JPH0578190A - シリコン単結晶の製造装置 - Google Patents

シリコン単結晶の製造装置

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JPH0578190A
JPH0578190A JP23935091A JP23935091A JPH0578190A JP H0578190 A JPH0578190 A JP H0578190A JP 23935091 A JP23935091 A JP 23935091A JP 23935091 A JP23935091 A JP 23935091A JP H0578190 A JPH0578190 A JP H0578190A
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silicon single
silicon
heat shield
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JP23935091A
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Takeshi Suzuki
威 鈴木
Shuzo Fukuda
脩三 福田
Hiroshi Kamio
寛 神尾
Makoto Suzuki
真 鈴木
Yoshinobu Shima
芳延 島
Yasumitsu Nakahama
泰光 中浜
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大直径で長尺なシリコン単結晶を有転位化現
象を防止して製造する製造装置を提供することを目的と
する。 【構成】 有転位化現象を生じないシリコン単結晶の製
造装置。CCCZ法による製造装置であって、熱遮蔽体
の上方部にその上面又は上面及び内側面上部に開口部を
設け、不活性ガスの全流量の80%以上を該開口部より
流出させ、気相核生成により生じたSiO微粉を該流出
する不活性ガスと同伴して外部へ放出することにより、
単結晶引上げ率を損なうことなくSiO微粉のシリコン
単結晶及び融液への落下、付着を防止し、有転位化現象
の発生を防せぐ。上方部の開口部総面積は50〜800
cm2 の範囲で選択され、内側面上部開口部面積は約2
00cm2 以下で選択される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チョクラルスキー法に
よる大直径シリコン単結晶の製造装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】LSI分野ではシリコン単結晶に要求さ
れる直径は年々大きくなっている。今日、最新鋭デバイ
スでは直径6インチのシリコン単結晶が使われている。
将来直径10インチあるいはそれ以上の直径のシリコン
単結晶、例えば直径12インチのシリコン単結晶が必要
になるだろうといわれている。
【0003】チョクラルスキー法(CZ法)ではシリコ
ン単結晶製造法に関して2通りの考え方がある。るつぼ
を回転させる方法と回転させない方法である。今日では
LSI用に用いられる全てのCZ結晶は、るつぼをシリ
コン単結晶とは逆方向に回転させ、かつ、主にるつぼの
側面を取り囲む電気抵抗加熱体によりるつぼを加熱する
方法により製造されている。
【0004】多くの試みにもかかわらず、るつぼを回転
させない方法、あるいは上記以外の加熱方法で直径5イ
ンチ以上のシリコン単結晶が今迄に作られたことはない
し、今後とも作られることはないだろう。
【0005】この理由は、るつぼの回転無しでは、ある
いは電磁誘導加熱やるつぼの底面からの電気抵抗加熱等
上記以外の加熱方法では、成長するシリコン単結晶に対
して完全に同心円状の温度分布が得られないからであ
る。シリコン単結晶成長は温度に関してきわめて敏感な
のである。
【0006】るつぼが回転するCZ法(以下通常CZ法
という)では、るつぼ回転と電気抵抗側面加熱によりシ
リコン溶融液に強い対流が発生し、シリコン溶融液が良
く撹拌される。この結果直径5インチ以上の大直径シリ
コン単結晶の育成にとり望ましい。即ち均一なそしてシ
リコン単結晶に対して完全に同心円状の溶融液表面温度
分布が得られるのである。従って本発明は通常CZ法を
ベースとする。
【0007】上記のように、通常CZ法と他のCZ法で
は溶融液の流れに大きな違いがある。この違いは結果と
してシリコン単結晶成長条件の大きな違いとなる。従っ
て炉内部品(例えば、ホットゾーン、るつぼ、仕切り部
材等)の作用も両者では大きく異なる。シリコン単結晶
育成に対する考え方が両者では全く異なるのである。
【0008】通常CZ法ではシリコン単結晶成長ととも
にるつぼ中の溶融液が減少する。従ってシリコン単結晶
成長とともにシリコン単結晶中のドーパント温度が上昇
し、酸素濃度が低下する。即ちシリコン単結晶の性質が
その成長方向に変動する。LSIの高密度化と共にシリ
コン単結晶に要求される品質が年々厳しくなるのでこの
問題は解決されねばならない。
【0009】この問題を解決する手段として、通常CZ
法の石英るつぼ内をシリコン溶融液の小孔を有する円筒
状の石英製仕切り部材で仕切り、この仕切り部材の外側
に原料シリコンを供給しながら、仕切り部材の内側で円
柱状のシリコン単結晶を育成する方法が古くから知られ
ている(例えば特許公報 昭40−10184 P1L
20〜L35)。この方法の大きな問題点は特開昭62
−241889号公報(P2 L12〜L16)にも指
摘されている通り、仕切り部材の内側で仕切り部材を起
点としてシリコン溶融液の凝固が発生しやすいことであ
る。この原因は次の通りである。
【0010】光ファイバーに使われていることからも明
らかなように、石英製である仕切り部材は輻射により熱
をよく伝達する。即ちシリコン溶融液中の熱は光として
仕切り部材中を上方に伝達し、仕切り部材の溶融液面上
に露出している部分より放散される。従って仕切り部材
近傍では溶融液温度が大きく低下している。
【0011】さらに通常CZ法では、溶融液の強い撹拌
により溶融液の表面温度は均一でしかも凝固温度との差
は少ない。以上の二つのことが重なり仕切り部材に接触
している溶融液表面は非常に凝固が発生しやすい状態に
なっている。
【0012】特開昭62−241889号公報はこの問
題を避けるため、仕切り部材を使用しない方法を提案し
たものである。しかしこの方法は原料溶解部が狭いた
め、原料溶解能力が極めて小さいので実用化されていな
い。
【0013】仕切り部材を用いかつそれからの凝固の発
生を防止する方法を提案したものとして特開平1−15
3589号公報がある。この公開特許は仕切り部材を熱
遮蔽部材で完全に覆うことを提案している。この方法に
より仕切り部材からの熱の放散は防止できる。従って凝
固の発生は防止できる。しかしシリコン単結晶育成を長
時間にわたり安定して行なうには、この発明ではなお不
十分である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】大直径で長尺なシリコ
ン単結晶を育成する場合、ある時間たつと単結晶に転位
が入ってしまう単結晶の有転位化現象が残された問題と
して大きく浮かび上がってきた。この有転位化現象によ
り、単結晶引上げ確率(1m以上の単結晶が転位無しで
引上がる確率)はかなり低いものとなり、この有転位化
減少を防止しするのが本発明の第一の課題である。
【0015】また、その対策において原料溶解部におけ
る粒状原料の溶解限界が45g/minを下廻わると基
本的に引上げ量に見合う量を連続供給して行くというC
CCZ法においては、例えば6″直径のシリコン単結晶
の場合その引上げ速度が1.0mm/min以下となり
生産性が極めて低下する。この溶解限界45g/min
を確保しつヽ、且つ、前記対策を満足させることが本発
明の第2の課題である。
【0016】従来この有転位化の原因は大別して次のよ
うに考えられていた。即ち 1熱的要因 :・融液温度の不安定によるリメルト ・結晶の受ける熱環境に由来する熱応力 2機械的要因:・プルヘッド部の不調による結晶のずり
落ち 3異物の付着:・長時間高温に保持されたるつぼの劣化
により破片や変質した石英が融液中に混入し異物として
作用 ・粒状原料供給時のスプラッシュと呼ばれる微結晶粒の
飛散 これらの原因に関しては現在に至るまで一つ一つ対策が
講じられ、それぞれ有転位化の確率をそれなりに下げて
きたが、未だ完全に有転位化現象を解決するには至って
いなかった。
【0017】この発明は係る事情に鑑みてなされたもの
であって、シリコン単結晶育成を長時間にわたり安定し
て製造するシリコン単結晶の製造装置を提供することを
目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、シリコン融液
を内蔵する回転型石英るつぼと、前記石英るつぼを側面
から加熱する電気抵抗加熱体と、前記石英るつぼ内で溶
融シリコンを単結晶育成部と原料溶解部とに分割しかつ
溶融液が流通できる小孔を有する石英製仕切り部材と、
前記仕切り部材と前記原料溶解部を覆う熱遮蔽体と、前
記原料溶解部に原料シリコンを連続供給する原料供給装
置と、炉内の圧力を0.1気圧以下に減圧する減圧装置
とを有するシリコン単結晶製造(CCCZ法)装置にお
いて、前記熱遮蔽体に前記単結晶育成部上方より送入さ
れた不活性ガスの全流量の少くとも80%以上の流量を
貫流させるに十分な面積を有する開口部を前記加熱体の
上端部より高い位置に設けたことを特徴とするシリコン
単結晶製造装置によりこれを解決せんとするものであ
り、前記開口部が遮蔽体の上面又は上面及び内側面上部
に配設され、その面積の総和を50cm2〜800cm
2 とすること、内側面上部の開口部面積が200cm2
以下に選択すること、また開口部を複数個に分割するこ
とにより目的を達成することが出来る。
【0019】
【作用】前記の転位化現象に対する原因に関し、本発明
者はこの原因がSiOを主因とする異物の作用によるも
のであることを発見した。即ちSi融液から気相へ蒸発
する代表的な物質として、石英るつぼから溶け出した酸
素と結合したSiOがあり、この融液面から蒸発したS
iOのガスが気相中で冷却されて核生成し、微粉となっ
て析出後、再び融液面に落下し結晶に付着する異物とし
て作用し、シリコン単結晶に有転位化現象を発生させる
ことを発見した。
【0020】実際に析出したSiO微粉が再び落下して
いることについては、CCCZ法操業に用いたモリブデ
ン製熱遮蔽体の先端部に付着したシリコンを含有するシ
ミ状の落下物の形跡及び炉内においてSiO粉が多く発
生したときに、融液面に落下したSiO微粉を核とした
フリーズ片が多くみられることによって明らかとなって
いる。
【0021】単結晶に有転位化現象が起こる確率即ち有
転位化率は (1)気相でSiOが核生成する確率 (2)融液面にSiO微粉が落下する確率 (3)落下したSiO微粉が融けずに単結晶に取り付く
確率 の積として評価される。このうち(3)の確率に関して
は、落下したSiO粉が融液面で再溶融するまでのライ
フタイムによって評価される。例えば融液表面に発生し
たフリーズはやがて結晶に接触するが、表面での融液の
流れに乗って結晶に近づこうとしたり、回転している結
晶からはき出される流れによって結晶から遠ざかろうと
したりして発生以来結晶に接触するにはかなりの時間を
要する。この時間以内に融液へ再溶融してしまえば有転
位化には結びつかない。SiO微粉に関しても同様に考
えられ、落下した微粉が融液へ再溶融すれば有転位化は
起こらない。
【0022】一方、また(1)、(2)の確率に関して
は、核生成は気相中の過冷却によって引き起こされるた
め、気相におけるSiO濃度や温度場によって大いに影
響を受ける。また、気相で生成した微粉は雰囲気ガス流
に同伴して移動するため、液面に落下する確率には炉内
のガス流動状態が非常に大きな影響を与える。従って熱
遮蔽体等のCCCZ法固有の炉内構造は、雰囲気ガスの
流動状態や温度分布に決定的な違いを与え、CZ法とC
CCZ法の有転位化率の差を生じさせる。
【0023】また、気相核生成は基本的には過冷却によ
り引き起こされ、過飽和度を駆動力とするため、過飽和
温度が非常に低く気相温度がそれよりも高い場合には気
相では核生成しない。そこでSiOが過飽和状態になり
得る最高温度を求めた。
【0024】尚、仮定として、 (1)るつぼより溶け出した酸素は100%SiOモノ
マーの形で蒸発し、核生成SiO分子の物理的要因によ
ってのみ生成し化学反応は伴わない。 (2)飽和蒸気圧温度依存性(3)式が融点近傍及び1
336(K)以下でも成立する。 を設けた。 SiO蒸気圧Pは P=P・x ……(1)で表示さ
れる。 Pは純粋液相からのSiO飽和蒸気圧、xは融液中の
SiOモル分率であり、定常状態に於いては一定にな
る。融液中の0濃度を1.5×1018(cm-3)=2.
5×10-6(mol・cm-3)とする。 Si濃度は密度/分子量=0.09(mol/cm3
であるから、x=2.78×10-5となり、(1)式は
P=2.78×10-5……(2) となる。Pに関しては、1336〜1460(K)の
範囲で logP=13.078−16790/T (N/m2 ) ……(3) なる温度依存性が提出されている。これがSi融点近傍
および1336(K)以下においても成立することを仮
定する。
【0025】融液面から蒸発するSiOの蒸気圧Pは、
蒸発面の融液温度を融点温度(1685K)に規定する
と、(2),(3)より3.61×10-3(dyn/c
2 )と算出される。P>Pが過飽和の定義である
故、(3)式に於いて、P=P(=3.61×10-3
(dyn/cm2 ))となる温度を求めると、1156
Kとなり、1156K以上の温度では融液面から蒸発し
たSiOは飽和蒸気圧以下であるため、気相中では過飽
和状態をつくらないことがわかった。すなわち炉内の1
156K(883℃)未満の領域が気相核生成が発生す
る温度領域の指標となる。
【0026】次に、炉内の温度分布及びガスの流動状態
を有限差分法数値解析による計算と実測により求めた。
これにより、SiO微粉がどの領域で発生し、炉内をガ
スに同伴してどのように移動するかがわかった。図6,
9は本発明におけるガス流動状態及び温度分布、図7,
10はCZ法におけるガス流動正体及び温度分布、図
8,図11はCCCZ法におけるガス流動状態及び温度
分布を示す。CZ法においては、有転位化現象が起り難
いという事実から、ガスの流動状態及び温度分布をCC
CZ法の構成要素においてもCZ法における状態と同じ
状態にし得れば有転位化現象の問題は解消する。
【0027】従って、CCCZ法で有転位化を阻止する
ためにガス流を下記により制御するようにした。即ち (1)気相核生成したSiO微粉が融液面に落下しない
ように不活性ガス流の主流の流形を設定する。 (2)低温部分が融液面に近くならないようにする。 (3)蒸発したSiOが低温部分に行かないようにす
る。 (1)は微粉が融液面に落下しないための措置、
(2),(3)は微粉の発生を阻止するための措置であ
る。(2)は(1)と密接に関係があり強いガス流が融
液面近傍を通らないようにすることである。(3)は高
温のまま排出する、或いは低温領域に達するSiO蒸気
が少なくなるようにし、低温領域での濃度を薄くするこ
とで効果が上がる。
【0028】この中で、(1)は最も重要な条件であ
り、主流をCZ法と同様ガスの排出を融液面より外側か
ら排出されるように熱遮蔽体のフランジ部上面又は上面
および内側面上部に開口部を設けることにより実現し
た。このように主流が融液面を直接攻撃しないようにす
ることにより(2)の条件も同時にクリアすることがで
きた。(3)は高温のままSiO蒸気を排出してしまう
と言うことである。CCCZ法ではチャンバー上蓋にS
iO粉がほとんど付着しないことから、融液面近傍を通
過して排出される流れを少くし、主流を高温のまま上部
より排出することによりSiO蒸気を同伴して排出させ
る効果を得た。
【0029】この熱遮蔽体のフランジ部上面および内側
面上部に設けた開口部の大きさを種々に変化してガス流
れ及び温度分布を変えて実験をした。この結果、前記開
口部からの流れ(主流)の割合と単結晶引上げ確率との
間に図12なる関係があることがわかった。尚、実験条
件としてシリコン単結晶直径6″及び8″不活性ガス流
量85NL/min炉内圧力10,20,30Tor
r、るつぼ直径500mm、炉直径840mmとした。
この結果単結晶引上げ確率が80%以上であるためには
不活性ガス流量の80%以上の流量が前記開口部を通り
流出する必要があることがわかった。
【0030】このガス流を得るための開口部の大きさ
は、上記実験条件において50cm2 〜800cm2
ある必要がある。開口部の面積の下限を50cm2 以上
とした根拠は以下の通りである。例えば直径5インチの
シリコン単結晶を育成する場合、仕切り部材8の直径は
30cmである。この場合、仕切り部材8の上端部にお
いて、熱遮蔽体15との間隙24が5mmになることは
ありうる。即ち仕切り部材と熱遮蔽体の間隙の断面積が
約50cm2 になることはありうる。Aの流れが大部分
であるためには、開口部22の面積が上記の値以上でな
ければならない。
【0031】開口部の面積の上限を800cm2 とす
る。これはるつぼを直径22インチ、仕切り部材を直径
16インチ(直径8インチのシリコン単結晶)とした場
合、原料溶解部の液面面積の90%弱に相当する。
【0032】ガス流の点からは大きければ大きい程よ
い、しかし熱遮蔽体15の本来の目的にとっては大きく
なることは望ましくない。即ち、図14に示すように開
口部面積が大きくなるに従い原料溶解部の保温効果が小
さくなり、800cm2 以上にすると粒状原料の溶解限
界が27.2g/minを下迴るため6″直径の引上げ
速度が0.6mm/min以下になってしまい生産性が
落ちることがわかる。即ち本発明者は安定引上げを行う
ためにはSiO微粉を移送するための流量を確保すると
共に原料溶解部の保温効果を充分保つという目的のため
には熱遮蔽体の内側面上部の補助的な関係を設けること
により、この目的を達し得ることを発見した。
【0033】上面に設けた開口部は原料溶解部の表面温
度に及ぼす影響が大きいが、内側面上部に設けた開口部
は原料溶解能力をほとんど下げないことがわかった。従
ってSiO微粉の移送を損なわない範囲で内側面上部開
口部から主流を分岐させることは、前記目的に対し極め
て有効であることを確認した。
【0034】図13は6″直径の単結晶の場合で融液面
と熱遮蔽体の下端とのスキマが20mmの場合、開口部
面積と単結晶引上げ率の関係を表わしたものである。こ
の場合1m以上の長尺単結晶の引上げられる確率(単結
晶引上げ率)が80%以上になるためには開口部面積は
260cm2 以上であることが必要である。
【0035】図14は図13における条件と同一で、不
活性ガスの熱遮蔽体の下端を通る流量の全流量に対する
割合と開口部面積との関係を示すもので、該割合が20
%以下(主流量比80%以上)になるためには260c
2 以上であることが必要であることを示す。
【0036】図15は熱遮蔽体の下端の融液面からの距
離と主流量比が80%になるための開口部面積との関係
を単結晶の直径6″及び8″の場合について求めたもの
である。
【0037】図16は開口部が熱遮蔽体の上面だけに存
在する場合の粒状原料の溶解限度(供給したものが即完
全に溶融するための限度)の関係であって、上面におけ
る開口部のみではその開口部面積が800cm2 を越え
ると27.2g/minと低下し、それに見合う単結晶
引上げ速度が0.6mm/minと低くなり生産性が悪
くなることを示す。
【0038】図17は図16に対し、内側面開口部面積
を増加させて行った場合の単結晶引上げ速度の変化を調
べたものである。(上部開口部面積各400,500及
び600cm2 の場合)このグラフからもわかるように
図16の上部開口部面積の影響に比べて、内側面開口部
面積の単結晶引上速度への影響は鈍感である。
【0039】従って、図16及び図17からSiO微粉
を移送するための流量の確保は内側面開口部による流量
を考慮することにより引上速度を低下することなしに、
確保することが可能となった。即ち、図17の単結晶引
上げ速度1.0mm/min以上になる内側面開口部面
積を選択することにより、且つ、開口部総面積800c
2 に抑えることにより生産性が良く有転位化現象の生
じない大直径で長尺な単結晶を製造することが出来るも
のである。
【0040】
【実施例】以下本発明の一実施例を示す。図1は直径6
インチのシリコン単結晶を育成する場合につき模式的に
示したものである。1は直径が20インチの石英るつぼ
で、黒鉛るつぼ2のなかにセットされている。黒鉛るつ
ぼ2はペデスタル4で支えられている。ペデスタル4は
炉外で電動モータに結合されており、黒鉛るつぼ2に回
転運動(10rpm)を与える働きをする。7はるつぼ
1内に入れられた溶融原料である。これから柱状のシリ
コン単結晶5が回転(20rpm)しながら1.1mm
/minの速度で引き上げられる。3は黒鉛るつぼを取
り囲む電気抵抗加熱体である。不活性ガスは引き上げチ
ャンバー内20の上部から炉内に導入され最終的に炉底
の排出口19から減圧装置(図示せず)により排出され
る。
【0041】炉内(チャンバー上蓋16及びチャンバー
胴17内)の圧力は0.1〜0.01気圧である。以上
は通常のチョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製
造装置と基本的には同じである。8はるつぼ1内にこれ
と同心円に配置された高純度気泡入り石英ガラスからな
る仕切り部材である。その直径35cmである。この仕
切り部材8には小孔10が開けられており、原料溶解部
の溶融原料はこの小孔を通って単結晶育成部に流入す
る。この仕切り部材の下縁部はるつぼ1とあらかじめ融
着されているか、シリコン原料を溶融する際の熱により
融着しており、原料溶解部の高温の溶融原料はこの小孔
のみを通り単結晶育成部に流入する
【0042】14は原料供給装置で、原料溶解部の上方
に開口部を持っており、粒状シリコン原料はこの補給装
置を通って原料溶解部に供給される。供給割合は結晶化
量と等しい量即ち約48g/minである。この原料供
給装置14はチャンバー上蓋16の外部に設けた原料供
給チャンバー(図示せず)に連結されており、原料を連
続的に供給する。
【0043】15は熱遮蔽体であり、板厚0.2mmの
タンタル又はモリブデン板で構成されている。これは仕
切り部材8および原料溶解部からの熱の放散を抑制す
る。22,27が不活性ガスの流路となる開口部であ
る。図2の場合90cm2 の開口部が4箇所に開けられ
ている。従って、開口部の総面積は360cm2 であ
る。内側面の上端25の直径は34cmである。従って
仕切り部材8の上端近傍における仕切り部材と熱遮蔽体
の間隙部24の断面積は60cm2 強である。また内側
面部の下端26の直径は20cmである。また、下端と
液面との間隙は1.5cmである。従って、この間隙部
の面積は約90cm2 である。
【0044】熱遮蔽体の開口部22の面積(360cm
2 )が、これらの間隙の面積より十分に大きいので、殆
どのガスが開口部22を通る(図6の流路A)ことにな
る。このことの結晶育成の安定化に対する効果は大き
い、開口部22がない場合にはシリコン単結晶の崩れが
頻発したが、これを設けた後は1mを越える長さの結晶
を安定して育成できるようになった。
【0045】本実施例では開口部は4ケ所であるが、開
口部の個数には特に制限はない。しかし、シリコン単結
晶に対する対称性を良くするには、1ケ所より2ケ所以
上の方が望ましい。これはシリコン単結晶育成の安定化
には、シリコン単結晶に対する熱環境の対称性を良くす
ることが望ましいからである。
【0046】図3は図2の開口部に更に熱遮蔽体の内側
面上部に4ケ所の開口部を追加した第2の実施例であ
る。
【0047】図4は開口部の第3の実施例である。熱遮
蔽体のフランジ部の8ケ所に切り欠きを入れたものであ
る。この場合には熱遮蔽体を支える断熱材6と熱遮蔽体
の間に8個の開口部が形成される。
【0048】又図5は図4の実施例の内側面上部に8個
の開口部を加えた第4の実施例である。作成の煩雑さの
点より、実用的には開口部の個数の上限は16個である
ことが好ましい。また熱遮蔽体の材料として、本実施例
のタンタル、モリブデン以外にカーボンを使用してもよ
い。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明を構成したので、S
iO微粉に起因する単結晶の有転位化現象を生産性を落
することなく防止することとが出来従ってシリコン単結
晶化に見合う割合で原料を供給しながら、直径5インチ
以上の大直径で長尺なシリコン単結晶を安定して育成で
きるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示す縦断面図である。
【図2】本発明の1実施例の第1の熱遮蔽体の斜視図で
ある。
【図3】本発明の1実施例の第2の熱遮蔽体の斜視図で
ある。
【図4】本発明の1実施例の第3の熱遮蔽体の斜視図で
ある。
【図5】本発明の1実施例の第4の熱遮蔽体の斜視図で
ある。
【図6】本発明のガス流れの模式図である。
【図7】従来技術のCZ法におけるガス流れの模式図で
ある。
【図8】従来技術のCCCZ法におけるガス流れの模式
図である。
【図9】本発明の炉内における不活性ガスの温度分布を
示す図である。
【図10】従来技術のCZ法における不活性ガスの温度
分布を示す図である。
【図11】従来技術のCCCZ法における雰囲気ガスの
温度分布を示す図である。
【図12】熱遮蔽体に設けられた開口部を貫流するガス
流量の割合(主流量比)と単結晶引上げ確率との関係を
示すグラフである。
【図13】本発明の1実施例における開口部面積と単結
晶引上げ率との関係を示すグラフである。
【図14】本発明の1実施例における開口部面積と全流
量に対する熱遮蔽体下端を通る流量の割合との関係を示
すグラフである。
【図15】本発明の1実施例における熱遮蔽体の下端融
液面からの距離と主流量比が80%になる開口面積との
関係を示すグラフである。
【図16】本発明の実施例における熱遮蔽体上面のみの
開口部面積と粒状原料の溶解限度及び単結晶引上げ速度
との関係を示すグラフである。
【図17】本発明の実施例における熱遮蔽体の内側面上
部開口部面積と単結晶引上げ速度との関係を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1 石英るつぼ 2 黒鉛るつぼ 3 電気抵抗加熱体 4 ペデスタル 5 シリコン単結晶 6 保温部材 7 溶融原料 8 仕切り部材 10 小孔 14 シリコン供給装置 15 熱遮蔽体 16 チャンバー上蓋 17 チャンバー胴 18 保温部材 19 排出口 20 引き上げチャンバー内 21 シリコン溶融液面 22 熱遮蔽体の上面にある開口部 23 電気抵抗加熱体の上端部近傍のガス流路 24 仕切りの上端部近傍のガス流路 25 熱遮蔽体の内側面の上端 26 熱遮蔽体の内側面の上端 27 熱遮蔽体の内側面上部開口部 A 熱遮蔽体の上方部の開口部を通る雰囲気ガスのガス
流 B 熱遮蔽体下端と溶融面との間を通る雰囲気ガスのガ
ス流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 真 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 島 芳延 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 中浜 泰光 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン融液を内蔵する回転型石英るつ
    ぼと、前記石英るつぼを側面から加熱する電気抵抗加熱
    体と、前記石英るつぼ内で溶融シリコンを単結晶育成部
    と原料溶解部とに分割し、かつ溶融液が流通できる小孔
    を有する石英製仕切り部材と、前記仕切り部材と前記原
    料溶解部を覆う熱遮蔽体と、前記原料溶解部に原料シリ
    コンを連続供給する原料供給装置と、炉内の圧力を0.
    1気圧以下に減圧する減圧装置とを有するシリコン単結
    晶製造装置において、前記熱遮蔽体に前記単結晶育成部
    上方より送入された不活性ガスの全流量の少くとも80
    %以上の流量を貫流させるに十分な面積を有する開口部
    を前記加熱体の上端部より高い位置に設けたことを特徴
    とするシリコン単結晶の製造装置。
  2. 【請求項2】 前記開口部が熱遮蔽体の上面又は上面及
    び内側面上部に配設され、その面積の総和が50cm2
    〜800cm2 であることを特徴とする請求項1記載の
    シリコン単結晶の製造装置。
  3. 【請求項3】 該内側面上部の開口部面積が200cm
    2 以下であることを特徴とする請求項2記載のシリコン
    単結晶の製造装置。
  4. 【請求項4】 前記開口部が複数個に分割されているこ
    とを特徴とする請求項2記載のシリコン単結晶の製造装
    置。
JP23935091A 1991-09-19 1991-09-19 シリコン単結晶の製造装置 Pending JPH0578190A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030070477A (ko) * 2002-02-25 2003-08-30 네오세미테크 주식회사 갈륨 아세나이드 단결정 수율 증대를 위한 결정 성장장치
WO2012009900A1 (zh) * 2010-07-19 2012-01-26 常州天合光能有限公司 可消除挥发份在热屏外侧沉积的单晶炉热场
US8232662B2 (en) 2010-01-15 2012-07-31 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Wind turbine generator and start-up method of the same
CN112144108A (zh) * 2020-09-10 2020-12-29 徐州鑫晶半导体科技有限公司 晶体生长炉和晶体生产工艺

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