JPH0580422B2 - - Google Patents
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- JPH0580422B2 JPH0580422B2 JP60194802A JP19480285A JPH0580422B2 JP H0580422 B2 JPH0580422 B2 JP H0580422B2 JP 60194802 A JP60194802 A JP 60194802A JP 19480285 A JP19480285 A JP 19480285A JP H0580422 B2 JPH0580422 B2 JP H0580422B2
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Landscapes
- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
この発明は、建築用資材、土木用資材として有
用なガラス繊維補強コンクリートの製造方法に関
する。 (従来の技術) ガラス繊維を補強材としたコンクリートは、ガ
ラス繊維補強コンクリート(以下、GRCという)
として知られているが、これは従来からポルトラ
ンドセメント、混合セメント、アルミナセメント
等と、耐アルカリガラス繊維、砂、水の混合物で
成形物をつくり、その後これを養生して製造され
ている。 しかし、こうした硬化体は、ポルトランドセメ
ントあるいは混合セメントが水和反応の過程で
Ca(OH)2を生成するためそのアルカリ濃度は高
く、PH値は約13となつていた。このために、補強
材として使用したガラス繊維は、耐用中にアルカ
リ成分により化学的に侵蝕され、その結果繊維の
強度は経時的に著しく低下していた。こうしたこ
とから、安価なEガラス繊維では、強度の劣化が
大きくGRCの補強原料用としては使用すること
が出来ず、またGRCの原料として特に開発され
た耐アルカリガラス繊維でもアルカリ成分により
かなり激しく侵蝕されて、いささか数年の耐用中
にその強度は半減し、GRCの構造材料としての
用途はごく制限されたものとなつていた。 アルミナセメントを使用するときは、水和反応
の過程でCa(OH)2を生成しないため、硬化体の
PH値はポルトランドセメントのそれよりも低く、
約12であるが、しかしアルミナセメントの水和生
成鉱物は耐用中に他の鉱物に転化するため、硬化
体の強度が耐用中に半減するという欠点を有して
いる。 こうしたことから現在、耐アルカリ性ガラス繊
維を使用した長期耐久性GRCの出現が望まれて
おり、このためにガラス繊維の耐アルカリ性改良
や、ポルトランドセメントの水和によつて生成す
るCa(OH)2を除去するため、易反応性シリカを
添加することが行われているが、必ずしも満足す
べき状態ではない。 (発明が解決しようとする問題点) この発明は、長期耐久性が改善されたGRCを
製造することを目的とする。さらにいえば、耐ア
ルカリ性ガラス繊維を使用した場合は勿論のこ
と、安価な通常のEガラス繊維を補強材として使
用した場合でも、長期耐久性が改善されたGRC
を製造する方法を得ようとするものである。 (問題点を解決するための手段) この発明は、バインダーとしてのγ型珪酸二石
灰粉末と、補強材としてのガラス繊維、および水
を含む混合物を成形し、その後これを炭酸化養生
することを特徴とするガラス繊維補強コンクリー
トの製造方法である。また、この発明の実施の態
様を例示すれば、成形物中の水分含有量を以下に
定義する水分飽和度で0.25〜0.95とすることであ
る。 水分飽和度=成形物水分(%)/100−成形物水分(%
)×100−成形物の見掛気孔率(%)/成形物の見掛気
孔率(%)×成形物の見掛比重 以下にこの発明をさらに説明する。 本発明は、γ型珪酸二石灰粉末(以下、γ−
C2Sという)をバインダーとして使用して成形体
を得てその後これを炭酸ガス養生し、γ−C2S粉
末の炭酸化反応により強度を発現させてGRCを
製造するものである。 本発明者等は、バインダーとして水硬性物質で
はなく、炭酸化硬化するγ−C2Sを使用すると、
硬化体中のアルカリ濃度を低減することが出来、
そうすることによつて補強材として用いたガラス
繊維が長期耐用中に劣化せず、その結果GRCの
強度が低下しないという知見にもとづきこの発明
を完成したものである。本発明において使用する
γ−C2Sは、水との混練時にも水和せず、またCa
(OH)2を生成しないため、硬化体中のアルカリ
濃度を著しく低減出来るため、こうした用途には
最適である。γ−C2Sは、水と混練し炭酸ガス雰
囲気下で養生すると、次の反応が進行し強度が速
かに発現する。 γ−2CaO・SiO2+2CO2+2H2O →2CaO・SiO2+2H2SO3 →2CaCO3+SiO2+2H2O こうした硬化体中のアルカリ濃度は、PH値で
10.5以下である。 本発明にあつては、まづγ−C2S粉末、ガラス
繊維および水、あるいはγ−C2S粉末、砂、ガラ
ス繊維および水の混合物で成形物をつくる。これ
らの原料の混合、成形には、公知のプレミツクス
法、スプレーサクシヨン法、ダイレクトスプレー
法あるいはドライミツクス法がいづれも採用でき
る。成形物中の水分含有量は、次に示す式で表さ
れる水分飽和度で0.25〜0.95に調製した後、炭酸
ガス養性するのが好ましい。 水分飽和度=成形物水分(%)/100−成形物水分(%
)×100−成形物の見掛気孔率(%)/成形物の見掛気
孔率(%)×成形物の見掛比重 水分飽和度が0.25未満のときは、炭酸ガス養性
による強度発現の効果が小さい。また、水分飽和
度が0.95を超えるようになると、養性時に炭酸ガ
スが成形体の内部まで浸透せず、炭酸化反応が表
層部のみしか起こらないため好ましくない。後記
実験例が示すように、水分飽和度は、0.25〜0.95
の範囲が最も好ましい。成形物の水分調製は、成
形物をつくる場合の添加水量を調製してもよく、
また予め過剰含水量の成形物を得、その後これを
乾燥してその水分量を調製してもよい。乾燥は、
加熱乾燥、減圧乾燥のいづれでもよい。以下に、
実験例をあげてこの発明をさらに説明する。 実験例 1 第1表に示すγ−C2S粉末1重量部および豊浦
標準砂2重量部、Eガラス繊維(20mmチヨツプド
ストランド)0.15重量部の混合物に水を23wt%添
加混練し、その後厚さ13mm、巾45mm、長さ90mmの
直方板を、成形圧100Kg/cm2で圧縮成形して得た。
成形時に一部の混合水は系外に滲み出たので、そ
の水は除去した。成形物はその後減圧乾燥し水分
含有量が異なる成形物を調製した。成形物をその
後20℃でCO2雰囲気下で2時間養生した。その
後、これを3点曲げ試験(スパン:7cm)に供し
た。また、調製した各々の減圧乾燥した成形物に
ついて、水分含有量、見掛気孔率及び見掛比重を
測定し、これより水分飽和度を算出し添付けした
図の結果を得た。 図から明らかなように、γ−C2S粉末、ガラス
繊維、砂及び水を混合して成形しその後炭酸ガス
養生すると高強度なガラス繊維補強コンクリート
が製造出来る。また、炭酸ガス養生する成形物
は、含水量を水分飽和度で0.25〜0.95の範囲に調
製した後炭酸ガス養生すると高強度が得られるこ
とが明かである。
用なガラス繊維補強コンクリートの製造方法に関
する。 (従来の技術) ガラス繊維を補強材としたコンクリートは、ガ
ラス繊維補強コンクリート(以下、GRCという)
として知られているが、これは従来からポルトラ
ンドセメント、混合セメント、アルミナセメント
等と、耐アルカリガラス繊維、砂、水の混合物で
成形物をつくり、その後これを養生して製造され
ている。 しかし、こうした硬化体は、ポルトランドセメ
ントあるいは混合セメントが水和反応の過程で
Ca(OH)2を生成するためそのアルカリ濃度は高
く、PH値は約13となつていた。このために、補強
材として使用したガラス繊維は、耐用中にアルカ
リ成分により化学的に侵蝕され、その結果繊維の
強度は経時的に著しく低下していた。こうしたこ
とから、安価なEガラス繊維では、強度の劣化が
大きくGRCの補強原料用としては使用すること
が出来ず、またGRCの原料として特に開発され
た耐アルカリガラス繊維でもアルカリ成分により
かなり激しく侵蝕されて、いささか数年の耐用中
にその強度は半減し、GRCの構造材料としての
用途はごく制限されたものとなつていた。 アルミナセメントを使用するときは、水和反応
の過程でCa(OH)2を生成しないため、硬化体の
PH値はポルトランドセメントのそれよりも低く、
約12であるが、しかしアルミナセメントの水和生
成鉱物は耐用中に他の鉱物に転化するため、硬化
体の強度が耐用中に半減するという欠点を有して
いる。 こうしたことから現在、耐アルカリ性ガラス繊
維を使用した長期耐久性GRCの出現が望まれて
おり、このためにガラス繊維の耐アルカリ性改良
や、ポルトランドセメントの水和によつて生成す
るCa(OH)2を除去するため、易反応性シリカを
添加することが行われているが、必ずしも満足す
べき状態ではない。 (発明が解決しようとする問題点) この発明は、長期耐久性が改善されたGRCを
製造することを目的とする。さらにいえば、耐ア
ルカリ性ガラス繊維を使用した場合は勿論のこ
と、安価な通常のEガラス繊維を補強材として使
用した場合でも、長期耐久性が改善されたGRC
を製造する方法を得ようとするものである。 (問題点を解決するための手段) この発明は、バインダーとしてのγ型珪酸二石
灰粉末と、補強材としてのガラス繊維、および水
を含む混合物を成形し、その後これを炭酸化養生
することを特徴とするガラス繊維補強コンクリー
トの製造方法である。また、この発明の実施の態
様を例示すれば、成形物中の水分含有量を以下に
定義する水分飽和度で0.25〜0.95とすることであ
る。 水分飽和度=成形物水分(%)/100−成形物水分(%
)×100−成形物の見掛気孔率(%)/成形物の見掛気
孔率(%)×成形物の見掛比重 以下にこの発明をさらに説明する。 本発明は、γ型珪酸二石灰粉末(以下、γ−
C2Sという)をバインダーとして使用して成形体
を得てその後これを炭酸ガス養生し、γ−C2S粉
末の炭酸化反応により強度を発現させてGRCを
製造するものである。 本発明者等は、バインダーとして水硬性物質で
はなく、炭酸化硬化するγ−C2Sを使用すると、
硬化体中のアルカリ濃度を低減することが出来、
そうすることによつて補強材として用いたガラス
繊維が長期耐用中に劣化せず、その結果GRCの
強度が低下しないという知見にもとづきこの発明
を完成したものである。本発明において使用する
γ−C2Sは、水との混練時にも水和せず、またCa
(OH)2を生成しないため、硬化体中のアルカリ
濃度を著しく低減出来るため、こうした用途には
最適である。γ−C2Sは、水と混練し炭酸ガス雰
囲気下で養生すると、次の反応が進行し強度が速
かに発現する。 γ−2CaO・SiO2+2CO2+2H2O →2CaO・SiO2+2H2SO3 →2CaCO3+SiO2+2H2O こうした硬化体中のアルカリ濃度は、PH値で
10.5以下である。 本発明にあつては、まづγ−C2S粉末、ガラス
繊維および水、あるいはγ−C2S粉末、砂、ガラ
ス繊維および水の混合物で成形物をつくる。これ
らの原料の混合、成形には、公知のプレミツクス
法、スプレーサクシヨン法、ダイレクトスプレー
法あるいはドライミツクス法がいづれも採用でき
る。成形物中の水分含有量は、次に示す式で表さ
れる水分飽和度で0.25〜0.95に調製した後、炭酸
ガス養性するのが好ましい。 水分飽和度=成形物水分(%)/100−成形物水分(%
)×100−成形物の見掛気孔率(%)/成形物の見掛気
孔率(%)×成形物の見掛比重 水分飽和度が0.25未満のときは、炭酸ガス養性
による強度発現の効果が小さい。また、水分飽和
度が0.95を超えるようになると、養性時に炭酸ガ
スが成形体の内部まで浸透せず、炭酸化反応が表
層部のみしか起こらないため好ましくない。後記
実験例が示すように、水分飽和度は、0.25〜0.95
の範囲が最も好ましい。成形物の水分調製は、成
形物をつくる場合の添加水量を調製してもよく、
また予め過剰含水量の成形物を得、その後これを
乾燥してその水分量を調製してもよい。乾燥は、
加熱乾燥、減圧乾燥のいづれでもよい。以下に、
実験例をあげてこの発明をさらに説明する。 実験例 1 第1表に示すγ−C2S粉末1重量部および豊浦
標準砂2重量部、Eガラス繊維(20mmチヨツプド
ストランド)0.15重量部の混合物に水を23wt%添
加混練し、その後厚さ13mm、巾45mm、長さ90mmの
直方板を、成形圧100Kg/cm2で圧縮成形して得た。
成形時に一部の混合水は系外に滲み出たので、そ
の水は除去した。成形物はその後減圧乾燥し水分
含有量が異なる成形物を調製した。成形物をその
後20℃でCO2雰囲気下で2時間養生した。その
後、これを3点曲げ試験(スパン:7cm)に供し
た。また、調製した各々の減圧乾燥した成形物に
ついて、水分含有量、見掛気孔率及び見掛比重を
測定し、これより水分飽和度を算出し添付けした
図の結果を得た。 図から明らかなように、γ−C2S粉末、ガラス
繊維、砂及び水を混合して成形しその後炭酸ガス
養生すると高強度なガラス繊維補強コンクリート
が製造出来る。また、炭酸ガス養生する成形物
は、含水量を水分飽和度で0.25〜0.95の範囲に調
製した後炭酸ガス養生すると高強度が得られるこ
とが明かである。
【表】
図に示した水分飽和度1.0の成形体は、長期間
(7日以上)炭酸ガスを流入させながら養生する
と強度が発現する。これは成形体が徐々に乾燥さ
れ成形体の水分飽和度が小さくなるためと考えら
れる。 実験例 2 実験例1で使用したγ−C2S粉末及び市販の早
強ポルトランドセメントに、第2表に示す割合で
実験例1で使用した豊浦標準砂、Eガラス繊維を
混合し、その後実験例1と同様にして水を添加し
混練して成形した。成形体は実験例1と同様にし
て水分飽和度を調製して炭酸ガス養生を行なつ
た。その後、これについて3点曲げ試験を行なつ
た。早強セメントに関しては従来例用として乾燥
しない成形体を20℃、相対湿度80%以上の湿空中
で7日養生し、その後3点曲げ試験を行なつた。
曲げ試験を行なつた各々の試料を0.5mm全通に粉
砕り、この中50gを蒸留水70ml中に入れかき混
ぜ、24時間後の上ずみ液のPH値を測定し第2表の
結果を得た。
(7日以上)炭酸ガスを流入させながら養生する
と強度が発現する。これは成形体が徐々に乾燥さ
れ成形体の水分飽和度が小さくなるためと考えら
れる。 実験例 2 実験例1で使用したγ−C2S粉末及び市販の早
強ポルトランドセメントに、第2表に示す割合で
実験例1で使用した豊浦標準砂、Eガラス繊維を
混合し、その後実験例1と同様にして水を添加し
混練して成形した。成形体は実験例1と同様にし
て水分飽和度を調製して炭酸ガス養生を行なつ
た。その後、これについて3点曲げ試験を行なつ
た。早強セメントに関しては従来例用として乾燥
しない成形体を20℃、相対湿度80%以上の湿空中
で7日養生し、その後3点曲げ試験を行なつた。
曲げ試験を行なつた各々の試料を0.5mm全通に粉
砕り、この中50gを蒸留水70ml中に入れかき混
ぜ、24時間後の上ずみ液のPH値を測定し第2表の
結果を得た。
【表】
【表】
第2表から、本発明によれば短時間の養生で高
強度が得られること、及び硬化体中のアルカリ濃
度は比較例及び従来技術より著しく低いことがわ
かる。 PH値から換算すると、本発明の硬化体中のアル
カリ分は、比較例の約1/300以下、従来技術の約
1/600以下である。本発明者等は、比較例の硬化
体のアルカリ濃度が高い原因について検討するた
め、硬化体の微構造を観察した。その結果、比較
例の硬化体中には炭酸化しない未反応のエーライ
ト及びビーライトが多量に存在し、その未反応の
エーライト及びビーライトは水と接触すると水和
反応を起こし、その結果Ca(OH)2を生成しPH値
が高くなることが確認された。なお未反応のエー
ライトあるいはビーライトは炭酸ガス養生時間を
7日と長く延ばしても未反応の粒子として残存す
る。 一方本発明の硬化体中にも炭酸化しない未反応
のγ−C2Sは観察されるがこれは少量であり、且
つこれは水と接触してもCa(OH)2を生成しない
ためPH値は比較例よりも著しく低くなる。 実験例 3 実験例2で使用した、γ−C2S粉末、早強セメ
ント、豊浦標準砂、Eガラス繊維及び耐アルカリ
性ガラス繊維(Cem−FIL20mmチヨツプドストラ
ンド)を第3表に示す混合割合で混合し、その後
実験例1と同様にして水を添加して実験例−1と
同様に成形体を得た。この成形体を、その後乾燥
機中に入れた鉄製の容器中に入れ炭酸ガスを容器
中に流入させながら80℃で5時間養生した。養生
した成形体について、 (1) 水中に10分間浸透しその後水中から取り出し
表面水を除去した後曲げ強さを測定した。 (2) 60℃の温水中に30日浸漬しその後温水中から
取り出し表面水を除去し曲げ強さを測定した。 第3表に測定結果を示す。比較例として早強セ
メントの成形体について20℃相対湿度80%以上の
湿空中で7日養生した成形体についても同様な曲
げ強さを測定した。
強度が得られること、及び硬化体中のアルカリ濃
度は比較例及び従来技術より著しく低いことがわ
かる。 PH値から換算すると、本発明の硬化体中のアル
カリ分は、比較例の約1/300以下、従来技術の約
1/600以下である。本発明者等は、比較例の硬化
体のアルカリ濃度が高い原因について検討するた
め、硬化体の微構造を観察した。その結果、比較
例の硬化体中には炭酸化しない未反応のエーライ
ト及びビーライトが多量に存在し、その未反応の
エーライト及びビーライトは水と接触すると水和
反応を起こし、その結果Ca(OH)2を生成しPH値
が高くなることが確認された。なお未反応のエー
ライトあるいはビーライトは炭酸ガス養生時間を
7日と長く延ばしても未反応の粒子として残存す
る。 一方本発明の硬化体中にも炭酸化しない未反応
のγ−C2Sは観察されるがこれは少量であり、且
つこれは水と接触してもCa(OH)2を生成しない
ためPH値は比較例よりも著しく低くなる。 実験例 3 実験例2で使用した、γ−C2S粉末、早強セメ
ント、豊浦標準砂、Eガラス繊維及び耐アルカリ
性ガラス繊維(Cem−FIL20mmチヨツプドストラ
ンド)を第3表に示す混合割合で混合し、その後
実験例1と同様にして水を添加して実験例−1と
同様に成形体を得た。この成形体を、その後乾燥
機中に入れた鉄製の容器中に入れ炭酸ガスを容器
中に流入させながら80℃で5時間養生した。養生
した成形体について、 (1) 水中に10分間浸透しその後水中から取り出し
表面水を除去した後曲げ強さを測定した。 (2) 60℃の温水中に30日浸漬しその後温水中から
取り出し表面水を除去し曲げ強さを測定した。 第3表に測定結果を示す。比較例として早強セ
メントの成形体について20℃相対湿度80%以上の
湿空中で7日養生した成形体についても同様な曲
げ強さを測定した。
【表】
第3表の結果から明らかなように、本発明によ
るガラス繊維補強コンクリートは耐用中に生ずる
強度の劣化が非常に小さいことがわかる。そのた
め、本発明によれば従来技術では使用出来なかつ
たEガラス繊維も使用出来る。 実験例 4 第4表に示すγ−C2S粉末に、実験例3で使用
したEガラス繊維及び耐アルカリ性ガラス繊維を
8wt%混合し、その後水を24wt%添加混合し、そ
の後50Kg/cm2の成形圧で成形し実験例1と同様な
直方板を成形した。成形体をその後実験例3と同
様にして60℃で12時間炭酸ガス養生を行ない、曲
げ強さ試験及びPH値の測定を行ない次の結果を得
た。 Eガラス繊維硬化体;曲げ強さ……207Kg/cm2、
PH……10.3、耐アルカリ性ガラス繊維硬化体;曲
げ強さ……211Kg/cm2、PH……10.3 これによつても判るとおり、γ−C2Sとガラス
繊維だけの混合物からも良好なガラス繊維補強コ
ンクリートが製造出来る。
るガラス繊維補強コンクリートは耐用中に生ずる
強度の劣化が非常に小さいことがわかる。そのた
め、本発明によれば従来技術では使用出来なかつ
たEガラス繊維も使用出来る。 実験例 4 第4表に示すγ−C2S粉末に、実験例3で使用
したEガラス繊維及び耐アルカリ性ガラス繊維を
8wt%混合し、その後水を24wt%添加混合し、そ
の後50Kg/cm2の成形圧で成形し実験例1と同様な
直方板を成形した。成形体をその後実験例3と同
様にして60℃で12時間炭酸ガス養生を行ない、曲
げ強さ試験及びPH値の測定を行ない次の結果を得
た。 Eガラス繊維硬化体;曲げ強さ……207Kg/cm2、
PH……10.3、耐アルカリ性ガラス繊維硬化体;曲
げ強さ……211Kg/cm2、PH……10.3 これによつても判るとおり、γ−C2Sとガラス
繊維だけの混合物からも良好なガラス繊維補強コ
ンクリートが製造出来る。
【表】
実験例 5
実験例4で使用したγ−C2S粉末2重量部及び
2mm以下の川砂1重量部を混合し、その後ポリア
ルキルアリルスルフオン酸系減水剤(花王石鹸
社、商品名マイテイー150)0.02重量部及び水1
重量部添加混合してモルタルを調製した。耐アル
カリ性ガラル繊維(Cem−FIL)のローピングを
25mmのチヨツプドストランドに切断しながら、モ
ルタルとガラス繊維をダイレクトスプレー法によ
り型枠上に吹きつけ15mm厚さに成形した。その後
成形体中に水分飽和度が0.75に達するまで減圧乾
燥し、その後炭酸ガス中で4時間養生した後曲げ
強さを測定し次の結果を得た。なお、ガラス繊維
の混入量は5wt%であつた。 曲げ強さ、325Kg/cm2 (発明の効果) 以上の本発明の効果は次の通りである (1) 耐用中の強度の劣化が著しく小さいガラス繊
維補強コンクリートが安価に製造出来る。 (2) ガラス繊維補強コンクリートの補強材原料と
して、安価なEガラスが使用出来る。 (3) 養生時間を短縮出来る。 といつたことである。
2mm以下の川砂1重量部を混合し、その後ポリア
ルキルアリルスルフオン酸系減水剤(花王石鹸
社、商品名マイテイー150)0.02重量部及び水1
重量部添加混合してモルタルを調製した。耐アル
カリ性ガラル繊維(Cem−FIL)のローピングを
25mmのチヨツプドストランドに切断しながら、モ
ルタルとガラス繊維をダイレクトスプレー法によ
り型枠上に吹きつけ15mm厚さに成形した。その後
成形体中に水分飽和度が0.75に達するまで減圧乾
燥し、その後炭酸ガス中で4時間養生した後曲げ
強さを測定し次の結果を得た。なお、ガラス繊維
の混入量は5wt%であつた。 曲げ強さ、325Kg/cm2 (発明の効果) 以上の本発明の効果は次の通りである (1) 耐用中の強度の劣化が著しく小さいガラス繊
維補強コンクリートが安価に製造出来る。 (2) ガラス繊維補強コンクリートの補強材原料と
して、安価なEガラスが使用出来る。 (3) 養生時間を短縮出来る。 といつたことである。
図はこの発明に適用さる成物形中の水分飽和度
(%)と成形体の曲げ強さの関係を示す線図であ
る。
(%)と成形体の曲げ強さの関係を示す線図であ
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 バインダーとしてのγ型珪酸二石灰粉末と、
補強材としてのガラス繊維、および水を含む混合
物を成形し、その後これを炭酸化養生することを
特徴とするガラス繊維補強コンクリートの製造方
法。 2 成形物中の水分含有量を以下に定義する水分
飽和度で0.25〜0.95とした特許請求の範囲第1項
記載のガラス繊維補強コンクリートの製造方法。 水分飽和度=成形物水分(%)/100−成形物水分(%
)×100−成形物の見掛気孔率(%)/成形物の見掛気
孔率(%)×成形物の見掛比重
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60194802A JPS6256342A (ja) | 1985-09-05 | 1985-09-05 | ガラス繊維補強コンクリ−トの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60194802A JPS6256342A (ja) | 1985-09-05 | 1985-09-05 | ガラス繊維補強コンクリ−トの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6256342A JPS6256342A (ja) | 1987-03-12 |
JPH0580422B2 true JPH0580422B2 (ja) | 1993-11-09 |
Family
ID=16330500
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60194802A Granted JPS6256342A (ja) | 1985-09-05 | 1985-09-05 | ガラス繊維補強コンクリ−トの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6256342A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3579560B2 (ja) * | 1996-12-27 | 2004-10-20 | 電気化学工業株式会社 | 炭酸化植生コンクリート用セメント、炭酸化植生コンクリート及びその製法 |
JP3579559B2 (ja) * | 1996-12-27 | 2004-10-20 | 電気化学工業株式会社 | 炭酸化セメント、セメント硬化体及びその製法 |
JP6846744B2 (ja) * | 2017-08-03 | 2021-03-24 | 鹿島建設株式会社 | 残存型枠用のプレキャストセメントパネル及びその製造方法 |
WO2023153259A1 (ja) * | 2022-02-10 | 2023-08-17 | デンカ株式会社 | セメント、セメント組成物、セメント硬化物、及びセメント硬化物の製造方法 |
-
1985
- 1985-09-05 JP JP60194802A patent/JPS6256342A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6256342A (ja) | 1987-03-12 |
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