JPH0577391U - 孔内横方向サンプリング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボーリングを実施することなく広範囲の土の
サンプリングを容易に行うことができ、土を乱さず、か
つ圧密することなく採取することを可能とする。 【構成】 サンプラー用シリンダ１の先端に軸方向に直
角な支圧板３を先端開口外周に固定したサンプラーケー
シング２を設置し、このサンプラーケーシング２の内部
にサンプラー用シリンダ１によって軸方向に進退自在な
筒状のシンウオールサンプラー５を収納し、サンプラー
用シリンダ１の後端に調整ロッドを介して反力用シリン
ダを取付け、この反力用シリンダの後端に突出する進退
ロッドの先端に反力板を取付けてなることを特徴として
いる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、場所打ち杭、地中連続壁、スパイラルオーガーなどの泥水掘削穴 を利用して、その孔内壁部の横方向の土のサンプルを採取し、ボーリングデータ と比較あるいは補足する現場の現位置試験を行うため、あるいは場所打ち杭、地 中連続壁の泥膜形成状況をサンプリングにより直接判断するためのサンプリング 装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、地盤の土をサンプリングして調査する場合、ボーリングを行ってそのロ ッド内部のシンウオールサンプラー内に順次土を取り込む方法が一般に行われて いる。

【０００３】 また従来、泥水掘削穴の内壁の泥膜の調査については、小型濾過試験器により 判断していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来のボーリングロッドによるサンプリングでは、その内径の範囲における局 部的な土を軸方向に連続的にサンプリングするため、１本では資料として不足し がちで、しかも土資料が圧密されて現実の地層の状況を把握できないことがあり 、また深い地層の調査においては必要深度まで深くボーリング削孔する必要があ った。

【０００５】 さらに、泥水掘削穴の内壁の泥膜の調査についてはボーリングでは不可能であ った。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案は前記従来の課題を解決するために、サンプラー用シリンダ１の先端 に軸方向に直角な支圧板３を先端開口外周に固定したサンプラーケーシング２を 設置し、このサンプラーケーシング２の内部にサンプラー用シリンダ１によって 軸方向に進退自在な筒状のシンウオールサンプラー５を収納し、サンプラー用シ リンダ１の後端に調整ロッドを介して反力用シリンダを取付け、この反力用シリ ンダの後端に突出する進退ロッドの先端に反力板を取付けてなる孔内横方向サン プリング装置を提案するものである。

【０００７】

【作用】

図２に示すように、シンウオールサンプラー５を収納し、反力板９を収縮した 状態のサンプリング装置を水平にして削孔１３内に吊り降ろし、サンプリングす る位置において反力用シリンダ７を伸長作動して反力板９を削孔１３の内壁に圧 接すると共に、サンプラーケーシング２の支圧板３を他側の削孔１３の内壁に圧 接してサンプリング装置を削孔１３内に水平に固定する。

【０００８】 この状態でサンプラー用シリンダ１を伸長作動してシンウオールサンプラー５ を削孔１３壁内に貫入し、その内部に土資料Ｓを取り込んだ後、サンプラー用シ リンダ１を収縮作動してシンウオールサンプラー５を後退させ、さらに反力用シ リンダ７を収縮作動して反力板９を収縮後退させた状態でサンプリング装置を地 上に吊り上げ、シンウオールサンプラー５内の土資料を採取する。

【０００９】

【実施例】

エアーシリンダ等のサンプラー用シリンダ１の先端に、先端が開口した筒状の サンプラーケーシング２が一体に設置され、その先端開口外周に軸方向に直角な 支圧板３が固定されている。

【００１０】 サンプラーケーシング２の内部には、サンプラー用シリンダ１の進退ロッド４ に後端を連結して軸方向に進退自在な薄肉金属筒体からなるシンウオールサンプ ラー５が収納されている。

【００１１】 サンプラー用シリンダ１の後端には、調整ロッド６を介して反力用シリンダ７ が取付けられ、この反力用シリンダ７の後端に突出する進退ロッド８の先端に軸 方向に直角な反力板９が取付けられている。

【００１２】 調整ロッド６は、サンプリングを行う削孔の大小に応じて長さの異なるものを 選定して装着することにより、装置の全長を削孔に適応させることができる。

【００１３】 各シリンダ１，７には、エアー等の圧力流体を地上のポンプ１０との間で給排 出するためのホース１１，１１’，１２，１２’が接続されている。

【００１４】 以上のように構成されたサンプリング装置を用いてサンプリングする際には、 図２に示すようにシンウオールサンプラー５をサンプラーケーシング２の内部に 収納し、かつ反力板９を後退した状態のサンプリング装置を、図１に示すように 水平にして削孔１３内に吊り降ろし、サンプリングする位置において反力用シリ ンダ７を伸長作動して反力板９を削孔１３の内壁に圧接すると共に、サンプラー ケーシングの支圧板を他側の削孔壁に圧接してサンプリング装置を削孔内に水平 に固定する。

【００１５】 この状態でサンプラー用シリンダ１を伸長作動してシンウオールサンプラー５ を削孔１３の内壁部に貫入し、その内部に土資料Ｓを取り込んだ後、サンプラー 用シリンダ１を収縮作動してシンウオールサンプラー５を後退させ、さらに反力 用シリンダ７を収縮作動して反力板９を後退収縮した状態でサンプリング装置を 地上に吊り上げ、シンウオールサンプラー５内の土資料Ｓを採取する。

【００１６】

【考案の効果】

以上の通りこの考案によれば、場所打ち杭、地中連続壁などの既存の削孔を利 用するので、ボーリングを実施することなく容易に土のサンプリングを行うこと ができ、しかも任意の深さにおいて横方向の広範囲の土資料が得られるので、ボ ーリング調査でデータが不足する場合には、任意の位置で有益な情報が得られ、 さらに掘削工事・揚水工事の透水係数・泥水配合の見直しなど、ボーリングデー タを明確にするためのデータが得られる。

【００１７】 また、土を乱さず、かつ圧密することなく採取できるので、孔壁安定のための 泥膜厚みなどが把握でき、また一軸圧縮強度・泥膜の形成状況を確認することが できる。

【００１８】 さらに装置をコンパクトに構成できるため、手軽にサンプリングして調査する ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の装置を削孔内に吊り降ろした状態を
示す縦断側面図。

【図２】この考案の装置の使用前の状態を示す縦断側面
図。

【図３】この考案の装置によりサンプリングしている状
態を示す縦断側面図。

【図４】この考案の装置によりサンプリングした後の状
態を示す縦断側面図。

【符号の説明】

１ サンプラー用シリンダ ２ サンプラーケーシング ３ 支圧板 ４ 進退ロッド ５ シンウオールサンプラー ６ 調整ロッド ７ 反力用シリンダ ８ 進退ロッド ９ 反力板 １０ ポンプ １１ ホース １１’ ホース １２ ホース １２’ ホース １３ 削孔 Ｓ 土資料

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 サンプラー用シリンダの先端に軸方向に
   直角な支圧板を先端開口外周に固定したサンプラーケー
   シングを設置し、このサンプラーケーシングの内部に前
   記サンプラー用シリンダによって軸方向に進退自在な筒
   状のシンウオールサンプラーを収納し、前記サンプラー
   用シリンダの後端に調整ロッドを介して反力用シリンダ
   を取付け、この反力用シリンダの後端に突出する進退ロ
   ッドの先端に反力板を取付けてなることを特徴とする孔
   内横方向サンプリング装置。