JPH0583866U

JPH0583866U - Ｉｄタグ

Info

Publication number: JPH0583866U
Application number: JP2403292U
Authority: JP
Inventors: 祐治堀田
Original assignee: Nitto Denko Corp
Current assignee: Nitto Denko Corp
Priority date: 1992-04-15
Filing date: 1992-04-15
Publication date: 1993-11-12

Abstract

(57)【要約】【目的】耐衝撃性が高い構造で、また、物品などへの
取り付け・取り外しが容易な構造のＩＤタグを提供す
る。【構成】非接触信号伝送器群および電子部品群を実装
した電子回路を、ポリカーボネート樹脂などのアイゾッ
ト衝撃強さ５０(kgcm/cm) 以上の強度をもつ樹脂で被覆
した構造としている。このような構造とすることで、例
えば樹脂被覆層の外面にねじを形成して、物体へのタグ
取り付けを、ねじ止めによる固着とすること等が可能と
なる結果、所期の目的を達成できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、生産ライン等において、物品の識別情報や管理情報の書き込みと、その読み出しに利用されるＩＤタグに関する。

【０００２】

【従来の技術】

ＩＤタグは、無線通信とメモリ機能を有し、リーダ，ライタからの無線による指令コードによって内部メモリがアクセスされる応答器で、自動認識工業会(AIM J)ではデータキャリアと呼ばれている。また、このようなＩＤタグは、物体認識の自動化技術の一つの手法として実用化が始められており、その通信方式としては、一般に、電磁誘導方式やマイクロ波方式等が採用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、ＩＤタグの特徴としては、一般に多用されているバーコードと比較して、情報量の多さやその情報の書き換えが可能な点、さらには耐環境性が優れている点などが挙げられる。しかしながら、現状のＩＤタグでは、耐衝撃性が弱く、またコストが高いといった問題点が残されている。

【０００４】すなわち、ＩＤタグにおいては、従来、非接触信号伝送器群および電子部品群が実装された電子回路を、水や熱に対して保護することのみを目的として、エポキシ樹脂あるいはガラス材などの耐水性，耐熱性の高い材料でモールドした構造としているが、これらのモールディング材で電子回路を単に保護するだけでは、衝撃に対して強い構造とすることができない。また、その耐衝撃性が弱い点と、モールド形状の大半がカード形や円柱形であることから、従来、使用時には、ＩＤタグを物品の衝撃の受け難い部位に接着剤を用いて固着しているが、その取り付け作業が煩雑で、しかも、一度接着すると容易に外すことができないため電子回路の再使用が困難で、このことがコスト高をもたらす一因となっていた。

【０００５】本考案はこのような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、耐衝撃性が高い構造で、また、物品などへの取り付け・取り外しが容易な構造のＩＤタグを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するための構成を、実施例に対応する図１を参照しつつ説明すると、本考案は、非接触信号の伝送用の機能部品１３，１４ならびに情報の書き込み・読み出し用の機能部品１１，１２などが実装された電子回路１を備えているとともに、その電子回路１が、アイゾット衝撃強さ５０(kgcm/cm) 以上の樹脂（被覆層）２によって被覆されていることによって特徴づけられる。

【０００７】

【作用】

電子回路１を被覆する材料として、例えばポリカーボネート樹脂を用いることで、その樹脂被覆層２の強度を、アイゾット衝撃強さで５０(kgcm/cm) 以上することが可能となる。また、被覆樹脂層２の強度を上記の値にまで高めることで、その被覆樹脂層２の外面に、例えばおねじ等を形成しても強度上の問題が生じることがなく、これにより、物体への取り付けに、ねじ止め等の簡単な固着法を採用することができる。

【０００８】

【実施例】

本考案の実施例を、以下、図面に基づいて説明する。図１は本考案実施例の構成図で、(a) および(b) は、それぞれ、中央縦断面図および外観斜視図を示す。

【０００９】まず、本考案実施例のＩＤタグの電子回路１の概略構成を、図２を参照しつつ説明する。このＩＤタグの電子回路１は、非接触信号伝送器として、受信アンテナ１３と送信アンテナ１４を備えている。また、電子部品として、主制御部１１とデータメモリ１２、ならびに受信信号を復調して主制御部１１に導く復調器１５，その主制御部１１からの信号を発振器１７の周波数に基づいて変調して送信アンテナ１４へと導く変調／増幅器１６，主制御部１１の出力段に設けられた SP/PS変換器１１ａを備えており、さらに各機能部品への電力供給用のバッテリ１８を備えている。以上の構成の電子回路１は、一般的なＩＤタグに用いられる電子回路と同等な構成で、その全体が例えばエポキシ樹脂，ポイリミド樹脂あるいはセラミック材料など、電子回路で一般的に使用されるモールディング材でモールドされている。

【００１０】さて、本考案実施例では、図２に示した構造の電子回路１のモールド外部を、樹脂で被覆するとともに、その樹脂被覆層２の外面に、おねじ２ａを形成して、ＩＤタグ１０の全体をボルト構造としている。しかも、その被覆材料としてポリカーボネート樹脂を用いることによって、樹脂被覆層２の衝撃強さを、アイゾット衝撃強さ（JIS-K6911,ノッチ付）で５０(kgcm/cm) 以上としている。なお、ＩＤタグ１０の形状寸法は、例えば、ボルトのねじの呼び径が１０mm，そのくびした長さが４０mm程度で、また、ボルト頭部には、ドライバ等の工具の差し込み用の溝２ｂが刻まれている。

【００１１】以上の構造の本考案実施例は、例えばプラスチック製パレット(1500mmX1500mm X500mm) の側部壁体に貫通穴を穿っておき、その貫通穴にボルトねじ部を通してこの状態で座金およびナットを用いて、パレットにねじ止め固定して使用する。また、他の装着法としては、パレットの側部壁体などにめねじ穴を形成しておきそのめねじ穴に、タグを直にねじ込むといった手法も挙げられる。

【００１２】ここで、樹脂被覆層２の材料としては、ポリカーボネート樹脂のほか、例えばＰＰＥ／ポリアミドのアロイなど、アイゾット衝撃強さ５０(kgcm/cm) 以上の強度をもつ他の樹脂を用いてもよく、また、それらの樹脂系に、耐候性やその他の特性の向上をはるための添加剤を調合してもよい。ただし、添加剤を調合した場合であっても、樹脂被覆層２はアイゾット衝撃強さ５０(kgcm/cm) 以上の強度を保つことが必要である。さらに、上記した強度（衝撃強さ）を確保するには、樹脂被覆層２の厚さは１mm以上の厚さであることが好ましい。

【００１３】なお、電子回路１およびＩＤタグ１０の形状寸法は、上記の実施例に限定されないことは言うまでもなく、例えば、そのおねじ部やくびした寸法は、タグを取り付ける物体の形状寸法等に応じて適宜に選定する。また、ＩＤタグの外部構造としては、ボルト構造のほか、例えばワイヤロープなどに用いるシャックルのシャックルピンと同様な構造などの、他の一般的な固着手段を採用できる構造としてもよい。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、非接触信号伝送器群および電子部品群が実装された電子回路を、ポリカーボネート樹脂などのアイゾット衝撃強さ５０ (kgcm/cm) 以上の強度をもつ樹脂で被覆した構造としたので、その樹脂被覆層の外面に、例えばねじを形成することが可能となり、これにより、タグの物体への取り付け法として、ねじ止めによる固着法を採用することが可能となって、その取り付け作業が簡単になる。しかも、一度取り付けたタグを物体から容易に取り外すことができ、これによって、タグのリサイクル（回収・再使用）が可能となる結果、タグコストの低減化をはかることができる。しかも、電子回路は強度の高い樹脂によって保護されているので、ねじ止め作業などによる物体への取り付けの際や実際の使用時に、物体のタグ取り付け部位、あるいはタグ自体に衝撃荷重が作用しても、電子回路が破壊する等の異常が発生する確率は極めて少ない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の構成を示す図で、(a) は中央縦
断面図，(b) は外観図

【図２】本考案実施例の電子回路１の構成図

【符号の説明】

１０・・・・ＩＤタグ１・・・・電子回路２・・・・樹脂被覆層（ポリカーボネート樹脂）２ａ・・・・おねじ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｇ０６Ｋ 19/10 Ｈ０４Ｂ 5/00 7117−5Ｋ 8623−5ＬＧ０６Ｋ 19/00 Ｓ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】非接触信号を用いて、被識別物体の識別
情報もしくは被管理物体の管理情報などの情報の書き込
みと、その読み出しとが可能な機能を有するタグであっ
て、上記非接触信号の伝送用の機能部品ならびに上記情
報の書き込み・読み出し用の機能部品が実装された電子
回路を備えているとともに、その電子回路が、アイゾッ
ト衝撃強さ５０(kgcm/cm) 以上の樹脂によって被覆され
ていることを特徴とするＩＤタグ。
【請求項２】上記電子回路を被覆する樹脂層には、外
面におねじが形成されていることを特徴とする請求項１
に記載のＩＤタグ。