JPH0586452A - 溶射用粉末材料 - Google Patents

溶射用粉末材料

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JPH0586452A
JPH0586452A JP27665291A JP27665291A JPH0586452A JP H0586452 A JPH0586452 A JP H0586452A JP 27665291 A JP27665291 A JP 27665291A JP 27665291 A JP27665291 A JP 27665291A JP H0586452 A JPH0586452 A JP H0586452A
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JP
Japan
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thermal spraying
product
particle
less
cross
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JP27665291A
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English (en)
Inventor
Takatoshi Tomoyasu
友保孝敏
Yoshizo Hashimoto
橋本芳造
Akira Egami
明 江上
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた溶射作業性と皮膜特性(空孔、組織、
硬度、耐摩耗性、耐食性)が得られる溶射用粉末材料を
提供する。 【構成】 この溶射用粉末材料は、平均粒径が5μm以
下のタングステン炭化物及びクロム炭化物の1種又は2
種を含む炭化物高質粒子相を50vol%以上と、Co及び
Niの1種又は2種を含む金属相を10vol%以上含有
し、かつ、各製品粒子が断面空孔率30%以下であるこ
とを特徴としている。製品粒子は球状である。JIS
Z 2502による流動度が60秒/50g以下であるこ
と、各製品粒子の粒径が50μm以下であり、かつ、粒
径5μm未満の微細粉が3%以下であることが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶射用粉末材料に関し、
特に高硬度で耐摩耗性に優れた均一で緻密度の高い皮膜
組織が得られるサーメット系溶射用粉末に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】溶射法
は、熱源の種類により、ガス式溶射と電気式溶射に大別
され、更に前者はフレーム式溶射(溶線式、溶棒式、粉
末式)及び爆発溶射に分けられ、後者はアーク溶射、プ
ラズマ溶射及び線爆溶射に分けられる。これらの溶射法
のうち、フレーム溶射(粉末式)、爆発溶射、プラズマ溶
射などには溶射材料として粉末が使用される。
【0003】ところで、溶射用粉末材料に要求される品
質には各種の特性があるが、皮膜の密着性に優れ、空隙
の少ないことは重要なポイントである。そのためには、
粒径の細かいものほど、皮膜の密着性は向上し、ポアの
少ない健全な皮膜が得られることが一般に知られてい
る。しかしながら、従来良く用いられている粉砕粉で
は、粒径が細かくなると流動性が劣化し、ノズル内で閉
塞するなどの問題があった。
【0004】流動性が悪い理由は、粉末の形状が異形で
あるためであり、形状を球状化すれば、具体的には、造
粒により粒子の形状を球状に近づければ改善されること
が知られている。現状市販の溶射材料にも、そのような
造粒により製造されたものが見受けられる。しかしなが
ら、その皮膜特性、溶射作業性は必ずしも満足できるも
のではなく、特に気孔が多い、皮膜密着性が悪い、付着
効率が悪いなど問題点があった。
【0005】本発明は、上記従来技術の問題点を解決
し、優れた溶射作業性並びに皮膜特性が得られる溶射用
粉末材料を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明者は、材料の成分組成、製造法等々について
鋭意研究を重ねた結果、ここに本発明を完成したもので
ある。
【0007】すなわち、本発明は、平均粒径が5μm以
下のタングステン炭化物及びクロム炭化物の1種又は2
種を含む炭化物硬質粒子相を50vol%以上と、Co及び
Niの1種又は2種からなる金属相を10vol%以上含有
し、かつ、各製品粒子が断面空孔率30%以下であるこ
とを特徴とする溶射用粉末材料を要旨とするものであ
る。
【0008】以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0009】
【作用】まず、本発明における成分組成等の限定理由は
以下のとおりである。
【0010】溶射用材料には金属、セラミック、サーメ
ット等々の様々な種類のものがあるが、溶射皮膜の特性
として、耐食性や、耐摩耗性、特に高温での耐摩耗性向
上のためには、炭化物硬質粒子と金属との複合材料(サ
ーメット)が適している。本発明では、炭化物硬質粒子
としてタングステン炭化物及び/又はクロム炭化物を主
成分として用い、結合金属相としてCo及び/又はNiを
主成分として用いる。
【0011】なお、炭化物硬質粒子として、更にチタン
炭化物なども添加することができ、また結合金属相とし
てCrなどを添加することもできる。
【0012】但し、炭化物硬質粒子の粒径は、製品粒子
の形状に影響を及ぼし、5μmを超えると球状粉が得ら
れないため、5μm以下とする必要がある。
【0013】また、炭化物硬質粒子相が50vol%未満
では皮膜の断面硬度が低く、また硬質粒子の分散性も悪
いため、充分な耐摩耗性が得られるないので、炭化物硬
質粒子相を50vol%以上とする必要がある。
【0014】更に、金属相は、10vol%未満では皮膜
の気孔が多く、耐摩耗性を劣化させるため、10vol%
以上とする必要がある。
【0015】更にまた、各製品粒子の断面空孔率は、皮
膜の断面硬度、耐摩耗性に影響を及ぼし、30%を超え
ると充分な断面硬度、耐摩耗性が得られないため、30
%以下である必要がある。ここで、断面空孔率とは、製
品粒子内部にどの程度の空孔部分が存在するかを簡便に
表わすものであり、製品粒子断面において、粒子外周の
内側の空孔を含む全面積に占める空孔部分の面積の割合
を百分率で表わしたものである。なお、粒子内に閉じ込
められた空孔(閉空孔)の他に図6に示すような入江状の
部分(開空孔)も空孔として扱うものとする。断面空孔率
={(Bの面積+Cの面積)/Aの面積Bの面積+Cの面
積)}×100%である。
【0016】各製品粒子は、上述のように断面空孔率が
30%以下であるが、球状で、適当な大きさの粒径のも
のであることが好ましい。すなわち、製品粒子の粒径が
50μmを超えると皮膜の気孔率が多めで充分な断面硬
度、耐摩耗性が得られなくなり、また5μm以下の微細
粉が3%を超えると粉末の送給性が悪く、連続溶射が不
可能になるので、各製品粒子は、その粒径が50μm以
下であり、かつ、粒径5μm未満の微細粉が3%以下で
あることが好ましい。
【0017】また、JIS Z 2502(金属粉の流動
度試験方法)による流動度が60秒/50g以下であるのが
好ましい。流動度が60秒/50gを超えると、粉末の送
給が不安定になる。
【0018】上述の成分組成並びに性状を有する溶射用
粉末は、図1に示すように、原料配合→混合粉砕→スラ
リー調整→噴霧造粒→脱蝋焼結→高密度化焼結の工程に
より製造し、篩い・分級により製品とされる。基本的工
程は図に示すとおりであるが、本発明に係る重要なポィ
ントは高密度化焼結工程にある。通常、造粒焼結粉は1
000〜1200℃程度の温度領域で焼結が行われる
が、この温度領域では固相焼結であり、製品粒子の断面
空孔率は30〜50%と、かなりポーラスな状態とな
る。本発明の最大の技術的ポィントは製品粒子の断面空
孔率が30%以下の高密度球状粉ということであり、こ
れは1250〜1400℃の液相出現温度領域で高温焼
結することによって達成されるものである。
【0019】次に本発明の実施例を示す。
【0020】
【実施例】図1に示す製造工程により、
【表1】 に示す各種の粉末を製造し、試験に供した。断面空孔率
は画像解析によって測定した。これらの粉末を使用して
常法により高速ガス炎溶射を行い、得られた溶射皮膜に
ついて、耐摩耗性をJIS H 8615(摩耗試験方法)
に準拠して摩耗減量を測定して評価すると共に、溶射作
業性を調べた。これらの結果を
【表2】 に示す。
【0021】表2に示すように、本発明例は、いずれ
も、良好な溶射作業性を示すと同時に優れた皮膜特性
(組織の緻密性、硬度、耐摩耗性)が得られている。製品
粒子は、図2(本発明例A-2:断面空孔率25%)、図
3(本発明例A-3:断面空孔率7%)、図4(本発明例A
-4:断面空孔率1%)に示すように空孔の少ない球状で
あった。なお、図2〜図4及び後述の図5は、黒色樹脂
に埋込んで断面研磨をしたものであり、粒子の内側の真
黒に見える部分が空孔である。
【0022】一方、比較例B-1は、WC粒子が粗すぎ
るため、きれいな球状粉が得られず、また5μm以下の
微細粉が多いため、粉末の送給性が悪く、連続溶射が不
可能であった。また、製品粒子の断面空孔率が高いた
め、皮膜の気孔も多めで充分な断面硬度、耐摩耗性が得
られない。
【0023】比較例B-2は、断面空孔率が40%と高
いため(図5参照)、皮膜の気孔が多めで、充分な断面硬
度、耐摩耗性が得られない。比較例B-3は、製品粒子
の粒径が粗すぎるため、皮膜の気孔が多めで、充分な断
面硬度、耐摩耗性が得られない。
【0024】比較例B-4は、金属相が少なすぎるた
め、皮膜の気孔が多く、充分な断面硬度、耐摩耗性が得
られない。また、比較例B-5は、金属相が多すぎるた
め、皮膜の断面硬度が低く、また硬質粒子の分散性が悪
いため、充分な耐摩耗性が得られない。
【0025】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
優れた溶射作業性を有すると共に、空孔が非常に少なく
緻密な組織で、硬度、耐摩耗性等の優れた皮膜特性が得
られる溶射用粉末材料を提供することができる。また緻
密で均一な皮膜組織が得られるため、表面研磨による鏡
面仕上げが可能となり、適用範囲の拡大が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶射用粉末材料を製造する工程を示す
図である。
【図2】本発明例の製品粒子の粒子構造を示す写真であ
る。
【図3】本発明例の他の製品粒子の粒子構造を示す写真
である。
【図4】本発明例の他の製品粒子の粒子構造を示す写真
である。
【図5】比較例の製品粒子の粒子構造を示す写真であ
る。
【図6】断面空孔率を説明するための粒子断面の概念図
である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が5μm以下のタングステン炭
    化物及びクロム炭化物の1種又は2種を含む炭化物硬質
    粒子相を50vol%以上と、Co及びNiの1種又は2種
    を含む金属相を10vol%以上含有し、かつ、各製品粒
    子が断面空孔率30%以下であることを特徴とする溶射
    用粉末材料。
  2. 【請求項2】 各製品粒子が球状である請求項1に記載
    の溶射用粉末材料。
  3. 【請求項3】 JIS Z 2502による流動度が60
    秒/50g以下である請求項1又は2に記載の溶射用粉末
    材料。
  4. 【請求項4】 各製品粒子の粒径が50μm以下であ
    り、かつ、粒径5μm未満の微細粉が3%以下である請
    求項1、2又は3に記載の溶射用粉末材料。
JP27665291A 1991-09-27 1991-09-27 溶射用粉末材料 Pending JPH0586452A (ja)

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