JPH0578071U - テレビジョン受像機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数のチャンネルアロケーションから、１つ
のチャンネルアロケーションを自動的に選択できると共
に、選局スピードが早く使い勝手のよいテレビジョン
（ＴＶ）受像機を提供すること。 【構成】 チューナ４は、受信信号の有無を検出して検
出信号を出力する信号受信検出回路を備えている。同調
周波数を設定するマイコン１は、チャンネルアロケーシ
ョンの情報を記憶するＲＡＭ１ｃを備えている。マイコ
ン１は、受信信号が無しの前記検出信号に応じて、現在
受信したチャンネルの、標準となるチャンネルアロケー
ション(IRC) からのオフセット量を検出してそのオフセ
ット量を記憶する。以後、選局のたびごとに、前記標準
となるチャンネルアロケーション(IRC) の同調周波数
に、前記オフセット量を加えた周波数を、前記チューナ
に同調周波数として設定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、複数のチャンネルアロケーションから、１つのチャンネルアロケー ションを自動的に選択できると共に、選局スピードが早く使い勝手のよいテレビ ジョン（ＴＶ）受像機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

現在、北米のケーブルＴＶ放送には、Ｓｔｄ（スタンダード），ＨＲＣ，ＩＲ Ｃという３つのチャンネルアロケーション（以下アロケーションと記すこともあ る）がある。ＨＲＣはＳｔｄに対して-1.25MHz（５，６チャンネルは+0.75MHz） オフセットがかけられており、ＩＲＣはＳｔｄに対して+0.0125MHz（５，６チャ ンネルは2MHz）オフセットがかけられている。 これら３つのアロケーションによる放送に対応するため、視聴者自身が１つの アロケーションを選択して受信するか、あるいは、選局の際、ＴＶ受像機のチュ ーナ側でいずれかのアロケーションを用いて±2.4MHz程度の範囲で信号の検出を 行って受信していた。

【０００３】 このチューナ側で行う従来の選局方式の一例を、フローチャートとして図３に 示す。図３（ａ）はメインループ、図３（ｂ）はプリセットのサブルーチンであ る。プログラムスタート後、メインループにてチャンネルプリセットの要求が来 るのを待ち、要求され次第、プリセットのサブルーチンに移る。 サブルーチン（図３（ｂ））では、まず、適当なアロケーション（この例では ＩＲＣ）で周波数設定データを算出し、選局を行う（ステップ５１，５２）。次 に、チューナでの受信信号の有無を検出し（ステップ５３）、信号が有ればその 時点でメインループにもどるが、無い場合は-2.4MHz オフセットする（ステップ ５４）。以後、信号が存在するか、もしくはオフセットが+2.4MHz に達するまで 、250kHzずつオフセットを増加させて選局を行う（ステップ５５〜５８）。

【０００４】 上記した従来の選局方法では、選局するたびごとに、同調周波数を±2.4MHz可 変しているので、選局に長時間かかり、使い勝手が悪かった。 この選局時間を短縮する方法として、プリセットメモリ方式が考えられるが、 この方式では、全てのチャンネルに対するオフセット量を記憶させておく必要が ある。よって、プリセットメモリ方式は、チャンネル数の多い市場（例えば北米 市場）では、記憶容量の大幅な増加や、記憶工程の複雑化を招き、大幅なコスト アップにつながってしまうといった問題があった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

この考案が解決しようとする課題は、複数のアロケーションがあり、チャンネ ル数の多い地域においても、選局時間が早くて使い勝手がよく、しかもその使い 勝手のよさを低コストで実現できるＴＶ受像機とするには、どのような手段を講 じればよいかという点にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

そこで、上記課題を解決するために本考案は、 受信信号の有無を検出して検出信号を出力する信号受信検出回路を備えた、放 送を受信するためのチューナと、 チャンネルアロケーションの情報を記憶する記憶部を有し、前記チューナの同 調周波数を設定する制御部とを設け、 前記制御部は、受信信号が無しの前記検出信号に応じて、現在受信したチャン ネルの、標準となるチャンネルアロケーションからのオフセット量を検出してそ のオフセット量を記憶し、以後、選局のたびごとに、前記標準となるチャンネル アロケーションの同調周波数に、前記オフセット量を加えた周波数を、前記チュ ーナに同調周波数として設定することを特徴とするテレビジョン受像機を提供す るものである。

【０００７】

【実施例】

本考案の一実施例のブロック図を図１に示す。図１において、１はマイコンで あり、Ｉ／Ｏ（入出力）部１ａ、ＣＰＵ（中央処理装置）１ｂ、ＲＡＭ（Random Access Memory）１ｃ、ＲＯＭ（Read Only Memoly）１ｄより成る。ＲＡＭ１ｃ にアロケーションの情報を記録させておく。 マイコン１は、リモコン送信機２からの信号（視聴者による選局プリセット信 号）を受信部３を介して受け取る。マイコン１は、リモコン送信機２からの信号 に応じて、チューナ４に対して同調周波数設定を行う。チューナ４は、その同調 周波数設定に従って信号を受信し、チューナ４内の信号受信検出回路から、受信 信号有無の検出信号をマイコン１に送る。マイコン１は、検出信号に応じて、受 信信号が無いときには、再度同調周波数設定を行う。マイコン１は、受信信号が 有りとなるまで、この動作を繰返す。チューナ４で受信された信号は、中間周波 数増幅器５、Ｙ／Ｃ分離回路６、ＲＧＢドライバ７を介してＣＲＴ８に供給され 、ＣＲＴ８に映像が表示される。

【０００８】 図２に、マイコン１で行われる同調周波数設定処理（選局処理）のフローチャ ートを示す。図２（ａ）はメインループ、図２（ｂ），（ｃ）はプリセットのサ ブルーチンである。プログラムスタート後、アロケーションの初期設定（ＩＲＣ に設定）を行い、その後、従来と同様に、メインループにてチャンネルプリセッ トの要求が来るのを待ち、要求され次第プリセットのサブルーチンに移る。

【０００９】 サブルーチン（図２（ｂ））では、まず、選局する目的の局の同調周波数設定 用データを、とりあえずＩＲＣ（この例での標準アロケーション）のアロケーシ ョンで算出する（ステップ２１）。そして、アロケーションの情報に基づき、同 調周波数設定用データの補正が行われる（ステップ２２〜２６、ステップ２５， ２６でオフセット量設定）。得られた同調周波数設定用データをチューナ４に送 りチューナ４で同調をとる（ステップ２７）。ここで、受信信号が検出されなけ れば（目的の局が選局できなければ）、チューナ４内の信号受信検出回路からの 検出信号により、受信信号無しと判断し（ステップ２８）、アロケーションを変 更して（ステップ２９〜３３）、カウンタの値が３でなければ（ステップ３５） 、再度ステップ２１から同調周波数設定が行われる。ステップ２９，３０で、オ フセット量の検出、ステップ３１〜３３でオフセット量をＲＡＭ１ｃに記憶する 。

【００１０】 アロケーションを変更する度にカウンタの値を１増やすので（ステップ３４） 、３通り変更したところで、カウント値は３となる。カウンタの値が３であれば （ステップ３５）、図２（ｃ）に示す次の処理（ステップ３６〜３９）に移り、 最終的に受信信号がなかった場合（カウント値は３）は、Ｓｔｄ（スタンダード ）のアロケーションに設定される（ステップ３６，３９）。 なお、このフローチャートでは、Ｓｔｄ用のオフセット設定は行っていないが 、これは、ＩＲＣはＳｔｄに対して+0.0125MHz（５，６チャンネルは2MHz）とい う非常に小さなオフセットであり、この程度のオフセットであれば、チューナを ＩＲＣ用のオフセット設定にしておいても、受信可能な範囲である。

【００１１】 このように本実施例では、各チャンネルアロケーションを自動的に切換えるこ とができ、また、一度受信した局のオフセット量を記憶しておき、以後選局のた びごとに、標準チャンネルアロケーションにその記憶したオフセット量を加えた 同調周波数を設定して選局できるので、選局するたびごとに、同調周波数を±2. 4MHzという広い範囲にわたって変化させる必要がなく、選局スピードが大幅に短 縮され、使い勝手が向上する。さらに、全てのチャンネルに対するオフセット量 を記憶させておく必要もないので、低コストで実現できる。

【００１２】 なお、チューナ４内の信号受信検出回路での受信信号有無の判定を、±１MHz 程度の範囲で行えば、ＨＲＣ、ＩＲＣ、Ｓｔｄ以外のアロケーションにも対応で きるＴＶ受像機となる。そして、統計を採ることにより、精度の高いアロケーシ ョンの判断も可能となる。 また、上記の実施例では、チャンネルプリセット時にオフセット量を検出する 方法について述べたが、オフセット量の検出は、電源スイッチの投入時等の別の 機会に行ってももちろんよい。

【００１３】

【考案の効果】

以上の通り、この考案になるテレビジョン受像機は、各チャンネルアロケーシ ョンを自動的に切換えることができ、また、一度受信した局のオフセット量を記 憶しておき、以後選局のたびごとに、標準チャンネルアロケーションにその記憶 したオフセット量を加えた同調周波数を設定して選局できるので、選局するたび ごとに、同調周波数を±2.4MHz可変させる必要がなく、選局スピードが大幅に短 縮され、使い勝手が向上する。さらに、全てのチャンネルに対するオフセット量 を記憶させておく必要もないので、低コストで実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例を示すブロック図である。

【図２】一実施例の同調周波数設定処理のフローチャー
トを示す図である。

【図３】従来の同調周波数設定処理のフローチャートを
示す図である。

【符号の説明】

１ マイコン ２ リモコン送信機 ３ 受信部 ４ チューナ ５ 中間周波数増幅器 ６ Ｙ／Ｃ分離回路 ７ ＲＧＢドライバ ８ ＣＲＴ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】受信信号の有無を検出して検出信号を出力
   する信号受信検出回路を備えた、放送を受信するための
   チューナと、 チャンネルアロケーションの情報を記憶する記憶部を有
   し、前記チューナの同調周波数を設定する制御部とを設
   け、 前記制御部は、受信信号が無しの前記検出信号に応じ
   て、現在受信したチャンネルの、標準となるチャンネル
   アロケーションからのオフセット量を検出してそのオフ
   セット量を記憶し、以後、選局のたびごとに、前記標準
   となるチャンネルアロケーションの同調周波数に、前記
   オフセット量を加えた周波数を、前記チューナに同調周
   波数として設定することを特徴とするテレビジョン受像
   機。