JPH057924A - 押出用ホローダイス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 雄型（２）が、外筒部材（４）とマンドレル
部材（５）とマンドレル支持部材（６）との組合わせに
よって構成され、マンドレル支持部材（５）の各ブリッ
ジ（８）が押出方向前方に向けて末拡がり状に傾斜され
ている。 【効果】 押出中、ブリッジ（８）に、その寿命を短く
するような負荷がかかりにくくなり、ダイスを長寿命化
できる。従って、特にＡ７０００系のアルミニウム三元
合金等の押出にも好適に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、アルミニウム等の金
属製の中空型材を押出成形するホローダイスに関する。

【０００２】

【従来の技術】中空型材の押出成形には、一般に、型材
中空部を成形する雄型と、型材外周部を成形する雌型と
の組合わせからなるポートホールダイスが用いられる。
第３図に示されるように、このダイス（51）は、先端部
に型材中空部を成形するベアリング部（52a ）を有する
マンドレル（52）を、放射方向に延びる複数本のブリッ
ジ（53）にて支持した一体構造の雄型（54）と、型材外
周部を成形する成形孔（55）を有する雌型（56）とから
なり、両者を組み合わせてマンドレルベアリング部（52
a ）と成形孔（55）との間に成形用隙間（57）を形成
し、この成形隙間（57）に押出材料を通すことにより中
空型材を成形するものとなされている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
造のホローダイスでは、特に、Ａ７０００系などのアル
ミニウム三元合金や２０００系あるいは５０００系等の
ように、高力ないし比較的高力とされるアルミニウム合
金の押出を行うと、ブリッジ（53）に曲げモーメント、
剪断力等が過大に作用して、ダイス寿命を短くするとい
う欠点があった。この発明は、かかる欠点を除去しうる
ホローダイスを提供することを目的とすする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的において、この
発明は、型材中空部を成形するマンドレルを有する雄型
と、型材外周部を成形する成形孔を有する雌型との組合
わせからなる押出用ホローダイスであって、雄型が、外
筒部材と、マンドレル部材と、マンドレル部材を外筒部
材内に支持する複数本のブリッジを有するマンドレル支
持部材とからなり、各ブリッジが押出方向前方に向けて
末拡がり状に傾斜されてなることを特徴とする押出用ホ
ローダイスを要旨とする。

【０００５】

【作用】上記ダイスでは、各ブリッジが押出方向前方に
向けて末拡がり状に傾斜されていることにより、押出
中、ブリッジへの圧縮力は増加されるが、曲げモーメン
トや剪断力は減少される。これにより、ブリッジは、押
出材料からの負荷に耐えることができて、ダイス寿命が
長期化される。

【０００６】

【実施例】次に、この発明の実施例を説明する。

【０００７】第１図及び第２図に示されるホローダイス
において、（１）は雌型、（２）は雄型である。

【０００８】雌型（１）はその軸芯部に、型材の外周部
を成形する円形の成形孔（３）を有する。雄型（２）
は、外筒部材（４）と、マンドレル部材（５）と、マン
ドレル支持部材（６）との複数部材の組合わせ構成とな
されている。

【０００９】外筒部材（４）は、その内周部（4a）が押
出方向前方に向けてテーパー状に拡径された傾斜面に形
成されている。

【００１０】マンドレル部材（５）は、その先端部に型
材の中空部を成形するベアレリング部（5a）を有すると
共に、その基端部は、段（5b）を介して径大にされた大
径部（5c）に形成されている。

【００１１】マンドレル支持部材（６）は、全体とし
て、前記外筒部材内周部（4a）よりも鋭角の円錐台状に
形成され、その底面に円錐状の金属溶着用凹部（6a）が
形成されている。そして、該マンドレル支持部材（６）
の外周側面に、金属溶着用凹部（6a）内に連通する周方
向４つのポート孔（７）が形成され、これらのポート孔
（７）間に、押出方向前方に向けて末拡がり状に傾斜し
た４つのブリッジ（８）が形成されている。また、該マ
ンドレル支持部材（６）には、その頂面（6b）と金属溶
着用凹部（6a）内とに開口する軸孔（6c）が形成され、
該軸孔（6c）にマンドレル部材（５）の中間部が適合状
態に挿入配置されるものとなされている。また、このマ
ンドレル支持部材（６）の頂面（6b）は平面に形成さ
れ、マンドレル部材（５）の基端大径部（5c）における
段部（6b）が着座されるものとなされている。そして、
該マンドレル支持部材（６）の基部外周面（6d）は、前
記外筒部材（４）の内周傾斜角に一致するもの形成さ
れ、外筒部材（４）の前端内周部（4b）にテーパー嵌合
されるものとなされている。

【００１２】雄型（２）は、マンドレル支持部材（６）
を外筒部材（４）内にその前端開口部から挿入して上記
のようにテーパー嵌合すると共に、マンドレル部材
（５）を、その先端側からマンドレル支持部材（６）の
軸孔（6c）内に挿入し、段部（5b）をマンドレル支持部
材（６）の頂面（6b）に当接せしめた状態にする。この
雄型（２）の前端部に雌型（１）を合わせるとホローダ
イスに組み立てられる。

【００１３】このように、雄型（２）を、外筒部材
（４）、マンドレル部材（５）及びマンドレル支持部材
（６）に分割して構成することにより、これらを一体物
に製作する場合に比べて、ブリッジ（８）を必要量末拡
がり状に傾斜させた雄型（２）を容易に製作実現するこ
とができる。

【００１４】このホローダイスを用いて押出を行うと、
押出中、ブリッジ（８）は、押出材料による負荷を斜め
方向から受けることになり、そのため、ブリッジ（８）
に圧縮力が作用するようになるものの、ブリッジ寿命、
ひいてはダイス寿命を短くする主要因となる曲げモーメ
ントや剪断力による負荷は減少され、その結果ダイスが
長寿命化される。

【００１５】

【発明の効果】上述の次第で、この発明のホローダイス
は、雄型の各ブリッジが押出方向前方に向けて末拡がり
状に傾斜されたものであるから、押出中、ブリッジに圧
縮力が作用するようになるが、ブリッジ寿命、ひいては
ダイス寿命に大きな影響を与える曲げモーメントや剪断
力が減少される。そのため、ブリッジは、押出中、押出
材料による負荷に耐えることができて、特に、Ａ７００
０系などの三元合金や、２０００系あるいは５０００系
等の高力ないし比較的高力とされるアルミニウム合金の
押出においても、ダイス寿命を長く保って押出を行うこ
とができる。

【００１６】しかも、雄型を、外筒部材、マンドレル部
材及びマンドレル支持部材に分割構成していることによ
り、これらを一体物に製作する場合に比べて、ブリッジ
を必要量末拡がり状に傾斜させた雄型を容易に製作実現
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図（イ）は本発明にかかるホローダイスを示す
断面図、図（ロ）は同ダイス後端面図である。

【図２】図１のホローダイスの分解斜視図である。

【図３】図（イ）は従来のホローダイスを示す断面図、
図（ロ）は同ダイスの後端面図である。

【符号の説明】

１…雌型 ２…雄型 ３…成形孔 ４…外筒部材 ５…マンドレル部材 ６…マンドレル支持部材 ８…ブリッジ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 型材中空部を成形するマンドレルを有す
   る雄型と、型材外周部を成形する成形孔を有する雌型と
   の組合わせからなる押出用ホローダイスであって、雄型
   が、外筒部材と、マンドレル部材と、マンドレル部材を
   外筒部材内に支持する複数本のブリッジを有するマンド
   レル支持部材とからなり、各ブリッジが押出方向前方に
   向けて末拡がり状に傾斜されてなることを特徴とする押
   出用ホローダイス。