JP3073278B2 - 非接触式眼圧計 - Google Patents

非接触式眼圧計

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JP3073278B2 JP03223135A JP22313591A JP3073278B2 JP 3073278 B2 JP3073278 B2 JP 3073278B2 JP 03223135 A JP03223135 A JP 03223135A JP 22313591 A JP22313591 A JP 22313591A JP 3073278 B2 JP3073278 B2 JP 3073278B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は被検眼の角膜に気流を吹
き付けて角膜を変形させることにより眼圧の測定を行う
非接触式眼圧計の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、非接触式眼圧計には、被検眼
の角膜に気流を吹き付けることにより角膜を変形させる
ための気流吹き付け手段と、その角膜に光束を投影して
角膜変形に伴う反射光束の光量変化を検出することによ
り角膜の変形を検出する角膜変形検出光学系と、気流吹
き付け手段に設けられてこの気流吹き付け手段内の圧力
を逐次検出する圧力検出手段とを備えたものが知られて
いる。
【0003】この従来の非接触式眼圧計は、その気流吹
き付け手段の一部を構成するロ−タリソレノイドを作動
させてピストンを駆動すると、その気流吹き付け手段の
ノズルから気流が角膜に向けて放出される。
【0004】その角膜は気流の圧力の変化に伴って図8
に示すように変形される。その図8において、符号Cは
角膜を示している。角膜Cは気流の放出開始直後はほと
んど変形されない(期間t1を参照)。放出開始から所
定の時間が経過して気流の放出圧力が増加すると、角膜
Cが実線で示すように変形され(期間t2参照)、気流
の放出圧力が更に増加すると角膜Cは偏平C′に圧平さ
れる(時刻t0参照)。更に、気流の放出圧力が増加す
ると、角膜Cが凹む(期間t3、t4参照)角膜Cから
の反射光束の光量は、その角膜Cが凸から偏平に向かっ
て変形するに伴って増加し、偏平状態において理論的に
最大となり、偏平状態から凹に変形するに伴って減少す
る。従って、符号Dで示すような光量変化曲線を描くこ
とになる。
【0005】一方、圧力検出手段の検出圧力は時間の経
過に伴って図9に示すように圧力変化曲線Pを描く。角
膜Cが偏平状態のときの気流吹き付け手段内の圧力値と
被検眼の眼圧値との間には相関関係があるので、光量変
化曲線Dがピ−ク値D′を示すときの圧力変化曲線Pの
圧力値P0を求め、演算回路を用いてこの圧力値P0か
ら眼圧値IOPが測定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、必ずし
も角膜Cが偏平状態のときに光量変化曲線Dがピ−ク値
を示すとは限らない。例えば、角膜Cが偏平状態に至る
直前に角膜変形検出光学系の投影反射光路に被検眼のま
つ毛等が偶然に混入したような場合には、角膜Cの偏平
状態を含めてその前後の期間t5で反射光束の光量が減
少し、図10に示すような光量変化曲線Dが得られるこ
とになる。この場合には、二つのピ−ク値D1′、D
2′が角膜Cの偏平状態の前後で得られ、このピ−ク値
D1′、D2′に基づき眼圧値が得られるため、測定に
安定性(信頼性も含む)を欠くことになる。
【0007】また、涙、角膜の弾性、気流の不均一性等
によって図11、図12に示すような光量変化曲線Dが
得られることもある。図11は光量が緩やかに増加減少
する場合を示しており、この場合にはピ−ク位置を特定
し難いこととなる。また、図12はピ−クに細かな乱れ
が生じた場合を示しており、この場合にもピ−ク位置を
特定し難い。
【0008】従って、角膜Cのピ−ク位置の検出に基づ
き眼圧の測定を行う従来の非接触式眼圧計では、測定に
安定性を欠く不具合がある。
【0009】そこで、本発明の目的は、角膜に吹き付け
られる気流の不均一性、涙、角膜の弾性、まつ毛の等の
混入に起因する測定の不安定性を回避することのできる
非接触式眼圧計を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる非接触式
眼圧計は、上記課題を解決するため、被検眼の角膜に気
流を吹き付けて角膜を変形させる気流吹き付け手段と、
前記角膜に光束を投影して角膜変形に伴う反射光束の光
量変化曲線を検出して該角膜の変形を検出する角膜変形
検出光学系と、前記気流吹き付け手段に設けられて該気
流吹き付け手段内の圧力を逐次検出する圧力検出手段
と、前記光量変化曲線の光量増加側と減少側とにおいて
同一反射光量レベルとなる反射光量対応点の位置をそれ
ぞれ求めてこの各反射光量対応点の位置を算術平均する
ことにより眼圧値測定のための反射光量対応中点を演算
しかつ該反射光量対応中点における前記圧力検出手段の
圧力値に基づき前記眼圧値を演算する演算回路とを備え
ている。
【0011】
【作用】本発明に係わる非接触式眼圧計によれば、気流
吹き付け手段は気流を被検眼の角膜に向けて放出する。
これにより角膜が変形される。角膜変形検出光学系によ
りその角膜変形に伴う反射光量変化曲線が得られる。圧
力検出手段は気流吹き付け手段内の圧力を逐次検出す
る。演算回路は反射光量変化曲線の増加側と減少側とに
おいて同一反射光量レベルとなる反射光量対応点の位置
をそれぞれ求めてこの各反射光量対応点の位置を算術平
均することにより反射光量対応中点を演算し、反射光量
対応中点における圧力検出手段の圧力値に基づき眼圧値
を演算する。
【0012】
【実施例】図1において、1は被検眼Eの前眼部を観察
する観察光学系、2、3は投影光束を被検眼Eの角膜C
に向けて投影するアライメント投影光学系、4、5はそ
の投影光束の各膜Cによる反射光束を受光する受光光学
系である。観察光学系1は対物レンズ6、ハ−フミラ−
7、CCDカメラ8を有する。対物レンズ6の光軸は、
ノズル9の軸線Mと同軸である。ノズル9は角膜Cに向
けて気流を放出する気流吹き付け手段の一部を構成して
いる。被検眼Eは発光ダイオ−ド10によって照明さ
れ、対物レンズ6によりCCDカメラ8に前眼像が形成
される。CCDカメラ8はテレビモニタ−(図示を略
す)に接続され、図2に示すようにその画面11には前
眼部像12が表示される。
【0013】ノズル9は図3に示すように保持ガラス1
3に保持され、シリンダ−装置14のチャンバ−15に
連通されている。16はチャンバ−窓ガラスである。チ
ャンバ−15にはチャンバ−内の圧力を逐次検出する圧
力検出手段としての圧力センサ15aが設けられてい
る。
【0014】チャンバ−15は圧縮室17に連通し、往
復動可能のピストン18がピストンロッド19、ア−ム
20を介してロ−タリ−ソレノイド21に連結されてい
る。そのロ−タリ−ソレノイド21は、被検眼Eが正規
にアライメントされてノズル9の先端9aから角膜Cの
頂点22までの距離が基準作動距離Wになると駆動開始
されるものである。
【0015】アライメント投影光学系2は、図1に示す
ように、赤外発光ダイオ−ド24、絞り25、コンデン
サレンズ26、ハ−フミラ−27、対物レンズ28を備
え、アライメント投影光学系3は赤外発光ダイオ−ド2
9、絞り30、コンデンサレンズ31、ハ−フミラ−3
2、33、対物レンズ34を備えている。
【0016】赤外発光ダイオ−ド24からの赤外光は絞
り25を通過してコンデンサレンズ26により集光さ
れ、ハ−フミラ−27の中央部を透過して対物レンズ2
8に導かれ、この対物レンズ28により平行光束P1と
して角膜Cに向けて投影される。同様に、赤外発光ダイ
オ−ド29からの赤外光は対物レンズ34により平行光
束P2として角膜Cに向けて投影される。その平行光束
P1、P2の角膜鏡面反射により一対の虚像i、i′が
形成される。
【0017】受光光学系4は対物レンズ28、ハ−フミ
ラ−27、結像レンズ35、反射ミラ−36から大略構
成され、受光光学系5は対物レンズ34、ハ−フミラ−
33、32、結像レンズ37、反射ミラ−38から大略
構成されている。ハ−フミラ−32は赤外発光ダイオ−
ド24の赤外光に基づき虚像iを形成する鏡面反射光束
をその周辺部で反射する機能を有し、ハ−フミラ−27
は赤外発光ダイオ−ド29の赤外光に基づき虚像i′を
形成する鏡面反射光束をその周辺部で反射する機能を有
する。
【0018】虚像iを形成する鏡面反射光束は対物レン
ズ34によって平行光束とされ、ハ−フミラ−32によ
り反射されて結像レンズ37に導かれ、この結像レンズ
37により収束され、反射ミラ−38を介してハ−フミ
ラ−7に導かれる。同様に、虚像i′を形成する鏡面反
射光束は対物レンズ28、ハ−フミラ−27、結像レン
ズ35、反射ミラ−36を介してハ−フミラ−7に導か
れる。虚像i、i′を形成する鏡面反射光束はその一部
がハ−フミラ−7により反射されて、図4に示す受光器
39に導かれる。
【0019】画面11にはハ−フミラ−7を透過してC
CDカメラ8に導かれた鏡面反射光束により一対の虚像
i、i′に対応する一対の指標像K、K′が形成され
る。その一対の指標像K、K′は被検眼Eが正規にアラ
イメントされると(受光光学系4、5の光軸L1、L2
とノズル9の軸線Mとの交点が角膜頂点22に合致する
と)、図5に示すように互いに合致し、被検眼Eが正規
にアライメントされていないときには、図2に示すよう
に分離する。受光器39はその一対の指標像K、K′が
合致すると検出回路40に検出信号を出力する。検出回
路40はこれによりソレノイド駆動手段41に駆動信号
を出力し、角膜Cに向けての気流の放出が開始される。
【0020】アライメント投影光学系2と受光光学系5
の一部とは角膜Cに向けて光束を投影して角膜変形に伴
う反射光束の光量変化を検出して角膜変形を検出する角
膜変形検出光学系に兼用されている。その角膜Cからの
反射光束はハ−フミラ−33により反射されてコンデン
サレンズ43に導かれ、このコンデンサレンズ43によ
り集光されて絞り44に導かれ、この絞り44を通過し
て受光器45に至る。
【0021】圧力センサ15aの出力と受光器45の出
力とは、演算回路46に入力されている。圧力センサ1
5aにより検出されるチャンバ−内の圧力はピストンの
作動に伴って図6に示すような圧力変化曲線Pを描き、
受光器45に受光される反射光束の光量は気流吹き付け
に伴う角膜Cの変形に伴って光量変化曲線Dを描く。こ
こでは、演算回路46には反射光束の光量検出レベルL
が図6に示すように設けられている。この光量検出レベ
ルLは光量変化曲線Dの光量増加側において反射光束の
光量が光量検出レベルLを横切る反射光量対応点Xと光
量変化曲線Dの光量減少側において反射光束の光量が光
量検出レベルLを横切る反射光量対応点Yとを定義する
のに用いられる。演算回路46はその反射光量対応点X
の位置と、反射光量対応点Yの位置とを算術平均して反
射光量対応中点Zの位置を算出する。そして、演算回路
46はその反射光量対応中点Zの位置に対応する圧力セ
ンサ15aの圧力値P0から眼圧値IOPを演算する。
【0022】なお、光量検出レベルLを複数個設けて、
複数個の反射光量対応中点を求め、この複数個の反射光
量対応中点の平均値に対応する圧力値P0から眼圧値I
OPを求めることもできる。また、複数個の反射光量対
応中点に対応する圧力値P0をそれぞれ求め、その平均
圧力値に基づき眼圧値IOPを求めてもよい。
【0023】図7は反射光束の光量検出レベルLを0と
した場合の実施例を示すもので、この場合には、反射光
量対応点Xは光量変化開始点X′を意味し、反射光量対
応点Yは光量変化終点Y′を意味し、反射光量対応中点
Zは、光量変化開始点X′の位置と光量変化終点Y′の
位置との中点として求められる。
【0024】これらの実施例によれば、理論的にピ−ク
値となる角膜Cが偏平C′に圧平されたことを検出する
代わりに、光量変化曲線Dの増加側と減少側とにおいて
同一反射光量レベルとなる反射光量対応点の位置をそれ
ぞれ求めて、その各反射光量対応点の中点を求めて眼圧
値を測定しているので、気流の不均一性、角膜の弾性、
涙、まつ毛等に起因する測定の不安定性を回避できる。
【0025】なお、光量検出レベルLはソフト的にもハ
−ド的にも設定できるものである。たとえば、受光器4
5の後段に、光量検出レベルLを設定するための逆方向
ダイオ−ドを設けて反射光束の光量が所定値以上でなけ
れば受光器45の検出信号が演算回路46に向かって出
力されないようにする構成として光量レベルLを設定す
ることもできる。
【0026】また、反射光量対応点には時間を用いるこ
ともできるが、メモリの座標位置を用いることもでき
る。
【0027】
【発明の効果】本発明に係わる非接触式眼圧計は、以上
説明したように構成したので、角膜に吹き付けられる気
流の不均一性、涙、角膜の弾性、まつ毛の等の混入に起
因する測定の不安定性を回避することができるという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる非接触式眼圧計の光学系の一例
を示す平面図である。
【図2】図1に示す非接触式眼圧計の非アライメント状
態の説明図である。
【図3】図1に示す非接触式眼圧計の気流吹き付け手段
の概略構成図である。
【図4】図1に示す非接触式眼圧計の要部を説明するた
めの図である。
【図5】図1に示す非接触式眼圧計のアライメント状態
の説明図である。
【図6】本発明に係わる非接触式眼圧計の眼圧値測定の
一例を説明するための光量・圧力変化曲線図である。
【図7】本発明に係わる非接触式眼圧計の眼圧値測定の
他の例を説明するための光量・圧力変化曲線図である。
【図8】角膜変形と光量変化曲線との関係を示す説明図
である。
【図9】光量変化曲線と圧力変化曲線との関係を示す説
明図である。
【図10】二つのピ−クを有する光量変化曲線を示す説
明図である。
【図11】緩やかな光量変化曲線を示す説明図である。
【図12】ピ−クに細かな乱れを有する光量変化曲線を
示す図である。
【符号の説明】
C…角膜 D…光量変化曲線 E…被検眼 X、Y…反射光量対応点 Z…反射光量対応中点 IOP…眼圧値 2…アライメント投影光学系(角膜変形検出光学系) 5…受光光学系(角膜変形検出光学系) 9…ノズル(気流吹き付け手段) 15a…圧力センサ(圧力検出手段) 46…演算回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 3/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検眼の角膜に気流を吹き付けて角膜を
    変形させる気流吹き付け手段と、前記角膜に光束を投影
    して角膜変形に伴う反射光束の光量変化曲線を検出して
    該角膜の変形を検出する角膜変形検出光学系と、前記気
    流吹き付け手段に設けられて該気流吹き付け手段内の圧
    力を逐次検出する圧力検出手段と、前記光量変化曲線の
    光量増加側と減少側とにおいて同一反射光量レベルとな
    る反射光量対応点の位置をそれぞれ求めてこの各反射光
    量対応点の位置を算術平均することにより眼圧値測定の
    ための反射光量対応中点を演算しかつ該反射光量対応中
    点における前記圧力検出手段の圧力値に基づき前記眼圧
    値を演算する演算回路と、を備えていることを特徴とす
    る非接触式眼圧計。
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