JPH0578363U - 溶銑鍋移送台車の停止位置検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶銑鍋をトラブルなく所定の位置に停止す
る。 【構成】 地下ピット７に設置された移送台車６の後部
およびピット壁７ａにそれぞれ軸受10を配設する。中央
ピン３を介して連結された２本のリンク式アーム１が下
部に固定したピン２、４を介して前記軸受10に支持され
る。ピン２に角度検出器５を接続し、台車６が実線で示
す位置から点線で示す位置に往復移動するとリンク式ア
ーム１が拡張、縮小するが、このときのピン２の回動角
度を角度検出器５で検出し、これによって移送台車６を
所定位置に正確に停止させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、溶銑を受銑するため地下ピット内に設置され、溶銑鍋を搭載して鍋 受銑位置と鍋吊り上げ位置との間を往復移動する溶銑鍋移送台車の停止位置検出 装置の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、溶銑を受銑するため地下ピット内を走行する移送台車の位置検出は、一 般的にはリミットスイッチによって行われていた。この方式では、(1) 停止位置 の数だけリミットスイッチを設置する必要があり、補修に手間がかかる。(2) 溶 銑払出し時に飛散する地金及びスラグがリミットスイッチやストライカーに付着 し、頻繁に補修や交換を行わなければならない。また、(3) リミットスイッチの 補修を行う場合、リミットの位置によっては、溶銑払出しピットの受銑位置近傍 まで立ち入らなければならないこともあり、ピット壁に付着した地金落下の危険 に作業者がさらされることがある。

【０００３】 また、別の方法として、台車の車軸もしくは駆動装置の軸端に位置検出用の発 振器を取り付け台車の位置制御を行う方法がある（実開昭57-86065公報参照）。 しかるにこの方式では、(4) 台車の車輪がスリップした場合に停止位置が正確に 検出されないことがある。さらに、この方法では、(5) 位置検出補正用のリミッ トスイッチを設置し、原点補正を行うことが必要であるが、台車に設置したスト ライカーに地金が付着して補正が行えないことがある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は前記の事情にかんがみてなされたものであり、(1) 停止位置の数だけ リミットスイッチを設置することなく、補修に手間がかからず、(2) 溶銑払出し 時に飛散する地金及びスラグの付着による影響が無く、(3) 作業者が溶銑払出し ピットの受銑位置近傍まで立ち入り補修することなく、したがって、作業者への 地金落下の危険が無く、かつ、(4) 台車車輪がスリップしても停止位置が正確に 検出され、(5) 位置検出補正用のリミットスイッチが不要で、原点補正を行う必 要が無く、したがって、台車にストライカーを設置する必要のない溶銑鍋移送台 車の停止位置検出装置を提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するための本考案は、溶銑を受銑するための地下ピット内に設 置され、溶銑鍋を搭載して鍋受銑位置と鍋吊り上げ位置との間を往復移動する溶 銑移送台車の停止位置検出装置において、前記台車の後端部および鍋吊り上げ側 のピット壁にそれぞれ配設した軸受と、前記各々の軸受に台車側ピンおよびピッ ト側ピンを介して支持され、中央ピンを介して回動自在に連結されたリンク式ア ームと、前記リンク式アームのピット側ピンに接続され、前記リンク式アームの 拡縮に伴う台車停止位置を検出するための角度検出器とを備えたことを特徴とす る溶銑鍋移送台車の停止位置検出装置である。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の構成および作用を図面に基いて説明する。図１は本考案の装置 を示す側面図であり、図２は図１ののＡ−Ａ矢視を示す正面図であり、図３は図 ２のＡ部を示す部分拡大正面図である。

【０００７】 図１および図２に示すように地下ピット７内には、溶銑鍋９を搭載した移送台 車６が設置されており、この移送台車６は図示を省略した駆動装置により軌道12 上を点線で示す鍋受銑位置と実線で示す鍋吊り上げ位置との間を往復するように なっている。移送台車６の後端部および鍋吊り上げ側のピット側壁７ａの下部に はそれぞれブラケット13が取付けてあり、両ブラケット13にはそれぞれ軸受10が 配設してある。

【０００８】 各軸受10には、中央ピン３で回動自在に連結された２本のリンク式アーム１が 一方の端に固定された台車側ピン４および他方の端に固定されたピット側ピン２ を介して支持されている。このようにしてリング式アーム１の下端部に固定した ピット側ピン２には図３に示すようにカップリング11を介して角度検出器５が接 続されている。

【０００９】 移送台車６が図１で実線で示す鍋吊り上げ位置から点線で示す鍋受銑位置に移 動した場合には、２本のリンク式アーム１は中央ピン３を介して回動し拡張され る。このようにしてリンク式アーム１が拡張する際に、アーム１の下端に固定さ れると共に軸受13に支持された台車側ピン４およびピット側ピン２も回動するこ とになる。

【００１０】 ピット側ピン２にカップリング11を介して接続された角度検出器５ではリンク 式アーム１の拡張に伴うピット側ピン２の回動角度を検出しながらこれを電気信 号に変換して制御装置（図示せず）に入力する。制御装置には鍋吊り上げ位置お よび鍋受銑位置に対応するピット側ピン２の角度が設定されているので、入力さ れる角度信号が鍋受銑位置に対応する設定角度になったら制御装置から停止信号 を出し、駆動装置を停止すると共にブレーキを作動して移送台車を停止する。な お角度検出器５はたとえばセルシン式のものが好適であるが、これに限定するも のではなくピンの回動角度を正確に検知できるものであれば適宜のものを使用可 能である。

【００１１】 鍋受銑位置に停止した移送台車６上の溶銑鍋９にトピードカー８からの受銑が 終了したら、移送台車６を鍋吊り上げ位置に移動するとリンク式アーム１は縮小 される。この時、角度検出器５により同様にしてピット側ピン２の回動角度を検 出して移動台車６を鍋吊り上げ位置に停止させ、移送台車６上の溶銑鍋９をクレ ーンで吊り上げ、たとえば転炉工場まで搬送する。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば下記の効果を奏する。 （１）停止位置の数だけリミットスイッチを設置することなく、補修の手間がか からなくなる。 （２）溶銑払出し時に飛散する地金及びスラグの付着による影響が無い。 （３）作業者が補修のために溶銑払出しピットの受銑位置近傍まで立ち入ること なく、したがって、作業者への地金落下の危険が無い。 （４）台車車輪がスリップしても停止位置が正確に検出される。 （５）位置検出補正用のリミットスイッチが不要で、原点補正を行う必要が無く 、したがって、台車にストライカーを設置する必要がない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の装置を示す側面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ矢視を示す正面図である。

【図３】図２のＡ部を示す部分拡大正面図である。

【符号の説明】

１ リンク式アーム ２ ピット側ピン ３ 中央ピン ４ 台車側ピン ５ 角度検出器 ６ 移送台車 ７ 地下ピット ８ トピードカー ９ 溶銑鍋 10 軸受 11 カップリング 12 軌道 13 ブラケット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 溶銑を受銑するため地下ピット内に設置
   され、溶銑鍋を搭載して鍋受銑位置と鍋吊り上げ位置と
   の間を往復移動する溶銑移送台車の停止位置検出装置に
   おいて、前記台車の後端部および鍋吊り上げ側のピット
   壁にそれぞれ配設した軸受と、前記各々の軸受に台車側
   ピンおよびピット側ピンを介して支持され、中央ピンを
   介して回動自在に連結されたリンク式アームと、前記リ
   ンク式アームのピット側ピンに接続され、前記リンク式
   アームの拡縮に伴う台車停止位置を検出するための角度
   検出器とを備えたことを特徴とする溶銑鍋移送台車の停
   止位置検出装置。