JPH058542Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (1) 考案の目的 ［産業上の利用分野］ 本考案は、時計、その他の計器類に用いる表示
盤（または文字盤、以下同じ）に関する。

［従来の技術］ 従来、この種の計器類の表示盤、特に、時計の
文字盤として、アルミニウム等の金属基盤１の表
面に、第４図に示すように、内外上側縁２を平滑
な斜面に形成するとともに表面に鍍金を施した扁
平な環状体３を接合して表示領域４を形成し、該
表示領域に時刻用文字５を印刷し、かつ、第１図
に示すように、基盤１の表面に塗装を施してその
他の文字６を印刷したものが知られている。この
ように、基盤１に環状体３を接合するのは、表示
領域４を立体的に形成することにより、文字盤
を、ひいては時計を豪華に見せ、高級感を付与す
ることにある。

［考案が解決しようとする問題点］ しかし、前述した従来の技術によれば、表示盤
は、基盤の他に環状体を用いるため、全体の重量
が増大し、後者の材料分だけ材料費が高くつくば
かりでなく、前者に後者を接着剤または螺子で接
合するのに手数を要し、しかも該接合が剥離し、
または該接合状態が悪くて、不良品となる割合が
高い。さらに、前者と後者との表面には段差が生
ずるため、それぞれの表面の所要文字等の印刷は
煩わしくも別々に行うことを要する。

本考案の目的は、前述のような問題を簡単な手
段で解決することができる新規な計器類の表示盤
を提供することにある。

(2) 考案の構成 ［問題点を解決するための手段］ 前記問題を解決するための本考案手段の要旨
は、基盤の表面に内側輪郭縁と外側輪郭縁とによ
り区画される表示領域が形成され、前記表示領域
に文字・記号等の表示要素が表示されている計器
類用表示盤において、前記内外側輪郭縁は条溝に
より形成され、前記各条溝はその溝内で互いに対
向する側面の少なくとも一側面が斜面かつ鏡面に
形成されていることを特徴とする前記表示盤に存
する。

［実施例］ 本考案を図面に示す実施例に基づいて説明する
と、以下のとおりである。

図示の表示盤は、掛け時計または置き時計の文
字盤である。文字盤は、アルミニウム等の金属か
らなる方形の基盤１の中央表面に条溝である円形
の内側輪郭縁７と、その外周に条溝である円形の
外側輪郭縁８とにより区画される表示領域９が形
成されている。条溝７，８は、バイト等の工具で
当該部分を切削することにより形成され、該条溝
内で互いに対向する両側面７ａ，７ｂ，８ａ，８
ｂを有し、その一側面７ａ，８ａが斜面に形成さ
れるとともに鏡面に仕上られている。側面７ａの
斜面は内側へ漸次低くなるように、かつ、側面８
ａは外側へ漸次低くなるように、それぞれ形成さ
れ、これらの傾斜角度は実質的に同じである。た
だし、これらの傾斜角度は、それぞれ任意にされ
ることができ、他側面７ｂ，８ｂも、場合によつ
ては、適宜角度の斜面に形成されてもよい。条溝
７，８を含む表示領域９の表面には、鍍金が施さ
れたうえ、時刻用文字１０が印刷表示されてい
る。また、この鍍金領域を除く基盤１の表面に
は、適宜色の塗装が施されたうえ、他の文字６が
印刷表示されている。条溝７の中心部には、指針
用透孔１１が穿設されている。

なお、以上は、時計の文字盤について説明した
が、これに類するその他の計器類の表示盤にも、
本考案が適用可能であることはいうまでもない。
また、文字６，１０は記号でもよく、その表示要
素の如何は問われない。

(3) 考案の効果 叙上のように構成された本考案表示盤によれ
ば、内外側条溝の斜面かつ鏡面に形成された部分
が、光の反射によつて、該条溝で区画される表示
領域とは異る光沢を有するかのように輝くことに
なり、その結果、該表示領域が浮出されて立体的
に見えることになる。

こうした性能を有する本考案表示盤は、前記条
溝を基盤に切削するととともに該条溝内の少なく
とも一側面を斜面かつ鏡面に形成して、所定面に
鍍金等を施すだけでよいうえ、前記表示領域の表
面と該表示領域を除く基盤の表面とは段差がない
ため、これらの表面に表示すべき文字等の表示要
素を同時に印刷することができる。したがつて、
本考案表示盤は、既述した従来の表示盤に比較し
て、材料費、加工費・時間等を著しく低減するこ
とができるうえ、不良品が生ずることも殆どない
といつた優れた効果がえられ、実用に供してきわ
めて有益である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示す時計文字盤で、第
１図は平面図、第２図は側面図、第３図は本考案
要部の断面斜視図、第４図は第３図に相当する従
来の時計文字盤の断面斜視図。 １……基盤、６……文字、７，８……条溝、７
ａ，７ｂ，８ａ，８ｂ……側面、１０……文字、
１１……指針用透孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 基盤の表面に内側輪郭縁と外側輪郭縁とによ
   り区画される表示領域が形成され、前記表示領
   域に文字・記号等の表示要素が表示されている
   計器類用表示盤において、前記内外側輪郭縁は
   前記基盤に設けた条溝により形成され、前記各
   条溝はその溝内で互いに対向する側面の少なく
   とも一側面が斜面かつ鏡面に形成されているこ
   とを特徴とする前記表示盤。 (2) 前記内側条溝の斜面かつ鏡面に形成されてい
   る一側面は前記表示領域から内側へ向つて漸次
   低くなるように、かつ、前記外側条溝の斜面か
   つ鏡面に形成されている一側面は前記表示領域
   から外側へ向つて漸次低くなるように、それぞ
   れ形成されている実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の表示盤。 (3) 前記表示領域の表面はこれを除く前記基盤の
   表面とは異る光沢を付与してある実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の表示盤。 (4) 前記条溝は切削により形成されている実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の表示盤。 (5) 前記基盤は金属で形成されている実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の表示盤。 (6) 前記金属はアルミニウムである実用新案登録
   請求の範囲第５項記載の表示盤。 (7) 前記内側条溝の中心部には指針用透孔が穿設
   されている実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の表示盤。