JPH0580900B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、被検眼の角膜に空気を吹き付けて変
形し、この変形を光学的に検知して眼圧を求める
所謂非接触型の眼圧計に関するものである。

［従来の技術］ 従来のこの種の眼圧計においては、測定値の信
頼度をチエツクする機能がないために、測定を数
回繰り返して行い、その中の大きく外れた測定値
は捨て、それらしい測定値を勘に頼つて見分けて
いるので、極めて非科学的であり正確性に欠ける
という問題がある。また、従来例として特開昭60
−83642号公証等が知られているが、特に瞼やま
つ毛が下りてきた場合や、角膜に涙が溜つている
ことに起因する信頼度低下の表示に有効なものは
存在しない。

［発明の目的］ 本発明の目的は、上述にような問題を改善する
ため、測定の信頼度をチエツクできるようにした
眼圧計を提供することにある。

［発明の概要］ 上述の目的を達成するための本発明の要旨は、
被検眼の角膜に空気を吹き付けることにより変形
を与える空気流発生装置と、角膜に角膜変形測定
用の光束を投影する投影系と、該投影系から投影
された角膜変形測定用の光束の角膜反射光を検出
する検出系とを有し、角膜変形時の前記検出系の
検出に基づいて被検眼の眼圧を測定する眼圧系に
おいて、前記検出系からの検出信号に基づいて測
定の信頼度に関する表示を行う表示手段とを有す
ることを特徴とする眼圧計である。

［発明の実施例］ 本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明す
る。

第１図は本発明に係る眼圧計の光学系の一例を
示し、この第１図において、ソノレイドによりピ
ストン１を駆動してシリンダ２内の空気を圧縮
し、ノズル３から空気流を噴射して被検眼Ｅの角
膜Ecに吹き付け、角膜Ecに一定の変形を与える
ようになつている。この変形には眼圧が関係する
ので、一定量の変形を与える圧力により眼圧を求
めることができる。シリンダ２には、角膜Ecの
変形を検知する光学系の光路に当る部分に窓をあ
ける必要があり、この窓部分には平板ガラス、レ
ンズ等から成る光透過部材４，５が設けられ、ノ
ズル３は被検眼Ｅに面する光透過部材４の中心に
取り付けられている。更に、角膜Ecの変形を光
学的に検知するため、角膜Ecに眼圧測定光束を
投影する投影光学系と、その角膜反射を受光する
受光光学系とが設けられている。実施例では投影
光学系は光透過部材４，５の背後に設けられたレ
ンズ６、光分割部材７、及びこの光分割部材７に
反射側に設けられたレンズ８、例えば赤外光源９
で構成され、光源９からの赤外光束をレンズ８、
光分割部材７、レンズ６、光透過部材５、ノズル
３を通して角膜Ecに投影するようになつている。
また、角膜反射光は光透過部材４，５、レンズ
６、光分割部材７、及び光分割部材７の背後に設
けられた受光光学系のレンズ１０を経て受光素子
１１で受光される。

シリンダ２内のピストン１が動いたとき、角膜
Ecでの圧力は第２図ａに示すように時間ｔと共
に増加する。そして、或る時点から角膜Ecは曲
率が緩くなるように変形する。角膜Ecが所定の
曲率になつたとき、受光素子１１に光束が集光す
るように受光素子１１を予め設置しておけば、光
量が最大になつたときの圧力から眼圧を求めるこ
とができる。

第２図ｂ〜ｄは受光素子１１に入射する光量
と時間ｔとの関係を示したものである。通常の場
合に、光量による信号はｂに示すように時間t0を
ピークとした山形になる。ところが、被検眼Ｅの
瞼やまつ毛が下つてきたときや、或いは角膜Ec
に涙が溜つている場合などに測定した信号は、そ
れぞれｃ，ｄに示すように変形する。例えば、瞼
やまつ毛が下つてきて空気流の近くにくると、そ
の抵抗により乱流が発生するので、信号はｃに示
すように多峰性の山形となり、測定値の正確度が
低下する。また、角膜Ecに涙が溜つていると角
膜Ecの曲面は凹凸を持つので、ｄに示すように
信号の山形のピークが丸くなり、この場合も測定
値の正確度が落ちる。このように、山形信号の先
鋭度によつて測定値の正確度、即ち信頼度を知る
ことが可能である。

第３図はこのような測定値の信頼度をマイクロ
コンピユータを使つて算出するようにした電気回
路のブロツク構成図である。この第３図におい
て、１２はMPU、１３は入出力インタフエイス、
１４はRAM、１５はROM、１６はソレノイド
駆動回路、１７はプリアンプ、１８はスレツシユ
ホールド回路、１９はＡ／Ｄコンバータ、２０は
表示器である。なお、光源９、受光素子１１は第
１図と同じものである。

ソレノイド駆動回路１６は測定スイツチが押さ
れると、ソレノイドを作動してピストン１を駆動
し、角膜Ecを圧平するための圧縮空気を造る。
角膜圧平状態をモニタする受光素子１１からの信
号は、プリアンプ１８、スレツシユホールド回路
１８を経てＡ／Ｄコンバータ１９によりデジタル
化され、一旦RAM１４に眼圧データとして記憶
される。このとき、角膜Ecが一定面積に圧平さ
れると、得られたデータは第２図ｂ〜ｄに示すよ
うにその時点でピークを持つことになる。

RAM１４に記憶されたデータを読み出し、こ
のデータが例えば第２図ｃに示すようにピークを
複数個有している場合は、最大ピークの前後の一
定時間内に或るレベル以上のピークが更に存在す
ることがMPU１２による演算で得られ、信頼度
が低下したと判断できる。

また、第２図ｄに示すように山形信号のピーク
の形が滑らかである場合も、そのピークの半値幅
を確認することにより、同様に信頼度が低下した
と判断され、第２図ｂに示すような正常波形と区
別される。

このようにして得られた信頼度を表示器２０に
眼圧値と共に表示し、検者に対して測定のやり直
しを促すことができる。表示器２０の表示手段と
しては、発光ダイオード等の点滅、電子音、音声
合成等、視覚や聴覚等に訴え得る様々な手段を用
いることが可能である。

なお、上述の実施例はマイクロコンピユータを
用いた場合であるが、マイクロコンピユータを用
いずにピークホールド回路、除算回路、カウンタ
等を用いた論理回路で同様な機能を持たせること
も可能である。

また上述の実施例では、眼圧測定信号のみから
信頼度を求めているが、角膜反射の位置をポジシ
ヨンデイテクタ等の適当なセンサを使つて検知
し、この情報を加えて信頼度を求めるようにして
もよい。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明に係る眼圧計は、被
検眼に空気を吹き付けた時の角膜反射光量の変化
により、被検眼のまつ毛、瞼、涙等の状態が判る
ので、測定値の信頼度をチエツクでき測定の正確
さを期すことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る眼圧計の実施例を示すもの
であり、第１図は光学系の構成図、第２図は作用
説明図、第３図は電気回路のブロツク構成図であ
る。 符号１はピストン、２はシリンダ、３はノズ
ル、４，５は光透過部材、７は光分割部材、９は
光源、１１は受光素子、１２はMPU、１４は
RAM、１５はROM、１６はソレノイド駆動回
路、１８はスレツシユホールド回路、１９はＡ／
Ｄコンバータ、２０は表示器である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 被検眼の角膜に空気を吹き付けることにより
   変形を与える空気流発生装置と、角膜に角膜変形
   測定用の光束を投影する投影系と、該投影系から
   投影された角膜変形測定用の光束の角膜反射光を
   検出する検出系とを有し、角膜変形時の前記検出
   系の検出に基づいて被検眼の眼圧を測定する眼圧
   計において、前記検出系からの検出信号に基づい
   て測定の信頼度に関する表示を行う表示手段とを
   有することを特徴とする眼圧計。 ２ 前記表示手段は前記検出信号に加えて、被検
   眼の位置情報にも基づいて測定の信頼度に関する
   表示を行う特許請求の範囲第１項に記載の眼圧
   計。