JPH0579242U - 燃焼装置 - Google Patents

燃焼装置

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JPH0579242U
JPH0579242U JP2235192U JP2235192U JPH0579242U JP H0579242 U JPH0579242 U JP H0579242U JP 2235192 U JP2235192 U JP 2235192U JP 2235192 U JP2235192 U JP 2235192U JP H0579242 U JPH0579242 U JP H0579242U
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裕史 駒木
正登 近藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 バーナ1に供給されるガス流量を直接的に検
出し、このガス流量の検出値に基づき燃焼装置の燃焼制
御を行う。 【構成】 バーナ1に接続されているガス通路4にガス
供給量を開弁量によって制御する比例弁5と、ガス通路
4に流れるガス流量を検出する熱線風速計13を設ける。
制御装置12は熱線風速計13からガス流量の検出信号を受
け、熱交換器3から出る給湯の温度を設定温度にするた
めに必要なガス量(要求ガス量)を演算し、このガス流
量の演算値と熱線風速計13で検出されるガス流量の検出
値とに基づき、ガス流量を要求ガス量にするための比例
弁5の開弁量駆動電流の値をPID等の制御演算により
求め、その求めた開弁量駆動電流を比例弁5に加えて比
例弁5の開弁量を制御し、バーナ1の燃焼制御を行う。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、燃料のガス流量を検出して燃焼量を制御する給湯器や風呂釜等の燃 焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8には燃焼装置として一般的に知られている給湯器の模式構成が示されてい る。同図において、バーナ1の下部側には給排気用のファン2が配置されており 、バーナ1の上方には熱交換器3が配設されている。バーナ1にはガス通路4が 接続されており、このガス通路4内にガス量を開弁量によって制御する比例弁5 が設けられている。
【0003】 前記熱交換器3の入側には給水管6が接続されており、この給水管6には入水 温度を検出する入水温度センサ7と熱交換器3の通水流量を検出する流水量セン サ8とが設けられている。また、熱交換器3の出側には給湯管10が接続されてお り、この給湯管10には出湯温度を検出する出湯温度センサ11が設けられている。
【0004】 この種の給湯器では、最大と最小の燃焼能力が設計段階で与えられており、制 御装置12はこの燃焼能力の範囲内で比例弁5の開弁量を可変制御し、バーナ1の 燃焼制御を行う。
【0005】 前記給湯器の燃焼能力の設定は次のように行われている。まず、比例弁5とバ ーナ1との間の通路で、ガス圧力をマノメータで検出しながら最小燃焼能力に対 応するガス圧力となるように比例弁5の最小開弁量の駆動電流を設定し、次に、 同様にマノメータでガス圧を検出しながら最大燃焼量に対応するガス圧となるよ うに比例弁5の最大開弁量の駆動電流を設定している。この能力設定後、制御装 置12は入水温度センサ7の入水検出温度と、出湯温度センサ11の出湯検出温度と 、流水量センサ8の通水流量の検出値と、リモコン等で与えられる給湯の設定温 度等の情報により出湯湯温を設定温度に近づけるように比例弁5の開弁駆動電流 を求める制御演算を行い、この制御演算によって求めた開弁駆動電流を比例弁5 に加え、給湯器の出湯湯温の制御を行っている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の如く、給湯器の能力を設定する際に、マノメータを用い てガス圧を測定していちいち最大と最小の開弁駆動電流を設定する作業は非常に 面倒であり、また、設定された能力もガス流量に換算したガス圧を基準として与 えたものであるため必ずしも正確でなく、能力設定精度を高めることができない という問題があった。
【0007】 また、燃焼運転に際しても、ガス流量の情報を考慮に入れずに比例弁5の開弁 駆動電流を演算制御して比例弁5の開弁量、つまり、ガス供給量を制御する方式 であるため、燃焼制御の精度をより高めることができず、出湯湯温の制御性能を 高める上でも限界が生じるという問題があった。
【0008】 本考案は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、 給湯器等の燃焼装置の能力設定の面倒を取り除き、ガス流量の情報を制御に反映 して燃焼制御の精度を高めることができる燃焼装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本考案は上記目的を達成するために、次のように構成されている。すなわち、 本考案は、熱交換器への入水温度を検出する入水温度センサと、熱交換器からの 出湯温度を検出する出湯温度センサと、熱交換器の通水流量を検出する流水量セ ンサと、バーナに供給されるガス量を開弁量によって制御する比例弁とを含む燃 焼装置において、バーナに供給されるガス流量を検出するガス流量検出手段と、 前記入水温度センサと出湯温度センサと流水量センサの各検出値および設定温度 とを含む情報から要求熱量を算出する熱量算出部と、熱量算出部で算出された要 求熱量を考慮して要求ガス量を設定する要求ガス量設定部と、前記ガス流量検出 手段で検出されるガス流量が前記要求ガス量に近づく方向に比例弁の開弁量を制 御する開弁量制御部とを有することを特徴として構成されており、また、燃料ガ スのガス種に応じ最大と最小の燃焼能力範囲に基づいて最大と最小のガス流量範 囲を設定し、このガス流量設定範囲を比例弁の開弁量制御範囲として開弁量制御 部に加える制御範囲設定部が設けられていることや、前記ガス流量検出手段の出 力レベルによって燃料ガスのガス種を自動判別するガス種判別部が設けられてい ることも本考案の特徴的な構成とされている。
【0010】
【作用】
上記構成の本考案において、燃焼装置の運転を開始すると、熱量算出部は熱交 換器の入水温度と、出湯温度と、熱交換器の通水流量と、給湯等の設定温度との 情報に基づいて給水温度を設定温度までに高める要求熱量を算出する。そしてこ の算出された要求熱量や燃焼装置の能力やガス種の情報を考慮して要求ガス量設 定部はバーナ燃焼に必要な要求ガス量を設定する。開弁量制御部はガス流量検出 手段によって検出されるガス流量の検出値に基づき、ガス流量が前記要求ガス量 に近づく方向に比例弁の開弁量を制御してバーナの燃焼量を制御する。
【0011】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。なお、本実施例の説明にお いて、従来例と同一の部分には同一符号を付し、その重複説明は省略する。図1 には本考案に係る燃焼装置の一実施例のシステム構成が示されている。この実施 例の燃焼装置も、前記従来例と同様に給湯器を対象に示してある。この実施例に おいて特徴的なことは、ガス通路4内にガス流量検出手段としての熱線風速計13 を設け、さらに、制御装置12内に熱線風速計13によって求められるガス流量の検 出値に基づき燃焼量を制御する特有な燃焼制御部18を設けたことであり、それ以 外の構成は前記従来例とほぼ同様である。なお、図1中、9はファン2の回転を 検出するファン回転センサである。
【0012】 前記熱線風速計13は、図2に示すように、合成樹脂製の中空状のケース14内に ガス流量を検出する風速センサ素子15と、温度補償用センサ素子16とを配設し、 風速センサ素子15側を加熱した状態にしておくことにより、ケース14内を通るガ スの流速に応じて風速センサ素子からの放熱量が変化し、この放熱量の変化を風 速センサ素子15によって電気信号に変換し、温度補償用センサ素子16によって温 度補償されたガス流量の検出信号が制御装置12に加えられる。
【0013】 前記本実施例の特徴的な燃焼制御部18は、図3に示すように、熱量算出部20と 、要求ガス量設定部21と、メモリ22と、ガス種判別部23と、制御範囲設定部24と 、開弁量制御部25とを有して構成されている。熱量算出部20は、入水温度センサ 7から加えられる入水温度と、出湯温度センサ11から加えられる出湯温度と、流 水量センサ8から加えられる熱交換器3の通水流量と、図示されていないリモコ ン等から加えられる給湯の設定温度との情報に基づき、給水温度が設定温度に高 められるのに要する要求熱量をPID、PIDとフィードフォワードとの併用、 フィードフォワード等の所望の制御演算により算出し、その算出結果を要求ガス 量設定部21に加える。
【0014】 メモリ22には使用する各種のガス種ごとに、給湯器の最大燃焼能力に対応する ガス流量と、最小燃焼能力に対応するガス流量と、ガス流量と熱線風速計13のセ ンサ出力の関係を示すデータが予め与えられている。説明を簡単にするために、 使用するガスが都市ガスの13Aガスと6Bガスの場合で説明すると、この場合に は一例として図4に示すようなグラフデータが予めメモリ22に与えられている。 例えば、2.5 号の給湯器を例にした場合、13Aガスでは、最小燃焼能力が4500Kc al/hの熱量に対応するガス流量FALのセンサ出力VALと、最大燃焼能力の熱量 45000Kcal /hに対応するガス流量FAHのセンサ出力VAHの値と、ガス流量が零 のときのセンサ出力VA0との値が与えられており、同様に、6Bガスに対しても 、最小燃焼能力のガス流量FBLに対応するセンサ出力VBLと、最大燃焼能力のガ ス流量FBHに対応するセンサ出力VBHと、ガス流量が零のときのセンサ出力VB0 とがそれぞれ与えられている。
【0015】 一方、ガス種判別部23は熱線風速計13から加えられる信号のレベルと、メモリ 22に記憶されているガス流量とセンサ出力との関係グラフから、使用のガス種を 自動判別する。周知のように、ガス種が異なることによって熱の伝導率が異なっ ており、そのため、ガス種によって風速センサ素子15からの放熱量が異なるため に、ガスが流れているときはもちろんのこと、ガス流量が零の状態でも熱線風速 計13の出力レベルがガス種ごとに異なることになる。この現象を利用し、この実 施例ではガス種判別部23はガス流量が零の状態で熱線風速計13から加えられるセ ンサ出力と、前記ガス流量とセンサ出力との関係グラフデータとを比較してガス 種を判別し(センサ出力がVA0であれば13Aガス、VB0であれば6Bガスと判別 する)、その判別結果を前記要求ガス量設定部21と制御範囲設定部24に加える。
【0016】 制御範囲設定部24は使用するガス種に応じ、ガス流量の制御範囲を設定する。 この制御範囲の設定は、前記メモリ22に記憶されているガス種とセンサ出力との データに基づいて設定する。この設定の仕方として様々な態様が考えられ、例え ば、13Aガスの場合には、給湯器の最小燃焼量のガス流量をセンサ出力VALの値 として設定し、最大燃焼能力に対応するガス流量をVAHとして設定し、同様に、 6Bガスのときには最小燃焼能力のガス流量をVBL、最大燃焼能力に対応するガ ス流量をVBHとしてそれぞれ設定してもよく、あるいは制御範囲の下限と上限を これよりも所定量、例えば制御範囲に対して10〜20%広めにして、13Aガスの場 合はセンサ出力のレベルでVAL′〜VAH′の範囲で与え、6Bガスの場合はVBL ′〜VBH′の範囲で与えることができる。そしてこの設定された制御範囲は要求 ガス量設定部21と開弁量制御部25に加えられる。
【0017】 前記要求ガス量設定部21は前記熱量算出部20の要求熱量を発生させるのに必要 なガス量FG を算出し、このFG が給湯器の制御範囲の下限のガス流量FGL(13 AガスではFAL(又はFAL′)、6BガスではFBL(又はFBL′))と上限のガ ス流量FGH(13AガスではFAH(又はFAH′)、6BガスではFBH(又はFBH′ ))の範囲内に入っているか否かを判断し、FGLとFGHの範囲に入っているとき にはその算出値FG をそのまま要求ガス量FGSP と設定し、FG がFGLよりも小 さいときには下限のFGLの値を要求ガス量FGSP の値として(FGSP =FGL)、 また、FG がFGHを越えているときには上限のFGHを要求ガス量FGSP の値とし て(FGSP =FGH)設定する。そして、その要求ガス量設定値FGSP を開弁量制 御部25に加える。
【0018】 開弁量制御部25は演算部を有し、前記要求ガス量設定部21から加えられる要求 ガス量FGSP と、熱線風速計13から加えられるガスの検出流量とを比較し、バー ナ1に加えられるガス流量が要求ガス量FGSP になるように比例弁5の開弁量、 つまり、比例弁5に加える開弁駆動電流の大きさを例えばPI演算により算出し 、その算出した弁開駆動電流を比例弁5に加え、比例弁5の開弁量を前記制御範 囲設定部24で設定された制御範囲内で制御してバーナ1の燃焼運転を行う。
【0019】 この実施例では前記ガス供給量の制御と並行させて、ファン2の回転を燃焼量 に適したように制御しており、このファン制御部29は、図3に示す如く、要求回 転数設定部26と、ファン回転制御部28とを有して構成される。要求回転数設定部 26は前記熱量算出部20から加えられる要求熱量の算出値を受けて、その要求熱量 の燃焼に必要なファン回転数NSPを設定する。この要求回転数の設定に際しては 、まず、要求熱量FGSP の燃焼に最適なファン2の理論回転数NS を算出し、こ の理論回転数NS がファン2の仕様回転数の上限NH と下限NL との間に入って いるか否かを判断し、入っているときには理論算出値NS をそのまま要求回転数 NSPとして設定する。算出値NS がファン2の回転数の上限NH を越えていると きにはその上限値NH を要求回転数NSPに設定し(NSP=NH )、算出値NS が 下限NL よりも小さいときにはその下限の値NL を要求回転数NSPとして決定す る(NSP=NL )。ファン回転制御部28は要求回転数設定部26で設定された要求 回転数NSPとファン回転センサ9により検出されるファン2の回転数Ni とを比 較し、ファン2の回転数が要求回転数NSPになるようにPI演算等によりファン 2の駆動信号を作り出し、この駆動信号をファン2に加えることにより、ファン 2の回転数をバーナ1の燃焼に適した風量となるように制御する。
【0020】 この実施例は上記のように構成されており、次に、その動作を図5に示すフロ ーチャートに基づき簡単に説明する。まず、制御装置12の電源がオンされてスタ ート状態になると、給湯の設定温度の検出と、熱交換器3に入る入水温度の検出 と、熱交換器3から出る出湯温度の検出と、熱交換器3の通水流量の検出がそれ ぞれ行われ、ステップ105 で、これらの検出値に基づき、熱交換器3に入る水を 設定温度に高めるのに必要な要求熱量が熱量算出部20によってPID、PIDと フィードフォワードの併用、フィードフォワード等の所望の制御演算、この実施 例ではPIDとフィードフォワードとを併用した制御演算式により算出される。
【0021】 次に、ステップ106 で、算出した要求熱量を得るのに必要なガス量FG を算出 する。ステップ107 ではこの算出ガス量FG が制御範囲の上限のガス量FGHより も大きいか否かの判断を行う。FG がFGHよりも大きいときは要求ガス量FGSP をFGHの値として設定する。
【0022】 これに対し、FGHよりもFG が小さいときにはFG が制御範囲の下限のガス量 FGLよりも小さいか否かの判断を行い、FG がFGLよりも小さいときにはFGLを 要求ガス量FGSP の値として設定する。FG がFGLよりも大きくFGHよりも小さ いときにはステップ106 で算出したガス量FG を要求ガス量FGSP として設定す る。次に、ステップ112 で熱線風速計13からの検出信号により現在のガス量FGI を検出し、ステップ113 で、この検出ガス量FGIと前記設定された要求ガス量F GSP との値からPI演算によってバーナ1に供給するガス流量が要求ガス量にな るように比例弁5の開弁駆動電流を求め、これを比例弁5に加えて比例弁5の開 弁量を制御する。
【0023】 一方、ステップ115 では、前記ステップ105 で算出された要求熱量を基に、こ の要求熱量の燃焼に最適なファン2の理論回転数Nを算出する。次に、ステップ 116 でこの算出回転数Nがファン2の仕様で決まる最大回転数NH よりも大きい か否かの判断を行い、NがNH よりも大きいときにはファン2の要求回転数NSP をNH に設定する。NがNH よりも小さいときには、NがNL よりも小さいか否 かの判断を行い、NがNL よりも小さいときにはファン2の要求回転数NSPをN L に設定する。NがNH よりも小さく、かつ、NL よりも大きいときにはステッ プ115 で算出された値Nをファン2の要求回転数NSPの値として設定する。
【0024】 この要求回転数NSPが設定された後、ファン回転センサ9の検出信号により現 在のファン2の回転数Ni を検出し、ステップ122 で、NSPとNi との値により ファン2の回転数が要求回転数NSPになるようにPI演算を行ってファン2の駆 動制御信号を算出する。そして、この算出した駆動信号によりファン2の回転を 制御することで、バーナ1の燃焼に適切な空気が供給されて給湯器の好適な燃焼 運転が行われる。
【0025】 なお、この実施例では使用のガス種が変わるごとに要求ガス量設定部21の演算 式と、ガス流量の上限FGHおよび下限FGLの値と、ファン回転数上限NH および 下限NL の値が変更後のガス種のものに自動的に変わり、同様にバーナ1の燃焼 量とファン2の回転数の制御が行われることになる。
【0026】 本実施例は、ガス流量を熱線風速計13により直接的に検出して燃焼制御を行う ものであるから、出湯温度が設定温度と異なっていたときには出湯温度を設定温 度に一致するようにガス流量を直接的に演算補正することができるので、従来に 比べ、燃焼運転の制御の性能を大幅に高めることができる。
【0027】 また、給湯器のガス供給量の制御範囲を設定する場合にも、ガス流量によって 制御範囲の上限と下限を設定することができるので、従来例のように、マノメー タを用いてガス圧を検出し、このガス圧に基づいて比例弁の開弁量をいちいち調 整設定するという面倒な作業も不要となる。
【0028】 また、この実施例では、ガス種判別部23によって熱線風速計13のレベルから自 動的に使用するガス種を判別できるので、ガス種に応じて器具自身がガス流量の 制御範囲を設定し、ガス種に応じた好適な制御が行われることとなり、確実な、 かつ、精度の高い燃焼制御が可能となる。
【0029】 なお、本考案は上記実施例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り 得る。例えば、上記実施例では、ガス流量検出手段として熱線風速計13を用いた が、図6の(a)に示すような比重フロート式の検出手段を用いることも可能で あり、同図の(b)に示すような圧力センサ式の手段を用いてもよい。比重フロ ート式の検出手段の場合には、フロート30の収容空間部31を設け、この収容空間 部31の壁面側にはガスの流れによって浮上するフロート30の位置を磁気変換方式 やフォトカプラ式やコンデンサ式等によって検出する位置検出手段32を設け、フ ロート30の浮上位置を位置検出手段30で検出することによりガス流量が検出でき る。また、図6の(b)に示す圧力センサ式の場合は、比例弁5とバーナ1との 間のガス通路4に圧力センサ35を設け、ガス流量を圧力に変換して検出すること ができる。
【0030】 また、これらの流量検出手段を用いた場合にも、その流量検出手段の出力レベ ルにより使用するガス種の自動判別が可能となる。例えば、流量検出手段を比重 フロート式のもので構成したときには、ガス種によってガス比重が異なるために 、ガス流量を零にしたとき、あるいは所定の一定流量にしたときにフロート30の 浮上位置が異なることとなり、これにより、ガス種に応じて出力レベルに変化が 生じ、この変化を検出することによりガス種の自動判別が可能となる。また、流 量検出手段として圧力センサ式を用いたときにも、ガス種によって圧力が異なる ことから、同様に、圧力センサの出力レベルを解析することにより、ガス種の自 動判別が可能となる。
【0031】 本実施例ではこのガス種の自動判別をガス流量が零のときのセンサ出力に基づ いて判別したが、ガスが流れている所定の速度のときのセンサ出力レベルに基づ いて判別してもよく、あるいは、ガス流量の複数の位置でセンサ出力の多点検出 を行ってガス流量とセンサ出力との関係グラフを作り出し、この作成したグラフ の曲線パターンと各ガス種のグラフデータパターンとの比較参照を行って使用ガ ス種を自動判別するようにしてもよい。
【0032】 さらに、上記実施例ではガス種を自動判別しているが、例えば、制御装置12や リモコン等にガス種の手動切り換えスイッチを設けておき、給湯器を設置すると きに、使用するガス種に応じて手動スイッチを切り換えてガス種の設定を行うよ うにしてもよい。
【0033】 さらに、上記実施例では基幹のガス通路4に流量検出手段(実施例では熱線風 速計13)を設けたが、低カロリーのガス種と高カロリーのガス種を使用する場合 には、図7に示すように、ガス通路4に対してバイパス通路33を設けることが望 ましい。周知のように、ガス種によって比重が異なるために、低カロリーのガス と高カロリーのガスとではガス流量に大きな差が生じる。このガス種による流量 の比較データが表1に示されている。
【0034】
【表1】
【0035】 この表で、例えば、24号の給湯器における最大燃焼時の流量を見てみると、例 えばプロパンガス(LPガス)を1としたとき、6Bガスでは流量が4.3 倍にな り、いちばん低カロリーの4Cガスでは7.5 倍の流量となる。また、給湯器が2. 5 号の場合の最小燃焼時のガス流量の場合でも同様の比率となる。一方、給湯器 が24号の最大燃焼時に、13Aガスの流量を基準として1とすると、4Cガスでは その3.2 倍の流量となる。また、2.5 号の給湯器で最小燃焼時も同様の比率とな る。
【0036】 このように、ガス種に応じて流量が大きく異なるため、例えば、プロパンガス や13Aガスの流量に合わせてガス通路4の通路面積を設定し、そのガス通路4に 熱線風速計13等の流量検出手段を設けると、プロパンガスや13Aガスの場合には 支障なくガス流量を検出できるのであるが、比重の軽い低カロリーのガス4Cガ スを使用したときにはガス流量が大きすぎて、熱線風速計13等の測定範囲から検 出値が大きく外れてしまい、ガス流量の検出ができなくなるという問題が生じる 。これを避けるために、図7に示すように、バイパス通路33を設け、例えば、こ のバイパス通路33にはダンパや弁等の流路絞り手段34を設け、4Cガス等の低カ ロリーのガス種を使用するときには流路絞り手段34を開いて両方の通路4,33を 通してガスを流し、通路4を通る流れによってガス流量を検出するようにし、高 カロリーのガスを用いるときには流路絞り手段34を閉じ、全てのガスを通路4を 流すようにしてガス流量を検出するようにすることができる。このようにするこ とにより、低カロリーのガスから高カロリーのガスに亙ってガス流量を支障なく 検出することができることとなる。
【0037】 さらに、上記実施例では燃焼装置として給湯器を例にして説明したが、本考案 は風呂釜やガス暖房器等の各種の燃焼装置に適用されるものである。
【0038】
【考案の効果】
本考案は、バーナに供給されるガス流量をガス流量検出手段により直接検出し 、この検出値に基づきバーナの燃焼制御を行うように構成したものであるから、 ガス流量を直接的に可変補正して燃焼量を制御できるので、燃焼制御の精度を格 段に高めることができ、制御性能に優れた燃焼装置の提供が可能となる。
【0039】 また、ガス種ごとにガス流量の最大と最小の制御範囲を設定する制御範囲設定 部を設けたことにより、ガス種が異なってもその使用するガス種に合った制御範 囲を自動的に設定して燃焼制御が行われることとなり、使用上非常に好都合であ る。
【0040】 さらに、ガス種判別部を設けた構成のものにあっては、器具自身が使用するガ ス種を自動判別して、使用するガス種に合わせて、前記ガス流量に基づいた好適 な燃焼制御を行うことができるので、制御の高級化が図れ、制御の精度と信頼性 を十分に高めることができる。
【0041】 さらに、本考案ではガス流量によって制御範囲の最大と最小の値をガス種ごと に設定できるので、従来のようにマノメータ等を用いて比例弁の最大開弁量と最 小開弁量を設定する面倒な設定作業が不要となり、この面倒な作業から解放され ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る燃焼装置の一実施例を示すシステ
ム構成図である。
【図2】同実施例の装置において使用されている熱線風
速計の構成説明図である。
【図3】同実施例の装置を構成する制御部のブロック構
成図である。
【図4】ガス流量とセンサ出力との関係を示すグラフデ
ータの一例である。
【図5】同実施例の動作を示すフローチャートである。
【図6】流量検出手段の他の例を示す説明図である。
【図7】ガス通路にバイパス通路を設けた例の説明図で
ある。
【図8】従来の一般的な燃焼装置のシステム図である。
【符号の説明】
1 バーナ 3 熱交換器 5 比例弁 11 出湯温度センサ 13 熱線風速計 18 燃焼制御部 20 熱量算出部 21 要求ガス量設定部 23 ガス種判別部 24 制御範囲設定部 25 開弁量制御部

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱交換器への入水温度を検出する入水温
    度センサと、熱交換器からの出湯温度を検出する出湯温
    度センサと、熱交換器の通水流量を検出する流水量セン
    サと、バーナに供給されるガス量を開弁量によって制御
    する比例弁とを含む燃焼装置において、バーナに供給さ
    れるガス流量を検出するガス流量検出手段と、前記入水
    温度センサと出湯温度センサと流水量センサの各検出値
    および設定温度とを含む情報から要求熱量を算出する熱
    量算出部と、熱量算出部で算出された要求熱量を考慮し
    て要求ガス量を設定する要求ガス量設定部と、前記ガス
    流量検出手段で検出されるガス流量が前記要求ガス量に
    近づく方向に比例弁の開弁量を制御する開弁量制御部と
    を有する燃焼装置。
  2. 【請求項2】 燃料ガスのガス種に応じ最大と最小の燃
    焼能力範囲に基づいて最大と最小のガス流量範囲を設定
    し、このガス流量設定範囲を比例弁の開弁量制御範囲と
    して開弁量制御部に加える制御範囲設定部が設けられて
    いる請求項1記載の燃焼装置。
  3. 【請求項3】 ガス流量検出手段の出力レベルによって
    燃料ガスのガス種を自動判別するガス種判別部が設けら
    れている請求項1又は請求項2記載の燃焼装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6181556U (ja) * 1984-10-31 1986-05-30
JPH0226132A (ja) * 1988-07-14 1990-01-29 Nec Corp 移動無線通信装置
JPH0293206A (ja) * 1988-09-29 1990-04-04 Toshiba Corp 燃焼装置

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