JPH0586411A - 高炉炉底の侵食ライン推定方法 - Google Patents

高炉炉底の侵食ライン推定方法

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JPH0586411A
JPH0586411A JP27712091A JP27712091A JPH0586411A JP H0586411 A JPH0586411 A JP H0586411A JP 27712091 A JP27712091 A JP 27712091A JP 27712091 A JP27712091 A JP 27712091A JP H0586411 A JPH0586411 A JP H0586411A
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Koichi Kurita
興一 栗田
Yasunori Tanizawa
安則 谷沢
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高炉炉底侵食ラインを正確に推定する手段を提
供する。 【構成】炉底煉瓦侵食面の温度を溶銑の凝固温度より高
い温度に設定する。炉底煉瓦侵食面と溶銑の凝固温度等
温面との間の領域における侵食煉瓦の熱伝導率を健全煉
瓦の熱伝導率より高目に設定する。上記2つの条件下
で、炉底実測温度値に基づいて伝熱計算により炉底侵食
ラインを推定する。 【効果】炉底侵食ラインを精度よく推定でき、炉底寿命
を的確に予測できる。炉底寿命を延長できる。コスト合
理化がはかられる。高炉の吹卸し時期を正確に決定でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高炉炉底の侵食状況
を的確に把握するための炉底侵食ラインの推定方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】高炉操業において、高炉の吹止め時期
は、炉底耐火物煉瓦の侵食が限界点に達したと判断され
る推定に基づいて決定される。したがって、この推定の
精度の如何により炉体寿命が1〜2年延びたり縮んだり
することになり、経済的影響は大である。従来より、炉
底の侵食ラインの推定は、炉底煉瓦中に埋設した複数の
温度計の実測値を用いて炉底煉瓦内温度分布を推定計算
し、銑鉄が凝固すると考えられる1150℃等温線を煉
瓦面の侵食平衡ラインとして定義していた。この煉瓦内
温度分布の推定計算に際しては、煉瓦の熱伝導率として
健全な煉瓦の熱伝導度を用い、1150℃等温線を煉瓦
侵食平衡ラインとして求めていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、吹き卸し後
解体した高炉の炉底侵食平衡ラインを確認すると、実際
は煉瓦内への溶銑の侵透(目地差し)により煉瓦の侵食
面の温度は1150℃より高い等温線に一致すること、
また侵透の生じた煉瓦は変質しており見掛けの熱伝導率
は健全煉瓦の数倍大きくなっていることが実測により判
明した。したがって、従来の炉底侵食ラインの推定方法
では、推定精度が低く、炉底寿命延長のための判断が的
確に行われないという問題があった。
【0004】この発明は、このような従来の問題を解決
するため、炉底侵食ラインの推定精度を向上させ、炉底
寿命の予測精度を高めるとともに、炉底寿命延長のため
の操業変更手段(TiO装入タイミング、装入量、羽
口吹込位置、コークス粒度管理、O/C半径方向分布
等)の時期を明確にすることが可能な高炉炉底の侵食ラ
イン推定方法を提案しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、高炉の解体
調査により知見した炉底侵食煉瓦の熱伝導率、煉瓦侵食
面の温度、すなわち、目地差しの存在により、熱伝導率
が健全煉瓦の数倍大きくなっていること、煉瓦侵食面の
温度が溶銑の凝固温度(1150℃程度)より高くなっ
ていることを考慮して、炉底侵食ラインの推定精度を向
上させるもので、その要旨は、炉底煉瓦侵食面の温度を
溶銑の凝固温度より高い温度に設定し、炉底煉瓦侵食面
と溶銑の凝固温度等温面との間の領域における侵食煉瓦
の熱伝導率を、当該健全煉瓦の熱伝導率より高目に設定
した条件下で、炉底の複数箇所で測定した炉底温度値に
基づいて推定する方法にある。
【0006】
【作用】A高炉(炉容積4300m)の解体調査結果
を図1に示す。図中、1はシャモット煉瓦、2はカーボ
ン煉瓦、3は炉底煉瓦温度実測位置である。すなわち、
銑鉄が凝固する1150℃等温ラインまでは目地差しが
確認された。一方、目地差しの存在しない領域の煉瓦
は、高温ながら変質は極めて少なく、煉瓦の熱伝導率は
健全煉瓦のそれと一致していた。しかし、1150℃以
上で、煉瓦の侵食面までの領域では、溶銑の目地差しお
よび侵透のため煉瓦の熱伝導率は、健全煉瓦の約4倍に
も達していた。そこで、稼働中における炉底煉瓦温度の
実測値のうち最高の温度を選択し、その温度に合致する
ように炉底侵食ラインを推定したところ、A高炉の場合
1350℃等温線と一致した。
【0007】次に、B高炉(炉容積5100m)にお
ける炉底侵食ラインの推定を実施した。この場合も、A
高炉と同様に炉底煉瓦最高温度に合致するように、炉底
侵食ラインを1350℃等温線として求め、解体調査結
果と比較した結果、±5cmの範囲内で両者が一致し
た。ただし、この場合には、銑鉄凝固温度1150℃と
1350℃の間の領域にある煉瓦の熱伝導率は健全煉瓦
の4倍とした。
【0008】以上の解体調査結果より、この発明におけ
る炉底煉瓦侵食面の温度としては、溶銑の凝固温度(1
150℃)と出銑温度(1500℃)との間とし、熱伝
導率としては健全煉瓦の熱伝導率の4倍とするのが好ま
しいことが判明した。したがって、このような条件下
で、炉底複数箇所の実測温度値に基づいて伝熱計算して
求められた炉底侵食ライン推定値は、必然的に精度の高
いものとなる。
【0009】
【実施例】炉底煉瓦温度の実測値を用いて炉底侵食ライ
ンを推定するに際し、過去の最高温度を用い、銑鉄の凝
固温度1150℃と煉瓦侵食面との間の溶銑目地差し領
域での煉瓦熱伝導率を、健全煉瓦85%と溶銑15%か
らなるとして推定計算して求めた熱伝導度を用いる。そ
して、前記過去の最高温度に合致するように、炉底煉瓦
内温度分布を求め、1150℃等温ラインを目地差しラ
インとする。この目地差しラインより温度の高い135
0℃までの領域は、溶銑の侵入した変質煉瓦層として取
扱い、1350℃等温ラインを煉瓦侵食面とする。
【0010】稼働中、温度実測値は時々刻々変化する
が、温度が低下してきた場合には、1350℃等温ライ
ンは煉瓦侵食面より炉内側に移動することになる。煉瓦
侵食面が1150℃以下となると、煉瓦侵食面と115
0℃等温面との間の領域は、溶銑が凝固している層と考
えられる。図2はこの種々の温度変化に対応した炉底の
状態を示す模式図であり、(a)は過去最高の煉瓦温度
での炉底煉瓦状態、(b)は炉底煉瓦温度が低下した状
態で、侵食面が1150℃以上1350℃以下の温度と
なっている場合、(c)は侵食面上で1150℃以上と
なり、侵食面上に凝固層が成長する状態を、それぞれ示
す。
【0011】この発明方法を適用したB高炉での炉底侵
食ラインの経時変化を図3に示す。図中、実線は従来法
による銑鉄の凝固ライン(約1150℃)で推定した侵
食ライン、点線は本発明法で推定した炉底煉瓦侵食ライ
ンである。このデータより、従来法では9年目で侵食限
界に到達することになるが、本発明法で推定し直すと、
10年目でも炉底侵食に余裕のあることが判明し、それ
まで実施してきた炉底保護のためのTiOの装入、ま
たはコークスの大粒径化等が不要となり、コスト合理化
がはかられた。
【0012】
【発明の効果】この発明は上記のごとく、高炉の解体調
査結果より見出だした実際の炉底侵食煉瓦の熱伝導率、
煉瓦侵食面の温度を取り込んで炉底の侵食ラインを推定
する方法であるから、炉底侵食ラインをより精度よく推
定可能となる。したがって、この発明によれば、炉底寿
命の予測精度が高められることにより、炉底寿命延長の
ための操業変更手段の時期を明確にすることが可能とな
りコスト合理化がはかられるとともに、高炉の吹卸し時
期を正確に決定することができるという、優れた効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明におけるA高炉の解体調査結果と炉底
侵食推定ラインを示す説明図である。
【図2】この発明の実施例における炉底煉瓦の侵食状態
を示す説明図で、(a)は過去最高の炉底煉瓦状態、
(b)は炉底侵食面が1350℃より低い場合の炉底侵
食状態、(c)は炉底侵食面上に凝固層が存在する状態
をそれぞれ示す。
【図3】同上実施例における炉底侵食ラインの経時変化
を示す図である。
【符号の説明】
1 シャモット煉瓦 2 カーボン煉瓦 3 炉底煉瓦温度実測位置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炉炉底煉瓦の侵食ラインを伝熱計算に
    より推定する方法において、炉底煉瓦侵食面の温度を溶
    銑の凝固温度より高い温度に設定し、炉底煉瓦侵食面と
    溶銑の凝固温度等温面との間の領域における侵食煉瓦の
    熱伝導率を、当該健全煉瓦の熱伝導率より高目に設定し
    た条件下で、炉底の複数箇所で測定した炉底温度値に基
    づいて推定することを特徴とする高炉炉底の侵食ライン
    推定方法。
JP27712091A 1991-09-27 1991-09-27 高炉炉底の侵食ライン推定方法 Expired - Lifetime JP2718305B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110781566A (zh) * 2019-10-21 2020-02-11 中冶赛迪重庆信息技术有限公司 一种炉缸凝铁层计算方法、系统、存储介质及电子终端

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110781566A (zh) * 2019-10-21 2020-02-11 中冶赛迪重庆信息技术有限公司 一种炉缸凝铁层计算方法、系统、存储介质及电子终端
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