JPH057814U - 胴差しボルト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 胴差し部材に二階側の中空形式壁パネルを連
結して、胴差し部材の下方から壁パネル内に配線する場
合、電線挿入穴を別個に加工する必要のない胴差しボル
トを得る。 【構成】 壁パネル３内部において、壁パネル３と胴差
し部材２の間を縦向きに貫通する胴差しボルト１であっ
て、前記胴差しボルト１の内部に、該胴差しボルト１の
長さ方向に沿って、両端面１２ａ，１２ｂ間を貫通する
電線挿入穴１３を設けて構成する。これで胴差しボルト
１内を電線が通ることになり、電線挿入穴を別個に加工
する必要がない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は建物の胴差しに用いる胴差しボルトに関する。

【０００２】

【従来の技術】

二階梁や二階壁を支承するため、柱間に取り付ける横部材、所謂胴差しは二階 建て建物において、殆どの場合備えられるが、一階の壁パネルの上縁部材が、こ の胴差し部材を兼ねることもある。胴差し部材上に二階の壁パネルを載せる際、 位置ずれを防ぎ、確実に結合するために、胴差し部材と二階壁パネルの下縁部材 とを、壁パネルの内部で縦向きに貫通させた胴差しボルトによって、連結、固定 する事が多い。そして、この二階の壁パネルの内部に一階側から配線のため、電 線を貫通させる必要がある場合、この作業も同時に行う。壁パネル内部には予め ボール紙等を成形した紙管を配置してあり、この紙管内に電線を引き込む。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記胴差し部材と二階の壁パネル下縁部材との連結においては 、それらの部材間に電線を貫通させる作業が煩雑で、手間が係る難点がある。す なわち、両部材を胴差しボルトで連結する前に、両部材間を連通する状態に位置 決めした電線挿入用の貫通穴を、胴差し部材と壁パネルの下縁部材の双方に加工 しておかねばならない。この両部材に対する貫通穴の位置決めと穴明け加工に手 間がかかる訳で、もし位置決めや穴明け方向が不正確であると双方の穴がずれて 連通せず、電線が挿入できない事態をまねくため、慎重な作業を要する。 本考案は、このような電線挿入穴を別個に加工する必要のない胴差しボルトを 提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る胴差しボルトは、壁パネル内部において、前記壁パネルと胴差し 部材の間を縦向きに貫通する胴差しボルトであって、前記胴差しボルト内部に、 該胴差しボルトの長さ方向に沿って、両端面間を貫通する電線挿入穴を設けて構 成する。

【０００５】

【作用】

壁パネルと胴差し部材とを本考案の胴差しボルトで連結した場合、胴差し部材 下方から壁パネル内部までの間に、胴差しボルトの上下にわたる両端面間を貫通 する電線挿入穴が存在する。この電線挿入穴に電線を挿入すると、胴差し部材下 方から壁パネル内部まで配線が行われる。

【０００６】

【実施例】

図１は、本考案の胴差しボルトの一実施例を示す斜視図、図２は、図１の胴差 しボルトを用いた胴差し部材付近の縦断面図、図３は別の実施例における図２と 同様な縦断面図である。 図中、１は胴差しボルト、１１ａ，１１ｂは上下のねじ部、１２ａ，１２ｂは 上下の端面、１３は電線挿入穴、２は胴差し部材、３は二階側の壁パネル、３１ は二階側の壁パネル３の下縁部材、４は一階側の壁パネル。４１は一階側の壁パ ネル４の上縁部材である。 図１に示すように、本実施例の胴差しボルト１は上下にねじ部１１ａ，１１ｂ を設けた所謂両ねじボルトとしたが、通常の六角頭付きボルトであってもよい。 胴差しボルト１の全長、上下のねじ部１１ａ，１１ｂのねじ長さ、及びねじ直径 等は適用する箇所に対応して設定し、準備することは言うまでもない。

【０００７】 前記胴差しボルト１の上下の端面１２ａ，１２ｂ間にわたり、すなわち全長に わたって貫通穴を加工し、この貫通穴を電線挿入穴１３とする。従って、当初か ら穴付きの材料、例えば厚肉の鋼管を用い、これを所定寸法に切断し、その両端 をねじ切り加工してこの胴差しボルト１を得てもよい。このように構成した胴差 しボルト１を図２に示すように適用する。すなわち、二階の床面側方付近に配置 した胴差し部材２の上に、二階側の壁パネル３がその下縁部材３１を接して載り 、更にこの場合、胴差し部材２の下面には、一階側の壁パネル４がその上縁部材 ４１を接して配置されている。そして胴差し部材２と、その上下に接する前記各 部材３１，４１を含んだ３部材の各々に貫通穴を明け、これらを一緒に胴差しボ ルト１で連結する。このため、胴差しボルト１の全長は、前記３部材の各高さ、 上下に介装するワッシャ厚さ、ナット高さ、及び若干の作業用余裕長さの合計値 とする。

【０００８】 胴差しボルト１の挿入と締めつけ作業のために、二階側壁パネル３の下部と一 階側壁パネル４の上部とに作業用小穴５ａ，５ｂを設けて、これらを使用して前 記各作業を行う。次に胴差しボルト１の電線挿入穴１３に電線を通して配線作業 を行うが、この時も、前記作業用小穴５ａ，５ｂを利用する。工事完了後、これ らの作業用小穴５ａ，５ｂは閉塞復旧するが、これらのうち一部は、二階室内の 床上コンセント取り付け穴として転用する場合もある。 本実施例の胴差しボルト１は以上のように構成し、使用するため、前記従来の ように、胴差し部材と壁パネルを胴差しボルトで連結し、電線挿入穴を更に別個 に施工する必要がなく、手間が大幅に省ける。又、電線挿入穴を別個に明ける必 要がないことで、その分、前記各部材の強度を若干でも低下させる恐れがない効 果もある。

【０００９】 次に図３に示す別の実施例について述べる。これは胴差し部材として専用の部 材を準備せず、一階側の壁パネル４の上縁部材４１を一種の胴差し部材と見なし 、この上縁部材４１の上に、二階側の壁パネル３の下縁部材３１を載せ、これら の２部材を、貫通した胴差しボルト１で連結するものである。その他の構成、作 用等に関しては、前記実施例と同様につき説明を省略する。

【００１０】 本考案の胴差しボルトは前記実施例以外にも種々の変形が可能である。例えば 、上下端面間にわたって貫通する電線挿入穴の内周面に軟質プラスチック管を挿 入してライニングをした形態にし、挿入する電線の絶縁被覆を保護するようにす ることも容易にできる。

【００１１】

【考案の効果】

本考案に係る胴差しボルトによれば、電力配線用、あるいは電話、アンテナ、 インタホーン等の弱電配線用の各種電線の挿入用穴を別個に明ける必要がなく、 手間が格段に省ける。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す胴差しボルトの斜視図
である。

【図２】図１の胴差しボルトを用いた胴差し部材付近の
縦断面図である。

【図３】本考案の別の実施例を示す図２と同様な縦断面
図である。

【符号の説明】

１ 胴差しボルト ２ 胴差し部材 ３ 二階側の壁パネル ４ 一階側の壁パネル ５ａ，５ｂ 作業用小穴 １１ａ，１１ｂ ねじ部 １２ａ，１２ｂ 端面 １３ 電線挿入穴 ３１ 下縁部材 ４１ 上縁部材

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 壁パネル内部において、前記壁パネルと
   胴差し部材の間を縦向きに貫通する胴差しボルトであっ
   て、前記胴差しボルトの内部に、該胴差しボルトの長手
   方向に沿って、両端面間を貫通する電線挿入穴を設けた
   ことを特徴とする胴差しボルト。