JP5485086B2 - 貯湯式給湯装置 - Google Patents

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この発明は、湯張り管に風呂加圧ポンプを設けて浴槽への注湯を短時間に行うと共に、高い給湯圧で2階以上に設置された浴槽へも容易に注湯可能とした貯湯式給湯装置に関するものである。
従来よりこの種の貯湯式給湯装置では、湯張り管に風呂加圧ポンプを備え、浴槽への注湯時にこの風呂加圧ポンプを駆動させることで、給水圧が弱く注湯に時間がかかる注湯や2階以上の注湯を容易に行えるようにしたものであった。(例えば、特許文献1参照。)
特開2010−84986号公報
ところでこの従来のものでは、風呂加圧ポンプによって給水圧を強制的に上げているために、注湯終了時に開閉弁で湯張り管を閉弁すると、この閉弁時の衝撃でウォーターハンマー現象が発生して、水撃と共に大きな音を発し、湯張り管に設けられている弁装置やセンサが破損したり、耳障りな音で使用者に不安感を与えるものであった。
この発明は上記課題を解決するために、特にその構成を、湯水を貯湯する貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の湯水を加熱する加熱手段と、貯湯タンクの下部に連通する給水管と、貯湯タンクの上部に連通し出湯する出湯管と、該出湯管の途中から分岐し浴槽への湯張りを行う湯張り管と、該湯張り管に備えられ浴槽へ供給される湯水に圧力をかける風呂加圧ポンプと、前記湯張り管に備えられ該湯張り管の開閉を行う開閉弁と、前記風呂加圧ポンプや開閉弁等を制御して貯湯や出湯及び湯張りを行わせる給湯制御部とを備えたものに於いて、前記給湯制御部は浴槽への注湯の終了所定前から、風呂加圧ポンプの回転数を徐々に低下させ、最終的には風呂加圧ポンプを停止させてから開閉弁を閉成させるようにしたものである。
この発明によれば、湯張り管は風呂加圧ポンプの回転数を徐々に低下させ、最終的には風呂加圧ポンプを停止させてから開閉弁の閉成により閉塞されるので、湯張り管は給水圧が低下してから閉塞されることとなって、ウォーターハンマーは発生せず湯張り管内の弁装置やセンサが破損する心配がなく、又耳障りな水撃音もなく常に安心して使用出来るものである。
この発明の一実施形態の貯湯式給湯装置の概略構成図。 同電気回路の要部ブロック図。 同要部の作動説明図。
次にこの発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
この貯湯式給湯装置は、時間帯別契約電力の電力単価が安価な深夜時間帯に湯水を沸き上げて貯湯し、この貯湯した湯水を給湯に用いるもので、1は湯水を貯湯する貯湯タンク2を備えた貯湯タンクユニット、3は貯湯タンク2内の湯水を加熱する加熱手段としてのヒートポンプユニット、4は台所や洗面所等に設けられた蛇口、5はこの蛇口4の近傍に設けられた給湯リモコン、6は浴槽、7は浴室に設けられた風呂リモコンである。
前記貯湯タンクユニット1の貯湯タンク2は、上端に出湯管8と、下端に給水管9とが接続され、更に下部にヒーポン循環回路を構成するヒーポン往き管10と、上部にヒーポン循環回路を構成するヒーポン戻り管11とが接続され、前記加熱手段3によってヒーポン往き管10から取り出した貯湯タンク2内の湯水を沸き上げてヒーポン戻り管11から貯湯タンク2内に戻して貯湯され、給水管9からの給水により貯湯タンク2内の湯水が押し上げられて貯湯タンク2内上部の高温水が出湯管8から押し出されて給湯されるものである。そして、給水管9途中には、市水の給水圧を所定の圧力まで減圧する減圧弁12と給水温度を検出する給水温度センサ13が設けられ、貯湯タンク2の上部には、貯湯タンク2内の過圧を逃す過圧逃し弁14が設けられているものである。
前記加熱手段3は、圧縮機15と凝縮器としての冷媒水熱交換器16と電子膨張弁17と強制空冷式の蒸発器18で構成されたヒートポンプ回路19と、貯湯タンク2内の湯水を前記ヒーポン往き管10及びヒーポン戻り管11を介して冷媒水熱交換器16に循環させるヒーポン循環ポンプ20と、それらの駆動を制御するヒーポン制御部21とを備えており、ヒートポンプ回路19内には冷媒として二酸化炭素が用いられて超臨界ヒートポンプサイクルを構成しているものである。なお、冷媒に二酸化炭素を用いているので、低温水を電熱ヒータなしで約90℃の高温まで沸き上げることが可能なものである。
22は前記浴槽6の湯水を加熱するためのステンレス製の蛇管よりなる熱交換器で、この熱交換器22には風呂往き管23および風呂循環ポンプ24を備えた風呂戻り管25が接続されて浴槽6の湯水が循環可能にされ、浴槽6内の湯水が貯湯タンク2内の高温水により加熱されて保温あるいは追焚きが行われるものである。なお、26は風呂戻り管25を循環する浴槽6の湯水の温度を検出する風呂温度センサである。
27は出湯管8からの湯水と給水管9から分岐された給湯給水バイパス管28からの低温水を混合する電動ミキシング弁より構成された給湯混合弁であり、その下流の給湯管29に設けた給湯温度センサ30で検出した湯温が給湯リモコン5や風呂リモコン7でユーザーが設定した給湯設定温度になるように混合比率を制御するものである。
31は給湯管29途中に設けられ湯水を昇圧して蛇口4へ供給するためのた給湯加圧ポンプであり、32は給湯加圧ポンプ31の吸い込み側に設けられた給湯管29を逆流する流れを遮断する逆止弁、33は給湯流量をカウントする給湯流量カウンタである。
34は出湯管8から分岐された分岐出湯管35からの湯水と、給水管9から分岐された風呂給水バイパス管36からの低温水とを、混合する電動ミキシング弁より構成された風呂混合弁であり、その下流側の風呂戻り管25に連通された湯張り管37に設けた湯張り温度センサ38で検出した湯温が給湯リモコン5や風呂リモコン7でユーザーが設定した風呂設定温度になるように混合比率を制御するものである。
そして、前記湯張り管37には、浴槽6への湯張りの開始/停止を開成/閉成で行う開閉弁39と、浴槽6への湯張り量をカウントする湯張りフローセンサ40と、浴槽6からの浴槽水の逆流を防ぐ湯張り逆止弁41が二重に設けられていると共に、湯水を昇圧して湯張りするための風呂加圧ポンプ42が設けられているものであり、又この湯張り管37には水位センサ43が備えられている。
44は貯湯タンク2の上下方向に複数個配置された貯湯温度センサで、この実施形態では5つの貯湯温度センサが配置され上から44a、44b、44c、44d、44eと呼び、この貯湯温度センサ44が検出する温度情報によって、貯湯タンク2内にどれだけの熱量が残っているかを検知し、そして貯湯タンク2内の上下方向の温度分布を検知するものである。
前記給湯リモコン5及び風呂リモコン7には、給湯設定温度を設定する給湯温度設定スイッチ45、及び風呂設定温度を設定する風呂温度設定スイッチ46がそれぞれ設けられていると共に、浴槽6へ風呂設定温度の湯を風呂リモコン7の湯張り量設定スイッチ(図示せず)で設定された湯張り量だけ湯張りし所定時間保温させる風呂自動スイッチ47がそれぞれ設けられ、更に風呂リモコン7には約60℃の高温の湯を差し湯させる高温差し湯スイッチ48が設けられているものである。
49は貯湯タンクユニット1内の各センサの入力を受け各アクチュエータの駆動を制御するマイコンからなる給湯制御部であり、この給湯制御部49に前記給湯リモコン5及び風呂リモコン7が無線または有線により接続されユーザーが任意の給湯設定温度及び風呂設定温度を設定できるようにしているものである。
前記給湯制御部49は、給湯温度センサ30の検出する温度が給湯設定温度になるように給湯混合弁27の弁開度をフィードバック制御するようにしていると共に、湯張り温度センサ38の検出する温度が風呂設定温度になるように風呂混合弁34の弁開度をフィードバック制御するようにしているものである。
更に給湯制御部49は、風呂自動スイッチ47が操作されて浴槽6に湯張りを行う際は、開閉弁39を開くと共に風呂加圧ポンプ42を作動開始させ、湯張りが終了すると開閉弁39を閉じると共に風呂加圧ポンプ42を駆動停止するようにしているものである。
又給湯制御部49は、試運転時或いは初回の浴槽6満量時の流量を湯張りフローセンサ40の積算値から記憶し保持し、次回の湯張り時からは浴槽6が満量となる所定前の数L前を演算して風呂加圧ポンプ42の回転数を順次下げて行き駆動停止させることで、該浴槽6が満量となり開閉弁39が湯張り管37を閉成する時には、該湯張り管37内の高圧力は抜けており、ウォーターハンマー現象は発生しないものであり、風呂加圧ポンプ42の回転数を徐々に下げて行くことで、給水圧も徐々に下がり抜けを良くし、回転が完全に停止してから開閉弁39が閉成するように余裕を持って所定前から、回転数を下げて行ってから駆動停止するようにしているものである。
次にこの一実施形態の作動を説明する。
今に沸き上げ運転では、深夜電力時間帯になって貯湯温度センサ44が貯湯タンク2内に翌日に必要な熱量が残っていないことを検出すると、給湯制御部49はヒーポン制御部21に対して沸き上げ開始指令を発する。指令を受けたヒーポン制御部21は圧縮機15を起動した後にヒーポン循環ポンプ20を駆動開始し、貯湯タンク2下部に接続されたヒーポン往き管10から取り出した5〜20℃程度の低温水を冷媒水熱交換器16で70〜90℃程度の高温に加熱し、貯湯タンク2上部に接続されたヒーポン戻り管11から貯湯タンク2内に戻し、貯湯タンク2の上部から順次積層して高温水を貯湯していく。貯湯温度センサ44が必要な熱量が貯湯されたことを検出すると、給湯制御部49はヒーポン制御部21に対して沸き上げ停止指令を発し、ヒーポン制御部21は圧縮機15を停止すると共にヒーポン循環ポンプ20も停止して沸き上げ動作を終了するものである。
そして浴槽6への湯張り運転について説明すると、給湯リモコン5又は風呂リモコン7の風呂自動スイッチ47の何れかが操作されると、給湯制御部49が開閉弁39を開弁する。そして、給水管9からの給水が貯湯タンク2内に流れ込む。そして出湯管8と分岐出湯管35を介して風呂混合弁34へ貯湯タンク2内の湯水が押し出され、風呂給水バイパス管36からの低温水と混合され、給湯制御部49が風呂混合弁34の混合比率を調整し、風呂設定温度の湯が風呂加圧ポンプ42に加圧されて、湯張り管37から風呂戻り管25を介して浴槽6へ良好に湯張りされるものである。
次に上記の浴槽6への湯張り量を湯張りフローセンサ40が注湯量として積算し、この積算値が給湯制御部49が初期に記憶した所定積算値に達する所定数L前ここでは10L前に、風呂加圧ポンプ42の回転数を徐々に下げて行き、最終的には駆動を停止すると、図3に示すように、湯張り終了即ち注湯終了で湯張り管37を開閉弁39が閉成する時には、確実に風呂加圧ポンプ42は停止しており、又風呂加圧ポンプ42の回転数を徐々に下げて行き最終的には停止させるので、瞬間的に停止させるよりは給水圧は抜け易く、ウォーターハンマー現象を確実に防止出来、弁装置やセンサ類の破損を未然に阻止し長期使用が行えるものであり、更に大きな音の発生がなく、常に安心して使用出来るものである。
更に最終的には、水位センサ43によって浴槽6の水位が確認されて湯張りが終了されるものである。
2 貯湯タンク
3 加熱手段
6 浴槽
8 出湯管
9 給水管
29 給湯管
34 風呂混合弁
36 風呂給水バイパス管
37 湯張り管
39 開閉弁
42 風呂加圧ポンプ
49 給湯制御部

Claims (1)

  1. 湯水を貯湯する貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の湯水を加熱する加熱手段と、貯湯タンクの下部に連通する給水管と、貯湯タンクの上部に連通し出湯する出湯管と、該出湯管の途中から分岐し浴槽への湯張りを行う湯張り管と、該湯張り管に備えられ浴槽へ供給される湯水に圧力をかける風呂加圧ポンプと、前記湯張り管に備えられ該湯張り管の開閉を行う開閉弁と、前記風呂加圧ポンプや開閉弁等を制御して貯湯や出湯及び湯張りを行わせる給湯制御部とを備えたものに於いて、前記給湯制御部は浴槽への注湯の終了所定前から、風呂加圧ポンプの回転数を徐々に低下させ、最終的には風呂加圧ポンプを停止させてから開閉弁を閉成させるようにした事を特徴とする貯湯式給湯装置。
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