JPH0579902U - サーミスタ温度センサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水分による電気腐食を防止し、熱応答性がよ
く機械的強度に優れたサーミスタ温度を提供する。 【構成】 ガラスで封止されたサーミスタ素子と２個の
リード線貫通孔を有するセラミック体とが一体に融着し
てなるサーミスタを使用する。サーミスタのリード線に
セラミック体リード線孔の最奥部まで保護チューブを被
覆する。 【効果】 サーミスタのガラス封止体から引き出される
リード線は保護チューブにより線間絶縁されているの
で、線間の沿面距離が長くなり絶縁不良による故障が生
じ難い。リード線とコードの接続部はコードの被覆部で
電気絶縁され、セラミック体の内面とコードの被覆部と
の密着性を良くすることにより、リード線間の電気絶縁
性が向上する。従って、水分によるリード線の電気腐食
を防止する効果が大きく、熱応答性の良い機械的強度に
優れた信頼性の高いサーミスタ温度センサを提供でき
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は給湯器、暖房機、風呂等の水温測定に使用するサーミスタ温度センサ に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種のサーミスタ温度センサ１は図３および図４に示すように、サー ミスタ素子２の両面にリード線４を接続し、かつサーミスタ素子２をガラス封止 体３で溶封したガラス封止サーミスタが使用されている。

【０００３】 図３は、リード線４の線間を絶縁チューブ９で電気絶縁し、リード線４と外部 引き出しコード１０の導体１０ａを接続して、更にその接続部８が断線しないよ うに被覆チューブ１１で保護した構造である。

【０００４】 図４は、リード線４の引き出し部を樹脂で補強し、リード線４と外部引き出し コード７の導体７ａを接続し、被覆部７ｂを補強部１２まで押し出してリード線 間を電気絶縁した構造である。

【０００５】 なお、図３および図４のサーミスタ温度センサは、有底状の金属保護管に収容 され、その内部の隙間をエポキシ樹脂等の電気的絶縁材で充填して封止されてい る（図示せず。）

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

給湯器、暖房機、風呂等の温度測定に使用される温度センサは、一般に水分の 影響を受ける場所に取り付けられる。従って温度センサは保護管に収容され内部 の隙間を合成樹脂等で充填した防水構造となっている。

【０００７】 しかし、湿度の高い雰囲気で常時温度のサイクル的変化をくり返すと、保護管 内部の充填樹脂と金属、導体被覆部、ガラス部等との密着性が悪くなり水分が内 部に浸入しやすくなる。

【０００８】 従来のサーミスタ温度センサは、保護管の内部に水分が浸入すると、ガラス封 止サーミスタのリード線引き出し部分で電気絶縁度が低下してサーミスタの特性 に異常が発生し、更に電気腐食によってリード線は断線するという問題があった 。

【０００９】 本考案は従来の問題を解決するものであって、水分による電気腐食を防止し、 熱応答性が良く、機械的強度に優れ、信頼性の高いサーミスタ温度センサの提供 を目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ガラスで封止されたサーミスタ素子と２個のリード線貫通孔を有す るセラミック体とが一体に融着しているサーミスタを使用する。サーミスタのリ ード線にセラミック体リード線孔の最奥部まで保護チューブを被覆する。

【００１１】 リード線とコードの接続部および保護チューブをコードの被覆部で更に被覆し て成ることを特徴としている。

【００１２】

【作用】

上記の構成によれば、ガラスの封止体から引き出されるリード線はセラミック 体の内部で線間絶縁され、かつ保護チューブを被覆することにより、リード線間 の沿面距離は長くなり電気絶縁性が維持される。

【００１３】 リード線とコードの接続部はコードの被覆部により電気絶縁され、更にサーミ スタのリード線の保護チューブをコードの被覆部で被覆してセラミック体内面と の密着性を良くすることにより、リード線間の電気絶縁性は一段と向上する。

【００１４】 従って、水分による電食現象の発生を防止することができる。

【００１５】

【実施例】

図１は、本考案の一実施例におけるサーミスタ温度センサ１の断面図である。 サーミスタ素子２とリード線４の引き出し部はガラス封止体３に溶封され、ガラ ス封止体３とフアイン・セラミックス，強化ガラス等から成るセラミック体５と は融着し一体で形成している。前記サーミスタは例えば、特開昭５７−１８７６ ３０号に開示されている。

【００１６】 サーミスタのリード線４は、ポリイミド樹脂等の絶縁材から成る保護チューブ ６でセラミック体５のリード線孔の最奥部まで被覆されている。

【００１７】 上記リード線４と外部引き出しのコード７の導体７ａは、スポット溶接等で接 続される。また、導体７ａはニッケル線等の電気溶接が可能な撚線で構成されて いる。

【００１８】 コード７の被覆部７ｂは、低温の雰囲気に設置される場合は耐熱ビニル系の絶 縁体から成り、１００℃以上の高温の雰囲気に設置される場合は弗素樹脂系の絶 縁体で形成されている。

【００１９】 上記の導体７ａと保護チューブ６の外径は略同じで、被覆部７ｂを押し出し、 前記サーミスタのリード線４とコード７の導体７ａとの接続部８およびリード線 ４の保護チューブ６を被覆してサーミスタ温度センサを構成している。

【００２０】 図２は本考案の他の実施例の断面図であって、図１と同様の構成になっている が、セラミック体５を小形にするためセラミック体５の後部までの保護チューブ ６を被覆部７ｂで被覆した構造となっている。

【００２１】

【考案の効果】 以上説明したように本考案によれば、サーミスタのガラス封止体から引き出さ れるリード線は保護チューブにより線間絶縁されているので、線間の沿面距離が 長くなり絶縁不良による故障が生じ難い。

【００２２】 リード線とコードの接続部はコードの被覆部で電気絶縁され、セラミック体の 内面とコードの被覆部との密着性を良くすることにより、リード線間の電気絶縁 性が向上する。

【００２３】 従って、水分によるリード線の電気腐食を防止する効果が大きく、熱応答性の 良い機械的強度に優れた信頼性の高いサーミスタ温度センサを提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す断面図である。

【図２】本考案の他の実施例を示す断面図である。

【図３】従来例を示す断面図である。

【図４】他の従来例を示す断面図である。

【符号の説明】 １ サーミスタ温度センサ ２ サーミスタ素子 ３ ガラス封止体 ４ リード線 ５ セラミック体 ６ 保護チューブ ７ コード ７ａ 導体 ７ｂ 被覆部 ８ 接続部 ９ 絶縁チューブ １０ コード １０ａ 導体 １０ｂ 絶縁体 １２ 補強部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガラスで封止されたサーミスタ素子と、
   ２個のリード線貫通孔を有するセラミック体とが一体に
   融着して成るサーミスタに、外部引き出しコードを接続
   したサーミスタ温度センサに於いて、前記サーミスタの
   リード線は前記セラミック体のリード線孔最奥部まで保
   護チューブで被覆され、かつ前記外部引き出しコードの
   被覆部で前記保護チューブを被覆して成ることを特徴と
   するサーミスタ温度センサ。