JPH058221U - 廃棄物の焼却装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ダイオキシン等の有機塩素化合物の生成を抑
える。 【構成】 下方が狭く上方が広がっている排ガス流抑制
壁７，７、９，９と、下方が広く上方が狭くなっている
排ガス流抑制壁８，８とを、交互に複数段にわたって流
動層炉本体１の内部に設け、排ガスが排ガス流抑制壁
７，８，９に沿って分散、混合を繰り返しながら上昇
し、排ガスが燃焼用空気と十分混合すると共に十分な燃
焼時間が確保されて完全燃焼し、毒性の強いダイオキシ
ン等の有機塩素化合物の生成を抑えることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、廃棄物の焼却装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から廃棄物の焼却装置として一般に使用されている流動層炉では、流動層 上部のフリーボード部が、１つの燃焼空間として形成されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来から使用されている廃棄物の焼却装置は、単に１つの燃焼空間が形成され ているだけであるため、廃棄物の焼却によって発生したガスが燃焼用空気と十分 混合することができず、また燃焼時間、すなわち炉内滞留時間を十分確保するこ とができず、完全燃焼させることができなかった。

【０００４】 そのため、毒性の強いダイオキシン等の有機塩素化合物が生成され、二次公害 が社会問題となっている。

【０００５】 本考案はこのような公害を防止するため、廃棄物の焼却によって発生した排ガ スを完全燃焼させ、毒性の強いダイオキシン等の有機塩素化合物の生成を抑える ことができるようにした廃棄物の焼却装置を提供することを目的とするものであ る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の廃棄物の焼却装置は、下方が狭く上方が広がっている排ガス流抑制壁 と、下方が広く上方が狭くなっている排ガス流抑制壁とを、交互に複数段にわた って流動層炉本体の内部に設けたことを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】 廃棄物の焼却によって発生したガスは排ガス流抑制壁に誘導されて分散したり 集合したりして激しくぶつかり合い、空気とよく混合して完全燃焼し、毒性の強 いダイオキシン等の有機塩素化合物の生成を抑えることができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図に基づいて説明する。

【０００９】 図１は本考案の一実施例の縦断面図であって、流動層炉本体１内の下方は流動 層部２になっていて、砂等の流動媒体が装入され、流動用空気を吹き出す散気装 置３が設けられている。

【００１０】 流動層部２の上方はフリーボード部４になっていて、フリーボード部４の下部 には廃棄物装入口５が設けられており、その上には二次空気装入口６および図示 しないガスバーナが設けられている。

【００１１】 フリーボード部４の下部寄りの中心には、下方が互に接近して狭くなり、上方 が互に離れて広がっている排ガス流抑制壁７，７が設けられている。

【００１２】 排ガス流抑制壁７，７の上段には、下方が流動層炉本体１の炉壁に接近してい て広がり、上方が互に接近して狭くなっている排ガス流抑制壁８，８が設けられ ている。上段の排ガス流抑制壁８，８の下方の広がりは、下段の排ガス流抑制壁 ７，７の上方の広がりよりも広くなっている。

【００１３】 排ガス流抑制壁８，８のさらに上段には、下方が互に接近して狭くなり、上方 が互に離れて広がっている排ガス流抑制壁９，９が設けられている。排ガス流抑 制壁８，８の上方の間隔は、その上段の排ガス流抑制壁９，９の下方の間隔より も広くなっており、上段の排ガス流抑制壁９，９の下方の間隔は、排ガス流抑制 壁８，８の上方の間隔よりも狭くなっている。

【００１４】 排ガス流抑制壁７，８，９は、いずれも流動層炉本体１からの図示しない支持 腕により支持されている。また図１においては、下方が狭く上方が広がっている 排ガス流抑制壁７，７、下方が広く上方が狭くなっている排ガス流抑制壁８，８ 、下方が狭く上方が広がっている排ガス流抑制壁９，９を交互に３段設けた実施 例を示したが、排ガス流抑制壁の段数は、さらに増加させることも可能である。

【００１５】 次に、作用を説明する。

【００１６】 図示しないガスバーナを点火し、散気装置３からの流動用空気によって砂等の 流動媒体が流動している流動層部２に、廃棄物装入口５から廃棄物を装入する。 流動層部２に装入された廃棄物は短時間に乾燥してガス化し、燃焼しながら排ガ ス流抑制壁７に沿って上昇し、フリーボード部４の外周寄りに分散すると共に二 次空気装入口６から装入される二次空気と混合する。

【００１７】 排ガス流抑制壁７の上部まで上昇してフリーボード部４の外周寄りに分散した 排ガス及び二次空気はさらに上昇を続け、次には上段の排ガス流抑制壁８に沿っ てフリーボード部４の中心寄りに集合し、激しくぶつかり合って混合する。

【００１８】 排ガス流抑制壁８の上部で激しくぶつかり合って混合した排ガス及び二次空気 は上昇を続け、さらに上段の排ガス流抑制壁９に沿ってフリーボード部４の外周 寄りに分散する。

【００１９】 このように排ガスは排ガス流抑制壁７，８，９に沿って分散、混合、分散を繰 り返しながら燃焼用の二次空気と十分混合され、しかも十分な燃焼時間が確保で きるので排ガスは完全燃焼することになり、毒性の強いダイオキシン等の有機塩 素化合物が生成されない排ガスとして流動層炉本体１の上部にある排出口１０か ら外部に排出される。排ガスに同伴されるダストは流動層炉本体１の内側壁や排 ガス流抑制壁７，８，９に当って流動層部２に落下する。

【００２０】

【考案の効果】

本考案は排ガス流抑制壁に沿って高温の排ガスは燃焼用空気と共に分散、混合 を繰り返しながら十分混合されると共に十分な燃焼時間が確保されるので、排ガ スを完全燃焼させて毒性の強いダイオキシン等の有機塩素化合物の生成を抑える ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の縦断面図である。

【符号の説明】

１ 流動層炉本体 ７ 排ガス流抑制壁 ８ 排ガス流抑制壁 ９ 排ガス流抑制壁

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 下方が狭く上方が広がっている排ガス流
   抑制壁と、下方が広く上方が狭くなっている排ガス流抑
   制壁とを、交互に複数段にわたって流動層炉本体の内部
   に設けたことを特徴とする廃棄物の焼却装置。