JPH0579313U - 熱媒循環暖房装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 閉回路を構成する熱媒循環暖房装置でのエア
と熱媒との置換を容易にする。 【構成】 放熱手段１と、加熱手段２と、送液手段３と
から成る閉回路Ｘに、液出口４ｃを第１液入口４ａと第
２液入口４ｂのいずれかに切換可能に連通できる三方弁
４を介設して、液出口４ｃと第１液入口４ａとを閉回路
Ｘに接続し、上端側に開閉弁７を接続した枝管６の下端
側を、上記第１液入口４ａの近傍の分岐点５に連通接続
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は閉回路内のエアを熱媒に容易に置換できる熱媒循環暖房装置に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の熱媒循環暖房装置として、図２の開放型回路のものを挙げることができ る。同図において、５１は熱媒の保有熱を放出して暖房する床パネル、５２は回 路内の熱媒を循環させる循環ポンプ、５３は上部が大気に開放され、熱媒を貯溜 できる熱媒タンク、５４は熱媒を加熱する加熱器であり、これらを配管を介して 直列に連通接続して回路を構成している。そして循環ポンプ５２で回路内に熱媒 を矢印の方向に循環させながら暖房を行う。この場合、回路内のエアを熱媒に置 換することは容易であるが、熱媒タンク５３は常時大気に開放しておかなければ ならないので、熱媒タンク５３の上部を完全に密閉できず、蒸発による熱媒の減 少や熱媒の汚染という欠点が生じる。

【０００３】 また密閉型回路としては、図３に示すように、特開昭５４−１６３４６１号公 報記載の装置を挙げることができる。同図において、５５は給液口、５６は密閉 された膨張タンク、５７はエアセパレータであり、５１、５２、５４は前述のも のと同じく、床パネル、循環ポンプ、及び加熱器である。そして給液口５５は、 床パネル５１の液出口と循環ポンプ５２の吸込口との間に配置されており、また 膨張タンク５６とエアセパレータ５７とにそれぞれ接続する枝管が、加熱器５４ の液出口と床パネル５１の液入口との間にそれぞれ分岐している。

【０００４】 この回路内のエアを熱媒で置換するには、まずエアセパレータ５７を開弁し、 給液口５５から熱媒を供給すると共に、循環ポンプ５２を稼働させて矢印の方向 に熱媒を循環させる。そしてエアセパレータ５７から空気を追い出しながら回路 内に熱媒を満たしていくものである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし上記熱媒循環暖房装置では、熱媒の蒸発や汚染は少ないが、エアセパレ ータ５７に連通する枝管が主管より単に分岐しているのみであり、この分岐点を 高所に位置させても、回路内を熱媒と混合して循環するエアを抜くことは難しく 、置換作業に時間を要するという欠点がある。

【０００６】 この考案は上記従来の欠点を解決するためになされたものであって、その目的 は、閉回路内のエアの熱媒への置換が容易である熱媒循環暖房装置を提供するこ とにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

そこでこの考案の熱媒循環暖房装置は、熱媒の保有熱を放出して暖房する放熱 手段１と、熱媒を加熱する加熱手段２と、熱媒を循環させる送液手段３とを相互 に接続して閉回路Ｘを構成した熱媒循環暖房装置において、上記閉回路Ｘに、液 出口４ｃを第１液入口４ａと第２液入口４ｂのいずれかに切換可能に連通できる 三方弁４を介設すると共に、液出口４ｃと第１液入口４ａとを閉回路Ｘに接続し 、第１液入口４ａの近傍の分岐点５に、枝管６の一端側を連通接続すると共に、 その他端側に開閉弁７を接続したことを特徴としている。

【０００８】

【作用】

上記熱媒循環暖房装置では、開閉弁７を開弁すると共に、三方弁４を操作して 第２液入口４ｂと液出口４ｃを連通させて、第２液入口４ｂから熱媒を供給すれ ば、三方弁４の第１液入口４ａと液出口４ｃは連通していないので、密閉回路Ｘ 中の空気は供給される熱媒により押し出され、開閉弁７より容易に追い出すこと ができ、短時間にエアと熱媒との置換を行うことができる。

【０００９】

【実施例】

次にこの考案の熱媒循環暖房装置の具体的な実施例について、図１を参照しつ つ詳細に説明する。同図は循環する熱媒として湯水を用いて床暖房する熱媒循環 暖房装置の装置回路図を示している。１は湯水の保有熱を放出させて暖房する床 パネル（放熱手段）、２は循環湯水を加熱する加熱器（加熱手段）、３は湯水を 循環させる循環ポンプ（送液手段）、４は三方弁であって、この三方弁４は、液 出口４ｃを第１液入口４ａと第２液入口４ｂとのいずれかに切換え可能に連通で きるものである。５は三方弁４の第１液入口４ａの近傍の地点であり、後述の枝 管６が主管より分岐する分岐点、６は分岐点５より分岐した枝管、７はエア抜き バルブ（開閉弁）、８は湯水の体積変化を吸収する密閉された膨張タンクである 。

【００１０】 そして三方弁４の液出口４ｃは循環ポンプ３の吸込口に、循環ポンプ３の吐出 口は加熱器２の液入口に、加熱器２の液出口は床パネル１の液入口に、床パネル １の液出口は分岐点５を介して三方弁４の第１液入口４ａに、それぞれ配管を介 して直列に連通接続して閉回路Ｘを構成している。また加熱器２の液出口と床パ ネル１の液入口との間で枝管が分岐し、その枝管は膨張タンク８の底部に連通連 結しており、また分岐点５からは枝管６が分岐し、その枝管６の上端側にはエア 抜きバルブ７が接続されている。さらに三方弁４は、液出口４ｃが下方向を、第 １液入口４ａが上方向を、そして第２液入口４ｂが水平方向を向くように配置さ れ、第１液入口４ａから分岐点５に至る配管は、この間に空気が溜まらないよう 可能な限り短く垂直に、もしくは上り勾配で配管されている。

【００１１】 次に上記構成の閉回路Ｘ内のエアと湯水との置換について述べる。まずエア抜 きバルブ７を開弁して閉回路Ｘを大気側に開放すると共に、三方弁４を操作して 図１の実線で示すように、第２液入口４ｂと液出口４ｃを連通させる。このとき 第１液入口４ａと液出口４ｃとは連通していない。そして第２液入口４ｂから湯 水を供給すると共に、循環ポンプ３を稼働して湯水を回路Ｘ中に矢印の方向に圧 送する。この操作により回路Ｘ中の空気は、供給される湯水に押し出されエア抜 きバルブ７から放出される。エア抜きバルブ７から空気が完全に放出され、湯水 が流出するようになったら、エア抜きバルブ７を閉弁すると共に、三方弁４を操 作して図１の点線で示すように、第１液入口４ａと液出口４ｃを連通させる。こ のとき第２液入口４ｂと液出口４ｃは連通していない。以上に述べた操作により 、容易に閉回路Ｘ内のエアを追い出し、湯水に置換できる。

【００１２】

【考案の効果】

以上のようにこの考案の熱媒循環暖房装置では、三方弁と開閉弁とを用いるだ けの簡単な構成で、閉回路内からエアを容易に追い出すことができ、短時間に熱 媒の置換を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を説明する回路図である。

【図２】従来例を説明する回路図である。

【図３】他の従来例を説明する回路図である。

【符号の説明】

１ 放熱手段 ２ 加熱手段 ３ 送液手段 ４ 三方弁 ５ 分岐点 ６ 枝管 ７ 開閉弁 Ｘ 閉回路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱媒の保有熱を放出して暖房する放熱手
   段（１）と、熱媒を加熱する加熱手段（２）と、熱媒を
   循環させる送液手段（３）とを相互に接続して閉回路
   （Ｘ）を構成した熱媒循環暖房装置において、上記閉回
   路（Ｘ）に、液出口（４ｃ）を第１液入口（４ａ）と第
   ２液入口（４ｂ）のいずれかに切換可能に連通できる三
   方弁（４）を介設すると共に、液出口（４ｃ）と第１液
   入口（４ａ）とを閉回路（Ｘ）に接続し、第１液入口
   （４ａ）の近傍の分岐点（５）に、枝管（６）の一端側
   を連通接続すると共に、その他端側に開閉弁（７）を接
   続したことを特徴とする熱媒循環暖房装置。