JPH0579699A - 電気温水器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 貯湯タンクと加熱器とを分離した構造で、し
かも、深夜電気料金の時間帯の使用に対しても湯切れが
生じることのない構造の電気温水器を提供する。 【構成】 大気開放型の貯湯タンク内に水をそのタンク
上方部から供給する給水配管と、この貯湯タンク内の水
を電気加熱器を介して循環するポンプおよびその配管系
を設け、その循環配管系による加熱により貯湯タンク内
の水温が沸き上げ温度に達するごとに、そのタンク内に
水を補給してゆくことによって、貯湯タンク内に一定量
の湯を貯湯するよう構成している。また、貯湯タンク内
の液面が規定レベル（例えば50リットルに相当するレベ
ル）以下となったときには、給水配管から水を補給す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】 本発明は電気温水器に関する。

【０００２】

【従来の技術】 電気温水器は、従来、給水口が底部に
また出湯口が上部に設けられた貯湯タンクと、このタン
クの底部に装着された加熱器（電気ヒータ）を備え、貯
湯タンク内に貯溜した水を底部に設けたヒータにより加
熱し、この加熱による水の対流によって貯湯タンク内の
全体の水温を、沸き上げ温度まで上昇させる構造のもの
が一般的である。そして、上述の沸き上げ動作は、通
常、深夜電気料金の時間帯（午後１１時〜午前７時）に
おいて行われるよう構成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】 ところで、従来の電
気温水器によると、貯湯タンクと加熱器とが一体構造と
なっており、その全体の形状寸法がどうしても大掛かり
となる。このため、設置条件の自由度が狭く、また専有
スペースも多く必要となり、場合によっては屋外仕様と
しなければならないといった問題がある。

【０００４】また、貯湯タンクの貯湯容量以上に給湯を
行った場合、給湯口から低温水しかでないといった、い
わゆる湯切れが生じることがある。この湯切れは、特に
深夜電気料金の時間帯での使用時に発生することが多
い。このような湯切れが生じたときには、大容量の貯湯
タンク(500リットル) 内の全体の水を沸き上げ温度まで
上昇させる必要があり、その加熱に要する時間が長く長
時間にわたって給湯不可の状態となるいった問題があっ
た。

【０００５】本発明は、上記従来の問題点を解決すべく
なされたもので、その目的とするところは、貯湯タンク
と加熱器とを分離した構造で、しかも、深夜電気料金の
時間帯の使用に対しても湯切れが生じることのない構造
の電気温水器を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成する
ための構成を、実施例に対応する図１を参照しつつ説明
すると、本発明は、加熱タンク２２と、このタンク２２
内部に発熱体が配置された電気ヒータ２３と、大気開放
型の貯湯タンク１１と、この貯湯タンク１１内の底部位
置に一端が連通し、他端が加熱タンク２２内部に連通す
る往き配管１５および戻り配管１６と、その往き配管１
５に加熱タンク側が吐出口となるよう接続された循環ポ
ンプ２１と、貯湯タンク１１内の上部に一端が連通し、
他端が給水手段５に接続される給水配管１３と、この給
水配管１３に接続されたバルブ２４と、貯湯タンク１１
内に貯溜した湯を所定の部位へと導くための給湯手段４
と、貯湯タンク１１内の液面レベルを検出する液面セン
サLSと、貯湯タンク１１内の底部位置の水温を検出する
温度センサTHと、制御手段３を備え、その制御手段３
は、液面センサLSによる検出レベルが規定レベル（例え
ば50リットルレベル）以下であるときにはバルブ２４を
開く動作と、その液面検出レベルが規定レベル以上で、
かつ温度センサTHによる検出温度が設定温度以下である
ときには循環ポンプ２４および電気ヒータ２３を駆動す
る動作と、上記の液面検出レベルが規定レベル以上で、
かつ上記の検出温度が設定温度であるときには、バルブ
２４を開く動作を行うよう構成されていることによって
特徴づけられる。

【０００７】

【作用】 まず、貯湯タンク１１内の液面が規定レベル
以下のときには、バルブ２４が開かれて給水手段５から
タンク１１に水が供給され、その液面が規定レベルとな
った時点でバルブ２４が閉じられる。この時点での温度
センサTHの検出温度は、設定温度（沸き上げ温度85℃）
以下で、循環ポンプ２１および電気ヒータ２３が駆動さ
れる。この動作によって、貯湯タンク１１内の水は循環
により加熱されてゆき、その水温が沸き上げ温度となっ
たことを温度センサTHが検出した時点で、循環ポンプ２
１および電気ヒータ２３の駆動を停止し、次いでバルブ
２４を開いて貯湯タンク１１への給水を行う。この給水
により貯湯タンク１１内の水温が降下して、その温度が
沸き上げ温度以下となった時点で、再び循環ポンプ２１
および電気ヒータ２３を駆動する。このような動作を順
次繰り返してゆき、液面センサLSの検出レベルが最高レ
ベルとなり、かつ温度センサTHによる検出温度が沸き上
げ温度となった時点で、沸き上げ動作を完了する。

【０００８】ここで、制御手段３は、深夜でかつ沸き上
げ動作開始前に湯を使用する場合であっても、貯湯タン
ク１１内の液面が規定レベル以下となったときにはバル
ブ２４を開く。これにより、沸き上げ温度よりも低い温
度の湯ではあるものの、例えば50リットル以上の湯は確
保できる。

【０００９】

【実施例】 図１は本発明実施例の構造図で、配管系統
図と制御系のブロック図を併記して示す図である。貯湯
槽１は大気開放型の貯湯タンク１１を備えている。この
貯湯タンク１１には、上部にオーバーフロー配管１２ａ
が接続され、また、その底部に排水配管１２ｂが接続さ
れている。なお、貯湯タンク１１の容量は 350〜500 リ
ットル程度である。

【００１０】加熱器２は、密閉型の加熱タンク（容量10
〜20リットル）２２と、その内部に発熱体が配置された
電気ヒータ２３と、循環ポンプ２１等によって構成され
ている。循環ポンプ２１の吐出口は、逆止め弁２５を介
して加熱タンク２２内の底部位置に連通しており、その
吸込口には、端部が貯湯タンク１１内の底部位置に連通
する往き配管１５が接続されている。また、加熱タンク
２２の上部には、端部が貯湯タンク１１内の底部位置に
連通し、かつ、途中にフロースイッチ６を備えた戻り配
管１６が接続されており、これらの配管系において循環
ポンプ２１を駆動すると、貯湯タンク１１内の水を加熱
タンク２２内を通過させて循環させることができる。

【００１１】一方、貯湯タンク１１には、その内部の上
方位置に給水口が臨む給水配管１３が接続されており、
その先端部にはシャワーノズル１３ａが装着されてい
る。この給水配管１３は、電動バルブ２４を介して給水
装置５に接続される。給水装置５は、給水槽５２に貯溜
された水を加圧送水するポンプ５１を備えた一般的な構
造のもので、圧力スイッチ５３がポンプ吐出側の圧力低
下を検知したときにポンプ５１が駆動し、また、圧力上
昇を検知した時点でその駆動を停止するよう構成されて
いる。

【００１２】また、貯湯タンク１１には、その内部の底
部位置に連通する給湯配管１４が接続されており、この
給湯配管１４に給湯装置４が接続される。給湯装置４
は、加圧送水ポンプ４１の吐出側に、逆止め弁４２、圧
力スイッチ４３およびフロースイッチ４４を順次接続し
た構造で、給湯栓（図示せず）が開かれたときに、ポン
プ吐出側の圧力低下を圧力スイッチ４３が検知した時点
でポンプ４１が駆動し、この後、給湯栓が閉じられるこ
とによって生じる圧力上昇を圧力スイッチ４３が検知す
るか、あるいはフロースイッチ４４により流量が規定量
以下となったことを検知した時点で、ポンプの駆動を停
止するよう構成されており、貯湯タンク１１内に貯湯さ
れた湯を所定の場所に供給することができる。

【００１３】そして、貯湯タンク１１には、その底部位
置の水温を検出する温度センサTHが配置されており、さ
らに、タンク内の液面の最低および最高レベルを検出
し、かつその最低レベルから50リットル単位で 150リッ
トルまでを検出するフロートセンサLSが配置されてい
る。また、加熱タンク２２には、その内部の水温の温度
過昇を検出するハイリミットセンサHLが配置されてい
る。さらに、給水装置５には給水槽５２内の水温を検出
するサーミスタセンサＴが配置されている。

【００１４】これらのセンサ類Ｔ，TH,LS,HLおよび先の
戻し配管のフロースイッチ６の出力信号は制御装置３に
入力される。制御装置３は、それらの入力信号に基づい
て、後述する、循環ポンプ２１および電気ヒータ２３の
駆動制御ならびに電動バルブ４の開閉制御などを行うよ
う構成されている。また、制御装置３は、給水装置５の
サーミスタセンサＴの検出値に基づいて、深夜電気料金
の時間帯における沸き上げ動作の開始時点のピークシフ
トを演算し、さらにはフロートセンサLSの出力に基づい
て残湯量を表示器（図示せず）等に表示するなどの一般
的な電気温水器の動作も行うよう構成されている。

【００１５】次に、制御装置３の動作とともに、本発明
実施例の作用を述べる。まず、制御装置３は、沸き上げ
モードにおいて、フロートセンサLSによる検出レベルが
規定レベル（50リットルレベル）以下のときには、電動
バルブ２４を開く。これにより、給水装置５から貯湯タ
ンク１１内へと水が供給され、貯湯タンク１１内の液面
が規定レベルになった時点で電動バルブ２４を閉じる。
この給水時には、水はシャワーノズル１３ａから噴出し
て、貯湯タンク１１内部のほぼ全体に一様に散布され
る。

【００１６】以上の給水が完了した後では、貯湯タンク
の温度センサTHによる検出温度は設定温度（沸き上げ温
度85℃）以下で、この時点で、循環ポンプ２１を駆動
し、これによりフロースイッチ６がONとなった時点で電
気ヒータ２３を駆動する。この動作によって、貯湯タン
ク１１内の水は、循環により加熱されてゆき、その水温
が沸き上げ温度に達したことを、温度センサTHが検出し
た時点で、循環ポンプ２１を停止し、フロースイッチ６
が OFFとなった時点で電気ヒータ２３の駆動を停止する
とともに、電動バルブ２４を開く。

【００１７】この動作によって、貯湯タンク１１内に水
が散布されるわけであるが、温度センサTHの周辺の水温
はすぐには降下せず、これにより電動バルブ２４はすぐ
には閉じず、貯湯タンク１１にある程度の量の水が供給
される。この後に、温度センサTHによる検出温度が沸き
上げ温度以下となった時点で、電動バルブ２４を閉じる
とともに、先と同様な循環ポンプ２１および電気ヒータ
２３の駆動・停止を行う。そして、以上の動作を順次繰
り返してゆき、フロートセンサLSの検出レベルが最高レ
ベルとなった時点で給水を停止し、かつ、この後に、温
度センサTHが沸き上げ温度以下を検出した時点で、循環
ポンプ２１および電気ヒータ２３の駆動し、温度センサ
THによる検出温度が沸き上げ温度に達した時点で、その
駆動を停止することによって沸き上げ動作を完了する。

【００１８】ここで、制御装置３は、深夜電力通電開始
時刻（午後１１時）以後において、温度センサTHによる
検出温度が沸き上げ温度以下であるときには、循環ポン
プ２１および電気ヒータ２３を駆動して貯湯タンク１１
内の水温を沸き上げ温度に保持する。また、湯の使用に
よって、貯湯タンク１１内の液面レベルが規定レベル以
下となったときには電動バルブ２４を開く。この動作に
より、貯湯タンク１１内には常に50リットル以上の湯が
確保される。さらに、フロートセンサLSが最低レベルを
検出したときには、循環ポンプ２１および給湯装置４の
ポンプ４１をそれぞれインタロックする。さらには、ハ
イリミットセンサHLが、例えば95℃を検出した時点で電
気ヒータ２３の駆動を即座に停止する。

【００１９】以上の実施例においては、一つの貯湯タン
クを備えた構造としているが、本発明はこれに限定され
ることなく、貯湯タンクの数は複数であってもよい。

【００２０】

【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれ
ば、大気開放型の貯湯タンク内に水をそのタンク上方部
から供給する給水配管と、この貯湯タンク内の水を電気
加熱器を介して循環するポンプおよびその配管系を設
け、その循環配管系による加熱により、貯湯タンク内の
水温が沸き上げ温度に達するごとに、そのタンク内に水
を補給してゆくことによって、貯湯タンク内に一定量の
湯を貯湯するよう構成したので、貯湯タンクと加熱器と
を別置きとすることが可能となって設置条件の自由度が
向上する。これにより、貯湯タンクを例えば床下等のデ
ッドスペースに配置することが可能となり、屋内におけ
る専有スペースを従来に比して大幅に縮小できる。

【００２１】しかも、深夜電力通電開始時刻（午後１１
時）以後において、貯湯タンク内の水温が低下したとき
には循環による加熱によって追い炊きが行われ、貯湯タ
ンク内の水温は常に沸き上げ温度に保持される。また、
貯湯タンク内の液面が規定レベル（例えば50リットルに
相当するレベル）以下となったときには、貯湯タンク内
に水が給水されるので、深夜の湯の使用に対し、沸き上
げ温度よりも低い温度ではあるものの給湯は可能で、湯
切れが生じることはない。さらに、熱湯（沸き上げ温
度）の湯切れが生じた場合であっても、短時間で50リッ
トル程度の熱湯を確保できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明実施例の構成図で、配管系統図と制御
系のブロック図を併記して示す。

【符号の説明】

１・・・・貯湯槽 １１・・・・大気開放型の貯湯タンク １３・・・・給水配管 １４・・・・給湯配管 １５・・・・往き配管 １６・・・・戻り配管 ２・・・・加熱器 ２１・・・・循環ポンプ ２２・・・・加熱タンク ２３・・・・電気ヒータ ２４・・・・電動バルブ ３・・・・制御装置 ４・・・・給湯装置 ５・・・・給水装置 TH・・・・温度センサ LS・・・・フロートセンサ（液面センサ）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 加熱タンクと、このタンク内部に発熱体
   が配置された電気ヒータと、大気開放型の貯湯タンク
   と、この貯湯タンク内の底部位置に一端が連通し、他端
   が上記加熱タンク内部に連通する往き配管および戻り配
   管と、その往き配管に上記加熱タンク側が吐出口となる
   よう接続された循環ポンプと、上記貯湯タンク内の上部
   に一端が連通し、他端が給水手段に接続される給水配管
   と、この給水配管に接続されたバルブと、上記貯湯タン
   ク内に貯溜した湯を所定の部位へと導くための給湯手段
   と、上記貯湯タンク内の液面レベルを検出する液面セン
   サと、上記貯湯タンク内の底部位置の水温を検出する温
   度センサと、制御手段を備え、その制御手段は、上記液
   面センサによる検出レベルが規定レベル以下であるとき
   には上記バルブを開く動作と、その液面検出レベルが規
   定レベル以上で、かつ上記温度センサによる検出温度が
   設定温度以下であるときには上記循環ポンプおよび電気
   ヒータを駆動する動作と、上記液面検出レベルが規定レ
   ベル以上で、かつ上記検出温度が上記設定温度であると
   きには、上記バルブを開く動作を行うよう構成されてな
   る電気温水器。