JPH0578427A - 高ニトリル系樹脂の製造方法 - Google Patents
高ニトリル系樹脂の製造方法Info
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- JPH0578427A JPH0578427A JP3237665A JP23766591A JPH0578427A JP H0578427 A JPH0578427 A JP H0578427A JP 3237665 A JP3237665 A JP 3237665A JP 23766591 A JP23766591 A JP 23766591A JP H0578427 A JPH0578427 A JP H0578427A
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Abstract
含む高ニトリル系樹脂の製造に於て、乳化重合して得ら
れた樹脂ラテックスに硫酸アルミニウムと硫酸マグネシ
ウムの混合物を加えて凝固後、水洗するに際して、水洗
水のpHを塩基性物質により4〜7とすることを特徴と
する高ニトリル系樹脂の製造方法。 【効果】本発明の高ニトリル系樹脂は熱成形加工による
耐衝撃性の低下も殆ど無く、透明性に優れ、樹脂の黄変
も小さく、焼けも少なく、成形機の掃除も容易であると
いう効果を有する。
Description
性と加工性をバランスよく備えた、ジエン系ゴムに不飽
和ニトリル及び不飽和ニトリルと共重合可能な単量体を
グラフト共重合させて得られる高ニトリル系樹脂の製造
方法に関する。
るバリヤー性、そして耐溶剤性に優れた熱可塑性樹脂で
あり、近年食品や農医薬品、化粧品等の分野での包装材
料として、その実用価値が認められている。このような
樹脂の一般的な製造方法として、乳化重合によって得ら
れた樹脂ラテックスに、無機塩類等の凝固剤を適当量加
えてペースト状とし、これをストランド状に熱水中に入
れて凝固させ、水洗し、得られるスラリーを濾過、乾燥
して固体重合体を回収する方法がよく知られている。
象とする高ニトリル系樹脂の製造においては、凝固剤と
して入手し易く且つ安価な硫酸アルミニウムを使用して
通常に水洗し、乾燥した場合、回収した重合体を加熱溶
融混練すると耐衝撃性の低下及び樹脂の黄変、光沢の減
少、更に成形機内での樹脂の焼け等の問題点があった。
類、例えば硫酸マグネシウムを使用した場合には、得ら
れた樹脂の初期着色は硫酸アルミニウムを使用した場合
よりも低く抑えられるが、成形機内での熱履歴による樹
脂の黄変度が大きいという問題点があった。
例えばABS樹脂等があり、特開昭58−147414
号公報には、燐酸による粒径肥大化ゴム弾性体ラテック
スを使用した場合、樹脂の表面外観の悪化等の問題があ
るが、アルカリ土類金属塩を用いての樹脂ラテックスの
凝固時、叉は水洗時に系のpHを4〜7に酸を用いて調
整することで改善されること、叉、特開平1−2170
05号公報には、レドックス系開始剤を用いて製造した
ABS樹脂ラテックスをアルカリ土類金属塩を用いて凝
固した後、水洗する際に洗浄水のpHを酸を用いて7以
下にすることによりABS樹脂粉末の熱安定性(乾燥工
程)が改良される等の方法が提案されている。
特定の重合開始剤等を使用した場合についてのものであ
り、制限される部分が多く、本発明に於ける樹脂への効
果は十分とは言えない。
昭59−24710号公報には、ABSまたはMBS樹
脂を他の樹脂と混合して用いた場合の混練不足や樹脂表
面外観上の問題について、樹脂ラテックスの凝析スラリ
ーのpHを6以下にすることにより改良する方法が提案
されている。
ないことを特徴としており、本質的には副原料等の除去
が出来ず、これによる問題発生を包含している為、改良
効果は十分とは言えない。
加工性が良く、透明性に優れ、熱成形加工による耐衝撃
性の低下、樹脂の黄変の少ない高ニトリル系樹脂の製造
方法を提供することにある。
フト重合で得られる熱可塑性樹脂ラテックスからの重合
体の回収操作において、凝固剤として硫酸アルミニウム
を使用し、通常に水洗乾燥した場合、副原料である乳化
剤と凝固剤が反応し、その生成物が樹脂中に残存し易
く、且つ成形加工時の熱により劣化・分解するために上
記のような欠点を引き起こしていることを突き止め、上
記凝固剤を使用して凝固せしめた後、水洗水のpHを塩
基性物質によって4〜7にして水洗し、乾燥した場合、
上記生成物が樹脂中に残存しにくくなり、熱成形加工に
よる樹脂の耐衝撃性の低下が殆ど認められず、樹脂の黄
変も小さく、又、成形機内での樹脂の焼けも少なく、樹
脂の金属からの剥離性も良好で、成形後の成形機の掃除
もし易くなることを見いだした。
凝固剤として、硫酸アルミニウムと硫酸マグネシウムの
混合物を使用して凝固せしめた後、水洗水のpHを塩基
性物質によって4〜7にして水洗し、乾燥した場合、上
述した効果に加え、凝固剤に硫酸アルミニウムを使用し
て水洗水のpHを4〜7にして水洗・乾燥した場合より
もさらに樹脂の透明性が向上すること、そして凝固剤に
硫酸マグネシウムを使用して水洗水のpHを4〜7にし
て水洗・乾燥した場合にニトリル基に起因すると推定さ
れる熱変色(黄変)が起こるが、これをも抑えることを
見いだし、本発明を完成するに至った。
不飽和ニトリルを含み、該不飽和ニトリルと共重合可能
な単量体1種以上からなる単量体混合物100重量部
を、ジエン合成ゴム1〜40重量部の存在下に、重合開
始剤を添加して乳化グラフト重合して得られる高ニトリ
ル系樹脂の製造方法に於て、得られたpH2〜7の重合
体ラテックスを、凝固剤として硫酸アルミニウムと硫酸
マグネシウムの混合物を使用して重合体を凝固させ、且
つ該凝固重合体を水洗するに際して、その水洗水のpH
を塩基性物質によって4〜7とすることを特徴とする高
ニトリル系樹脂の製造方法である。
発明に用いる不飽和ニトリルとしては、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル
等が挙げられ、好ましくはアクリロニトリル、メタクリ
ロニトリルである。
としては不飽和カルボン酸エステル、芳香族ビニル化合
物、ビニルエーテル、ビニルエステル、α−オレフィン
等の1種叉はそれ以上からなる単量体である。
は、1.3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等
のジエン系単量体の重合体叉は共重合体が挙げられる。
叉、ジエン系合成ゴム以外にも耐候性に優れるアクリル
ゴム等を使用しても良い。
割合の不飽和ニトリルとこれと共重合性の他の単量体成
分を、予め形成したジエン系合成ゴムに乳化グラフト重
合することによって得られるものであり、一般的に知ら
れた乳化重合法により、酸素を除去して約0〜100℃
の温度で、単量体及び、他の成分の回分式、連続式叉は
分割式添加によって重合することが出来る。
し、用いる重合開始剤としては、例えば過硫酸、過酢
酸、及び過フタル酸等の過酸、過硫酸カリウム等の過酸
塩、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、過酸化クロルベン
ゾイル、過酸化ブロムベンゾイル、過酸化ナフチル、過
酸化アセチル、過酸化ベンゾイルアセチル、過酸化ラウ
リル、過酸化サクシニル、過酸化ジ−t−ブチル、過酸
化ジクミル、ヒドロ過酸化クミル、過酸化t−ブチル、
過酸化ナトリウム、過酸化バリウム等の過酸化物、ヒド
ロ過酸化t−ブチル等のヒドロ過酸化アルキル、アゾビ
スイソブチロニトリル等のアゾ化合物が挙げられ、これ
らは単独、あるいは2種以上の混合物で使用することが
できる。
界面活性剤が好ましく、例えば脂肪酸塩類、高級アルコ
ールの硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩
類、脂肪族アミン及び脂肪族アマイドの硫酸塩類、脂肪
族アルコールリン酸エステル塩類、二塩基性脂肪酸エス
テルのスルホン酸塩類、脂肪族アミドスルホン酸塩類、
ホルマリン縮合のナフタリンスルホン酸塩類等が挙げら
れる。
ルキルメルカプタン類で、例えばn−ドデシルメルカプ
タン、tert−ドデシルメルカプタン、n−ドデシル
チオールアセテート、ペンタエリスリトールテトラキス
(β−メルカプトプロピオネート)、リモネンジメルカ
プタン等が挙げられる。
る塩基性物質としては、アルカリ金属の水酸化物叉は酸
化物、アルカリ土類金属の水酸化物叉は酸化物、弱酸の
塩類等が挙げられ、好ましくはアルカリ金属の水酸化物
である。
上述した原料を用いて、一般的に知られた乳化重合法に
より樹脂ラテックスとして得られ、これに凝固剤として
硫酸アルミニウムと硫酸マグネシウムの混合物(以下
「凝固剤混合物」という)を使用して従来公知の塩析方
法で凝固させることが出来る。例えばラテックスと該凝
固剤混合物をスクリューポンプの混合室中に連続的に導
入し、混合によって生成したペースト状物をストランド
状として、樹脂の軟化温度に近い熱水中に入れて凝固さ
せる方法により、重合体を回収することが出来る。ある
いは、スタティック・ミキサー等の混合器によりラテッ
クスと該凝固剤混合物を混合しても良い。
%が好ましく、一方の凝固剤である硫酸アルミニウムと
硫酸マグネシウムの混合物は水溶液の形で使用するが、
ラテックスへの添加量はラテックス固形分に対して硫酸
アルミニウムと硫酸マグネシウムの混合物の純分で2〜
5重量%が好ましく、さらに硫酸アルミニウムを少なく
とも1重量%含むことが好ましい。従って、該凝固混合
物中の硫酸アルミニウムの割合は20%以上となる。該
凝固混合物中の硫酸アルミニウムの割合が20%より少
ないと、硫酸マグネシウムのみを使用した場合と同様な
樹脂の熱変色(黄変)が起こり易い為、好ましくない。
で水洗される。この場合、その水洗水のpHを塩基性物
質により、4〜7の範囲、好ましくは5〜6の範囲に調
節して水洗される。pH値が4未満であると、得られた
樹脂の色相が茶褐色に変化して熱変色も大きく、且つ成
形時の樹脂の焼けを引き起こす。叉、7を越えると樹脂
が黄変して熱変色が大きく、且つ衝撃強度、透明性が劣
化する為、ともに好ましくない。この後、濾過、乾燥さ
れて重合体を得る。
系樹脂は、既知の熱可塑性樹脂材料を使用する従来の成
形法、例えば押出成形、射出成形、ブロー成形等により
容易に熱成形しうる熱可塑性樹脂であり、蒸気、ガスに
対する高いバリヤー性、優れた耐溶剤性、耐衝撃性を有
し、更に透明性に優れるので、特にビン、フィルム及び
その他の種類の液体・固体用包装容器材料として有用で
ある。
例中の「部」及び「%」はいずれも重量基準による。
て、窒素置換により酸素を除去し、攪拌下50℃で20
時間重合を行った。 アクリロニトリル 30 部 1,3−ブタジエン 70 部 脂肪酸石鹸 2.4 部 アゾビスイソブチロニトリル 0.3 部 t−ドデシルメルカプタン 0.5 部 水 200 部 単量体添加率は90%で、ラテックスの固形分濃度は3
0%であった。
除去し、攪拌下60℃で4時間重合を行った。 水 210 部 アクリロニトリル 70 部 アクリル酸メチル 30 部 上記(A)のラテックス 33 部 ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 1.0 部 ポリビニルピロリドン 0.4 部 過硫酸カリウム 0.06 部 n−ドデシルメルカプタン 1.3 部 単量体の転化率は90%で、得られたラテックスのpH
値は7、固形分濃度は30%であった。
アルミニウムと硫酸マグネシウムの混合物の水溶液を、
ラテックス中の固形分に対して全体の純分で3.5%加
えてペースト状とし、75℃の温水中にストランド状で
入れて凝固させた。このうち硫酸アルミニウムは1.0
%、硫酸マグネシウムは2.5%とした。この時の凝固
物のpH値は1.5であった。次いで、凝固物を水洗槽
中で水洗した。この際に1重量%水酸化ナトリウムで水
洗水のpH値を6に調整した。水洗後、濾過、乾燥して
樹脂を得た。
シートを作成し、このロールシートを更に174℃、1
00kg/cm2Gで加圧成形して、透明なプレスシー
トを得た。得られたプレスシートをASTM D256
に準じて、23℃、3.83kg荷重でのノッチ付アイ
ゾッド衝撃値(Izod)を測定し、光学特性としてA
STM D1925に準じて黄変度(YI=Yello
wness Index)を測定、透明性としてAST
M D1003に準じて霞度を測定した。又、成形時の
熱変色に対応する試験として、通常のプレスシート成形
条件である174℃×4分を、184℃×10分にして
黄変度を測定した。結果を〔表1〕に示す。
性及び成形機の掃除のし易さを評価するために、30m
mφ押出機にて温度230℃、スクリュー回転数45r
pmで1時間樹脂を流し、過酷な温度条件下での樹脂の
焼けの状態及び掃除のし易さ(スクリュー、ダイス等か
らの付着樹脂の除去し易さ)等を評価した。この結果を
〔表2〕に示す。
中の固形分に対して純分で硫酸アルミニウムを2.0
%、硫酸マグネシウムを1.5%とした点を除いては、
実施例1と同様にして樹脂を製造した。得られた樹脂に
ついて、実施例1と同様に各種の評価試験を行った。結
果を〔表1〕、〔表2〕に示す。
みを使用し、添加量をラテックス中の固形分に対して純
分で3.5%とした点を除いては、実施例1と同様にし
て樹脂を製造した。得られた樹脂について、実施例1と
同様に各種の評価試験を行った。結果を〔表1〕、〔表
2〕に示す。
みを使用し、添加量をラテックス中の固形分に対して純
分で3.5%とした点を除いては、実施例1と同様にし
て樹脂を製造した。得られた樹脂について、実施例1と
同様に各種の評価試験を行った。結果を〔表1〕、〔表
2〕に示す。
わない点を除いては、実施例1と同様にして樹脂を製造
した。尚この時の水洗水のpH値は2であった。得られ
た樹脂について、実施例1と同様に各種の評価試験を行
った。結果を〔表1〕、〔表2〕に示す。
調整した点を除いては、実施例2と同様にして樹脂を製
造した。得られた樹脂について、実施例1と同様に各種
の評価試験を行った。結果を〔表1〕、〔表2〕に示
す。
リル系樹脂は、凝固剤として硫酸アルミニウム、硫酸マ
グネシウムを併用することにより、各々を単品で用いる
場合に比べ、熱成形加工による耐衝撃性の低下が殆ど認
められず、透明性に優れ、成形加工時の熱履歴による樹
脂の黄変も小さく、更に成形機内での樹脂の焼けも少な
く、樹脂の金属からの剥離性も良好で、成形後の掃除も
容易であるという優れた効果を有している。
Claims (2)
- 【請求項1】 少なくとも50重量%の不飽和ニトリル
を含み、該不飽和ニトリルと共重合可能な単量体1種以
上からなる単量体混合物100重量部を、ジエン合成ゴ
ム1〜40重量部の存在下に、乳化グラフト重合して得
られる高ニトリル系樹脂の製造方法に於て、得られたp
H2〜7の重合体ラテックスに、凝固剤として硫酸アル
ミニウムと硫酸マグネシウムの混合物を使用して重合体
を凝固させ、且つ該凝固重合体を水洗するに際して、そ
の水洗水のpHを塩基性物質によって4〜7とすること
を特徴とする高ニトリル系樹脂の製造方法。 - 【請求項2】 凝固剤が、重合体ラテックスの固形分に
対して硫酸アルミニウムを少なくとも1重量%含む硫酸
アルミニウムと硫酸マグネシウムの混合物である請求項
1記載の高ニトリル系樹脂の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03237665A JP3080717B2 (ja) | 1991-09-18 | 1991-09-18 | 高ニトリル系樹脂の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03237665A JP3080717B2 (ja) | 1991-09-18 | 1991-09-18 | 高ニトリル系樹脂の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0578427A true JPH0578427A (ja) | 1993-03-30 |
JP3080717B2 JP3080717B2 (ja) | 2000-08-28 |
Family
ID=17018695
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03237665A Expired - Lifetime JP3080717B2 (ja) | 1991-09-18 | 1991-09-18 | 高ニトリル系樹脂の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3080717B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002130553A (ja) * | 2000-10-26 | 2002-05-09 | Ck Kinzoku Kk | 樹脂被覆継手 |
JP2012126903A (ja) * | 2010-12-15 | 2012-07-05 | Arkema France | コア−シェル耐衝撃性改良剤と、加水分解性に優れた耐衝撃性に優れた熱可塑性組成物の製造方法 |
-
1991
- 1991-09-18 JP JP03237665A patent/JP3080717B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002130553A (ja) * | 2000-10-26 | 2002-05-09 | Ck Kinzoku Kk | 樹脂被覆継手 |
JP2012126903A (ja) * | 2010-12-15 | 2012-07-05 | Arkema France | コア−シェル耐衝撃性改良剤と、加水分解性に優れた耐衝撃性に優れた熱可塑性組成物の製造方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3080717B2 (ja) | 2000-08-28 |
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