JPH0583673U - 空調装置 - Google Patents
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- JPH0583673U JPH0583673U JP2697392U JP2697392U JPH0583673U JP H0583673 U JPH0583673 U JP H0583673U JP 2697392 U JP2697392 U JP 2697392U JP 2697392 U JP2697392 U JP 2697392U JP H0583673 U JPH0583673 U JP H0583673U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 冷媒センサにおいて、冷媒不足判定処理をコ
ンプレッサの回転数が判定回転数になったときに行うこ
とで、冷媒の充填量の適正か,不足かの正確な判定を行
う。 【構成】 ステップ1で冷房サイクル内のコンプレッサ
からの回転数Nを検出し、ステップ2でこの回転数Nが
判定回転数N0 であるか否かを判定し、回転数Nが判定
回転数N0 のときのみ、冷媒センサから検出電流Iを読
込み、この電流Iが判定値I0 よりも大きいか否かを判
定する冷媒充填量判定処理を行う。なお、判定回転数N
0 は下限充填量のときに冷媒センサから検出電流Iが急
勾配で変化するときの回転数である。これにより、冷媒
不足であるにも拘らず、適正と誤判定するのを防止し、
正確な冷媒充填量を判定することができる。
ンプレッサの回転数が判定回転数になったときに行うこ
とで、冷媒の充填量の適正か,不足かの正確な判定を行
う。 【構成】 ステップ1で冷房サイクル内のコンプレッサ
からの回転数Nを検出し、ステップ2でこの回転数Nが
判定回転数N0 であるか否かを判定し、回転数Nが判定
回転数N0 のときのみ、冷媒センサから検出電流Iを読
込み、この電流Iが判定値I0 よりも大きいか否かを判
定する冷媒充填量判定処理を行う。なお、判定回転数N
0 は下限充填量のときに冷媒センサから検出電流Iが急
勾配で変化するときの回転数である。これにより、冷媒
不足であるにも拘らず、適正と誤判定するのを防止し、
正確な冷媒充填量を判定することができる。
Description
【0001】
本考案は、例えば自動車用冷房装置等に用いて好適な空調装置に関し、特に、 冷媒の充填不足を高精度に検出できるようにした冷媒センサを備えた空調装置に 関する。
【0002】
一般に、空調装置には冷房サイクル内に冷媒の充填量が適正であるか不足であ るかを判定する冷媒センサが設けられている。そして、本考案者は先に特願平3 −357552号(以下、「先行技術」という)により、冷房サイクルを構成す る凝縮器と蒸発器との間の流路に冷媒が流通する冷媒流路部を有したセンサ本体 と、該センサ本体の冷媒流路部よりも上側に配設され、該冷媒流路部内と連通す る冷媒室と、該冷媒室内に設けられ、該冷媒室内の冷媒が液相状態であるか否か を検出する感温素子とから構成してなる冷媒センサを提案している。
【0003】 ここで、図6ないし図8に基づき、先行技術による冷媒センサを用いた空調装 置を例に挙げて説明する。
【0004】 図中、1は冷房サイクルを示し、該冷房サイクル1はアンモニア,フロンガス 等の冷媒Fが循環する循環流路を形成した配管2と、該配管2の途中に冷媒Fの 循環方向(図中、矢示A方向)に沿って順次設けられたコンプレッサ3,凝縮器 4および蒸発器5とから構成され、該蒸発器5はその吸熱面が運転室(図示せず )内へと臨んでいる。一方、コンプレッサ3はエンジン6と電磁クラッチ7を介 して接続され、該エンジン6の回転をコンプレッサ3に伝達するようになってい る。そして、冷媒Fはコンプレッサ3によって圧縮された後、凝縮器4,蒸発器 5を通る間に、順次、高圧気体→高圧液体→低圧気体と相転移すると共に、該蒸 発器5においては液体から気体に相転移するときに、運転室から熱を奪って該運 転室内を冷房する。
【0005】 ここで、コンプレッサ3はエンジン6と電磁クラッチ7を介して連結され、該 電磁クラッチ7はエンジン6の回転をコンプレッサ3に伝達するものである。そ して、該電磁クラッチ7は、例えばエアコンスイッチ(図示せず)の投入により 連結され、エンジン6の回転をコンプレッサ3に伝え、該コンプレッサ3を駆動 する。
【0006】 8は凝縮器4と蒸発器5との間に位置して配管2の途中に設けられ、液体状態 となった冷媒Fを一時的に貯えるレシーバタンクを示し、該レシーバタンク8に は覗窓8Aが設けられ、該覗窓8Aで冷媒Fの液化状態を目視できるようになっ ている。
【0007】 9はレシーバタンク8と蒸発器5との間に位置して配管2の途中に設けられた 膨張弁を示し、該膨張弁9は減圧弁等によって構成され、レシーバタンク8から 液相状態となって導出されてくる冷媒Fを所定圧まで減圧させて矢示A方向に流 通させる。そして、該膨張弁9で減圧された冷媒Fは蒸発器5内を流通する間に 蒸発し、気相状態となってコンプレッサ3により再び圧縮される。
【0008】 10はレシーバタンク8と膨張弁9との間に位置し、配管2の途中に設けられ た冷媒センサを示し、該冷媒センサ10は図7に示す如く、冷媒センサ10の外 形をなす後述のセンサ本体11と、該センサ本体11内を貫通するように形成さ れた冷媒流路部12と、該冷媒流路部12の上側に位置し、該冷媒流路部12と 絞り部14を介して連通するように、前記センサ本体11内に形成された冷媒室 17と、該冷媒室17内に設けられたサーミスタ18とから大略構成される。
【0009】 11は冷媒センサ10の外形をなす直方体状に形成されたセンサ本体を示し、 該センサ本体11は図7中左側面から右側面に貫通するように設けられ、両端内 周側にめねじ部12A,12Aが形成された冷媒流路部12と、該冷媒流路部1 2の上側に位置して形成され、開口部内周面にめねじ部13Aを有する大径穴1 3と、該大径穴13の底部13Bと前記冷媒流路部12とを連通するように形成 された小径の絞り部14とから大略構成されている。
【0010】 そして、冷媒流路部12の各めねじ部12Aには配管2が螺着され、冷房サイ クル1内の冷媒Fを該冷媒流路部12内に流通させる。
【0011】 15は前記大径穴13を施蓋する蓋体を示し、該蓋体15は円柱状に形成され 、その上端側外周面にはおねじ部15Aが形成され、下端側外周面には環状のO リング溝15Bが形成されている。また、蓋体15には軸方向に貫通し、径方向 に離間した一対のリード線挿通穴15C,15Cが穿設されている。そして、O リング溝15B内にOリング16を介挿して前記大径穴13に螺着される。
【0012】 17は蓋体15と大径穴13の底部13Bとの間に形成された冷媒室を示し、 該冷媒室17は、蓋体15のおねじ部15Aをセンサ本体11の大径穴13のめ ねじ部13Aに螺着することにより形成され、前記絞り部14を介して冷媒流路 部12と連通するようになっている。
【0013】 18は冷媒室17内に配設された感温素子としてのサーミスタを示し、該サー ミスタ18はリード線18A,18Aを前記蓋体15の各リード線挿通穴15C 内に段付円板状のシール部材19,19を介して挿入することにより蓋体15に 取り付けられ、前記各リード線18Aは冷媒センサ10の外部に導出し、外部に 設けられた後述する報知装置20に接続されている。そして、サーミスタ18は 大径穴13の底部13Bから所定寸法高さHだけ上方に離間して冷媒室17内に 位置決めされている。
【0014】 ここで、サーミスタ18は各リード線18Aを介して電流Iを流すと自ら発熱 し、高温となって抵抗値が低下し、このとき外部から冷却を行なうとサーミスタ 18は温度が下がって抵抗値が上昇するという特性を示すようになっている。
【0015】 20は報知装置を示し、該報知装置20は図7に示すように所定電流I0 以上 で点灯するランプ21を備え、該ランプ21はバッテリ22,空調装置のスイッ チ(図示せず)に連動するスイッチ23およびリード線18A,18Aを介して サーミスタ18に直列接続されている。そして、報知装置20の回路に流れる電 流Iは、サーミスタ18にも印加され、該サーミスタ18を加熱する。また、前 記電流Iはサーミスタ18の抵抗値が大きいときには小さくなり、I<I0 とな ってランプ21は消灯し、一方前記電流Iはサーミスタ18の抵抗値が小さくな ったときには大きくなり、I≧I0 となってランプ21を点灯させるようになっ ている。
【0016】 このように構成される冷媒センサ10においては、空調装置を駆動することに よりコンプレッサ3が作動すると、レシーバタンク8と膨張弁9の間で冷媒Fが 液相状態となり、冷媒Fが冷房サイクル1内に適正充填されている場合には、該 冷媒Fの液面は冷媒流路部12内を満たし絞り部14を介して冷媒室17内の上 面側まで上昇する。
【0017】 このとき、サーミスタ18は液化状態にある冷媒Fに浸漬されるため、冷媒F による冷却作用が大きいから、サーミスタ18の抵抗値は大きくなって、報知装 置20を流れる電流Iは小さくなり、ランプ21を消灯させる。
【0018】 一方、冷媒洩れ等により冷房サイクル1内の冷媒Fが減少すると、冷媒室17 内の冷媒Fの液面が低下し、サーミスタ18が冷媒Fの液面から露出するように なる。そして、気相状態の冷媒Fは液相状態の冷媒Fに比べ冷却作用が小さいか ら、サーミスタ18は温度が上昇し、抵抗値が小さくなり、報知装置20の電流 Iを大きくしてランプ21が点灯させる。これにより、運転者は冷媒Fが不足状 態にあることを容易に知ることができる。
【0019】
ところで、上述した先行技術による冷媒センサ10においては、冷媒Fの充填 量が変わっていないにも拘らず、エンジン6(コンプレッサ3)の回転数変化に よる配管2内の冷媒Fの圧力変動によって、冷媒室17内の冷媒Fの液面が上, 下に変動する。このため、サーミスタ18の高さHよりも、冷媒Fの液面の高さ が高くなったり,低くなったりして、該サーミスタ18を浸漬したり,露出した りして、冷却作用を変化させる。
【0020】 このため、横軸にコンプレッサ3の回転数,縦軸に報知装置20の回路に流れ る電流Iを取り、完全充填率を100%とし、10,20,…,120での各冷 媒充填率による特性を特性線B10,B20,…,B120 としたとき、図8のような 特性が得られる。なお、電流I0 は報知装置20のランプ21が点灯するときの 電流値である。
【0021】 また、先行技術による冷媒センサ10の冷媒流路部12と冷媒室17とは小径 の絞り部14を介して連通されているから、冷媒Fの冷媒室17内への流入,流 出に流動抵抗を持たせることができる。これにより、冷房サイクル1内の冷媒圧 力変動による冷媒室17内の液面の上,下方向への変動を緩和し、図8に示すよ うに、サーミスタ18からの検出電流Iの変化を緩やかな変化とする。
【0022】 さらに、この特性によれば、例えば冷房サイクル1内の適正充填量が特性線B 60のように冷媒Fの充填率が60%となる場合でも、コンプレッサ3の回転数N が約2200rpm 以上になると不足状態としてランプ21を点灯させていたものが、 回転数Nが上昇することにより適正状態と誤検知し、ランプ21を消灯させる。 さらに、極端に冷媒充填率の低い特性線B10のような場合でも、コンプレッサ3 の回転数Nが約5000rpm 以上になると冷媒Fが不足状態であるにも拘らず適正状 態と誤判定する。このため、運転者は冷媒Fの充填量が適正状態にあるのか,不 足状態にあるのか正確な判断ができなくなるという未解決な問題がある。
【0023】 本考案は上述した先行技術による冷媒センサの未解決な問題に鑑みなされたも ので、本考案はコンプレッサの回転数に拘らず冷媒の充填量の不足状態を正確に 検出できるようにした冷媒センサを備えた空調装置を提供することを目的として いる。
【0024】
上述した課題を解決するために本考案が採用する構成の特徴は、冷媒センサを 、配管の途中に設けられ、冷媒流路部を有するセンサ本体と、該センサ本体内に 設けられ、冷媒流路部よりも上側に位置して該冷媒流路部と連通する冷媒室と、 該冷媒室内に設けられ、該冷媒室内の冷媒が液相状態であるか否かを検出する感 温素子と、該感温素子からの検出信号と判定値とを比較することにより冷媒不足 を判定する冷媒不足判定手段を備え、かつ前記冷媒不足判定手段には、所定充填 量時に感温素子からの検出信号が急激に変化するときのコンプレッサの回転数を 定め、該コンプレッサの当該回転数であるときのみ判定処理を行う判定規制手段 を設けたことにある。
【0025】 さらに、前記冷媒センサの冷媒室と冷媒流路部との連通は大径の連通穴を介し て行うようにすることが望ましい。
【0026】
上記構成により、所定充填量時に感温素子からの検出信号が急激に変化すると きのコンプレッサの回転数を予め定め、当該回転数のときのみ冷媒不足の判定処 理を行うことで、冷媒充填量不足時にコンプレッサの回転数変動によって冷媒室 内に冷媒が侵入することによる誤判定を防止できる。
【0027】 さらに、大径の連通穴により冷媒室と冷媒流路部との冷媒の移動を容易にし、 冷媒室内への冷媒の流入,流出を迅速に行うことができる。
【0028】
以下、本考案の実施例を図1ないし図5に基づいて説明する。なお、実施例で は前述した先行技術と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する ものとする。
【0029】 まず、図1ないし図4に基づいて本考案の第1の実施例について述べる。
【0030】 図中、31はレシーバタンク8と膨張弁9との間に位置し、配管2の途中に設 けられた本実施例による冷媒センサを示し、該冷媒センサ31は図2に示すよう に、冷媒せンサ31の外形をなす後述のセンサ本体32と、該センサ本体32内 を貫通するように形成された冷媒流路部33と、該冷媒流路部33の上側に位置 し、該冷媒流路部33と連通穴35を介して連通するように、前記センサ本体3 2内に形成された冷媒室17と、該冷媒室17内に設けられたサーミスタ18と から大略構成されている。
【0031】 32は冷媒センサ31の外形をなす直方体状に形成されたセンサ本体を示し、 該センサ本体32は先行技術による冷媒センサ10のセンサ本体11とほぼ同様 に、図2中左側面から右側面に貫通し、両端内周側にめねじ部33A,33Aが 形成された冷媒流路部33と、該冷媒流路部33の上側に位置して形成され、開 口部内周面にめねじ部34Aを有する大径穴34とからなり、本実施例によるセ ンサ本体32においては、該大径穴34の底部34Bと前記冷媒流路部33とは 大径の連通穴35により連通されている。
【0032】 然るに、本実施例による冷媒センサ31においては、冷媒流路部33と冷媒室 17との連通を大径の連通穴35により行うから、冷媒流路部33内の冷媒Fは 冷媒室17に流入し易く、一方冷媒室17内に侵入した冷媒Fも冷媒流路部33 に流出し易くなっている。
【0033】 従って、冷房サイクル1内の冷媒圧力による変動に追従し、冷媒センサ31の 冷媒室17内の冷媒Fの液面は上,下方向に迅速に変動するようになり、この液 面の上,下方向の変動を、冷媒室17内に底部34Bから所定寸法高さHだけ上 方に離間して配設されたサーミスタ18によって検出する。これにより、サーミ スタ18からの検出電流Iは図3の特性線図の如く、急勾配の変化となる。
【0034】 36はエンジン6に設けられた回転数検出センサを示し、該回転数検出センサ 36はエンジン6の回転数を検出することにより、電磁クラッチ7を介して接続 されたコンプレッサ3の回転数Nを算出するものである。
【0035】 37は本実施例によるコントロールユニットを示し、該コントロールユニット 37の入力側には配管2の途中に設けられた冷媒センサ31の各リード線18A および前記回転数検出センサ36とが接続され、出力側には例えばランプ等によ り構成された報知器38が接続されている。また、該コントロールユニット37 内には図4に示す冷媒充填量判定処理プログラムが内蔵され、該コントロールユ ニット37の記憶エリア37A内には図3に示す特性線図から算出された判定回 転数N0 等が記憶されている。
【0036】 ここで、特性線図は横軸にコンプレッサ3の回転数N,縦軸に冷媒センサ31 からの検出電流Iを取り、冷媒充填率B毎の特性線を示したもので、本実施例に よる冷媒センサ31を用いることにより、検出電流Iの変化は先行技術の図8に 示すような緩やかな変化ではなく、ディジタル的な急勾配の変化となる。
【0037】 なお、本実施例では所定充填量を、冷媒充填率80%のときをもって下限適正 充填率と仮定すると、特性線B80の左側の領域が適正充填領域となり、右側の領 域が冷媒の不足領域となる。一方、本実施例による特性線図は図8の特性線図と 比較すると、冷媒センサ31を用いることで、コンプレッサ3の回転数Nによる 検出電流Iの変化は急勾配で変化するようになっている。
【0038】 そこで、本実施例においては、冷媒充填率B80の線を適正充填か,不足かの下 限判定充填量と設定しているから、冷媒充填率B80の線において、左側が冷媒充 填量の適正領域,右側が冷媒充填量の不足領域となり、検出電流Iが急激に変動 するコンプレッサ3の回転数N(即ち、1500rpm )のときを判定回転数N0 とし 、記憶エリア37Aに記憶しておく。
【0039】 さらに、特性線図より冷媒センサ31からの検出電流Iの判定値をI0 と設定 する。
【0040】 本実施例における空調装置は上述の如くに構成されるが、次に図4を参照しつ つ冷媒充填量の判定処理について述べる。
【0041】 まず、ステップ1で回転数検出センサ36からエンジン6の回転数を読込むこ とによりこのエンジン6の回転数に対応したコンプレッサ3の回転数Nを算出す る。ステップ2では回転数Nが判定回転数N0 であるか否かを判定し、「NO」 と判定されたときには、ステップ1にリターンされ、ステップ3以降の冷媒充填 量の判定処理の実行を禁止する。
【0042】 一方、ステップ2で「YES」と判定されたときには、ステップ3に移り、冷 媒センサ31のサーミスタ18からの検出電流Iを読出し、ステップ4でこの電 流Iが判定値I0 よりも大きいか否かを判定する。
【0043】 ステップ4で「NO」と判定されたときには、冷房サイクル1内の冷媒Fは適 正充填量であるから、ステップ6に移り、リターンされる。
【0044】 一方、ステップ4で「YES」と判定されたときには、冷房サイクル1内の冷 媒Fは不足状態となっているから、報知器38を作動させ、冷媒不足を運転者に 報知する。そして、ステップ6でリターンされる。
【0045】 本実施例によれば、まず冷媒センサ31はその構造において、冷媒流路部33 と冷媒室17とを連通する部分を大径の連通穴35にすることで、冷房サイクル 1内の冷媒圧力の変動に対する冷媒室17内の冷媒Fの液面変化を迅速に行うよ うにし、図3に示すようにコンプレッサ3の回転数Nに対して検出電流Iの変化 を、先行技術の図8に示すような緩やかな変化ではなく、ディジタル的な急勾配 となる変化にする。
【0046】 さらに、冷媒不足の判定処理においては、冷房サイクル1内の冷媒Fが下限判 定充填率となる冷媒充填率80%の場合に、冷媒センサ31からの検出電流Iが 急激に変動するときのコンプレッサ3の回転数Nを判定回転数N0 とし、この判 定回転数N0 のときにのみ、冷媒充填量の不足判定処理を実行するように構成し ている。
【0047】 これにより、冷媒Fの充填量か不足状態の場合には、コンプレッサ3の回転数 が判定回転数N0 ときには、判定値I0 よりも高くなり、冷媒不足を正確に判定 することができる。一方、冷媒Fの充填量が適正充填状態の場合には、コンプレ ッサ3の回転数が判定回転数N0 のときには、判定値I0 よりも低くなり、冷媒 量が適正充填状態であることを正確に判定することができる。
【0048】 従って、先行技術により冷媒不足であるにも拘らず適正充填であると誤報知す るのを確実に防止することができ、正確な冷房サイクル1内の冷媒Fの充填状態 を判定することができる。
【0049】 また、サーミスタ18は、冷媒室17内に所定寸法高さHの位置に設けられる ものであり、この高さHは冷媒センサ31の配置関係および冷房サイクル1の配 管2の取り回し関係等に応じて適宜に設定することができるから、冷媒不足の検 出感度の調整に自由度を与えることができる。なお、このときには冷媒センサ3 1の検出特性が異なるため、特性線図を再作成し、コンプレッサ3の判定回転数 N0 を再設定しなければならない。
【0050】 次に、図5に基づいて本考案の第2の実施例について説明するに、本実施例の 特徴は冷媒センサに特開平3−199873号に示す冷媒残量検知センサを改良 したものを用いたものである。なお、前記第1の実施例と同一の構成要素に同一 の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0051】 図中、41は本実施例による冷媒センサを示し、該冷媒センサ41は後述の継 手部42と、該継手部42に取付けられたボルト状のセンサ部45とから大略構 成されている。
【0052】 42は配管2の途中に設けられたセンサ本体としての継手部を示し、該継手部 42は配管2に接続すべく左,右の開口部にねじ部43A,43Aが形成され、 左右に貫通する冷媒流路部43と、該冷媒流路部43に軸方向上側から連通する ように穿設され、内周面にめねじが形成されたセンサ部取付穴44とから構成さ れている。
【0053】 45はセンサ部を示し、該センサ部45は前記センサ部取付穴44に螺合すべ く先端側の外周にはおねじ部46Aが、基端側にはボルト頭部46Bが形成され た金属製の有底筒状のハウジング46と、該ハウジング46内に軸方向に挿入さ れた樹脂材料により筒状に形成されたセンサホルダ47と、前記ハウジング46 の先端部に位置して設けられ、一方のリード線48Aがハウジング46の底板部 46Cに接続され、他方のリード線48Bが引出電極棒49に接続された感温素 子としてのサーミスタ48と、前記ハウジング46の開口部側を引出電極棒49 と共に施蓋するゴム製のブーツ50と、該ブーツ50を介して前記サーミスタ4 8からの信号を導出するハーネス51とから大略構成されている。
【0054】 そして、ハウジング46の底板部46Cには大径の連通穴52が穿設され、前 記センサホルダ47の下側とハウジング46の底板部46Cとの間には冷媒室5 3が形成されている。
【0055】 このように構成される冷媒センサ41においても、その検出動作は先行技術で 述べた冷媒センサ31と同様に検出することができ、冷房サイクル1内の冷媒F が適正充填のときには、冷媒Fは連通穴52を介して冷媒室53内に流入し、こ の冷媒Fはサーミスタ48を覆って冷却し、該センサ部45からの検出電流を小 さくする。一方、冷媒不足のときには、冷媒Fは冷媒室53内には侵入していな いから、サーミスタ48の冷却効率が低下し、該センサ部45からの検出電流を 大きくする。
【0056】 かくして、上述した如く構成される本実施例の冷媒センサ41を第1の実施例 と同様の冷媒充填量判定処理に用いる場合においても、図3に示す特性線図とほ ぼ同様の特性線図を得ることができ、この特性線図に基づき、図4に示す冷媒充 填量判定処理を行うことにより、第1の実施例と同様の作用効果を得ることがで きる。
【0057】 また、本実施例では継手部42にセンサ部45を螺着して取付けることにより 冷媒センサ41を構成するようにしているから、センサ部45の着脱が容易であ り、冷媒センサ41の保守交換を可能とする。
【0058】 なお、前記各実施例においてはステップ4が本考案による冷媒不足判定手段の 具体例であり、ステップ1およびステップ2が本考案による判定規制手段の具体 例である。
【0059】 また、前記各実施例では、コンプレッサ3の回転数を検出するのにエンジン6 の回転数を回転数検出センサ36により行うようにして述べたが、本考案はこれ に限らず、クランク角センサを用いてコンプレッサ3の回転軸の回転数を検出し てもよく、また回転数検出センサ36をコンプレッサ3の回転軸に設けて検出す るようにしてもよい。
【0060】 一方、前記実施例では、冷媒の適正充填量の下限を80%として定め、そのと きのコンプレッサ3の回転数を判定回転数N0 (1500rpm )としたが、適正充填 量の下限である所定充填量を例えば70%,60%,…に定めれば、これに応じ て判定回転数N0 を変えればよい。
【0061】 さらに、前記各実施例では、冷媒Fの充填量不足を報知器38をランプにより 構成し、該ランプの点灯により冷媒不足の報知を行なうようにしたが、コントロ ールユニット等に接続してプログラムによりコンプレッサ3を停止させたり、報 知器38をブザー,音声合成等により構成し、ブザー音,音声等で報知を行なっ てもよい。
【0062】
以上詳述した如く、本考案によれば、冷媒センサを、配管の途中に設けられ、 該配管と連通する冷媒流路部を有するセンサ本体と、該センサ本体内には冷媒流 路部よりも上側に位置して連通する冷媒室を設けると共に、該冷媒室内には該冷 媒室内の冷媒が液相状態であるか否かを検出する感温素子を設け、該感温素子か らの検出信号を判定値と比較することにより、冷媒不足と判定する冷媒不足判定 手段と、該冷媒不足判定手段には、所定充填量時に感温素子からの検出信号が急 激に変化するときのコンプレッサの回転数を定め、該コンプレッサの当該回転数 であるときのみ判定処理を行う判定規制手段を有する構成としたから、コンプレ ッサの回転数が所定回転数のときにのみ、冷媒不足判定を行うようにしたから、 コンプレッサの回転数により冷媒室内の冷媒の液面が変動することによる誤判定 を防止することができる。従って、冷媒の充填量が適正充填であるか、冷媒不足 状態であるかの判定を、コンプレッサの回転数に拘らず正確に判定することがで きる。
【0063】 さらに、冷媒センサの冷媒流路部と冷媒室との大径の連通穴を介して行うこと により、冷媒流路部,冷媒室間の移動をスムーズにして、コンプレッサの回転数 変動による冷媒室内の冷媒液面の上,下の変動を迅速にすることができ、感温素 子による液面検出を迅速に行うことができる。これにより、コンプレッサの回転 数に対する検出電流の変動を急勾配のディジタル的な変動にすることができ、冷 媒不足の高精度判定を行うことができる。
【図1】本考案の第1の実施例による空調装置の回路構
成図である。
成図である。
【図2】第1の実施例による冷媒センサの縦断面図であ
る。
る。
【図3】第1の実施例によるコンプレッサの回転数に対
する冷媒センサからの検出電流を、冷媒の充填率毎に求
めた特性線を示す線図である。
する冷媒センサからの検出電流を、冷媒の充填率毎に求
めた特性線を示す線図である。
【図4】第1の実施例による冷媒充填量判定処理を示す
流れ図である。
流れ図である。
【図5】本考案の第2の実施例による冷媒センサを示す
縦断面図である。
縦断面図である。
【図6】先行技術による空調装置を示す回路図である。
【図7】先行技術による冷媒センサの縦断面図である。
【図8】先行技術によるコンプレッサの回転数に対する
冷媒センサからの検出電流を、冷媒充填率毎に求めた特
性線を示す線図である。
冷媒センサからの検出電流を、冷媒充填率毎に求めた特
性線を示す線図である。
3 コンプレッサ 4 凝縮器 5 蒸発器 6 エンジン 15 蓋体 17 冷媒室 18 サーミスタ(感温素子) 31 冷媒センサ 32 センサ本体 33 冷媒流路部 34 大径穴 35 連通穴 36 回転数検出センサ 37 コントロールユニット 38 報知器 41 冷媒センサ 42 継手部(センサ本体) 43 冷媒流路部 45 センサ部 48 サーミスタ(感温素子) 52 連通穴 53 冷媒室 F 冷媒 N 回転数 N0 判定回転数 I 検出電流 I0 判定値
Claims (2)
- 【請求項1】 冷媒を循環させる配管と、該配管の途中
に冷媒の循環方向に沿って順次設けられたコンプレッ
サ,凝縮器および蒸発器と、該蒸発器と凝縮器との間に
位置して前記配管の途中に設けられた冷媒センサとから
なる空調装置において、前記冷媒センサは配管の途中に
設けられ、冷媒流路部を有するセンサ本体と、該センサ
本体内に設けられ、冷媒流路部よりも上側に位置して該
冷媒流路部と連通する冷媒室と、該冷媒室内に設けら
れ、該冷媒室内の冷媒が液相状態であるか否かを検出す
る感温素子と、該感温素子からの検出信号と判定値とを
比較することにより冷媒不足を判定する冷媒不足判定手
段を備え、かつ前記冷媒不足判定手段には、所定充填量
時に感温素子からの検出信号が急激に変化するときのコ
ンプレッサの回転数を定め、該コンプレッサの当該回転
数であるときのみ判定処理を行う判定規制手段を設けた
ことを特徴とする空調装置。 - 【請求項2】 前記冷媒センサの冷媒室と冷媒流路部と
の連通は大径の連通穴を介して行うようにしてなる請求
項1記載の空調装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2697392U JPH0583673U (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | 空調装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2697392U JPH0583673U (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | 空調装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0583673U true JPH0583673U (ja) | 1993-11-12 |
Family
ID=12208107
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2697392U Pending JPH0583673U (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | 空調装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0583673U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09280700A (ja) * | 1996-04-10 | 1997-10-31 | Denso Corp | 空調装置の異常検出装置 |
-
1992
- 1992-03-31 JP JP2697392U patent/JPH0583673U/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09280700A (ja) * | 1996-04-10 | 1997-10-31 | Denso Corp | 空調装置の異常検出装置 |
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