JPH058416U - 測量用ターゲツト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 容易に長距離観測及び方向性検知を可能にす
る測量用ターゲットを提供することである。 【構成】 線図形による視準点の他に、より輝度の高い
点図形による視準点により視準することが可能にし、又
点図形による視準点が、個別に異なる複数の色の光を発
光するようにした。 【効果】 視準方向の確認が微細にでき、且つ長い視準
距離が得られる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、測量用ターゲットに関するものである。更に詳しくは、トンネル推 進工事、小口径地下推進工事等の土木工事において、テレビ式電子セオドライト により掘削機の推進掘削の方向を検知し、又は其の方向を修正する際等推進機に 取付けて使用する測量用ターゲットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のトンネル推進工事、小口径地下推進工事等の土木工事において、テレビ 式電子セオドライトに使用する測量用ターゲットは、乳白色板に黒色格子図形が 刻線され、背面より照明されているものであった。図９に従来の測量用ターゲッ トの斜視図を示すように、黒色の格子模様３が刻線された標板１がハウジング６ に支持され、ハウジング６に支持されたソケット８に装着された通常の白熱電球 ７が標板１を背後から照明するものであった。そしてこの格子模様３を電子セオ ドライトにより観測し、テレビカメラで撮影し、モニタテレビに映像し、電子セ オドライトの視準している格子模様３、格子点４の位置を検知するものであった 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

【０００４】 しかし 上記の従来の測量用ターゲットは、通常の白熱電球７により標板１を 背後から照明するものであって、十分な輝度が得られず、テレビ式セオドライト から測量用ターゲットまでの距離が大きくなるとモニタテレビに映像される黒色 の格子模様３が暗くなると共に、画面上で細くなるために、観測距離は３０〜４ ０ｍに止まっていた。 又標板１上の図形が格子模様３であり、このためにモニタテレビの映像から上 下左右の方向性を検知することが困難であるなどの問題があった。

【０００５】 本考案は上記の課題に鑑み、容易に長距離観測及び方向性検知を可能にする測 量用ターゲットを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案において、一つの平面上に描かれた、光源に照明される線図形と、輝度 のより高い、一又は複数の点光源からなる点図形とを有する測量用ターゲットを 構成した。 更に、望ましい構成として、点図形が複数の点光源からなるとき、複数の点光 源が個別に異なる色の光を発光するように構成した。

【０００７】

【作用】

線図形による視準点の他に、より輝度の高い点図形による視準点により視準す ることができる。 点図形による視準点が、個別に異なる複数の色の光を発光する。

【０００８】

【実施例】

本考案の一実施例を図１〜図８により説明する。 図１は一実施例の斜視図、図２は一実施例の格子模様とＬＥＤとの関係を示す平 面図、図３は一実施例を装着した掘削機に対し視準するセオドライトを示す側面 図、図４は一実施例の正面を示す図、図５は一実施例の正面の一個のＬＥＤを含 む一部がモニタテレビの視野に映像された図、図６は一実施例の正面の一個のＬ ＥＤを含む一部が視準修正して十字線１６と合致した状態においてモニタテレビ の視野に映像された図、図７は一実施例の正面の全部がモニタテレビの視野に映 像された図、図８は一実施例の正面のＬＥＤのみがモニタテレビの視野に映像さ れた図である。

【０００９】 先ず、本考案の一実施例について構成を説明する。 標板１は乳白色のアクリル板からなり、黒色の格子模様３が刻線されている。 格子模様３の線と線との交点である格子点４が視準点となっている。 標板１を支持するハウジング６には、２個のソケット８が設けられ、両ソケッ ト８にそれぞれ通常の白熱電球７が標板１を背後から照明する位置に装着され、 格子模様３が照明されている。

【００１０】 標板１には発光素子（以下ＬＥＤという）５Ａ、５Ｂ、５Ｃ、５Ｄ、５Ｅが５ 個設けられている。これらの発光素子は超高輝度のものであって、点光源として 長距離離れた位置からも視準可能である。 ＬＥＤ５Ａ、ＬＥＤ５Ｂ、ＬＥＤ５Ｃ、ＬＥＤ５Ｄ及びＬＥＤ５Ｅは向かって 順に中央、上、下、左及び右に配置され、それぞれ白色、赤色、黄色、緑色及び 青色の光を発光する。ＬＥＤ５Ａの設置されている位置は中央視準点、ＬＥＤ５ Ｂ、ＬＥＤ５Ｃ、ＬＥＤ５Ｄ及びＬＥＤ５Ｅの設置されている位置はそれぞれ上 下左右の補助視準点である。

【００１１】 視準点となっている格子点４の中、中央視準点及び各上下左右の補助視準点は 、図２に示すように格子を作っている交差点が２本の線の単純な交点でなく、道 路のロータリーの如く環４ａとＬＥＤに対応する中抜き４ｂからなる交差点とな って、十字線１６との合致が容易となっている。

【００１２】 ハウジング６には電源（不図示）が設置され、２個の白熱電球７と５個のＬＥ Ｄに供電し、又ハウジング６には固定用のビス孔９が穿孔されている。

【００１３】 次に、本実施例に係る測量用ターゲットがテレビ式セオドライトに使用される ことについて説明する。 図３において、トンネル推進工事、小口径地下推進工事等の土木工事において 、セオドライト１０が掘削機１２に装着された標板１により視準する状況を示し ている。

【００１４】 土石又は岩石中に横向きに設置された掘削機１２の先端部１３には、歯部であ る掘削部１４が回転可能に装着されている。標板１は掘削機１２の先頭部１３の 中央上部に、セオドライト１０に対向するように固定用のビス孔９においてビス （不図示）により固定設置されている。セオドライト１０には撮影用のテレビカ メラ（不図示）が設置され、映像用のモニタテレビ１１に接続されている。

【００１５】 次に動作について説明する。 最初に、セオドライト１０の十字線の中心を標板１の中心、即ちＬＥＤ５Ａの 中心に合致させる。次に掘削機１２を駆動して所定量の掘削を行う。掘削に伴っ て標板１とセオドライト１０の視準軸との位置関係が保たれている限り、予定通 りの方向に掘削が進められていることになる。 掘削機１２の方向を検知する時は、掘削機１２を静止状態におき、セオドライ ト１０により標板１を視準する。電源（不図示）より２個の白熱電球７と５個の ＬＥＤに供電し点灯する。標板１上の格子模様３と５個のＬＥＤ５Ａ、５Ｂ、５ Ｃ、５Ｄ、５Ｅとがテレビカメラ（不図示）により撮影され、モニタテレビ１１ に映像され、セオドライト１０の視準している格子模様３と５個のＬＥＤ５Ａ、 ５Ｂ、５Ｃ、５Ｄ、５Ｅの位置が検知される。

【００１６】 次に格子模様３と５個のＬＥＤのモニタテレビ１１の映像及び掘削方向の修正 について説明する。 標板１がセオドライト１０より１０〜２０ｍ程度の近距離にあるときは、図４ に示す標板１上に、例えば点線で囲まれた部分１７が図５に示すモニタテレビ１ １の視野１８に映像される。又視野１８にはセオドライト１０の十字線１６が映 像される。

【００１７】 この例においてはＬＥＤ５Ｅが視野１８に映像されており、青色の点が映し出 される。セオドライト１０の視準線がＬＥＤ５Ｅを含む右側に向いていることが 青色の点の色により直ちに分かる。即ち、この場合は掘削機１２の推進方向が予 定より右方向に傾いていることを意味するので、掘削部１４を左側に傾ける修正 を行う。図６に示すようにこの視野１８において十字線１６にＬＥＤ５Ａが合致 していれば、掘削機１２による推進方向が予定通りであることを意味する。この 際各ＬＥＤの重なる格子点４には格子模様３の刻線が重なっておらず、十字線１ ６との合致が容易である。この様にして視準方向の上下左右が点の色により容易 に判断可能である。

【００１８】 標板１がセオドライト１０より５０〜６０ｍ程度の中距離にあるときは、図７ に示すように標板１は全部モニタテレビ１１の視野１８に映像され、従って全Ｌ ＥＤが映し出される。そして十字線１６と５個のＬＥＤとの位置関係から掘削機 １２の推進方向を確認することができる。

【００１９】 標板１がセオドライト１０より１００ｍ程度の遠距離にあるときは、図８に示 すように標板１は全部モニタテレビ１１の視野１８に映像されるが、格子模様３ は暗くて明瞭には映し出されなくなる。しかしＬＥＤは超高輝度であり充分に認 識可能であるから、十字線１６と５個のＬＥＤとの位置関係を知ることができる 。

【００２０】 尚本実施例における線図形は格子模様であるが、他の線状に構成された図形も 使用可能であることはいうまでもない。

【００２１】 尚本実施例における線図形は他の光源により照明されるが、線図形自体が発光 する光源であることを妨げるものではない。

【００２２】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、線図形による視準点と、より輝度の高い 点図形による視準点により視準することができるから、視準方向の確認が微細に でき、且つ長い視準距離が得られる。 点図形による視準点が、個別に異なる複数の色の光を発光する光源からなるか ら、容易に視準の方向が確認できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例の斜視図である。

【図２】一実施例の格子模様とＬＥＤとの関係を示す平
面図である。

【図３】一実施例を装着した掘削機に対し視準するセオ
ドライトを示す側面図である。

【図４】一実施例の正面を示す図である。

【図５】一実施例の正面の一個のＬＥＤを含む一部がモ
ニタテレビの視野に映像された図である。

【図６】一実施例の正面の一個のＬＥＤを含む一部が視
準修正して十字線と合致した状態においてモニタテレビ
の視野に映像された図である。

【図７】一実施例の正面の全部がモニタテレビの視野に
映像された図である。

【図８】一実施例の正面のＬＥＤのみがモニタテレビの
視野に映像された図である。

【図９】従来例の斜視図である。

【符号の説明】

１．．標板、３．．格子模様、４．．格子点、５Ａ、５
Ｂ、５Ｃ、５Ｄ、５Ｅ．．発光素子（ＬＥＤ）、６．．
ハウジング、７．．白熱電球、８．．ソケット、９．．
ビス孔、１０．．セオドライト、１１．．モニタテレ
ビ、１２．．掘削機、１３．．先端部、１４．．掘削
部、１６．．十字線、１７．．部分、１８．．視野、 なお図中同一又は相当するものには同一の符号を付して
ある。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 平面上に描かれた線図形と、該線図形を
   照明する光源と、該平面上に描かれた、該光源の輝度よ
   り高い輝度の、一又は複数の点光源からなる点図形とを
   有することを特徴とする測量用ターゲット。
2. 【請求項２】 該点図形が複数の点光源からなるとき、
   該複数の点光源が個別に異なる色の光を発光する光源で
   あることを特徴とする請求項１に記載された測量用ター
   ゲット。