JPH0578969B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、アナログ電圧信号（以下直流電圧信
号という。）の上昇および下降の変動状態の検出
を行なう電圧変動検出装置に関する。

従来技術 従来、直流電圧信号の変動を検知するには、電
圧値を側定したうえでその変動状態をみるように
しており、そのための回路構成が複雑なものにな
つてしまつている。また、あるシステムにあつて
はその制御内容として必ずしも入力電圧の大きさ
を知る必要がなく、その入力電圧の変動状態が上
昇過程にあるか下降過程にあるかを検知すれば足
る場合がある。

目 的 本発明は以上の点を考慮してなされたもので、
簡単な構成により、直流電圧信号の変動が上昇過
程にあるか下降過程にあるかの状態検出を容易に
行なわせることができるようにした電圧変動検出
装置を提供するものである。

構 成 以下、添付図面を参照して本発明の一実施例に
ついて詳述する。

第１図は直流電圧信号の上昇状態を検出する場
合における本発明による電圧変動検出装置の一実
施例を示すもので、入力直流電圧信号Voを増幅
する第１の増幅器１と、同じくその入力直流電圧
信号Voを一定の遅れ要素をもつて増幅する第２
の増幅器２と、その各増幅された出力電圧V1，
V2を比較する電圧比較器３とによつて構成され
ている。なお、増幅器１，２はその各ゲインが同
一となるように設定されている。また電圧比較器
３は、V1≦V2でローレベル出力を生じ、V1＞
V2でハイレベル出力を生ずるようにそのオフセ
ツト電圧が調整されている。図中OSは、電圧比
較器３に与えられるオフセツト信号である。

このように構成されたものにあつて、いま入力
電圧信号Voが第２図ａに示すように変動した場
合、増幅器１の出力電圧V1は同図ｂに示すよう
に入力電圧信号Voに同期して変動した信号とな
り、また増幅器２の出力電圧V2は同図ｃに示す
ように入力電圧信号VoよりもTdだけ遅れて上昇
および下降が完了する特性をもつた信号となる。
しかして、まず入力電圧信号Voが何ら変動しな
い期間T1にあつては、増幅器１，２の各出力電
圧V1，V2が等しくなるために電圧比較器３の出
力はローレベルとなる。次に入力電圧信号Voが
上昇する期間T2にあつては、増幅器１の出力電
圧V1が入力電圧信号Voと同期して上昇するが増
幅器２の出力電圧V2が一定の遅れをもつて上昇
するために、その期間T2中は常にV1＞V2となつ
て電圧比較器３の出力はハイレベルとなる。次に
入力電圧信号Voが変動することなく一定となる
期間T3にあつては、増幅器１の出力電圧V1がそ
れに同期して一定状態となるが、増幅器２の出力
電圧V2が初期のTd期間では未だ遅延動作中の上
昇段階にあるために、その初期のTd期間中はV1
＞V2となつて電圧比較器３の出力はハイレベル
ととなる。そのTd期間の経過後は増幅器２の出
力電圧V2が一定となつてV1＝V2となるために、
電圧比較器３の出力はローレベルとなる。次に入
力電圧信号Voが下降する期間T4にあつては、増
幅器１の出力電圧V1がそれに同期して下降する
が増幅器２の出力電圧V2が一定の遅れをもつて
下降するために、その期間T4中は常にV1＜V2と
なつて電圧比較器３の出力はローレベルとなる。
次に入力電圧信号Voが一定となる期間T5にあつ
ては、増幅器２の出力電圧V2が初期のTd期間で
は未だ遅延動作中の下降段階にあるために、初期
のTd期間中はV1＜V2となつて電圧比較器３の
出力はローレベルとなる。また、そのTd期間の
経過後にはV1＝V2となつて電圧比較器３の出力
はローレベルに保持される。したがつて、電圧比
較器３からは入力電圧信号Voの変動に応じて第
２図ｄに示すように変化する２値出力信号Ｃが得
られることになる。

このように本発明による電圧変動検出装置で
は、電圧比較器３の出力がハイレベルになること
によつて入力電圧信号Voの変動が上昇状態にあ
ることを検出することができるようになる。また
その際、電圧比較器３における反転差動電圧の値
を低く設定することにより高感度な検出を行なわ
せることができるようになるとともに、増幅器２
における遅延時間Tdの最適設定を行なわせるこ
とにより入力電圧信号Voの微少な変動や長い周
期の変動を除去することができるようになる。

第５図に、増幅器１，２部分をそれぞれ演算増
幅回路によつて構成したときの具体的な回路構成
例を示している。演算増幅器OP２側には、その
帰還抵抗と並列に遅延要素ｃが設けられている。
またこの回路構成では各演算増幅器OP１，OP２
のオフセツト電圧を適宜選定することによつて、
電圧比較器３におけるオフセツト電圧を省略する
ようにしている。

また第３図は直流電圧信号の下降状態を検出す
る場合における本発明による電圧変動検出装置の
一実施例を示すもので、この場合は電圧比較器
３′における極性を第１図の場合とは逆になるよ
うにしている。しかしてこの場合には電圧比較器
３′は、V1≧V2でローレベルを生じ、V1＜V2で
ハイレベルを生ずるようになり、その結果第４図
に示すように、電圧比較器３′からは入力電圧信
号Voの変動に追従してその下降期間T4および次
の期間T5にまたがる増幅器２の遅れに応じたTd
期間だけハイレベルとなる出力信号C′が得られる
ことになる。したがつて、その電圧比較器３′の
出力を監視することによつて入力電圧信号Voの
変動が下降状態にあることを検出することができ
るようになる。

第６図に、本発明による電圧変動検出装置を、
例えば自動車走行時に障害物の検知を行なわせる
ような物体検知システムにおいて実際に使用した
ときのシステム構成例を示している。これは、一
定の周波数信号を発生する発振器４と、その発振
器４の出力側に設けられた抵抗分割回路からなる
ネツトワーク５およびその分割点に接続された電
極板からなるセンサＳと、そのネツトワーク５か
らの高周波出力電圧のノイズ除去および増幅の処
理を行なわせる帯域ろ波増幅器６と、その増幅出
力信号の検波を行なう検波器７と、その検波され
た電圧信号の下降状態をみてセンサＳに対する物
体Ｏの接近を検出して予め設定された条件を越え
る電圧下降があれば警報器１０のドライバ９に警
報指令を与える電圧変動検出回路８とによつて構
成されている。しかしてこのように構成されたも
のにあつては、センサＳに対して物体Ｏが接近す
るにしたがつて両者間の浮遊容量Cdが大きくな
つてネツトワーク５の出力周波数信号が減衰し、
その減衰に応じた検波器７における出力電圧の下
降状態が電圧変動検出回路８によつて検出され、
必要に応じて警報器１０を動作させて物体Ｏが接
近状態にあることを報知させるようにしている。

効 果 以上、本発明による電圧変動検出装置にあつて
は、簡単な構成によつて直流電圧信号の変動が上
昇過程にあるか下降過程にあるかの状態検出を容
易に行なわせることができるという優れた利点を
有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による電圧変動検出装置の一実
施例を示すブロツク構成図、第２図は同実施例に
おける各部信号のタイムチヤート、第３図は本発
明の他の実施例を示すブロツク構成図、第４図は
同実施例における各部信号のタイムチヤート、第
５図は本発明の具体的な回路構成例を示す図、第
６図は本発明による電圧変動検出装置の実際の使
用例を示すブロツク構成図である。 １……増幅器、２……遅延増幅器、３，３′…
…電圧比較器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ アナログ入力電圧信号を増幅する第１の増幅
   器と、そのアナログ入力電圧信号を一定の遅れ要
   素をもつて増幅する前記増幅器と同一ゲインをも
   つた第２の増幅器と、各増幅器によつてそれぞれ
   増幅された出力電圧を比較して、第１の増幅器の
   出力電圧が第２の増幅器の出力電圧よりも大きく
   なつて前記アナログ入力電圧信号が上昇過程にあ
   る状態になつているあいだ、または第２の増幅器
   の出力電圧が第１の増幅器の出力電圧よりも大き
   くなつて前記アナログ入力電圧信号が下降過程に
   ある状態になつているあいだハイレベル出力を生
   ずるようにオフセツト電圧が与えられた電圧比較
   器とによつて構成された電圧変動検出装置。