JPH058266U - 伝熱管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 伝熱管(3) は、管本体(1) およびこれに収め
られたインナーフィン(2) とよりなり、インナーフィン
(2) が、中心の軸部(2a)と、該軸部(2a)より放射状にか
つ全長にわたって設けられた多数の翼部(2b)とで構成さ
れ、すべての翼部(2b)がそれぞれ幅の中間部でかつ同一
方向に曲げられていて、各翼部(2b)が幅方向に弾性を有
するものとなされており、各翼部(2b)の先端部が管本体
(1) の内面に圧接せしめられている。 【効果】 伝熱管は、スターリングエンジン用冷却器の
冷却管などに用いられ、管本体へのインナーフィンの挿
入作業がきわめて容易で、従って挿入作業の自動化が可
能であり、伝熱管の製造を容易に行なうことができる。
しかも管本体に対するインナーフィンの密着性がすぐれ
ていて、伝熱管は高性能である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、伝熱管、さらに詳しくは、スターリングエンジンの冷却器の冷却 管などに用いられる伝熱管に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

この種の伝熱管としては、従来、アルミニウム製管本体およびこれに収められ たアルミニウム押出形材製インナーフィンとよりなるものが知られていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の伝熱管は、インナーフィンの軸部より放射状に伸びる多 数の翼部が、単に平板状であるため、その寸法精度としてインナーフィンの外径 （すなわち、放射状翼部の先端を順に結んでできる円の直径）を、管本体の内径 よりも約１〜２％大きくして、圧入しようとすると、管本体へのインナーフィン の挿入作業が困難で、作業性が非常に悪く、また押出成形により、インナーフィ ンの翼部の幅がわずかに小さくなると、管本体との密着不良が生じやすいという 問題があった。

【０００４】 この考案の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、管本体へのインナーフィ ンの挿入作業がきわめて容易で、挿入作業の自動化が可能であり、伝熱管の製造 を容易に行なうことができ、しかも管本体に対するインナーフィンの密着性がす ぐれていて、高性能である、スターリングエンジン用冷却器の冷却管などに用い られる伝熱管を提供しようとするにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上記の目的を達成するために、管本体およびこれに収められたイ ンナーフィンとよりなる伝熱管において、インナーフィンが、中心の軸部と、該 軸部より放射状にかつ全長にわたって設けられた多数の翼部とよりなり、すべて の翼部がそれぞれ幅の中間部でかつ同一方向に曲げられていて、各翼部が幅方向 に弾性を有するものとなされており、各翼部の先端部が管本体の内面に圧接せし められている、伝熱管を要旨としている。

【０００６】

【作用】

上記伝熱管によれば、インナーフィンの放射状の翼部が、それぞれ幅の中間部 でかつ同一方向に曲げられていて、各翼部が幅方向に弾性を有しており、各翼部 の先端部が管本体の内面に、該翼部の弾性により圧接せしめられている。

【０００７】 従って、寸法精度として、インナーフィンの外径が、管本体の内径と同一か、 または１〜２％程度若干大きいものとなされた場合でも、インナーフィンの各翼 部は、それぞれの弾性により内側に変形可能であるため、インナーフィンの挿入 作業がきわめて容易であり、該挿入作業の自動化が可能である。しかも各翼部の 先端部は、管本体の内面に、該翼部の弾発力により圧接しているため、密着性が 非常にすぐれている。

【０００８】

【実施例】

つぎに、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【０００９】 図面は、この考案による伝熱管を、スターリングエンジン用冷却器の冷却管に 適用した場合を例示するものである。

【００１０】 まず図１に示すように、この考案による伝熱管(3) は、管本体(1) およびこれ に収められたインナーフィン(2) とよりなるものであって、例えば管本体(3) は 、アルミニウム・クラッド管製で、これの内外両面にろう材層（図示略）が設け られている。一方、インナーフィン(2) は、アルミニウム押出型材製である。

【００１１】 このインナーフィン(2) は、中心の軸部(2a)と、該軸部(2a)より放射状にかつ 全長にわたって設けられた８つの翼部(2b)とよりなり、すべての翼部(2b)がそれ ぞれ幅の中間部でかつゆるい円弧状に同一方向に曲げられていて、各翼部(2b)が 幅方向に弾性を有するものとなされている。

【００１２】 各翼部(2b)の先端部は、管本体(1) の内面に、該翼部(2b)の弾発力により圧接 せしめられており、従ってインナーフィン(2) の密着性が非常にすぐれていて、 伝熱管(3) は高性能である。

【００１３】 図２および図３に示すように、スターリングエンジン用冷却器は、垂直状に配 置された上記の多数の伝熱管(3) と、各伝熱管(3) の上下方向複数位置において 各伝熱管(3) と交差状に取付けられている多段円板状プレート・フィン(4) と、 各伝熱管(3) の上端部がそれぞれ連結されている有底円筒状上ヘッダ(5) と、各 伝熱管(3) の下端部がそれぞれ連結されている円板状下ヘッダ(6) と、各伝熱管 (3) およびプレート・フィン(4) を取り囲みかつ上下端部が上下のヘッダ(5)(6) にそれぞれ連結されている円筒状胴(7) とからなり、これらの各部材(1) 〜(7) はいずれもアルミニウム製であって、例えば真空ろう付法により一括して接合さ れている。

【００１４】 なお、各伝熱管(3) の内部において、管本体(1) とインナーフィン(2) との間 に生じた空隙には、水素などの作動流体が流される。

【００１５】 図４と図５は、この考案の第２実施例と第３実施例を示すものである。ここで 、上記第１実施例の場合と異なる点は、伝熱管(3) のインナーフィン(2) の形状 にある。

【００１６】 すなわち、図４の第２実施例では、インナーフィン(2) のすべての翼部(2b)が 、それぞれ幅の中央部でかつ断面略く形に同一方向に曲げられている点にある。

【００１７】 また図５の第３実施例では、インナーフィン(2) のすべての翼部(2b)が、それ ぞれ幅の中間部においてとりわけ先端寄り部分において、略直角状に同一方向に 曲げられている点にある。

【００１８】 これら第２実施例と第３実施例において、インナーフィン(2) の各翼部(2b)が 幅方向に弾性を有するものとなされている点は、上記実施例の場合と、全く同様 である。

【００１９】

【考案の効果】

この考案は、上述のように、管本体およびこれに収められたインナーフィンと よりなる伝熱管において、インナーフィンが、中心の軸部と、該軸部より放射状 にかつ全長にわたって設けられた多数の翼部とよりなり、すべての翼部がそれぞ れ幅の中間部でかつ同一方向に曲げられていて、各翼部が幅方向に弾性を有する ものとなされており、各翼部の先端部が管本体の内面に圧接せしめられているも ので、インナーフィンの各翼部は弾性により内側に若干変形可能であるから、管 本体へのインナーフィンの挿入作業がきわめて容易であり、挿入作業の自動化が 可能で、伝熱管の製造を容易に行なうことができる。

【００２０】 しかも、管本体に対するインナーフィンの密着性が非常に良好であり、従って 伝熱管は高性能である。

【００２１】 さらにインナーフィンの各翼部の屈曲形状を任意に選定して、フィンのいわゆ る密着代を任意に設定することができるため、伝熱管の強度を大幅に増大するこ とができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例の要部拡大一部切欠き斜視
図である。

【図２】本考案品を備えた冷却器全体の部分切欠き正面
図である。

【図３】同平面図である。

【図４】本考案の第２実施例の要部拡大一部切欠き斜視
図である。

【図５】本考案の第３実施例の要部拡大一部切欠き斜視
図である。

【符号の説明】

１ 管本体 ２ インナーフィン ２ａ 軸部 ２ｂ 翼部 ３ 伝熱管

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 管本体(1) およびこれに収められたイン
   ナーフィン(2) とよりなる伝熱管において、インナーフ
   ィン(2) が、中心の軸部(2a)と、該軸部(2a)より放射状
   にかつ全長にわたって設けられた多数の翼部(2b)とより
   なり、すべての翼部(2b)がそれぞれ幅の中間部でかつ同
   一方向に曲げられていて、各翼部(2b)が幅方向に弾性を
   有するものとなされており、各翼部(2b)の先端部が管本
   体(1)の内面に圧接せしめられている、伝熱管。