JPH0577692U - 分岐管接続用管継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本管１に形成した分岐孔１１に分岐管接続用
管継手を強固に接続できるようにし、また該本管１との
間を確実にシールする。 【構成】 継手本体１０を本管１の所定位置に形成した
分岐孔１１に接続する分岐管接続用管継手であって、上
記分岐孔１１から本管１内に挿入して本管１の分岐孔１
１まわりの内周面に対向させる継手受け具９と、上記本
管１の分岐孔１１まわりの外周面に対向させた支持部材
１４とを止着し、該支持部材１４に取付けた押圧ボルト
１６を本管外周面に押圧させることにより、上記継手受
け具９を本管内周面に圧接固定すると共に、該継手受け
具９に貫設したねじ孔１３に継手本体１０を螺着させ、
継手受け具９と本管内周面との間にシール材１２を介在
させている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ガス管等の本管に分岐管を接続するための分岐管接続用管継手に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、図７に示すように、本管１に分岐管（図示せず）を接続する場合には、 一般に、まず本管１の所定位置にねじ孔３を貫設した後、分岐管接続用管継手４ の下部に形成した雄ねじ部４ａを上記ねじ孔３に螺合することにより、該管継手 ４を本管１に接続し、続いて分岐管接続用管継手４の側面に突設した分岐筒部４ ｂに分岐管を接続している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の分岐管接続用管継手では、本管１が小径になればなるほど肉厚が薄 くなり、ねじ孔３と雄ねじ部４ａとの螺合量を充分にとることができないため、 該管継手４を本管１に確実に取付けることが困難となり、また、その少ない螺合 量の部分から本管１内を流通するガス等の流体が外部に漏出する恐れがあった。

【０００４】 また近時、老朽化した本管１の延命を図るため、該本管の内面に硬質塩化ビニ ル等の合成樹脂管でライニング層を添接形成する技術が開発されているが、この 本管においても、小径の場合は、上記従来例と同様、分岐管接続用管継手を強固 に取付けることができず、また、本管とライニング層との間の隙間に、本管内を 流通する流体が侵入し、延命化を図れない恐れがあった。

【０００５】 本考案は、上記従来の問題点に鑑み、分岐孔を形成した本管に強固に接続する ことができ、また上記のような流体漏れも防止することができる分岐管接続用管 継手を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案の請求項１は、継手本体を本管の所定位置に 形成した分岐孔に接続する分岐管接続用管継手であって、上記分岐孔から本管内 に挿入して本管の分岐孔まわりの内周面に対向させる継手受け具と、上記本管の 分岐孔まわりの外周面に対向させた支持部材とを止着し、該支持部材に取付けた 押圧ボルトを本管外周面に押圧させることにより、上記継手受け具を本管内周面 に圧接固定すると共に、該継手受け具に貫設したねじ孔に継手本体を螺着させて いることを特徴としている。

【０００７】 また請求項２は、継手受け具と本管内周面との間にシール材を介在させている ことを特徴としている。

【０００８】

【作用】

本考案の請求項１によれば、継手受け具を分岐孔から本管内に挿入した後、該 継手受け具に本管の外周面に対向する支持部材を止着するだけで、その継手受け 具を本管内に落下しないように分岐孔に係止できる。また継手受け具に取付けた 押圧ボルトを本管外周面に押圧させるだけで、継手受け具を本管内周面に強固に 圧接固定することができる。そして、このように強固に圧接固定した継手受け具 のねじ孔に継手本体を螺着するようにしているため、該継手本体を継手受け具を 介して本管にしっかりと接続することができる。

【０００９】 請求項２によれば、シール材により継手受け具と本管内周面との間が確実にシ ールされるため、その両者間の隙間から本管内を流通するガス等の流体が外部側 に漏出する恐れがない。

【００１０】

【実施例】

図１〜図３は本考案の一実施例の分岐管接続用管継手を本管１に接続した状態 を示すものであって、その管継手は、本管１の所定位置に取付けられる継手受け 具９と、該継手受け具９を介して本管１に一体接続される継手本体１０と、支持 部材１４と、ビス１５と、押圧ボルト１６とを主要な構成要素としている。

【００１１】 上記本管１は、例えば鋳鉄製埋設ガス管であって、その内面には老朽化した本 管１の延命を図るため、硬質塩化ビニル等の合成樹脂管でライニング層５が添接 形成されている。また本管１の所定位置には、該本管１の上部及びライニング層 ５を貫通して平面視長円形乃至楕円形の分岐孔１１が形成されている。

【００１２】 上記継手受け具９は、平面視長円形乃至楕円形であって、その高さＨが分岐孔 １１の幅Ｒよりも短く、またその横幅Ｌが分岐孔１１の長径Ｋよりも短く設定さ れており、継手受け具９を縦向きにすることで、分岐孔１１を通過できるように なっている〔図４（ａ）（ｂ）参照〕。また上面中央部に突設した突起部９ａが 上記分岐孔１１に嵌入される。なお、上記突起部９ａ及び分岐孔１１が平面視長 円形乃至楕円形に形成されているのは、突起部９ａを分岐孔１１に嵌入すること で、本管１に対して継手受け具９が回らないようにするためである。

【００１３】 更に継手受け具９の鍔状外周部９ｂの上面を本管１の内周面に沿った形状に形 成することにより、該上面に形成した環状溝に嵌め込んだ環状シール材１２が本 管１の内周面に当接するようにしており、これによって本管１内を流通するガス 等の流体が継手受け具９とライニング層５との間の隙間を通って外部側に漏出し ないようにしている。従って本管１とライニング層５との間の隙間６にもガス等 の流体が侵入するおそれがない。また更に継手受け具９の中央部にはテーパ状の ねじ孔１３が貫設されている。

【００１４】 上記継手受け具９の上面には、本管１の外周面に対向して平面視長円形乃至楕 円形の板状支持部材１４がビス１５により止着されており、該支持部材１４の外 周部に形成したねじ孔に螺合する押圧ボルト１６をねじ込んで本管１の外周面に 押圧させることにより、継手受け具９を本管１に強固に圧接固定することができ ると共に、シール材１２をライニング層５の内周面に密着させることができる。

【００１５】 前記継手本体１０は、縦断面略Ｔ字状であって、その下部に形成した雄ねじ部 １０ａを、支持部材１４の中央分岐孔１４ａを通って前記継手受け具９のねじ孔 １３に螺合させることにより、本管１に一体接続されている。この場合、上記雄 ねじ部１０ａとねじ孔１３との螺合量を充分に大きくとることができため、継手 本体１０を本管１に強固に取付けることができる。

【００１６】 また上記継手本体１０の側面に突設した分岐筒部１０ｂには図示しない分岐管 がメカニカルシール等を介して接続される。なお、１７は継手本体１０内に螺入 して、該継手本体１０の流通路１０ｃを遮断するストッパーであって、その下面 にはパッキン材１８が取付けられると共に、その上面にはレンチ穴１９が凹設さ れている。

【００１７】 管継手の取付けの要領を説明すると、図４（ａ）（ｂ）に示すように、本管１ 及びライニング層５の所定位置に分岐孔１１を形成した後、継手受け具９を該分 岐孔１１を通って本管１内に挿入し、続いて、図５に示すように、上記継手受け 具９を回して、その突起部９ａを分岐孔１１内に嵌入させ、その継手受け具９の 嵌入状態を指先または保持具で保持しながら、図６に示すように、継手受け具９ のビス孔９ｃにビス１５を螺入することにより、該継手受け具９に支持部材１４ を止着し、その継手受け具９が本管１内に落下しないように分岐孔１１に係止す る。

【００１８】 その後、図１〜図３に示すように、上記支持部材１４の外周部に形成したねじ 孔に螺合する押圧ボルト１６を本管１の外周面に押圧させることにより、継手受 け具９を本管１に圧接固定し、該継手受け具９のねじ孔１３に継手本体１０を螺 合させればよい。

【００１９】 上記のようにして分岐管接続用管継手を本管１に取付けたならば、継手本体１ ０内のストッパー１７で流通路１０ｃを遮断し、本管１内に、その中の空気を抜 いてガス等の流体を流通させると共に、分岐筒部１０ｂに分岐管をメカニカルシ ールを介して接続する。この作業の終了後、上記ストッパー１７を上部に移動さ せ、ねじプラグ（図示せず）を継手本体１０に螺合させて、分岐管側にガス等の 流体を流通させればよい。なお、上記分岐管の接続部周辺を防食シート等の防食 材料で防食する。

【００２０】

【考案の効果】

本考案の請求項１によれば、本管に継手受け具を強固に圧接固定することがで き、しかもこの継手受け具のねじ孔と、それに螺合する継手本体の雄ねじ部との 螺合量を充分に大きくとることができるから、該継手本体を小径の本管に対して も強固に取付けることができる。

【００２１】 また請求項２によれば、シール材により継手受け具と本管内周面との間が確実 にシールされるため、その両者間の隙間から本管内を流通するガス等の流体が外 部側に漏出する恐れがない。

【００２２】 特に本管の内周面にライニング層を添接した場合でも、その本管とライニング 層との間の隙間に本管内の流体が侵入する恐れがなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例たる分岐管接続用管継手を本
管に接続した状態を示す縦断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ矢視図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ矢視図である。

【図４】（ａ）は同分岐管接続用管継手に用いられる継
手受け具を本管の分岐孔に挿通している状態の縦断面
図、（ｂ）は同水平断面図である。

【図５】同継手受け具を分岐孔に嵌合させている状態を
示す縦断面図である。

【図６】同継手受け具を本管の内周面に圧接固定した状
態の縦断面図である。

【図７】従来例を示す一部切り欠き正面図である。

【符号の説明】

１ 本管 ９ 継手受け具 １０ 継手本体 １１ 分岐孔 １２ シール材 １３ ねじ孔 １４ 支持部材 １５ ビス（止着） １６ 押圧ボルト

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 中尾 朋由 大阪府大阪市中央区平野町四丁目１番２号 大阪瓦斯株式会社内 (72)考案者 南出 善昭 大阪府岸和田市田治米町153番地の１ 日 本鋼管継手株式会社内 (72)考案者 大坪 了 大阪府岸和田市田治米町153番地の１ 日 本鋼管継手株式会社内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 継手本体を本管の所定位置に形成した分
   岐孔に接続する分岐管接続用管継手であって、上記分岐
   孔から本管内に挿入して本管の分岐孔まわりの内周面に
   対向させる継手受け具と、上記本管の分岐孔まわりの外
   周面に対向させた支持部材とを止着し、該支持部材に取
   付けた押圧ボルトを本管外周面に押圧させることによ
   り、上記継手受け具を本管内周面に圧接固定すると共
   に、該継手受け具に貫設したねじ孔に継手本体を螺着さ
   せていることを特徴とする分岐管接続用管継手。
2. 【請求項２】 継手受け具と本管内周面との間にシール
   材を介在させてなる請求項１に記載の分岐管接続用管継
   手。