JPH057927A - 溶接割れを改善した溶接構造用Al合金押出材の製造方法 - Google Patents

溶接割れを改善した溶接構造用Al合金押出材の製造方法

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JPH057927A
JPH057927A JP3165927A JP16592791A JPH057927A JP H057927 A JPH057927 A JP H057927A JP 3165927 A JP3165927 A JP 3165927A JP 16592791 A JP16592791 A JP 16592791A JP H057927 A JPH057927 A JP H057927A
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幸裕 宮手
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孝一 飯塚
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Abstract

(57)【要約】 【目的】表面再結晶を抑制することにより、溶接割れを
生じないAl−Mg系合金押出材を得る。 【構成】Mg:3.0〜6.0wt%を含有するAl−M
g系合金ビレットを押出ダイスから押出す。次いで、ダ
イス通過直後に押出材の表面に液体窒素を吹付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、LNGを始めとする
タンク構造用材や、LNGタンカー、漁船用等の船体構
造材として溶接を施されて使用される溶接構造用Al合
金押出材の製造方法に関し、特に溶接割れを改善した溶
接構造用Al合金押出材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び課題】上記のような用途に用いられる
アルミニウム合金材、特にAl−Mg系合金押出材は、
軽量であるのみならず耐食性、低温での機械的性質にも
優れているのに加え、溶接性にも優れており、一般的に
は特殊な溶接時以外溶接割れは発生しないと認識されて
いる。
【0003】しかるに、かかるAl−Mg系合金押出材
であっても、その製造工程において生じた表面再結晶組
織層の厚みが0.3mm程度以上にも達して厚すぎる
と、一般的な溶接を施した際に殊に溶接歪みが大きい場
合、熱影響部(HAZ部)において微少な割れが発生す
ることが発明者らの研究により判明した。
【0004】この発明は、かかる事情に鑑みてなされた
ものであって、表面再結晶を抑制することにより、溶接
割れを改善した溶接構造用Al合金押出材の製作提供を
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、Mg:3.0〜6.0wt%を含有する
Al−Mg系合金ビレットを押出ダイスから押出したの
ち、ダイス通過直後に押出材の表面に液体窒素を吹付け
ることを特徴とし、これにより押出材の表面再結晶を抑
制して溶接割れの改善を図ろうというものである。
【0006】まず、この発明の対象たるAl−Mg系合
金押出材において、Mgの含有が3.0〜6.0wt%に
規定されるのは、かかる範囲で含有されることによりA
l−Mg系合金が有する耐食性、低温での機械的性質の
良さ、溶接性等の優位性が十分に発揮されるからであ
り、Mgが3.0wt%未満ではそれらの効果に乏しく、
逆に6.0wt%を超えると押出加工性の劣化等を招くか
らである。
【0007】上記Al−Mg系合金は、これを常法に従
いビレットに製作し、次いで要すれば均質化処理を実施
したのち押出ダイスにて押出す。押出条件は特に限定さ
れることはなく、通常の押出条件を適宜採用すれば良い
が、この発明では、押出ダイス通過直後に押出材の表面
に液体窒素を直接吹き付ける。これは、ダイス通過直後
に押出材表面を直接液体窒素で急速冷却することで、押
出材の二次的な表面再結晶を防止するためである。ここ
に、押出材表面を冷却するためには水を使用することも
可能であるが、液体窒素は安価で冷却能力が大きいう
え、水を用いた場合該水がダイスベアリングと押出材と
の間に入り込み焼き付きを生じる危険があるため、この
発明では液体窒素を用いることとした。
【0008】液体窒素による吹付冷却は、押出材の表面
再結晶抑制の目的のためには、押出材がダイスベアリン
グ通過直後30秒以内に実施するのが望ましい。30秒
を越えたのち冷却しても再結晶が進行して、もはや冷却
による再結晶抑制効果がなく表面再結晶組織層が厚くな
り、ひいては熱影響部における溶接割れの発生を防止す
ることができない恐れがあるからである。特に好ましく
はダイスベアリング通過後15秒以内とするのが良い。
【0009】液体窒素の供給方法は、特に限定されるこ
とはなく、例えば図1に示すようなものを挙げ得る。即
ち、図1では押出用ダイス(1)とボルスター(4)と
の間に、中央部に押出材通過孔(3a)を有する盤状スペ
ーサ部材(3)を介在させるとともに、該スペーサ部材
(3)の一側面に形成した溝部(5)に液体窒素送給管
(6)を嵌め合わせることにより、該送給管(6)を介
して押出ダイス通過直後の押出材(A)の表面に液体窒
素を吹付けるようにしたものである。なお、図1におい
て、(2)(7)は断熱パッキン部材である。なお、図
1に示す方法では、押出ダイス(1)とボルスター
(4)との間で押出材(A)の表面に液体窒素を吹付け
る構成としているが、液体窒素の吹付けは図示しないプ
ラテン通過時等に行うものとしても良い。
【0010】押出材表面に吹付ける液体窒素の量として
は、吐出量で0.5〜10kgLiqN2 /分程度に設
定するのが良い。0.5kg/分未満の吐出量では冷却
効果に乏しくひいては熱影響部における溶接割れの発生
を防止することができない恐れがあり、10kg/分を
越える吐出量では過冷却により押出しが不可能となる恐
れがある。特に好ましくは0.8〜5.0kgLiqN
2 /分の吐出量に設定するのが良い。また、液体窒素の
吐出量は、押出材の形状、押出速度、押出機の構造等に
よって変えても良い。例えば、厚さ6mmのフラットバ
ーを押出速度3〜5m/分で押出すとともに、図1に示
す装置で液体窒素を吹付ける場合は、液体窒素の吐出量
を0.8〜1.2kg/分程度とすれば良く、厚さ12
mmのT形材を押出速度1.5〜2m/分で押出すとと
もに、プラテン内で液体窒素を吹付ける場合は、吐出量
を1.0〜3.5kg/分程度とすれば良く、厚さ22
mmのT形材を押出速度1.5〜2m/分で押出すとと
もに、プラテン内で液体窒素を吹付ける場合は、吐出量
を1.5〜4.5kg/分程度とすれば良い。
【0011】ところで、上記の押出において、0.5m
/分以下の製品速度で押出したり、あるいは押出に際し
てのビレット加熱温度を低く設定する等によっても、押
出材表面の再結晶を抑制することは可能である。しか
し、押出速度を低くする方法では歩留生産性の低下を招
く欠点を派生する。またビレットの加熱温度を低くする
方法ではビレット全長を短くせざるを得ず、同じく生産
効率が良くないという欠点を派生する。これに対し、本
願発明のように、ダイス通過直後に押出材表面に液体窒
素を吹付ける場合には、押出速度の低下やビレットの短
尺化を要することなく、通常の押出と同様の条件を採択
しつつ、押出材表面の再結晶組織層の厚さを0.05〜
0.15mm程度以下に抑制したものとなしうる。
【0012】
【作用】ダイス通過直後に押出材の表面に液体窒素を吹
付けるから、押出材表面が急冷され、押出後の押出材の
表面再結晶が抑制されたものとなり、溶接時における熱
影響部の溶接割れが抑制される。
【0013】
【実施例】Mg:4.5wt%を含有するA5083合金
を用いて製作した2個のビレットにつき、同一条件で均
質化処理を実施した。
【0014】次に、一方のビレットについてはビレット
加熱温度:480℃、押出製品速度:3.2m/分の押
出条件で厚さ6mmのフラットバーに押出すとともに、
ダイス通過直後に押出材の表面に液体窒素を吹付けて急
冷した。このときの押出材の温度(プラテン出口の温
度)は420〜450℃であった。この押出材の表面再
結晶組織層の厚さを測定したところ約0.1mmであっ
た。
【0015】また、他方のビレットについては、ビレッ
ト加熱温度:480℃、押出製品速度:2.6m/分の
押出条件で厚さ6mmのフラットバーに押出した。ダイ
ス通過直後における液体窒素の吹付けによる冷却は行わ
なかった。この押出材の温度は510〜520℃であっ
た。また、この押出材の表面再結晶組織層の厚さを測定
したところ約0.5mmであった。
【0016】次に、各押出材につき、同一条件でMIG
溶接による衝き合わせ溶接を行ったところ、ダイス通過
直後に液体窒素の吹付けによる冷却を行った本発明実施
品については、溶接割れの発生は全く認められなかった
のに対し、ダイス通過直後の冷却操作を行わなかった比
較品については、熱影響部に微細な割れが発生してい
た。
【0017】従って、本発明によれば、表面再結晶を抑
制しえて溶接割れを改善しうることを確認しえた。
【0018】
【発明の効果】この発明は、上述の次第で、Mg:3.
0〜6.0wt%を含有するAl−Mg系合金ビレットを
押出ダイスから押出したのち、ダイス通過直後に押出材
の表面に液体窒素を吹付けることを特徴とするものであ
るから、ダイス通過直後の押出材の表面が急冷される結
果、表面再結晶を抑制しえて押出材の表面再結晶組織層
の厚さを薄くすることができる。このため表面再結晶組
織層の厚さが厚いために従来生じていた熱影響部におけ
る溶接割れをなくすことができ、Al−Mg系合金押出
材の有する溶接構造材としての利点を存分に発揮させる
ことができる。しかも、ダイス通過直後に押出材の表面
に液体窒素を吹付けることで、押出材の表面再結晶を抑
制するものであるから、押出速度の低下やビレット長さ
の短尺化を必要とすることなく押出を行うことができ、
歩留生産性の低下を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施する一例としての押出装置の断
面図である。
【符号の説明】
1…押出用ダイス 6…液体窒素送給管

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 Mg:3.0〜6.0wt%を含有するA
    l−Mg系合金ビレットを押出ダイスから押出したの
    ち、ダイス通過直後に押出材の表面に液体窒素を吹付け
    ることを特徴とする溶接割れを改善した溶接構造用Al
    合金押出材の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013212525A (ja) * 2012-04-03 2013-10-17 Sankyo Tateyama Inc マグネシウム合金押出材の製造方法
WO2016159361A1 (ja) * 2015-04-03 2016-10-06 株式会社Uacj 耐食性および加工性に優れたアルミニウム合金管およびその製造方法

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