JPH0581A - 細胞培養担体及び培養方法 - Google Patents

細胞培養担体及び培養方法

Info

Publication number
JPH0581A
JPH0581A JP3175771A JP17577191A JPH0581A JP H0581 A JPH0581 A JP H0581A JP 3175771 A JP3175771 A JP 3175771A JP 17577191 A JP17577191 A JP 17577191A JP H0581 A JPH0581 A JP H0581A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cells
bead
culture
carrier
beads
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3175771A
Other languages
English (en)
Inventor
Takamitsu Kuroyanagi
能光 黒柳
Rika Nakagawa
理歌 中川
Teruo Miyata
暉夫 宮田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koken Co Ltd
Original Assignee
Koken Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koken Co Ltd filed Critical Koken Co Ltd
Priority to JP3175771A priority Critical patent/JPH0581A/ja
Publication of JPH0581A publication Critical patent/JPH0581A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】カラム内に静置させて長期間培養するのに適し
た新規な細胞培養担体に関する。 【構成】粒状のアルギン酸塩よりなるビ−ズ表面にコラ
−ゲンからなる被覆層を設けた細胞担体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、付着細胞を培養する際
に使用される細胞培養担体に関し、特に長期間安定に細
胞を保持できる培養系を確立できる培養担体に関する。
【0002】
【従来の技術】遺伝子工学の技術を駆使した生理活性物
質の生産は、大腸菌や酵母などの微生物を利用して行な
われている。しかし、微生物を用いて生産したタンパク
性の生理活性物質は、糖鎖の付加や部分的アミノ酸の除
去などの動物細胞に特有な反応を受けておらず、その立
体構造が目的とするものと僅かに異なり生理活性も低い
場合がある。そのため、遺伝子操作をした動物細胞を大
量に培養し、培養液中に産生された生理活性物質を取り
出して精製する手法が採られている。
【0003】動物細胞は培養液中に浮遊して増殖する浮
遊細胞と固い支持体に接着してはじめて増殖できる付着
細胞とに大分できる。浮遊細胞は一般にタンク培養が行
なわれるが、付着細胞の場合には細胞を何らかの支持担
体に付着させ、細胞を付着させた支持担体を浮遊化培養
する必要がある。この培養方法はマイクロキャリヤ−法
と称され、マイクロキャリヤ−法における支持体(マイ
クロキャリア)としては架橋デキストラン、セルロ−ス
顆粒体などの天然物由来の素材を使用したビ−ズ或いは
(メタ)アクリル酸エステルよりなる重合体粒子表面に
正に荷電し得る化学的残基又は蛋白質を化学結合したマ
イクロキャリア(特開昭63−71173号公報参照)
等がある。
【0004】しかして、天然物由来の素材からなるビ−
ズは非常に高価であり、その点(メタ)アクリル酸エス
テル重合体を使用したマイクロキャリアは有利ではある
がキャリア内部から養分を供給できないという欠点があ
った。また、これらのビ−ズを使用したマイクロキャリ
ヤ−法にあってはビ−ズに付着した細胞は培地中で浮遊
させて撹拌するためビ−ズに付着した細胞が機械的なダ
メ−ジを受けるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決すべく種々検討した結果、本発明を完成したも
ので、本発明の目的はカラム内に静置させて、長期間培
養するのに適した新規な細胞培養担体を提供するにあ
る。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本願発明の要旨は直径
1〜5mmの粒状のアルギン酸塩よりなるビ−ズ表面に
コラ−ゲンよりなる被覆層を設けたことを特徴とする細
胞培養担体であり、該細胞培養担体に細胞を付着、これ
をカラム中に充填し、該カラムに培地を供給して細胞を
培養する方法である。
【0007】すなわち、本発明においては、細胞培養担
体を構成する母体としてアルギン酸塩を使用するもので
あり、該塩を使用することによって高含水性のビ−ズを
作製することができ、担体内部からも養分の供給が可能
となり、また、このビ−ズは、従来のものに比して、そ
の大きさが大きく、この担体に細胞を付着後これをカラ
ム内に充填した状態でも定期的に培地を交換することに
よって細胞を長期間安定に生存させることが可能となっ
た。
【0008】更に本発明を詳細に述べる。本発明におけ
るアルギン酸塩は高含水性ゲルであり、その塩としては
カルシウム塩、ストロンチウム塩等のアルカリ土類金属
塩である。そして、このアルギン酸塩の実質重量は全体
の約1%程度であって、残余の約99%は培地が含有さ
れた状態である。このビ−ズの平均粒径は含水状態で1
〜5mm範囲であり、特に好ましい平均粒径は約3mm
である。
【0009】コラ−ゲンは動物の結合組織を構成してい
るタンパク質であり不溶性であるが、特に本発明で使用
するのに好ましいコラ−ゲンとしては、その分子末端に
存在し抗原性を発揮するテロペプチドをペプシンで処理
して得られるアテロコラ−ゲンである。また、本願発明
においては可溶化コラ−ゲンより誘導されるもの、例え
ばサクシニル化コラ−ゲン、メチル化コラ−ゲン等も使
用できる。
【0010】本発明にかかる細胞培養担体の製造方法の
一例について示す。アルギン酸金属塩よりなるビ−ズの
製造法としては、水溶性アルギン酸金属塩を注射針など
を用いて粒子状にして塩化カルシウム等の水溶液中に滴
下する。この場合水溶性アルギン酸金属塩水溶液の濃度
としては1〜2%、好ましくは1%程度であって濃度が
高い場合は粘度が高く注射針から細かな粒子状として滴
下することが困難であり、また濃度が低い場合には十分
な強度を保持できるビ−ズが得られない。また、このビ
−ズ表面にコラ−ゲン被膜層を設ける方法は、特に限定
されるものではないが、アルギン酸塩よりなるビ−ズが
高含水状態にあるため被膜層は設けにくい。しかし、例
えばエポキシ化合物を用いて分子間結合させることによ
って容易に被覆層を形成することができる。得られた細
胞培養担体は約70%エタノ−ル中で保存するか、或い
は、Hank's液に浸漬した状態でガンマ線を照射し
て滅菌して保存する。
【0011】次にこの細胞培養担体を用いた培養方法に
ついて説明する。本発明にかかる細胞培養担体は、培地
中に浮遊させて培養するマイクロキャリヤ−法における
ビ−ズとして使用することも出来るが、特にカラム内に
静置させて培養することができる。即ち、約70%エタ
ノ−ル中で保存してあるビ−ズを使用前にHank's
液で充分リンスするか、或いは、Hank's液に浸漬
した状態でガンマ線を照射して滅菌を行ったのち、培地
に置換し、ビ−ズ表面に細胞を付着させた後、カラムに
充填する。カラム内には培地を流すと、培地はビ−ズ内
をも流動することができる。その結果、ビ−ズ表面に接
着した細胞はビ−ズ内部からも培地中の養分が供給され
長期間安定に生存できる。この培養法はマイクロキャリ
ヤ−法のような培地中で撹拌することがないので、細胞
がダメ−ジを受けることが少ない。
【0012】図面について説明する。図1は、本発明の
細胞培養担体(ビ−ズ)の説明図であり、図2は、これ
をカラムに充填した培養方法の説明図である。図1にお
いて、アルギン酸塩1よりなるビ−ズ2の表面のコラ−
ゲン被覆層に細胞3が付着している。ビ−ズ2は、高含
水ゲルの状態であって、培地はビ−ズ内を自由に流動す
ることが出来る。図面の矢印はその状態を示す。図2お
いて、細胞3を付着したビ−ズ2をカラム4の中に充填
し、培地を一方の口5より注入し、他方の口6より注出
する。注出口6には弁7を設けてカラム中を流れる培地
の量をコントロ−ルすることができる。
【0013】
【実施例】次に実施例をもって本発明を説明する。 実施例1 ビ−ズの製造法 1%アルギン酸ナトリウム水溶液を注射器を使用して、
0.5%の塩化カルシウム水に撹拌しながら注射器を使
用して滴下して粒径3mm程度のアルギン酸カルシウム
よりなるビ−ズを作製した。過剰なカルシウムを除去す
るためイオン交換水で充分に洗滌した後、ビ−ズ表面の
水を除去後、pH4に調整した1%アテロコラ−ゲン水
溶液に浸漬し、適量のアテロコラ−ゲン水溶液がビ−ズ
表面に付着した状態で離型紙にのせ、室温で3時間放置
して表面を乾燥させた後、メタノ−ル中にビ−ズを移し
て撹拌した。
【0014】得られたビ−ズをpH10に調整した1%
の水溶性エポキシ化合物(EX313)に一昼夜浸漬し
て架橋を導入した。ビ−ズ表面のアテロコラ−ゲンより
なる被覆層を均一にするために上述の操作を繰返して行
い被覆層を設けた。次いでこのビ−ズをイオン交換水で
充分洗浄した後、70%エタノ−ル中で保存した。得ら
れたビ−ズの平均粒径は3.01mmであった。続いて
このビ−ズを用いて細胞培養試験を行った。
【0015】細胞培養試験 70%エタノ−ル中で保存してある上記のビ−ズをオ−
トクレ−ブで滅菌した蒸留水で充分洗滌した後、Han
k’s液で置換し、更にDMEM液に一昼夜浸漬した。
培地(DMEM+10%FBS)で置換したビ−ズ20
ml相当を50mlのプラスチック遠心管に移し細胞懸
濁液を添加し、更に培地を添加して45mlに調整した
後、遠心管を室温で3時間ゆっくりと回転させ、浮遊し
ている細胞をビ−ズに接着させた。そして、その後37
℃、5%CO2のインキュベ−タ内で培養した。
【0016】使用した細胞はラット由来の線維芽細胞
(3T3細胞)で、播種した細胞数は遠心管1本当り5
×105cellとした。細胞播種後2日、1週間、2
週間及び3週目にトリプシン処理によりビ−ズより細胞
を回収、血球計算盤を用いて細胞数を測定した。その結
果を図3に示す。回収された細胞は培養シャ−レ上で正
常な増殖挙動を示した。
【0017】実施例2 実施例1に記載されている70%エタノ−ル中で保存し
てあるビ−ズを実施例1の場合と同様の方法で細胞培養
試験を行った。使用した細胞はヒト線維芽細胞で、播種
した細胞数は各カラム当り5×105cellとした。
細胞播種後、2日、1週間、2週間及び3週間目にトリ
プシン処理によりビ−ズより細胞を回収し血球計算盤を
用いて細胞数を測定した。その結果を図4に示す。回収
された細胞は培養シャ−レ上で正常な増殖挙動を示し
た。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように、本発明はアルギン酸
塩よりなるビ−ズ表面にコラ−ゲンよりなる被覆層を設
けた新規な細胞培養担体であって、この担体に付着した
細胞は担体内部からも養分の供給が可能であり、したが
ってビ−ズに付着した細胞の培養に当ってはマイクロキ
ャリヤ−法だけではなく、カラム内に充填した状態で定
期的に培地を交換するだけで長期間安定に細胞を保持す
ることができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる細胞培養担体の説明図
【図2】本発明にかかる細胞培養担体を用いてカラム培
養の説明図
【図3】実施例1における培養時間と細胞数の関係図
【図4】実施例2における培養時間と細胞数の関係図
【符号の説明】
1 アルギン酸塩 2 ビ−ズ 3 ビ−ズ表面に付着した細胞 4 カラム 5 注入口 6 注出口 7 弁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直径1〜5mmの粒状のアルギン酸塩より
    なるビ−ズ表面にコラ−ゲンよりなる被覆層を設けたこ
    とを特徴とする細胞培養担体
  2. 【請求項2】直径1〜5mmの粒状のアルギン酸塩より
    なるビ−ズ表面にコラ−ゲンよりなる被覆層を設けた細
    胞培養担体に細胞を付着、これをカラム中に充填し、該
    カラムに培地を供給して細胞を培養する方法
JP3175771A 1991-06-21 1991-06-21 細胞培養担体及び培養方法 Pending JPH0581A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3175771A JPH0581A (ja) 1991-06-21 1991-06-21 細胞培養担体及び培養方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3175771A JPH0581A (ja) 1991-06-21 1991-06-21 細胞培養担体及び培養方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0581A true JPH0581A (ja) 1993-01-08

Family

ID=16001977

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3175771A Pending JPH0581A (ja) 1991-06-21 1991-06-21 細胞培養担体及び培養方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0581A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2839260A1 (fr) * 2002-05-03 2003-11-07 Inst Nat Sante Rech Med Microparticules a base d'un materiau bicompatible et biodegradable, supportant des cellules et des substances biologiquement actives
US6821107B1 (en) 1999-10-29 2004-11-23 Secretary Of Agency Of Industrial Science And Technology Method of forming a structure having multiple cell layers
WO2004020572A3 (en) * 2002-08-27 2005-02-17 Verigen Ag Bioreactor with expandable surface area for culturing cells
EP0927196B1 (en) * 1996-09-19 2008-11-05 The Regents Of The University Of Michigan Polymers containing polysaccharides such as alginates or modified alginates
WO2011059112A1 (ja) * 2009-11-13 2011-05-19 株式会社日立ハイテクノロジーズ 粒子含有細胞集合体
US9579287B2 (en) 2002-05-03 2017-02-28 Inserm (Institut National De La Sante Et De La Recherche Medicale) Microparticles supporting cells and active substances
WO2022239810A1 (ja) 2021-05-11 2022-11-17 大日本印刷株式会社 乾燥マイクロキャリアおよびその製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0927196B1 (en) * 1996-09-19 2008-11-05 The Regents Of The University Of Michigan Polymers containing polysaccharides such as alginates or modified alginates
US6821107B1 (en) 1999-10-29 2004-11-23 Secretary Of Agency Of Industrial Science And Technology Method of forming a structure having multiple cell layers
FR2839260A1 (fr) * 2002-05-03 2003-11-07 Inst Nat Sante Rech Med Microparticules a base d'un materiau bicompatible et biodegradable, supportant des cellules et des substances biologiquement actives
WO2003092657A1 (fr) * 2002-05-03 2003-11-13 Inserm Microparticules supportant des cellules et des substances actives
US9579287B2 (en) 2002-05-03 2017-02-28 Inserm (Institut National De La Sante Et De La Recherche Medicale) Microparticles supporting cells and active substances
WO2004020572A3 (en) * 2002-08-27 2005-02-17 Verigen Ag Bioreactor with expandable surface area for culturing cells
WO2011059112A1 (ja) * 2009-11-13 2011-05-19 株式会社日立ハイテクノロジーズ 粒子含有細胞集合体
WO2022239810A1 (ja) 2021-05-11 2022-11-17 大日本印刷株式会社 乾燥マイクロキャリアおよびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Kleinman et al. Use of extracellular matrix components for cell culture
US6143501A (en) Artificial tissues, methods for the production and the use thereof
CN101448527B (zh) 细胞-基质微球,制备方法和应用
CN108888803A (zh) 一种生物支架及其制备方法、用途和水凝胶体系
US4778749A (en) Tissue culture and production in permeable gels
JPS6024183A (ja) 細胞培養方法
WO1985004185A1 (en) Process of and material for stimulating growth of cartilage and bony tissue at anatomical sites
US20070148768A1 (en) Surface modification of polysaccharide, the modified polysaccharide, and method of culturing and recovery cells using the same
WO2005063147A1 (en) Use of alginate matrices to control cell growth
WO2019181920A1 (ja) 細胞の培養方法、細胞支持複合体の製造方法、培養細胞および細胞支持複合体
McGuigan et al. Modular tissue engineering: fabrication of a gelatin‐based construct
JP4233646B2 (ja) 種々の基質の安定性および/または貯蔵寿命を増加させる方法
JPH0581A (ja) 細胞培養担体及び培養方法
Iwig et al. Cell shape-mediated growth control of lens epithelial cells grown in culture
US5264359A (en) Methods for large-scale cultivation of animal cells and for making supporting substrata for the cultivation
JPH089966A (ja) 動物細胞の輸送方法
JP2003073304A (ja) 生体内薬物徐放材料
CN102387821A (zh) 神经再生诱导管
CN108998441A (zh) 一种三维肿瘤球培养基添加剂、培养基以及三维肿瘤球培养方法
Zhou et al. Microspheres for cell culture
JPS6225974A (ja) コラ−ゲンよりなるゲル状組成物
CA1280381C (en) Entrapment of anchorage-dependent cells
JP2003219865A (ja) スフェロイドの作製方法、スフェロイド及びスフェロイド含有組成物
JP2002142752A (ja) コラーゲンコート細胞培養容器及びその製造方法
JP3135664B2 (ja) 組織培養方法