JPH058143U - 多方向弁構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】多方向からの薬液を順次交互に注入する多方向
弁構造に関し、シール部の摩耗も無く液溜りの発生が無
い、多方向弁構造を達成することが其の目的である。 【構成】中央の注出口Ｋ上に設けた放射状の各薬液注入
用チューブ６ｂ，６ｃの端部斜面をシール面としてそれ
ら斜面に密着する各シール軸５ｂ，５ｃを上下動作する
事により注入路の流路を開閉し注入目的の薬液のみを、
順次交互に注出口Ｋへ流入出来る弁構造である。 【効果】（１）シール部に摺動部を有しないためシール
部の摩耗は無い。 （２）放射状の供給チューブ内側端面シールと中央下部
注出口構造により前液の液溜りが発生しない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、多数の流路を切り替える多方向弁構造で、化学機器における薬液の 交互注入時において、弁シール部が摺動することなく且つ、液溜りが無い多方向 弁構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図３に、従来市販の摺動シール方式の多方向弁構造を示す。

【０００３】 図によると、上ボデー７，内部にシールホルダー１１と、加圧バネ２、および 摺動部材１３が組み込まれている、又、下ボデー８は、図４のＢＢ′断面に示す 如く、切り替え注入口ａ〜ｇと、中央に注出口を有した構造と成っている。

【０００４】 本構造による弁切り替え動作は、図３より、ツマミ１２と、シールホルダー １１に固定されている摺動部材１３の流路溝部１４が、一致しており其の位置を 注入目的の、例えば、ａの注入部にツマミ１２を移行すると図示のａの矢印の如 く液の注入，排出が行われ、その時、他流路部は、摺動部材１３の面と下ボデー ８のシール面が加圧バネ２によって密着しているため、全て閉止と成っている、 尚、ツマミ１２の移動により切り替え流路が各注入部に一致させることにより順 次切り替え注入できる構造と成っている。

【０００５】 本構造の特徴は、摺動部に耐食性、及び耐摩耗性の素材を用い、外部への気密 性と流路の切り替えシール性を兼ね備えた構造と成っている。

【０００６】 従って、摺動による摩耗粉を問題とする場合や、摩耗による駆動寿命の心配が 有り、それらの問題の改善が要望されていた。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】 化学機器における薬液の交互注入流路系では、試薬の注入時前液が残留したり 、シール部などからの摺動摩耗粉などが発生しては問題と成る為、弁の流路構造 では、液溜りが無く、シール部に摺動部を有しない等の、多方向弁構造を開発す ることが目的である。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、多方向弁構造において、内部中央に逆円錐上の注出 口を設け、其の周囲上に多方向からの液供給チューブを放射状に配置、それら各 チューブ端面を斜面状に加工しその面を気密シール面として封止、又は、開放す ることにより交互に注入薬液を、円錐状注出口へ注入できる無摺動式斜面シール 弁構造。

【０００９】

【作用】

上記目的を達成するため、弁構造において、内部中央に逆円錐状の注出口を設 け其の周囲上に各薬液供給チューブを放射状に配置し其のチューブの内側端面を 斜面とし上方から同一斜面を有する軸を各チューブの斜面に密着するように降下 させ、その軸を、直結した電磁ソレノイドの鉄芯を押すバネにて押し下げている 、次に供給を必要とするチューブ部のシール軸の電磁ソレノイドを通電すること により斜面に密着密封した軸が離脱し供給液が注出口へ流入される、又、電磁ソ レノイドが遮断されると、バネ圧で密封用軸が降下しチューブ斜面が密封される がこの場合、チューブシール部は、加圧での密封方式と成るため、摩耗すること は無く又、液溜りの生じない弁構造と成っている。

【００１０】

【実施例】

図１に、本考案の多方向弁構造を示す。

【００１１】 図より、下ボデー８の内部中央に薬液注出口Ｋが、逆円錐状に設けてあり其の 周囲上に、各薬液供給用チューブ６ａ〜６ｃが放射状に設けてある。

【００１２】 尚、中央側チューブ端面は、斜面状で上を向き上ボデー７に支持されたシール 軸５ａ〜５ｃの斜面と密着したものと成っている。

【００１３】 また、各チューブ６ａ〜６ｃに対応している各シール軸５ａ〜５ｃは加圧アー ム４ａ〜４ｃを介して電磁ソレノイド１ａ〜１ｃの鉄芯３と直結し加圧バネ２に より下方向へ加圧され各チューブ６ａ〜６ｃの斜面を各シール軸５ａ〜５ｃで加 圧密封している状態と成っている。

【００１４】 以上の弁構造において、各チューブ６ａ〜６ｃの注入口ａ〜ｃのうち、例えば 、ａの薬液を注入するとすれば、チューブ６ａ部に対応したシール軸５ａに直結 した電磁ソレノイド１ａを通電すると、鉄芯３が加圧バネ２を押し上げてシール 軸５ａを引上げチューブ６ａの斜面を開放する、それにより注入口ａよりの薬液 が注出口Ｋへ流入する事と成る、又、電磁ソレノイド１ａの通電を停止すると加 圧バネ２により鉄芯が押し戻され、同時にシール軸５ａがチューブ６ａの斜面を 密封する、同様に、各チューブ６ａ〜６ｃに於いても交互に動作することとなり 、シール面加圧式で摩耗することの無い、且つ、液溜りの発生しない多方向弁構 造を達成出来た。

【００１５】

【考案の効果】

（１）流路切り替えシール部は、摺動部となら無いため摩耗が無い。

【００１６】 （２）軟質材チューブ端面の密着性を直接シール面に活用するため他のシール材 を用いず染み込み等の液溜りも無い。

【００１７】 （３）供給用チューブ内の薬液は、中央に集合しシール部の開閉により順次中央 下部の注出口に流入し、液溜りは生じない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のチューブ端面封止式の多方向弁の構造
図である。

【図２】本考案の多方向シール部断面による切り替え流
路の構造図である。

【図３】従来市販されているシール面摺動方式の多方向
弁の構造図である。

【図４】市販の多方向弁構造における各注入流路の断面
図である。

【符号の説明】

１ａ…ソレノイドａ、１ｂ…ソレノイドｂ、１ｃ…ソレ
ノイドｃ、２…加圧バネ、３…鉄芯、４ａ〜４ｃ…加圧
アーム、５ａ〜５ｃ…シール軸、６ａ〜６ｃ…チュー
ブ、７…上ボデー、８…下ボデー、９…Ｏリング、１０
…チューブオサエ、１１…シールホルダー、１２…ツマ
ミ、１３…摺動部材、１４…切り替え流路、Ａ−Ａ′…
各チューブ流路断面、ａ〜ｃ…注入口、Ｋ…注出口、６
ａ〜６ｃ…チューブ、Ｂ−Ｂ′…流路断面、ａ〜ｇ…各
注入口、Ｈ…弁閉止位置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】試験用薬液を分流供給するための、多方向
   切り替え弁構造に於いて、薬液の供給用軟質材チューブ
   の端面を斜面状とし、その斜面を覆うように密着させた
   直角方向からの押しつけ軸を設けて、その軸を上，下さ
   せるとチューブ斜面に対し、軸側斜面が密着、或いは離
   脱する動作をすることによりチューブ内の薬液供給の注
   入或いは停止を行うチューブ端面シールを特徴とする多
   方向弁構造。