JPH0586156B2 - - Google Patents

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JPH0586156B2
JPH0586156B2 JP55176559A JP17655980A JPH0586156B2 JP H0586156 B2 JPH0586156 B2 JP H0586156B2 JP 55176559 A JP55176559 A JP 55176559A JP 17655980 A JP17655980 A JP 17655980A JP H0586156 B2 JPH0586156 B2 JP H0586156B2
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torque
current
phase
motor
control
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JP55176559A
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Wataru Shimizu
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SG KK
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Publication date
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Publication of JPS57101597A publication Critical patent/JPS57101597A/ja
Publication of JPH0586156B2 publication Critical patent/JPH0586156B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P8/00Arrangements for controlling dynamo-electric motors of the kind having motors rotating step by step
    • H02P8/12Control or stabilisation of current

Description

【発明の詳細な説明】
この発明は、多極型モータの閉ループ制御方式
に関し、特にトルクの閉ループ制御に関する。 一般的なサーボ制御方式を略示すると第1図の
ようになる。モータ1の回転位置(角度)及び速
度をセンサ2によつて検出し、偏差算出部3及び
4にフイードバツクする。そして、入力部5で入
力された目標位置と現在位置との偏差を求め、更
にその偏差と現在速度との偏差を求めて速度設定
部6に入力する。速度設定部6では偏差算出部4
から与えられた偏差に対応する速度指令信号を発
生し、増幅器7を介してモータ1の駆動を制御す
る。多極型モータのサーボ制御に関しても基本的
には第1図と同様の制御方式が導入される。 ところで、上記のサーボ制御とは別途に、ステツ
プモータにおいてトルクの閉ループ制御を導入す
ることが従来より試みられているが、完全な閉ル
ープ制御は実現されていなかつた。例えば、ロータ
の回転を一定のリード角(検出位相角)に従つて検
出し、このリード角を速度指令値に応じて調整し
てリード角検出信号をフイードバツクすることに
より最適トルクでモータを動作させることが従来
より考えられている。リード角は半固定であるた
め、速度指令値の変動に応じて随時変化させるこ
とができないので、実際は、一定のリード角検出信
号を所望の速度指令値に応じて適宜遅延し、その
遅延信号をフイードバツクするようにしている。
しかしこの方式は速度指令値と遅延時間との関係
に予じめ定められたものを適用するだけであるの
で、完全な閉ループ制御とは言い難い面がある。
すなわち、予定の最適トルク動作を行うよう指示
することはできても、実際にモータが最適トルク
で動作しているか否かということは確認されてい
ないのである。その意味で、従来のものは不完全
な閉ループ制御であると言わざるを得ない。また、
フイードバツクループに遅れ要素を導入している
ため、速度指令値の急激な変動に追従することが
できないという欠点もある。例えば、遅延時間の長
いものから短いものへ急激に変化した場合は、直
ちに遅延時間を短縮することはできない。更に、応
答し得る速度はリード角に対応する速度(すなわ
ち遅延時間ゼロのときの速度)を上限とするので、
高速応答型のモータへの適用は困難であつた。 そこで、この発明の目的は、多極型モータにお
いて完全な閉ループ制御を実現し、常に最適トル
クでモータを駆動し得るようにすることにより上
述のような従来技術の種々の欠点を改善すること
にある。この目的は、多極型モータにおける現在
の各相励磁状態を検出すると共に現在の回転位置
を検出し、各相励磁状態にもとづいて現在のトル
ク特性を判断し、このトルク特性と回転位置検出
信号にもとづいて現回転位置が常に所望の最適ト
ルク位置に位置するように各相励磁態様を絶えず
制御することにより達成される。現在のトルク特
性と回転位置とを常に参照してモータが最適トル
ク動作をしていることを確認しながらモータ制御
を行うので完全な閉ループ制御を実現することが
できる。その結果、振動や脱調等の問題が生じ
ず、かつ速度の変動にも容易に追従することがで
き、かつ高速応答性に優れた、等の種々の利点を
もつモータ制御を実現することができる。 また、この発明の別の目的は、高速駆動時にお
ける多極型モータの出力トルク特性を改善するこ
とにある。一般に、多極型モータは各相の順次励
磁を繰返すことにより1回転を得るので、各相の
励磁速度が回転速度に比べて速くなる。従つて、
高速駆動時には励磁電流の立上り遅れによるトル
クの低下が問題となる。そこで、この発明では、
励磁電流を、従来のステツプモータ制御に見られ
たようなオン・オフのパルス電流とするのではな
く、連続的に増減する電流とすることにより上述
の問題を解決している。すなわち、現回転位置が
常に所望の最適トルク位置に位置するように励磁
電流を連続制御することにより、時定数遅れの問
題が解消され、高速駆動時のトルクの低下が生じ
なくなる。 以下添付図面を参照してこの発明の実施例を詳
細に説明しよう。 まず第2図乃至第5図を参照してこの発明の閉
ループ制御方式を原理的に説明する。説明の便宜
上、以下では制御対象となる多極型モータは一例
として4相のステツプモータであるとする。各相
を区別するためA,B,C,Dという符号を用い
るものとする。第2図において、電流検出部11
はモータ12の各相の現在の励磁状態を検出する
ためのものであり、具体的にはドライバ13から
モータ12の各相A〜Dに与えられる励磁電流
iA,iB,iC,iDを検出する。回転位置センサ14は
モータ12の現在の回転位置(回転角度)θを検
出する。トルク特性及びトルク位置判断部15で
は、現在の相励磁状態(iA〜iD)にもとづいて現
在のトルク特性を判断し、かつこのトルク特性に
おいて現在の回転位置θがどのトルク位置(トル
ク角)に位置するかを判断する。4相モータにお
いてはトルク特性は大別して4つのトルクモード
#1乃至#4のいずれかに属し、各モードにおけ
るトルク特性のカーブはそのときの励磁電流iA
iDの値に応じて適宜変化する。速度設定部16か
ら与えられる速度指令には大別して2つの要素が
ある。1つは速度要素であり、これはいわば指令
速度の絶対値であり、ステツプモータにあつては
所望の速度に対応する周波数のパルス列から成
る。もう1つは方向要素であり、時計方向
(CW)または反時計方向(CCW)のモータ制御
方向を示す。CWとCCWとではトルクの向きが
逆になるので、この方向要素は最適トルク制御を
行う上での一制御要素となる。分配部17では、
判断部15で判断された現在のトルク位置とトル
クモード(#1乃至#4のうち1つ)とをフイー
ドバツク信号として、かつ指令された制御方向
CWまたはCCWを考慮して、モータ12の回転
位置が常に最適トルク位置となるように各相A〜
Dへの励磁電流の分配供給を制御する。具体的に
は、各相の励磁電流の増加または減少を命令する
ことにより、これらの電流を連続的に(パルス的
にではなく)制御し、これによりモータ12の回
転に伴なうトルク特性の連続的変化を実現し、常
に最適トルク位置でモータ12を駆動することが
できるようにしている。 4相のステツプモータ12における回転角θに
対する各相A〜Dのトルク特性は第3図のように
なることが知られている。この場合、各相A〜Dに
同じ定格電流が与えられているものとしている。
尚、このトルク特性の1サイクルはステツプモー
タ12のロータのスロツト歯の1ピツチに相当す
る角度であるが、第3図ではこの1ピツチを360
度として表示している。以下の角度表示はすべて
これと同様であり、90度、180度、270度、360度等と
便宜上表示する角度は1ピツチを等分した角度で
ある。また、各相のトルクとそれらの相電流iA〜iD
とほぼ比例関係にあることが知られている。従つ
て、各相A〜Dのトルクカーブは下記のように表
わすことができる。Tは定数である。 A相… T〓θ×iA B相…−T〓θ×iB C相…−T〓θ×iC D相… T〓θ×iD …(1) 実際にモータ12で発生するトルクは各相のト
ルクを合計したものであるので、 T{(iA−iC)〓θ+(iD−iB)〓θ)} …(2) となる。この第(2)式がモータ12の現在のトルク
特性を示す公式であり、各相の電流iA〜iDと現在
の回転角θ(但し、ロータ歯の1ピツチを360度と
する相対的角度)にもとづいて現在のトルク特性
を求めることができることがこの式より明らかで
ある。詳しくは、現在のトルク特性のカーブが各
相の電流iA〜iDによつて決定され、回転角θがこ
のトルク特性のどの位置に位置するかは第(2)式に
θを入れて計算を行うことにより判明する。尚、
この発明では各相の電流iA〜iDはパルス的に切換
制御されるものではなく、連続的に増減制御され
るものである。第(2)式を整理すると、適宜の振幅
係数Kと初期位相δ(このKとδはiA〜iDによつて
定まる)をもつ正弦関数K〓(θ+δ)となるこ
とは明らかである。このように、現在のトルク特
性は正弦関数K〓(θ+δ)によつて表わすこと
ができる。この位相角θ+δがトルク特性カーブ
においてモータ12の現回転位置が占める位置す
なわちトルク位置を示しており、これをトルク角
ということにする。 第3図に示すように、A相とC相のトルク特性
が互いに逆相であり、B相とD相のトルク特性も
互いに逆相である。従つて、電流iA〜iDを連続的
に増減制御した場合、電流iAとiCの大小関係及び
iBとiDの大小関係に応じて第4図に示すような4
つのトルクモード#1〜#4が発生する。第4図
では、A相とC相のトルクカーブA(iA−iC)を合
成したもの、及びB相とD相のトルクカーブB
(iB−iD)を合成したものを実線で示し、これらを
合計したものすなわち前記第(2)式で表わされるモ
ータ12の実際のトルク特性を破線で示す。たて
軸はトルク、横軸は回転角θを示す。尚、トルク
位置すなわちトルク角は破線で示すトルク特性カ
ーブの0点(θ+δが0の位置)基準(0度)と
する。破線で示すトルクカーブにおいて、CW方
向の最大トルク位置CWMAXはトルク角0度から
90度遅れており、CCW方向の最大トルク位置
CCWMAXはトルク角0度よりも90度進んでいる。 第4図aに示すトルクモード#1は各相A〜D
の励磁電流の大きさがiA>iC及びiB>iDのときのモ
ードであり、破線で示すトルクカーブの0点が回
転角θの0度乃至90度の範囲に入る。すなわち、
iA>iCであることによりA相とC相の合成トルク
T(iA−iC)〓θは第3図に示すA相の定格トルク
カーブT〓θと同相となり、また、B相とD相の
合成トルクT(iD−iB)〓θはiB>iDであることに
より第3図に示すB相の定格トルクカーブ−T〓
θと同相となる。図に示すトルクカーブのレベル
は一例にすぎず、iAとiCの差あるいはiBとiDの差に
応じて変化する。 第4図bに示すトルクモード#2は、iA<iC
びiB>iDのときのモードであり、トルク角の0度
が回転角θの90乃至180度の範囲に入る。同図c
に示すトルクモード#3は、iA<iC及びiB<iDのと
きのモードであり、トルク角の0度が回転角θの
180乃至270度の範囲に入る。同図dのトルクモー
ド#4は、iA>iC及びiB<iDのときのモードであ
り、トルク角の0度が回転角θの270度乃至360度
の範囲に入る。現在のトルクモードが#1乃至
#4のいずれであるかは、電流iA乃至iDの大小関
係を比較することにより容易に判断できる。 判断部15で判断された現在のトルク位置及び
トルクモードをフイードバツク信号として分配部
17で行うべき制御の概要は次の通りである。 ある時点におけるトルクモードが#1であり、
そのトルク特性カーブが第5図aの破線のようで
あり、かつ制御方向としてCW方向が指示されて
いるとする。このとき、モータ12の現在の回転
角が第5図aのM〓に示す位置であり、そのトル
ク位置(すなわちトルク特性カーブにおけるM〓
の位置)が最大トルク位置CWMAXに達していな
いとする。判断部15からフイードバツクされた
トルク位置情報によつてM〓がCWMAXに達してい
ないことを確認し、第5図bに示すようにトルク
カーブ全体をCW方向に移動させて現在の回転角
M〓が最大トルク位置CWMAXに位置するように制
御する。すなわち、M〓のトルク位置と最大トル
ク位置CWMAXとのずれを修正する方向にトルク
カーブを移動する。トルクカーブのCW方向への
移動はA相とC相の合成トルクA(iA−iC)を大き
くし、B相とD相の合成トルクB(iB−iD)を小さ
くすればよい。そのためには、トルクモード#1
の条件下では(iA>iC,iB>iD)、A相電流iAを増
してC相電流iCを減らし、かつB相電流iBを減ら
してD相電流iDを増せばよい。従つて、各相電流
iA乃至iDを上述のように増減させる制御が分配部
17で実行され、その結果として第5図aからb
に示すようにトルクカーブの連続的移動が実現さ
れる。尚、CW方向へのトルクによつてモータ1
2の回転角M〓もCW方向へ移動するので、第5図
aとbのM〓の位置は異なつている。こうして、
回転角M〓が常に所望の最適トルク位置(ここで
は最大トルク位置CWMAX)に位置するよう最適
制御がなされる。尚、CW方向へ制御を行つてい
るときに、第5図cに示すように現在の回転角
M〓のトルク位置がCW方向の最大トルク位置
CWMAXを越えた場合(すなわちCWMAXがM〓より
も先に進んんだ場合)は、制御方向(ここでは
CW方向)とは逆方向(CCW)にトルクカーブ
を移動し、常に修正が働くようにしている。トル
クモード#1においては、トルクカーブのCCW
方向への移動はA相とC相の合成トルクA(iA
iC)を小さくし、B相とD相の合成トルクB(iB
iD)を大きくすればよい。そのためにはiAを減ら
してiCを増し、iBを増してiDを減らす。尚、実際
は、M〓がCWMAXを少しでも越えると直ちにCCW
方向への修正が働くので第5図cのようにM〓と
CWMAXの差が大きくなることは起らない。 所望の最適トルク位置が上記とは逆にCCW方
向の最大トルク位置CCWMAXである場合は、上記
とは逆に、通常はCCW方向へトルクカーブを連
続移動させる制御が行われ、回転角M〓のトルク
位置が最大トルク位置CCWMAXを越えた場合は
CW方向へトルクカーブを修正移動させる制御が
行われる。その一例を第5図d,e,fに示す。
トルクモードはa〜cと同様#1である。制御方
向としてCCWが指示されており、モータ12の
現在の回転角M〓がCCW方向の最大トルク位置
CCWMAXに到達していない状態を示すのが第5図
dである。この場合、破線で示すトルクカーブを
CCW方向に移動し、最大トルク位置CCWMAX
現在の回転位置M〓に近ずける。そのためには、
iAを減少し、iCを増加してA(iA−iC)のトルクカ
ーブのレベルを下げ、iBを増加し、iDを減少して
B(iB−iD)のトルクカーブのレベルを上げる。そ
の結果、第5図dからeのようにトルクカーブの
CCW方向への連続的移動が実現される。こうし
て、回転位置M〓のCCW方向への移動に伴つてト
ルクカーブもCCW方向へ移動し、常に回転位置
M〓が最大トルク位置CCWMAXに位置するよう制
御される。尚、CCW方向への制御を行つている
ときに第5図fに示すように最大トルク位置
CCWMAXが回転位置M〓よりも先に進んだ場合は、
トルクカーブをCW方向に戻す。CW方向への制
御は前述のように、iA増加、iC減少、iB減少、iD
加、によつて行う。この修正によつて第5図eの
ような最適状態に戻ると、本来のCCW方向制御
を行う。こうして、本来の制御(通常制御)と逆
方向への修正制御とを適宜繰返しながら、常に最
適トルク状態を保持する。 尚、CW方向の制御中に回転角M〓のトルク位置
がトルク角0度よりも進んでCCW方向のトルク
領域に入つてしまつた場合、あるいは更に
CCWMAXを越えてしまつた場合は、何の制御変更
も行わず、CW方向の電流制御を続行する。この
ように負のトルク位置に入ることは減速時にみら
れる。つまり、減速時は電流の増減レートが遅く
なり、トルクカーブの移動が回転角M〓の移動に
追従しきれなくなるからである。CW方向への電
流制御を行いつつ回転角M〓は負のトルク領域に
入るので、減速が行われる。CCW方向の制御中
に回転角M〓のトルク位置がトルク角よりも遅れ
てCW方向のトルク領域に入つてしまつた場合、
あるいは更にCWMAXを越えてしまつた場合も同
様、何の制御変更もせず、CCW方向の電流制御
を続行する。 尚、電流の増加レート及び減少レートは速度指
令値によつて定まる。 以上ではトルクモード#1について説明した
が、他のトルクモード#2乃至4に関しても同様
にトルクカーブをCWまたはCCW方向に移動さ
せる制御を行い、最適トルク制御を行う。ところ
で、前述のようなトルクカーブの移動によつてト
ルク角0度の位置がトルクモードの境界角(第4
図参照)を越えると、トルクモードが切換わるこ
とはいうまでもない。トルクモードが切換われ
ば、同じCWまたはCCW方向への制御であつて
も各相の電流増減方向が異なる。因みに、第5図
a,b,cを順に見ていくと、やがてはトルク角
0度が270度から360度の回転範囲に入ることがわ
かるであろう。そのとき、トルクモードは#4に
切換わる。こうして、CW方向制御の場合は、ト
ルクモードは#1→#4→#3→#2→#1…の
順に切換わる。逆にCCW方向制御の場合は#1
→#2→#3→#4→#1…の順に切換わる。 速度指令によつて与えられる制御方向とトルク
カーブの移動方向との関係は第1表のようにな
る。前述の通り、通常制御時は指令方向通りにト
ルクカーブを移動し、CWMAXまたはCCWMAX超過
時は逆方向にトルクカーブを移動する。
【表】 第1表は各トルクモード#1乃至#4に共通に
適用される。各トルクモード#1乃至#4の間で
は、CWまたはCCW方向へのトルクカーブの移
動を実現するための各相電流iA乃至iDの増減方向
が夫々異なる。これを第2表に示す。
【表】 トルクモード#1のときのCWまたCCWに応
じた電流iA〜iDの増減方向については第5図を参
照して前述した通りである。他のモード#2〜
#4についても同様の理由により上記表に示すよ
うな増減方向が定まる。その理由は同表と第4図
の各モードのトルク特性カーブとを参照すれば明
らかとなるであろう。これを制御の時間的流れに
沿つて説明するば次のようになる。 トルクモード#1の状態からモータ12をCW
方向に制御する場合について考える。 iA>iC,iB>iDという#1の条件下で、iA増、iC
減、iB減、iD増 という電流制御を行うことにより、トルクカーブ
をCW方向に移動させる。これに伴ない回転角M〓
もCW方向に変位する。その過程で、もし、M〓の
トルク位置がCWMAXを越えたとすると(すなわ
ちCWMAXがM〓よりも先に進むと)、トルクカーブ
をCCW方向へ修正移動させる電流制御が一時的
に行われる。この修正制御は一時的なものであ
り、全体としてはトルクカーブをCW方向に移動
させる電流制御が行われる。これは第5図a〜c
に示した通りである。 やがて、トルク角0度が回転位置270度から360
度の範囲に入るとiBとiDの関係が逆転して iA>iC,iB<iD となり、トルクモード#4に切換わる。その理由
は、モード#1においてiB減、iD増を行つたから
である。従つて、第2表に示すようにCW方向へ
の電流制御内容が iA減、iC増、iB減、iD増 に変化する。この制御によつて、第4図dに示す
トルクモード#4におけるB相とD相の合成トル
クB(iB−iD)のレベルが徐々に上がり、A相とC
相の合成トルクA(iA−iC)のレベルが徐々に下が
る。従つて、破線で示すトルクカーブはCW方向
へ移動する。これに伴ない回転角M〓もCW方向へ
更に変位する。勿論、前述と同様、M〓のトルク
位置がCWMAXを越えた場合は、CCW方向へトル
クカーブを修正移動する。そのための、つまり
CCW方向への電流制御内容は、上述のCW方向
の制御とは逆に、 iA増、iC減、iB増、iD減 であることはいうまでもない。こうして、一時的
にCCW方向への修正を行いつつも全体としては
CW方向への制御を行う。 やがて、トルク角0度が回転位置180度から270
度の範囲に入ると、iAとiCとの関係が逆転して iA<iC,iB<iD となり、トルクモード#3に切換わる。従つて、
第2表に示すようにCW方向への電流増減制御内
容は、 iA減、iC増、iB増、iD減 に変化する。この制御によつて、第4図cに示す
トルクモード#3におけるA(iA−iC)のレベルが
徐々に上がり、B(iB−iD)のレベルが徐々に下が
る。従つて、破線で示すトルクカーブはCW方向
へ移動する。これに伴ない回転角M〓もCW方向へ
更に変位する。M〓のトルク位置がCWMAXを越え
た場合は、上記とは反対方向に電流増減制御を行
い、一時的にCCW方向にトルクカーブを戻す。 やがて、トルク角0度が回転位置90度から180
度の範囲に入ると、iBとiDの関係が逆転して iA<iC,iB>iD となり、トルクモード#2に切換わる。従つて、
第2表に示すようにCW方向への電流増減制御内
容は iA増、iC減、iB増、iD減 に変化する。これにより、第4図bに示すトルク
モード#2におけるB(iB−iD)のレベルが徐々に
上がり、A(iA−iC)のレベルが徐々に下がる。従
つて、破線で示すトルクカーブはCW方向へ移動
し、これに伴ない回転角M〓もCW方向へ更に変位
する。この過程で、M〓のトルク位置がCWMAX
越えた場合、つまりCWMAXがM〓よりも先に進ん
だ場合、上記とは反対方向に電流増減制御を行
い、一時的にCCW方向にトルクカーブを戻す。 やがて、トルク角0度が回転位置0度から90度
の範囲に入ると、iAとiCの関係が逆転して iA>iC iB>iD となり、トルクモード#1に切換わる。 以上のように、モータ12をCW方向に制御す
る場合は、トルクモードが#1→#4→#3→
#2→#1…の順に繰返し切換わり、各々のモー
ド時においてモータ12の現回転角M〓に最大ト
ルク位置CWMAXが追従するように各相電流iA〜iD
の増減が最適制御される。モータ12をCCW方
向に制御する場合は、上述のCW制御のときとは
正反対の制御が行われる。 尚、第2表における「上昇」とはトルクカーブ
の位相を移動せずにそのレベルだけを大きくする
ことをいう。これはモータ12のトルクを大きく
するために行うものである。例えば、トルクモー
ド#1(第4図a参照)においては電流iAとiBを共
に増加し、iCとiDを減らせば、A(iA−iC)のカー
ブとB(iB−iD)のカーブが共にレベル大となるこ
とにより、破線で示すトルクカーブの位相はその
ままでレベルすなわちトルクだけが上昇する。 前記第1表に示すようにトルクカーブの移動方
向は、モータ12の現在の回転位置が最大トルク
位置を越えたか否かに応じて切換えられるだけで
ある。従つて、トルク位置判断部15から出力す
るモータのトルク位置情報はトルク角を詳細に示
すもの(前記θ+δに相当するもの)である必要
はなく、モータ12の現在の回転位置が所望の
(CWまたはCCWの)最大トルク位置を越えてい
るか否かを示す情報であれば十分である。 次に第6図を参照してこの発明の一実施例を説
明する。位置検出部18及び速度検出部19にお
いて、回転位置センサ14の出力にもとづいてモ
ータ12の回転位置及び回転速度を検出する。入
力部20から与えられた目標位置と現位置との偏
差を偏差算出部21で求め、その偏差と現速度と
の偏差を偏差算出部22で求める。速度設定部2
3では、偏差算出部22から出力される偏差を速
度指令値とし、その速度に対応する周波数のパル
ス列を発生すると共に、制御方向を示す信号
CW/CCWを出力する。信号CW/CCWは“1”
のときCW方向を指示し、“0”のときCCW方向
を指示する。発振器24は前述のトルク上昇制御
のときに使用する高速パルスOSCを発生する。 モータ12の各相A〜Dの電流iA〜iDは電流検
出部25〜28で夫々検出される。引算器29で
はiA−iCを求め、引算器30ではiB−iDを求める。
比較器31は、引算器29の出力iA−iCが正のと
き、すなわちiA>iCのとき“1”を出力し、負の
ときすなわちiA<iCのとき“0”を出力する。比
較器32は、引算器30の出力iB−iDが正のとき、
すなわちiB>iDのとき“1”を出力し、負のとき
すなわちiB<iDのとき“0”を出力する。この比
較器31及び32の出力iAC,iBDは、トルクモー
ドを示す信号として分配部17に与えられる。こ
の信号iAC,iBDの論理値(“1”,“0”)とモード
との関係は次表の通りである。
【表】 トルク位置判断部33は引算器29及び30の
出力iA−iC及びiB−iDと回転位置センサ14の出力
にもとづいてトルク位置を判断する。センサ14
としては、第7図aに示すように、A相とB相の
基本トルクカーブ(第3図)と同相の特性をもつ
2つの検出信号a=I〓θ及びb=−I〓θを出
力するセンサを用いると好都合である。判断部3
3では、このセンサ14の2つの検出信号a及び
bに引算器29及び30の出力iA−iC及びiB−iD
夫々乗算する。すると、第4図に示したA相とC
相の合成トルクA(iA−iC)及びB相とD相の合成
トルクB(iB−iD)と同等の特性の信号a(iA−iC
とb(iB−iD)を第7図bに示すように得ることが
できる。この信号a(iA−iC)とb(iB−iD)とを加
算し、前記第(2)式のトルク特性計算式の計算結果
と同等の計算値Et=a(iA−iC)+b(iB−iD)を求
める。第7図bに示すこのEtのカーブは、第4図
に破線で示したトルク特性カーブと同等のもので
ある。従つて、この計算結果Etが0のときトルク
角0度に相当する。 このトルク角0度の位置から90度遅れたまたは
進んだ位置すなわち最大トルク位置CWMAX
CCWMAXを検出するために、判断部33では更に
Mt=b(iA−iC)−a(iB−iD)なる関数値を求め
る。この関数値Mtは第7図bに示すようにトル
ク特性カーブを示す前記関数値Etよりも90度遅れ
たものである。更に、判断部33では求めた関数
値Et及びMtの極性を判別し、第7図cに示すよ
うに、Et>0のとき“1”でEt<0のとき“0”
となるトルク位置信号TEと、Mt>0のとき“1”
でMt<0のとき“0”となるトルク位置信号TM
を出力する。この2つのトルク位置信号TE及び
TMの組合せによつてモータ12の現在の回転角
θがどのトルク位置にあるかが判明する。一方の
トルク位置信号TEはCW方向のトルク位置(トル
ク角0度から180度)のとき“1”で、CCW方向
のトルク位置(トルク角180度から360度すなわち
0度から−180度)のとき“0”となる。もう一
方のトルク位置信号TMは最大トルク位置CWMAX
またはCCWMAXを越えたとき(トルク角90度から
270度の範囲)“1”となる。TE,TMの値とモー
タ12の現在の回転角M〓が位置するトルク角の
関係を第4表に示す。
【表】 分配部17では、原理説明にて既に記述したよ
うに、制御方向指示信号CW/CCW、及びトル
クモードを示す信号iAC,iBD、及びトルク位置信
号TE,TMにもとづいて各相A〜Dの励磁電流iA
〜iDの増減を決定する。この増減関係は前記第1
表及び第2表に従つて決定される。この決定に従
つて各相A〜Dに対して電流増加命令U・iA
U・iDまたは電流減少命令D・iA〜D・iDが与え
られる。尚、前記第2表から明らかなようにA相
とC相の電流増減関係は正反対であり、またB相
とD相の電流増減関係も正反対であるので、実際
は分配部17からA相とB相の増減命令U・iA
D・iA,U・iB,D・iBのみを出力し、C相とD
相の増減命令U・iC,D・iC,U・iD,D・iDはA
相とB相の増減命令を夫々逆転して利用するよう
にしている。 通常は、速度指令パルス列fのパルスに同期し
て、すなわち指令速度に対応するレートで、電流
増加命令U・iA〜U・iD及び減少命令D・iA
D・iDを夫々出力する。特殊な場合は発振器24
の出力OSCに対応する高速レートで上記命令を
出力するが、この点については後述する。各相毎
に電流設定器34〜37、比較器38〜41及び
定電流ドライバ42〜45が設けられている。各
相の電流増加命令パルスU・iA〜U・iD及び減少
命令パルスD・iA〜D・iDは、各相毎の電流設定
器34〜37に各別に供給される。電流設定器3
4〜37では、最小値から最大値に至る電流値を
複数段階に分割しており、アツプ制御入力(UP)
増加命令パルスが1パルス与えられる毎に出力電
流値を1ステツプづつ増加し、かつダウン制御入
力(DOWN)に減少命令パルスが1パルス与え
られる毎に出力電流値を1ステツプづつ減少す
る。すなわち、パルスがそのまま励磁電流として
使用されるのではなく、励磁電流を連続的に増減
変化させるために使用されるのである。勿論、励
磁電流の連続的増減変化のレートはパルス列fの
周波数に対応するので、モータ12の速度はパル
ス列fの周波数によつて決定される。 電流設定器34〜37の出力電流値は、最適ト
ルクカーブを実現するための各相A〜Dの励磁電
流の設定値を示している。比較器38〜41及び
定電流ドライバ42〜45は、この設定値に対応
する定電流を発生するものである。定電流ドライ
バ42〜45の出力電流によつてモータ12の各
相A〜Dが励磁される。電流検出部25〜28は
定電流ドライバ42〜45から出力されている各
相の励磁電流iA〜iDを検出し、比較器38〜41
にフイードバツクする。比較器38〜41によつ
て設定値と実電流iA〜iDが一致するように定電流
ドライバ42〜45を常に制御する。 尚、各電流設定器34〜37からは、出力電流
値(すなわち各相の励磁電流iA〜iDの設定値)が
最大値または最小値に飽和したとき最大値信号
iA・MAX乃至iD・MAXまたは最小値信号iA
MIN乃至iD・MINを出力するようになつている。
これらの信号iA・MAX乃至iD・MINは後述のよ
うに分配部17においてトルク上昇制御時の補正
制御のために利用される。 次に、第6図実施例の詳細な制御内容について
説明する。 分配部17において実行する主な制御内容の一
覧を第5表に示す。前掲の第1表乃至第4表をま
とめて入力と出力に分けて整理したものが第5表
である。入力の欄の「1」は信号の論理値が
“1”であることを示し、「0は論理値が“0”で
あることを示し、「−」は入力条件に入れない
(無関係である)ことを示す。
【表】
【表】
【表】 第5表の1に示す「通常制御」は、トルク位置
信号TEが“1”または“0”で、TMが“0”の
とき、すなわちモータ12の現在のトルク位置が
トルク角0度から90度または−90度から0度の範
囲に有るとき(第4表及び第7図参照)、に実行さ
れる。このときは、速度指令パルス列fが“1”
のときつまりパルスが与えられたとき、電流増加
命令パルスU・iA乃至U・iDまたは電流減少命令
パルスD・iA乃至D・iDが出力される。従つて励
磁電流iA乃至iDの増減速度は、パルス列fの周波
数すなわち速度指令値に対応するものとなる。電
流増加命令あるいは電流減少命令を力すべき相
は、方向指示信号CW/CCW及びトルクモード
指示信号iBD,iACの状態に応じて定まる。例えば、
トルクモードが#1で、制御方向はCW方向が指
示されているとすると、前記第3表から明らかな
ようにiBDが“1”、iACも“1”であり、信号
CW/CCWも“1”である。この入力条件に対
応する出力は、第5表の1を参照すると、U・iA
びD・iBであり、これらに対応してD・iC及び
U・iDも得られる。すなわち、第6図から明らかな
ように、A相電流増加命令パルスU・iAは同時に
C相電流減少命令パルスD・iCであり、B相電流
減少命令パルスD・iBは同時にD相電流増加命令
パルスU・iDでもあるからである。従つて、前記
第2表の#1のCWの欄に示すのと同様に、iA
加、iB減少、iC減少、iD増加、という内容の制御を行
うことができる。その他の場合についても上述と
同様に、第5表の1によつて第2表のCWまたは
CCWの欄の制御と同内容の制御を行うことがで
きる。 第5表の2は、モータ12のトルク位置がCW
方向の最大トルク位置CWMAXまたはCCW方向の
最大トルク位置CCWMAXを越えたときに最大トル
ク位置CWMAXまたはCCWMAXに戻す(またはそれ
らの最大トルク位置の内側にす)ための制御内容
を示す。この場合は速度指令パルス列fに無関係
に発振器24からの高速パルスOSCに同期して
増加命令パルスU・iA〜U・iDまたは減少命令パ
ルスD・iA〜D・iDを出力する。これは、トルク
位置の修正を素速く行うためである。また、この
制御は、制御方向指示信号CW/CCWの状態と
は全く無関係に行われる。その理由は、前記第1
表に示すように、CWMAX超過時は制御方向指示
がCWの場合はCCW方向の制御を行い、CCWの
場合はそのまCCW方向の制御を続行するので、
結局、CWMAX超過時は指示信号CW/CCWに無
関係にCCW方向のみの電流制御しか行わないこ
とになり、同様にCCWMAX超過時はCW方向のみ
の電流制御しか行わないからである。 TE=“0”でTM=“1”のときはCCWMAX超過
時であり、CW方向への電流制御を行う。また、
TE=“1”でTM=“1”のときはCWMAX超過時で
あり、CCW方向への電流制御を行う。例えば、
トルクモードが#1で、回転角M〓がCCWMAX
越えた場合は、第5表の2の入力条件が、TE
“0”,TM=“1”(第4表参照)、iBD=“1”,iAC
=“1”(第3表参照)となり、U・iA,D・iC
D・iB,U・iDが出力される。その結果、前記第
2表の#1のCW欄のように、iA増、iB減、iC減、
iD増の電流制御がなされ、第5図fを参照して説
明したようにトルクカーブをCW方向に戻す制御
が実行される。その結果、トルク位置信号TM
“0”となると、入力条件が変化し、第5表の2
が適用されなくなり、そのかわりに第5表の1に
示す「通常制御」が適用されるようになる。 第5表の3は、トルク上昇制御の内容を示すも
のである。トルク上昇制御は、TEが“1”また
は“0”でTMが“0”のとき、つまり現在の回
転角M〓が「通常制御」の対象となるトルク角
(−90度〜0度〜90度)に属しているときであつ
て、速度指令パルス列fが“0”のときに実行さ
れる。トルク上昇のための電流増減制御は、各ト
ルクモード#1〜#4におけるA相とC相の合成
トルクA(iA−iC)及びB相とD相の合成トルクB
(iB−iD)(第4図参照)のレベルを両方共上げる
方向に制御する。例えば、トルクモード#1にお
いてはiBD=“1”,iAC=“1”によつてU・iA
D・iC,U・iB,D・iDが出力され、iA増、iC減、
iB増、iD減の電流制御がなされる。その結果、合
成トルクA(iA−iC),B(iB−iD)の係数である
(iA−iC)と(iB−iD)が全く同じ比率で増加し、
そのレベルが同じ比率で増加する。従つて、破線
で示すトルクモードの位相は変化せずにそのレベ
ルだけが上がり、トルクが上昇する。トルク上昇
制御のときの出力パルスU・iA乃至D・iDは高速
パルスOSCに同期して出力され、トルク上昇制
御が高速で行われる。 トルク上昇制御は、速度指令パルス列fが全く
与えられていないとき(すなわち静止時)は勿論
のこと、パルス列fにおけるパルス間隔が長いと
き(すなわち低速運転時)にも行われる。パルス
列fにおけるパルスとパルスの間は“0”となる
ので、その間に高速パルスOSCが発生した場合
はトルク上昇制御がなされる。 尚、トルク上昇制御において一方の合成トルク
A(iA−iC)またはB(iB−iD)のレベルが飽和状態
となつたときに他方のレベルを上昇し続けると、
バランスがくずれ、全体のトルクカーブがCW方
向またはCCW方向に移動する。その結果、モー
タ12が動き、入力部20による入力値とモータ
出力値との間に偏差が生じ、この偏差を0にする
ように速度指令パルス列fが発生され、これにも
とづき第5表の1の「通常制御」が行われる。従
つて、バランスがくずれたときはこれを補正する
制御が自動的に行われる。ところで、第5表の4
に示すような特別のトルク上昇補正制御を実行す
れば、トルク上昇制御時にバランスがくずれるこ
とを未然に防止することができる。
【表】 各相A〜Dの電流設定器34〜37から上記の
ような組合せで最大値信号iA・MAX〜iD・MAX
及び最小値信号iA・MIN〜iD・MIDが出力された
ことを条件に、f=“0”のときに上記のように
電流減少命令パルスD′・iA乃至D′・iDが高速パル
スOSCに同期して出力される。この制御では、
A相とC相で同時に、またはB相とD相で同時
に、夫々の電流減少命令パルスD′・iA,D′iC
D′iB,D′iDを出力する。従つて、A相とC相ある
いはB相とD相の電流制御方向の逆転を前提とし
た出力U・iA,D・iA,U・iB,D.iBは使用できな
い。そのため、第6図には特に図示していない
が、分配部17から電流減命令パルスD′・iA
D′・iDを特別に出力し、各相の電流設定器34〜
37のダウン制御入力(DOWN)に入力するも
のとする。尚、各相の電流設定器34〜37で
は、第5表の4にもとづく電流減少命令パルス
D′・iA〜D′・iDが各々のダウン制御入力
(DOWN)に与えられたとき、同時にもし自己の
アツプ制御入力(UP)に増加命令パルスU・iA
〜U・iDが与えられたとしても、これをキヤンセ
ルし、ダウンを優先する機能を含んでいるものと
する。尚、第6図のようにA相とC相の電流増減
命令パルス及びB相とD相の電流増減命令パルス
を逆転共用せずに、各相毎に別々に電流増加命令
パルス及び減少命令パルスを出力するようにすれ
ば、第5表の4の場合の出力パルスD′・iA〜D′・
iDと他の場合の出力パルスU・iA〜U・iD,D・iA
〜D・iDを区別する必要もなく、また、電流設定
器34〜37に上述のような優先機能をもたせる
必要もない。 例えば、入力条件「iA・MAX,iCMIN」はA
相電流iAが最大値でC相電流iCが最小値のときに
成立する。これは、トルクモード#1または#4
(第4図a,d参照)における一方の合成トルク
A(iA−iC)が飽和状態となつたことを意味する。
このときの出力D′・iB及びD′・iDによつてB相電
流iBとD相電流iDが同時に減少される。その結果、
他方の合成トルクB(iB−iD)の係数(iB−iD)は
変化せず、このトルクB(iB−iD)の上昇が抑止さ
れる。すなわち、一方のトルクA(iA−iC)が飽和に
達すると、直ちに他方のトルクB(iB−iD)が現状
維持され、両者のバランスを保つように制御され
る。 このように、トルク上昇補正制御の併用によつ
てトルク上昇制御も最適に行うことができる。こ
の最適なトルク上昇制御によつて静止時、及び駆
動時のトルクを最大限にひき出すことができる。 第6図及び第5表には顕われていないが、分配
部17では次のような特別の制御も実行する。 その1つは、第5表の1に示す通常制御時にお
いて電流の増減方向が切換わつたときに、速度指
令パルス列fの到来を待たずに、切換後の新しい
増加命令パルス及び減少命令パルスを1パルスだ
け直ちに出力する制御である。これは、fの到来
を待つていたのではその間逆方向に電流が進み
(古い状態のまま励磁電流が与えられ)、トルクに
悪影響を与えるおそれがあるからである。そのた
め、電流の増減方向が切換わつたときに変化した
方向に直ちに1ステツプ分だけ電流を増加または
減少してやるのである。電流の増減方向が切換わ
るときとは、すなわちトルクモードが切換わると
きあるいは制御方向CW,CCWが切換わるとき
でありこれは信号iBD,iAC,CW/CCWの変化を
検出することにより知ることができる。 もう1つは、第5表の1に示す通常制御から第
5表の2に示す修正制御に切換わつたときに、高
速速パルスOSCの到来を待たずに、切換後の新
しい増加命令パルス及び減少命令パルスを1パル
スだけ直ちに出力する制御である。このときも電
流の増減方向が切換わるので、トルク位置の修正
を直ちに行うためにこの制御を行う。ただし、パ
ルスOSCが十分に速い場合はこの制御は必要な
い。尚、発振器24をもたずに、第5表の2の増
減速度を速度指令パルス列fによつて設定するこ
とも一実施例として可能であるが、その場合はこ
の制御(切換時に1パルス出力する制御)を必ら
ず行うのが望ましい。 尚、第5表の2の修正制御から第5表の1の通
常制御に戻つたときも電流増減方向が切換わる
が、この場合は上述のように1パルスを出力する
制御は特に行わない。何故ならば、修正制御のた
めに一時的に本来とは逆方向に制御されていたも
のが本来の方向に戻つたのにすぎないので、特に
急いで電流増減を行う必要はないからである。 尚、比較器38〜41の出力をインターロツク
信号IL・iA,IL・iC,IL・iB,IL・iDとして分配
部17に戻し、各相A〜Dの現在の電流値iA〜iD
が電流設定器34〜37による設定値に達してい
るか否かに連動して分配部17にて適宜の保護的
制御を行うにするとよい。 上記実施例ではステツプモータの制御にこの発
明を適用した例を示したが、これに限らず、複数
の励磁相を具えるモータ(多相型モータ)一般に
おいてこの発明を実施することができる。例え
ば、ブラシレスDCモータのように、速度指令が
初めからアナログ信号によつて与えられるもので
もこの発明は実施可能である。その場合は上記実
施例に示したようなパルスを連続的電流に変換す
る部分は不要であり、前記第1表に示すような制
御方向の切換判断をトルク位置信号TE,TMにも
とづいて実行し、最適トルク状態で動作するよう
に制御方向を切換える制御を行えばよい。また、
相数も4相に限らないことは勿論である。 以上説明したようにこの発明によれば、モータ
の現在のトルク位置をフイードバツクして最適ト
ルク状態となるように制御方向を決定するので、
完全な閉ループ制御を実現することができる。従
つて、振動や脱調等の問題が生じないのは勿論の
こと、常に最適トルク制御を行うことができ、速
度の変動にも容易に追従することができる。ま
た、現在の回転位置に最適トルク位置を追従させ
る制御のみならず、トルク上昇制御によつて常に
最高のトルクを引き出すように制御するので、効
率のよい制御を行うことができ、外乱等にも強
い。また、励磁電流を速度指令パルスのレートで増
減させることにより連続制御するようにしたの
で、分解能が増し、精度よく最適トルク制御を行う
ことができると共に、高速応答性能が飛躍的に増
す。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来のサーボ制御方式の一例を示すブ
ロツク図、第2図はこの発明に関する多極型モー
タの閉ループ制御方式を原理的に示すブロツク
図、第3図は4相のステツプモータにおける各相
のトルク特性を励磁電流値が同一の場合について
夫々示すグラフ、第4図はこの発明に従つて4相
ステツプモータの各相励磁電流を連続的に増減制
御したときに発生する4つのトルクモード#1〜
#4を夫々例示するグラフ、第5図はこの発明に
よる制御内容の一例をトルク特性図によつて示す
グラフ、第6図はこの発明に係る閉ループ制御方
式の一実施例を示すブロツク図、第7図は同実施
例におけるモータの現在の回転位置のトルク特性
カーブにおいて占める位置すなわちトルク位置の
判断動作を説明するためのグラフである。 11,25〜28…電流検出部、12…ステツ
プモータ、14…回転位置センサ、15…トルク
特性及びトルク位置判断部、16…速度設定部、
17…分配部、29,30…引算器、31,32
…比較器、33…トルク位置判断部。θ…モータ
12の回転角度、M〓…モータ12の現在の回転
角度を特定する値、iA〜iD…各相の励磁電流の値、
CWMAX…CW方向の最大トルク位置、CCWMAX
CCW方向の最大トルク位置、a,b…位相が90
度ずれた回転角度検出信号、Et…a,b,iA〜iD
によつて計算したトルク特性カーブ、Mt…Et
り90度位相のずれた特性カーブ、TE,TM…現在
の回転角度M〓のトルク位置を示す信号。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 多極型モータの各相の励磁電流を速度指令値
    に対応するレートで連続的に増加または減少さ
    せ、各相励磁電流の連続的変化によつて該モータ
    の回転を制御すること、 及び、該モータの各相の現在の励磁電流と該モ
    ータの現在の回転位置とを夫々検出し、これらの
    検出にもとづいて該モータの現在のトルク位置及
    びトルクモードを判断し、この判断及びモータの
    回転方向指令に応じて現在のトルク位置と所定の
    最適トルク位置とのずれを修正する方向に前記各
    相の励磁電流を増加または減少させるように制御
    することを特徴とする多極型モータの閉ループ制
    御方式。 2 多極型モータの各相の励磁電流を速度指令パ
    ルス列に対応するレートで連続的に増加または減
    少させ、各相励磁電流の連続的変化によつて該モ
    ータの回転を制御すること、 及び、該モータの各相の現在の励磁電流と該モ
    ータの現在の回転位置とを夫々検出し、これらの
    検出にもとづいて該モータの現在のトルク位置及
    びトルクモードを判断し、前記速度指令パルスが
    与えられたときにこの判断及びモータの回転方向
    指令に応じて現在のトルク位置と所定の最適トル
    ク位置とのずれを修正する方向に前記各相の励磁
    電流を増加または減少させるように制御するこ
    と、 及び、前記速度指令パルスが与えられていない
    ときに前記トルクモードに応じて現在のトルク位
    置を保持したままトルクを上昇させる方向に前記
    各相の励磁電流を増加または減少させるように制
    御することを特徴とする多極型モータの閉ループ
    制御方式。
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