、10E…接地対極、10F…高周波グ
ロー放電プラズマ雰囲気、20A…高周波電源、20B
…マッチングボックス、20C…アルゴンガス導入管、
20D…高周波電極、20E…接地対極、20F…高周
波グロー放電プラズマ雰囲気。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻き出しロールから連続的に送出される
    絶縁体フィルムを走行させて巻き取りロールで巻き取る
    と共に、前記走行ラインの途中に配設されたコーティン
    グドラム上で、電子ビームを照射して絶縁性の物質から
    なる蒸発材料を前記絶縁体フィルム上に連続的に蒸着す
    るようにした巻取り式電子ビーム真空蒸着装置におい
    て、 前記絶縁体フィルム表面の帯電極性を測定する帯電極性
    測定手段と、 前記帯電極性測定手段により測定された帯電極性と逆極
    性の電位を印加し、前記絶縁体フィルムの初期帯電を除
    去する除電手段と、 高周波グロー放電プラズマにより、前記絶縁体フィルム
    の除電、および当該絶縁体フィルム表面の一様な負電位
    化処理を行なう高周波プラズマ処理手段とを、 前記巻き出しロールと前記コーティングドラムとの間に
    配設して成ることを特徴とする巻取り式電子ビーム真空
    蒸着装置。
  2. 【請求項2】 前記高周波プラズマ処理手段としては、
    前記絶縁体フィルムが走行する高周波電極が平行平板型
    の高周波プラズマ処理容器であることを特徴とする請求
    項1に記載の巻取り式電子ビーム真空蒸着装置。
  3. 【請求項3】 前記高周波プラズマ処理手段としては、
    前記絶縁体フィルムが走行する高周波電極がコイル型の
    高周波プラズマ処理容器であることを特徴とする請求項
    1に記載の巻取り式電子ビーム真空蒸着装置。
  4. 【請求項4】 前記除電手段と前記高周波プラズマ処理
    手段とを、同一の真空筐体内に一体化構成するようにし
    たことを特徴とする請求項1に記載の巻取り式電子ビー
    ム真空蒸着装置。
JP24984391A 1991-09-27 1991-09-27 巻取り式電子ビーム真空蒸着装置 Pending JPH0586470A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24984391A JPH0586470A (ja) 1991-09-27 1991-09-27 巻取り式電子ビーム真空蒸着装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24984391A JPH0586470A (ja) 1991-09-27 1991-09-27 巻取り式電子ビーム真空蒸着装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0586470A true JPH0586470A (ja) 1993-04-06

Family

ID=17199012

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24984391A Pending JPH0586470A (ja) 1991-09-27 1991-09-27 巻取り式電子ビーム真空蒸着装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0586470A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10108717C1 (de) * 2001-02-23 2002-07-11 Bosch Gmbh Robert Vorrichtung und Verfahren zur Entladung von dielektrischen Oberflächen
JP2014214365A (ja) * 2013-04-26 2014-11-17 住友金属鉱山株式会社 樹脂フィルムの表面処理方法、樹脂フィルムの成膜方法ならびに金属化樹脂フィルム基板の製造方法
JP2019119921A (ja) * 2018-01-11 2019-07-22 国立大学法人茨城大学 帯電物体の位置決め方法と除電装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10108717C1 (de) * 2001-02-23 2002-07-11 Bosch Gmbh Robert Vorrichtung und Verfahren zur Entladung von dielektrischen Oberflächen
WO2002067285A3 (de) * 2001-02-23 2002-10-10 Bosch Gmbh Robert Vorrichtung und verfahren zur entladung von dielektrischen oberflächen
US6934142B2 (en) 2001-02-23 2005-08-23 Robert Bosch Gmbh Device and method for charge removal from dielectric surfaces
JP2014214365A (ja) * 2013-04-26 2014-11-17 住友金属鉱山株式会社 樹脂フィルムの表面処理方法、樹脂フィルムの成膜方法ならびに金属化樹脂フィルム基板の製造方法
JP2019119921A (ja) * 2018-01-11 2019-07-22 国立大学法人茨城大学 帯電物体の位置決め方法と除電装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4740385A (en) Apparatus for producing coils from films of insulating material, conductively coated in a vacuum
EP0041850B1 (en) A method of vacuum depositing a layer on a plastics film substrate
KR920005439B1 (ko) 박막 제조방법
JPH07109571A (ja) 電子ビーム式連続蒸着装置
JP2785442B2 (ja) プラズマcvd装置
JP2003073814A (ja) 製膜装置
JPH0586470A (ja) 巻取り式電子ビーム真空蒸着装置
JPH0750701B2 (ja) 放電反応装置
KR101009306B1 (ko) 매칭 박스, 이를 사용하는 진공 장치 및 진공 처리 방법
JP3782708B2 (ja) 放電プラズマ処理装置及びそれを用いる放電プラズマ処理方法
US2985756A (en) Ionic bombardment cleaning apparatus
JP5045513B2 (ja) 巻取式真空蒸着方法および装置
RU2726187C1 (ru) Устройство для обработки изделий быстрыми атомами
JPS6324068A (ja) 連続真空蒸着メツキ装置
JP4032504B2 (ja) スパッタ装置
JP4161607B2 (ja) 巻き取り式電子ビーム真空蒸着装置
JPH10265946A (ja) 蒸着装置およびこれを用いた薄膜の製造方法
JPH0751750B2 (ja) 膜形成装置
EP4357479A1 (en) Method for manufacturing processed plastic film
JP2002060931A (ja) 巻取真空成膜装置およびこれを用いた成膜フィルムの製造方法
JP3827116B2 (ja) 真空装置内の基体除電装置
JP2696987B2 (ja) 薄膜製造方法
JP3788632B2 (ja) 連続イオンプレーティング装置
JPH04131366A (ja) 基板のクリーニング方法
JPS6063919A (ja) 表面処理装置