JPH0583657B2 - - Google Patents

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JPH0583657B2
JPH0583657B2 JP34437689A JP34437689A JPH0583657B2 JP H0583657 B2 JPH0583657 B2 JP H0583657B2 JP 34437689 A JP34437689 A JP 34437689A JP 34437689 A JP34437689 A JP 34437689A JP H0583657 B2 JPH0583657 B2 JP H0583657B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】 本発明は横編機におけるシンカー装置に関する
ものである。
【従来の技術】
従来の横編機におけるシンカー装置の多くは、
針床の上方に複数の編針を出退可能に並設し、編
針同士間に先端部が位置するようにシンカーを針
床に固定する構造であつた。 上記構造のものでは前コースで編成されたルー
プがシンカーで押さえ込まれているが、例えば成
形編み時のようにその編み幅を細い幅から急に拡
げたい様な場合には、細い幅の部分のループには
まきさげ装置による大きな引き下げ力が作用して
おり、一方、その他の編み出し部分のループには
充分な押し下げ力を作用させることが出来ないた
めに不安定な編成になつてしまう。 そこで、斯る問題に対処するために従来では編
み幅を所定の幅になるまで徐々に拡げる所謂“捨
て編み”をしている。 この“捨て編み”のために生産性が低下するの
を防止する目的で、例えば実開昭62−203282号公
報に記載されているように、針床に並設された各
編針の長手方向に沿つて、その上方にそれぞれシ
ンカーを上下に設けた2本の枢支軸によつて揺動
可能に枢支し、編針の上方を走行するキヤリツジ
のカムによつてガタつくことが無い状態でシンカ
ーを揺動制御し、編み幅を細い幅から急に拡げた
い様な場合でも“捨て編み”行わなくても済むよ
うにしたものが提案されている。
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のキヤリツジのカムによつてシ
ンカーの揺動を制御するようにしたものでは、シ
ンカーがキヤリツジのカムで挟まれた状態で常に
揺動が制御されるために、例えば伸縮性の少ない
ない綿糸の場合にはループが編針をノツクオーバ
ーする時に伸ばされて切れたり、編目が延びた状
態に成つて商品価値が低下してしまうと言う問題
があつた。 本発明は上記問題点に鑑み提案されたもので、
“捨て編み”工程を省略して生産性を高めながら
も、編糸の種類にかかわらずループに常時適正な
テンシヨンを作用させられる横編機におけるシン
カー装置を提供出来るようにすることを目的とす
るものである。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にかかるシン
カー装置は、先ず、針床上に所定間隔毎にニード
ルプレートを配設し、該ニードルプレートの先端
寄りで上部の一側面の上半分の肉厚を、少なくと
もシンカーの肉厚分切削して切欠部を形成し、該
切欠部の底面にシンカー支承用凹部を形成すると
ともに、シンカーにはその中間部に前記シンカー
支承用凹部に係合する回動支持部を形成し、前記
ニードルプレートの薄肉部分と編針上方に配設さ
れるスペーサとで形成されたスリツト状の空間に
シンカーを揺動可能に収納し、シンカーはその先
端部に編糸受け部を形成するとともに、該編糸受
け部を編針間に押さえ込み付勢する付勢手段を設
け、付勢手段の付勢力を編糸受け部に受け止めら
れた編糸の張力に応じて編糸受け部の位置が変化
するように設定したことを特徴とするものであ
る。 また、シンカー先端部の編糸受け部を編針間に
押さえ込み付勢する付勢手段がシンカー中間部に
形成された回動枢支部上に装架された線バネであ
ることも特徴の1つである。
【作用】
上記のように構成されたシンカー装置は、先
ず、編糸受け部に受け止められた編針間の編地が
付勢手段により押圧付勢されて各編針のループに
は適度な張力が与えられる。 従つて細幅の編地から幅広の編地を即座に編み
出すことができるのである。 次に、キヤリツジにより編針が進出する時等、
編針をノツクオーバーするループの張力が高まつ
て来ると、この張力により編糸受け部を介してシ
ンカーを例えば線バネ等からなる付勢手段の付勢
力に抗して張力を緩和する方向に揺動させる。 従つて、編針をノツクオーバーするループには
異常な張力が作用しなくなり編糸の切れや延びが
防止されるのである。
【実施例】
以下、本発明の一実施例図面に基づいて説明す
る。 第1図は横編機におけるキヤリツジの編針及び
シンカーを制御する部分の作用を示す概略の展開
図であつて、図中符号1はニツテイングカムを示
し、符号3はニツテイングカム1の前方に配設さ
れたシンカー制御用の後部カム、符号4は後部カ
ム3の前方に配設されたシンカー制御用の前部カ
ムを夫々示す。 上記シンカー制御用の前部カム4は1枚の板の
下面にカムプロフイル5を形成したもので、シン
カー制御用の後部カム3は下面にカムプロフイル
6を形成した板に蔓巻きバネ7で突出側に付勢さ
れた可動カム8,9,10,11を設けて構成さ
れており、シンカー制御用の前部カム4及び後部
カム3は夫々キヤリツジ本体から突出するブラケ
ツト12に固定用ボルト13,14で固定されて
いる(第3図参照)。 なお、上記可動カム8,9,10,11のう
ち、一方のカム8,10は往行用であり、他方の
カム9,11は復行用として作用するようになつ
ている。 ニツテイングカム1は、山形をしたニードルレ
イジングカム15と、ニードルレイジングカム1
5の中央上部に配設された天山16と、天山16
の両側にその側面に沿つて摺動可能に設けられた
度山17,17とを備え、ニードルレイジングカ
ム15と天山16及び度山17,17との間に編
針2のバツト18が通過する制御溝19が形成さ
れて構成されている。 上記ニツテイングカム1で制御される編針2
は、第2図及び第3図に示すように、針床20の
上面に所定間隔置きに可動式シンカー21が形成
されたニードルプレート22を立設し、このニー
ドルプレート22,22間にその先端のフツク2
3が針床20の先端から外方に突出する状態と退
入する状態とに摺動可能に配設されており、編針
2の上方はスペーサ24が設けられている。 そして、可動式のシンカー21は第2図乃至第
4図に示すように、薄板で形成されたシンカープ
レート25をニードルプレート22と編針2の上
方に配設されたスペーサ24との間に装着され、
主として上記前部カム4及び後部カム3とで揺動
制御されるように構成されている。 シンカープレート25はその先端に編糸を受け
止める編糸受け部26が形成され、この編糸受け
部26のやや後方にはシンカー制御用の前部カム
4が当接する前部カム当接部27が形成されると
ともに、前部カム当接部27の近傍に編糸受け部
26を押し下げ付勢する線バネ(付勢手段)28
の一端を係止するバネ係止部29が形成されてい
る。 また、シンカープレート25のバネ係止部29
の後方には下方に半円状に突出形成された回動枢
支部30が形成され、後端部には後部カム3が当
接する後部カム当接部31が形成されている。 上記の様に形成されたシンカープレート25が
装着されるニードルプレート22はその先端寄り
部分の一側面の上半部をシンカープレート25の
厚み分切削して薄肉に形成し、薄肉に形成された
部分の中間位置で厚肉の下半部には半円状の支承
用凹部32が穿設されており、この支承用凹部3
2に回動枢支部30が支承されるとともに、その
他の部分がニードルプレート22の薄肉部分とス
ペーサ24とで形成されるスリツト状の空間に揺
動可能に収納されている。 こうして、ニードルプレート22とスペーサ2
4との間にシンカープレート25が装着された
後、ニードルプレート22及びスペーサ24の各
上面に形成された係合溝33に押さえ板34が挿
入されると、スペーサ24が固定され、これと同
時に押さえ板34の下面で線バネ28の遊端部2
8aが押し下げ付勢されるので、シンカープレー
ト25の先端の編糸受け部26は常時下方に押し
下げ付勢されることになる。 尚、この線バネ28の弾性力は編糸受け部26
に受け止められて押さえ込まれる旧ループの編糸
35の張力が例えばノツクオーバー時等でその張
力が所定の張力より高くなるとこれに応じてシン
カープレート25が揺動して編糸受け部26の位
置を高く変位させて旧ループの編糸35の張力が
所定の張力に保てる程度の弾性に設定してある。 上記の様に構成された横編機におけるシンカー
装置の作用を次に説明する。 第1図においてキヤリツジを右方から左方に移
動させて、先ずシンカー21が図中A−Aの位置
になると第3図に示すように編針2は針床20の
先端から退入した状態で、シンカー21は前部カ
ム当接部27にシンカー制御用の前部カム4が当
接し、後部カム当接部31が後部カム3の可動カ
ム8で押し下げられるのでシンカープレート25
は支承用凹部32に嵌合している回動枢支部30
を回転中心として図上左回りに回動し、シンカー
プレート25の先端の編糸受け部26が編針2の
上方に位置する状態になる。 次に、シンカー21がB−Bの位置になると第
5図に示すように編針2はニードルレイジングカ
ム15でバツト18が少し押上られて編針2のフ
ツク23が針床20の先端から少し突出する状態
になる。 一方、シンカー21は後部カム当接部31が可
動カム8から外れて制御用の後部カム3の下面の
カムプロフイール6に当接するまでシンカープレ
ート25が線バネ28の弾性力で図上右回りに回
動し、先端の編糸受け部26に旧ループの編糸3
5を保持した状態で編針2の下方に押し下げられ
た状態になる。 そして、キヤリツジが更に左方に走行し、シン
カー21が第1図中のC−Cの位置になると、第
6図に示すように編針2はバツト18がニードル
レイジングカム15の頂上まで大きく押上げられ
てフツク23が針床20の先端から大きく突出す
る状態になる。 この時、シンカープレート25は先端の編糸受
け部26掛止している旧ループの編糸35と線バ
ネ28の弾性力とが釣り合う状態に保持されてお
り、フツク23のベラ42を押し開いて乗り越え
たり、編針2の基端寄り部に位置した時に編糸受
け部26に掛止している旧ループの編糸35の張
力が高くなつてもこの高くなつた張力に応じて編
糸受け部26が上方に揺動してこれを吸収するの
で、編糸受け部26に掛止している旧ループの編
糸35の張力は略所定の張力に保たれるのであ
る。 更に、キヤリツジが左方に走行し、シンカー2
1が第1図中D−Dの位置になると、第7図に示
すように編針2のフツク23にキヤリヤ40から
給糸された編糸41を係合させた状態で、編針2
のバツト18が天山16で押し下げられてゆく。 この時、シンカー21はシンカープレート25
の後部カム当接部31が後部カム3の可動カム1
0で押し下げられるので回動枢支部30を回転中
心として図上左回りに回動し、シンカープレート
25の先端の編糸受け部26が編針2の上方近く
にまで上昇した状態のノツクオーバー待機位置に
なる。 シンカー21が第1図中E−Eの位置になる
と、編針2のバツト18が度山17で更に押し下
げられフツク23が針床の先端から引つ込んだ状
態になる(第8図参照)。 そして、シンカー21は後部カム当接部31が
可動カム11から外れて制御用の後部カム3の下
面のカムプロフイール6に当接するまでシンカー
プレート25が線バネ28の弾性力で図上右回り
に回動し、先端の編糸受け部26に旧ループの編
糸35を保持した状態で編針2の下方に押し下げ
られる。 また、この時、キヤリヤ40から編針2のフツ
ク23内に供給される編糸41により新しいルー
プが形成されるのであるが、その大きさは編糸4
1が保持されるシンカープレート25の編糸受け
部26寄り上の背中部分に対して編針2をどれだ
け下降させるかによつて決定される。 このD−Dの位置からE−Eの位置に移る過程
でフツク23のベラ42を乗り越えている旧ルー
プの編糸35が編針2の退入作動にともなつて、
フツク23のベラ42を閉じ、閉じられたベラ4
2の上面を乗り越えてノツクオーバーされる。 このノツクオーバーされるループはその中をフ
ツク23が通過する時に大きく引き延ばされる
為、シンカープレート25の先端の編糸受け部2
6に掛止している旧ループの編糸35の張力も異
常に高く成ろうとする。 この高くなろうとする張力で線バネ28の弾性
付勢力に抗してシンカープレート25が回動枢支
部30を回転中心として図上左回りに回動し、吸
収するので、編糸受け部23に掛止している編糸
35の張力は略所定の張力に保たれるのである。 これによりキヤリヤ40から供給される編糸4
1が延びの少ない線糸でも糸切れの無い状態で編
成を行うことが出来るのである。 また、キヤリツジが左方に走行し、シンカー2
1が第1図中F−Fの位置になると、第9図のよ
うに編針2のバツト18が度山17の底面で上記
E−Eの位置の状態から少し上がつた状態にな
り、これに伴つて編針2のフツク23が針床20
の先端側に少し進出し、フツク23に係合してい
る旧ループの編糸35を緩めようとするが、線バ
ネ28の弾性で編糸受け部26が下方に押し込み
付勢して弛みを防止する。従つてフツク23に係
合している旧ループの編糸35が緩んで目外れ等
が発生するの無くなるのである。 尚、上記実施例では編糸受け部26を押し下げ
付勢する付勢手段を線バネ28で形成するように
してあるが、この線バネ28に代えてコイルスプ
リングで形成したり、シンカープレートをバネ鋼
で形成し、その弾力で付勢手段を成形するように
しても良いことは言うまでもないことである。 また、上記実施例ではシンカープレートをニー
ドルプレートに揺動可能に枢支するようにしてあ
るが、シンカープレートは針床に揺動可能に枢支
する事ができるのは勿論である。
【発明の効果】
以上に説明したように本発明にかかる横編機に
おけるシンカー装置によれば、編糸受け部に受け
止められた編針間の編地が例えば線バネ等からな
る付勢手段で押圧付勢されて編針のループに適度
な張力を与えられており、細幅の編地から幅広の
編地を即座に編み出すことができるので、従来固
定シンカーで細幅の編地から幅広の編地を即座に
編み出す場合に行われていた“捨て編み”工程を
省略して生産性を大幅に高めることが出来ると言
う利点がある。 更に、キヤリツジの走行によりループが編針を
ノツクオーバーする時等でループの張力が高く成
つた場合でも、そのループの張力でシンカーを弛
緩させる方向に揺動し、編針のループの張力を常
に適正な張力に保つことが出来るのである。 これにより、編糸が異常に延びたり、切れたり
するのを防止して商品価値の高いものを製品を生
産することができるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示すもので、第1図
は横編機におけるキヤリツジの編針及びシンカー
を制御する部分の作用を示す概略の展開図、第2
図はシンカー部分の平面図、第3図はシンカーが
第1図中のA−A位置に有る時のシンカー部分の
側面図、第4図はシンカー部分の分解図、第5図
はシンカーが第1図中のB−B位置に有る時のシ
ンカー部分の側面図、第6図はシンカーが第1図
中のC−C位置に有る時のシンカー部分の側面
図、第7図はシンカーが第1図中のD−D位置に
有る時のシンカー部分の側面図、第8図はシンカ
ーが第1図中のE−E位置に有る時のシンカー部
分の側面図、第9図はシンカーが第1図中のF−
F位置に有る時のシンカー部分の側面図である。 2…編針、20…針床、21…シンカー、26
…編糸受け部、28…付勢手段(線バネ)。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 針床上に所定間隔毎にニードルプレートを配
    設し、該ニードルプレートの先端寄りで上部の一
    側面の上半分の肉厚を、少なくともシンカーの肉
    厚分切削して切欠部を形成し、該切欠部の底面に
    シンカー支承用凹部を形成するとともに、シンカ
    ーにはその中間部に前記シンカー支承用凹部に係
    合する回動支持部を形成し、前記ニードルプレー
    トの薄肉部分と編針上方に配設されるスペーサと
    で形成されたスリツト状の空間にシンカーを揺動
    可能に収納し、シンカーはその先端部に編糸受け
    部を形成するとともに、該編糸受け部を編針間に
    押さえ込み付勢する付勢手段を設け、付勢手段の
    付勢力を編糸受け部に受け止められた編糸の張力
    に応じて編糸受け部の位置が変化するように設定
    したことを特徴とする横編機におけるシンカー装
    置。 2 シンカー先端部の編糸受け部を編針間に押さ
    え込み付勢する付勢手段がシンカー中間部に形成
    された回動枢支部上に装架された線バネであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の横編機における
    シンカー装置。
JP1344376A 1989-12-28 1989-12-28 横編機におけるシンカー装置 Granted JPH03206161A (ja)

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