JPH0577027A - セラミツク鋳ぐるみピストン - Google Patents

セラミツク鋳ぐるみピストン

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Publication number
JPH0577027A
JPH0577027A JP24296891A JP24296891A JPH0577027A JP H0577027 A JPH0577027 A JP H0577027A JP 24296891 A JP24296891 A JP 24296891A JP 24296891 A JP24296891 A JP 24296891A JP H0577027 A JPH0577027 A JP H0577027A
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JP
Japan
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piston
annular member
top plate
light alloy
piston body
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Pending
Application number
JP24296891A
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English (en)
Inventor
Shuji Kimura
修二 木村
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0577027A publication Critical patent/JPH0577027A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2201/00Metals
    • F05C2201/02Light metals
    • F05C2201/021Aluminium

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  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】セラミック鋳ぐるみピストンに関し、ピストン
頂板を破損に至らせることなく、ピストン頂板の裏面外
周部とピストン本体とを強固に結合する。 【構成】アルミニウム合金製ピストン本体2と、ピスト
ン本体2の頂部を覆うセラミック製ピストン頂板1とを
備え、ピストン頂板1の裏面外周部9にメタライズ層1
0を形成し、裏面外周部9に近接したところに、アルミ
ナイズ層14を形成した鉄製環状部材12をピストン本
体2と共に一体的に鋳ぐるみ、環状部材12と裏面外周
部9との間に、所定の絞り部18を介してピストン本体
2と繋がる所定厚さtの軽合金層15を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関のセラミッ
ク鋳ぐるみピストンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の内燃機関のセラミック鋳ぐるみピ
ストンとしては、例えば、図5に示したようなものがあ
る(実開昭58−148244号公報等参照)。なお、
図5のA図はピストンの断面図、B図は抗収縮リングの
拡大図である。
【0003】図に示したのは、セラミックからなるピス
トン頂板60の小径部61外周に低膨脹金属の抗収縮リ
ング62を嵌合した後、ピストン本体63をなすアルミ
ニウム合金にて鋳ぐるんで一体化せしめたピストン64
で、ピストン本体63とピストン頂板60との結合は、
ピストン本体63を構成するアルミニウム合金塊の一部
が抗収縮リング62に形成された透孔65を通って小径
部61の溝66に係合することによりなされている。
【0004】なお、セラミック製のピストン頂板60を
アルミニウム合金製のピストン本体63で一体的に鋳ぐ
るむにあたり、アルミニウム合金の凝固に伴う収縮がピ
ストン頂板60に対してき裂を生じさせてしまうことを
防ぐために、ピストン頂板60の裏面外周部67におい
てはピストン本体63との結合がなされていない。すな
わち、ここでの結合が仮になされたとすると、前記裏面
外周部67にはピストン本体63の凝固に伴う収縮力が
働き、ピストン頂板60の縁部68は図において下向き
の大きな曲げを受けることになるからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のセラミック鋳ぐるみピストンにあっては、セ
ラミック体とアルミニウム合金とは熱膨張率に大きな差
があり、また、前述の如く裏面外周部67においてピス
トン本体63との結合がなされていないため、燃焼室か
らの熱を受けると、裏面外周部67とピストン本体63
との間に隙間を生じてしまい、デッドボリューム増加に
よる性能悪化が懸念されるばかりか、いわば宙に浮いた
ピストン頂板の縁部68付近は燃焼に伴う強い爆発力に
耐えきれずに、き裂を生じる場合があるという問題があ
った。
【0006】一方、前記隙間にはカーボンなどの燃焼生
成物が入り込むため、この燃焼成生物を噛みこんだ状態
でピストン本体63が冷えて収縮すると、ピストン頂板
60に無理な荷重が作用することになり、やはりピスト
ン頂板60はき裂を生じる場合があるという問題点があ
った。
【0007】この発明は、このような従来の問題点に着
目してなされたもので、ピストン頂板を破損させること
なく、ピストン頂板の裏面外周部とピストン本体とを強
固に結合することにより、上記問題点を解決することを
目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、軽合金製のピストン本体と、このピストン本体の
頂部を覆うセラミック製のピストン頂板とを備え、前記
ピストン頂板が前記ピストン本体にて一体的に鋳ぐるま
れてなるセラミック鋳ぐるみピストンにおいて、前記ピ
ストン頂板の裏面外周部に前記軽合金との結合を促す金
属化処理を施すと共に、この裏面外周部に近接したとこ
ろに、前記軽合金と前記セラミックとの中間の熱膨張率
を有する材料からなり、前記軽合金との結合が促される
よう処理された環状部材を、前記ピストン本体と共に一
体的に鋳ぐるんで、この環状部材と前記裏面外周部との
間に、所定の絞り部を介して前記ピストン本体と繋がる
所定厚さの軽合金層を形成した。
【0009】また、軽合金製のピストン本体と、このピ
ストン本体の頂部を覆うセラミック製のピストン頂板と
を備え、前記ピストン頂板が前記ピストン本体にて一体
的に鋳ぐるまれなるセラミック鋳ぐみピストンにおい
て、前記軽合金と前記セラミックとの中間の熱膨張率を
有する材料からなる環状部材を当該環状部材の一部が前
記ピストン頂板の裏面に当接するよう前記ピストン本体
と共に一体的に鋳ぐるんで、この環状部材と前記裏面外
周部との間に前記ピストン本体から分離される所定厚さ
の軽合金層を形成し、前記裏面外周部には前記軽合金層
との結合を促す金属化処理が施され、前記環状部材は前
記軽合金層および前記ピストン本体との結合が促される
よう処理されていてもよい。
【0010】
【作用】ピストン頂板の裏面外周部に施された金属化処
理は軽合金層との結合を促し、軽合金との結合が促され
るよう処理された環状部材は、軽合金層並びピストン本
体と強固に結合する。
【0011】さて、セラミック製のピストン頂板を軽合
金製のピストン本体にて鋳ぐるむ際、溶融状態にある前
記軽合金は室温に冷却されるまでの過程において大きく
収縮するが、ピストン頂板の裏面外周部を束縛する所定
厚さの軽合金層は所定の絞り部によりピストン本体から
実質的に分離されているため、裏面外周部はピストン本
体の収縮力を直接受けない。
【0012】また、このとき、前記環状部材はピストン
本体ほどではないにしろ収縮するが、前記環状部材と前
記裏面外周部とは、外力によって転位(金属結晶のすべ
り)しやすい、すなわち塑性変形しやすい軽合金層にて
結合されているので、環状部材の収縮は前記所定厚さの
軽合金層にて吸収され、裏面外周部に対して作用する熱
応力を緩和する。つまり、環状部材の収縮を受けて、所
定厚さの軽合金層をなす軽合金の大半は塑性変形して弾
性を失うため、ピストン頂板を破損に至らせることなく
裏面外周部とピストン本体とを所定厚さの軽合金層と環
状部材を介して強固に結合することが可能となる。
【0013】また、前記環状部材は、断熱性に優れるセ
ラミック製ピストン頂板の背面に構成されていることか
ら燃焼室からの熱影響が少なく、この環状部材の伸縮は
許容の範囲に収まり、裏面外周部とピストン本体とは所
定厚さの軽合金層と環状部材を介して強固に結合した状
態が保たれる。
【0014】また、環状部材の一部をピストン頂板裏面
に当接させて、裏面外周部と環状部材との間にピストン
本体から分離された所定厚さの軽合金層を形成すること
により、鋳ぐるむ際に管理の必要であった上記絞り部の
必要がなくなるため、このピストンの製作性が格段に向
上する。一方、裏面外周部を束縛する所定厚さの軽合金
層はピストン本体から完全に分離されているため、裏面
外周部はピストン本体の伸縮の影響を直接受けることが
なく、裏面外周部とピストン本体とは所定厚さの軽合金
層と環状部材を介して強固に結合した状態が保たれて、
このピストンの耐久性がより向上する。
【0015】
【実施例】以下、請求項1に対応する第1実施例を説明
する。
【0016】図1に示したのは、窒化ケイ素(Si3
4 )からなるピストン頂板1を、ピストン本体2をなす
強化アルミニウム合金(AC8A)にて鋳ぐるんでなる
ピストン3で、ピストン頂板1はピストン頂部全体を覆
い、その頂面4の中央付近には深皿型のキャビティ5が
形成されている。なお、図2は図1の部分拡大断面図で
ある。
【0017】ピストン頂板裏面17は、前記キャビティ
5に対応して突出する小径部6、小径部6から外縁部に
向けての緩やかなテーパ部7、テーパ部7から段差部8
を介して形成される裏面外周部9からなり、これらで略
凸字形を呈し、前記裏面外周部9は頂面4に対して略平
行である。
【0018】裏面外周部9並びに小径部6底面には強化
アルミニウム合金との結合、すなわち後述の軽合金層1
5並びピストン本体2との結合を促す金属化処理すなわ
ちメタライズ層10、11がそれぞれに形成されてい
る。このメタライズ層10、11は、セラミックの表面
に活性化金属(例えばチタン)を拡散結合させたもので
ある。
【0019】12は、窒化ケイ素と強化アルミニウム合
金との中間の熱膨張率を有する鉄製環状部材で、その外
周面には図示を省略したトップリングが嵌合するトップ
リング溝13が形成され、表面には強化アルミニウム合
金との結合、すなわち後述の軽合金層15並びにピスト
ン本体2との結合を促す処理、アルミナイズ層14が形
成されている。なお、窒化ケイ素、鉄、強化アルミニウ
ム合金の熱膨張率はそれぞれ、3×10-6、12×10
-6、20〜23×10-6(℃-1)である。
【0020】前記環状部材12は裏面外周部9に近接し
てピストン本体2と共に一体的に鋳ぐるまれ、環状部材
12と裏面外周部9との間で所定厚さtの軽合金層15
を形成すると共に、環状部材12の内周隅部16と段差
部8との間で前記軽合金層15よりも狭い所定の絞り部
18を形成する。この所定の絞り部18は前記軽合金層
15をピストン本体2から実質的に分離するものであ
り、本実施例では、絞り部18を軽合金層15に対して
約45゜の角度を持たせて形成することにより、軽合金
層15をピストン本体2からより実質的に分離してい
る。
【0021】ここで、前述の所定厚さtとは、 1.裏面外周部における軽合金層の熱伸縮量はピストン
径に比例して大きくなること。 2.裏面外周部と環状部材との間に流れ込んだ溶湯が凝
固にともない割れを起こすことがないように、裏面外周
部と環状部材との間に必要な溶湯量を確保すること。 3.溶融状態にある強化アルミニウム合金が室温に冷却
されるまでに、軽合金層を形成する強化アルミニウム合
金の大半が塑性変形をおこすこと。 などを加味し決定される値であり、本実施例では、軽合
金層15の最外周径すなわちピストン外径の約5%と
し、例えば、外径がφ85のピストンにあっては軽合金
層の厚さtは約4mmである。
【0022】前記軽合金層15はピストン本体2から完
全に分離されることが望ましく、前記絞り部18の湯路
断面積は小さいに越したことはない。つまり、軽合金層
15を形成する都合上、ピストン本体2を構成する強化
アルミニウム合金塊の一部が裏面外周部9と環状部材1
2との間に流れ込むことが阻まれない程度にできるだけ
小さいことが要求される。例えば、外径がφ85のピス
トンにあっては絞り部18の巾Aは約1mm強が望まし
い。
【0023】なお、19、20はピストン本体2に成型
されたセカンドリング溝、オイルリング溝、21はピス
トンピン取り付け孔である。
【0024】このような構成に基づき、次に作用を説明
する。
【0025】ピストン頂板1をピストン本体2にて一体
的に鋳ぐるむにあたり、ピストン本体2を構成する強化
アルミニウム合金塊の一部は、所定の絞り部18を通っ
て裏面外周部9と環状部材12との間に流れ込み、メタ
ライズ層10及びアルミナイズ層14によって、裏面外
周部9と環状部材12とに強固に結合する所定厚さtの
軽合金層15が形成される。溶融状態にある強化アルミ
ニウム合金すなわちピストン本体2は室温に冷却される
までの過程において大きく収縮するが、裏面外周部9を
束縛する軽合金層15は、当該軽合金層15よりも湯路
断面積が小さい所定の絞り部18のためにピストン本体
2から実質的に分離されるので、裏面外周部9はピスト
ン本体2の固体化に伴う収縮を直接受けない。
【0026】また、前記環状部材12はピストン本体2
ほどではないにしろ収縮するが、当該環状部材12と前
記裏面外周部9とは、外力によって転位(金属結晶のす
べり)しやすい、すなわち塑性変形しやすい軽合金層1
5にて結合されているので、前記環状部材12の収縮は
前記軽合金層15にてほぼ吸収される。つまり、所定厚
さtの軽合金層を形成する軽合金の大半は塑性変形をお
こして、言わば伸びきったゴムの如く弾性を失うので、
裏面外周部9に作用する熱応力が緩和され、ピストン頂
板1を破損に至らせることなく裏面外周部9とピストン
本体2とを軽合金層15と環状部材12を介して強固に
結合することが可能となる。
【0027】また、環状部材12は断熱性に優れるセラ
ミック製ピストン頂板1の背面に構成されていることか
ら燃焼室からの熱影響が少なく、この環状部材12の熱
伸縮は許容の範囲に収まり、裏面外周部9はピストン本
体2と強固に結合した状態が保たれる。
【0028】また、この環状部材12にはトップリング
溝13が形成されており、耐摩耗性に優れる材料で構成
することにより、耐摩環を兼ねることが可能となる。
【0029】なお、前記絞り部18は全周にわたって形
成される必要はなく、ピストン本体2を形成する強化ア
ルミニウム合金塊が裏面外周部9と環状部材12との間
に流れ込んで、前記軽合金層を形成するに至れば足り
る。つまり、ピストン頂板裏面或いは環状部材に切欠き
部を設けることにより、環状部材をピストン頂板裏面に
当接させて鋳ぐるむことも可能であるし、環状部材の内
部に絞り部すなわち孔を穿設した環状部材をピストン頂
板裏面に当接させて鋳ぐるむことも可能である。ここ
で、当接とは、環状部材とピストン頂板裏面とが接して
いる状態を表わすが、あくまでも接しているだけでこれ
ら両部材の接合がなされているものではない。
【0030】なお、強化アルミニウム合金よりも熱膨張
率の小さい、すなわち強化アルミニウム合金よりも熱伸
縮の小さい鉄製環状部材を前記裏面外周部に直接接合す
れば、ピストン頂板にき裂を生じさせることなく一体的
に鋳ぐるむことが可能であると考えがちであるがそうで
はなく、この場合、ピストン頂板は環状部材の熱伸縮に
追従できず破損する。つまり、鉄の降伏点は強化アルミ
ニウム合金の降伏点(耐力)に比して大きいため、鉄製
環状部材は上記軽合金層の如く塑性変形をすることがで
きずに弾性域内にとどまり、裏面外周部には環状部材の
熱伸縮を束縛しただけの熱応力が作用することになる。
すなわち、鉄のヤング率は強化アルミニウム合金のそれ
に比して大きいため、前記熱応力は大変大きなものとな
り、ピストン頂板はこの熱応力に耐えきれずに破損に至
る。ここで、アルミニウム合金及び鉄の降伏点(耐力)
はそれぞれ15kg/mm2 、40〜50kg/mm2
である。
【0031】次に、請求項2に対応する第2実施例を図
3に基づいて説明する。
【0032】この実施例は鋳造時における製作性向上を
目的とし、前実施例に相当する環状部材30の内周隅部
31をピストン頂板裏面33に当接させて、ピストン本
体34と共に一体的に鋳ぐるんだピストン35で、環状
部材30の幅は裏面外周部36のそれよりも大きくなっ
ており、環状部材30と裏面外周部36との間で所定厚
さtの軽合金層37を形成している。
【0033】前記裏面外周部36並びに小径部6底面に
は強化アルミニウム合金との結合を促す金属化処理すな
わちメタライズ層38、40がそれぞれに形成されてお
り、環状部材30には軽合金層37及びピストン本体3
4との結合を促す処理すなわちアルミナイズ層39が形
成されている。他の構成は第1実施例に準じ、図面に同
じ番号を付してその説明を省略する。なお、裏面33に
は金属化処理が施されていないので、環状部材30と裏
面33とは当接しているのみで結合はなされていない。
【0034】図4に示したのは、ピストン頂板32と環
状部材30とを強化アルミニウム合金すなわちピストン
本体34にて一体的に鋳ぐるむ様を説明する図で、ピス
トン頂板32を下にして鋳ぐるむ、いわゆるさかさ鋳造
である。
【0035】上型41の下方にはピストン本体成型部4
2よりも大径な環状部材挿嵌部43が形成され、ここに
は支持部材44が嵌合する孔45が穿設されている。環
状部材30の上型41への準備は、前記孔45に嵌合し
た支持部材44の先端が環状部材30の凹部46に嵌合
してなされ、この環状部材30と環状部材挿嵌部43と
の間で所定の湯路47が形成される。ここで所定の湯路
47とは、上記実施例と同様に、軽合金層37とピスト
ン本体34とを実質的に分離する狭い通路である。な
お、このとき環状部材30にはあらかじめアルミナイズ
層39が形成されている。
【0036】一方、下型48には、あらかじめメタライ
ズ層38、40を形成したピストン頂板32がその裏面
を上向きに準備される。
【0037】さて、上述の如く環状部材30を準備した
上型41をピストン頂板32を準備した下型48に合わ
せると、環状部材30の内周隅部31はピストン頂板裏
面33に当接し、環状部材30と裏面外周部36との間
には所定厚さtの空間部49が形成される。この空間部
49は前記所定の湯路47を通じてピストン本体側と通
じる。50、51はピストン本体34を中空状にせしめ
る中子である。
【0038】このような鋳型52に強化アルミニウム合
金溶湯を流し込むと、強化アルミニウム合金塊の一部が
狭い所定の湯路47を通じて上記所定厚さtの空間部4
9に流れ込み、裏面外周部36と環状部材30との間に
はこれらに強く結合した所定厚さtの軽合金層37が形
成される。
【0039】こうして形成された軽合金層37は、前記
湯路47が狭いことからピストン本体34から実質的に
分離されており、上記実施例と同様に、裏面外周部36
はピストン本体34の固体化に伴う収縮を直接受けるこ
とがない。つまり、ピストン頂板32を破損に至らせる
ことなく裏面外周部36とピストン本体34とを軽合金
層37と環状部材30を介して強固に結合することが可
能となる。
【0040】ここで、前実施例における絞り部18にあ
っては、軽合金層をピストン本体から実質的に分離する
こと、ピストン本体からのアルミニウム合金塊が円滑に
通過すること、とが要求され、これらを両立するために
絞り部の管理をある程度厳密に行う必要があったが、本
実施例にあってはその必要がなくなり、製作性が格段に
向上する。
【0041】また、環状部材30はピストン頂板32を
押さえ付けるため、強化アルミニウム合金溶湯を流し込
むときにピストン頂板32が浮き上がることを防止で
き、不良品の発生を抑制できる。
【0042】また、上記の如くピストン頂板が浮き上が
ることを防止する目的で、あらかじめピストン頂板の外
周をピストン本体のそれよりも大きく形成して、これを
上型により押さえ付けて鋳ぐるむことも考えられるが、
大きくした分だけ、難削材であるピストン頂板の切削に
かかる手間が増え、加工コストが大幅に増大するという
問題点があり、本実施例ではこのような問題点も合わせ
て解決している。
【0043】なお、強化アルミニウム合金溶湯が凝固し
たしかる後、環状部材30付近を切削してピストン本体
34の外周面と面一に仕上げ、さらに、環状部材30に
トップリング溝を形成し、本実施例によるピストンが完
成する。
【0044】なお、ピストン本体と軽合金層とは必ずし
も同一軽合金材料から形成される必要はなく、軽合金層
は外力によって転位(金属結晶のすべり)しやすい、す
なわち塑性変形しやすい軽合金材料からなれば足りる。
【0045】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
れば、ピストン頂板の裏面外周部と環状部材との間にピ
ストン本体から実質的に分離される所定の軽合金層を形
成したため、ピストン頂板を破損に至らせることなく、
裏面外周部とピストン本体とを、軽合金層と環状部材を
介し強固に結合することが可能となり、この結合状態は
燃焼に伴う熱の影響を受けても強固に保たれる。この結
果、これら結合面におけるシール性が向上して結合面に
ガタを生じることがなくなり、デッドボリューム増加に
よる性能悪化を防止することができる。同時に、前記ガ
タにカーボンなどの燃焼生成物が入り込むことがなくな
ると共に、ピストン頂板の縁部付近が宙に浮くことがな
くなるために、ピストン頂板すなわちピストンの耐久性
が向上する。
【0046】また、環状部材の一部をピストン頂板裏面
に当接させて、裏面外周部と環状部材との間にピストン
本体から分離された所定の軽合金層を形成することによ
り、裏面外周部はピストン本体の熱伸縮に基づく熱応力
を受けることがなくなり、このピストンの耐久性がより
向上するばかりか、鋳ぐるむ際に管理の必要であった絞
り部がなくなるために製作性が格段に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す断面図。
【図2】図1の部分拡大断面図。
【図3】本発明の第2実施例を示す断面図。
【図4】第2実施例に対応するピストンを鋳ぐるむ様子
を示す断面図。
【図5】従来のセラミック鋳ぐるみピストンを示す断面
図。
【符号の説明】
1 ピストン頂板 2 ピストン本体 3 ピストン 9 裏面外周部 10 メタライズ層(金属化処理) 12 環状部材 14 アルミナイズ層 15 所定厚さの軽合金層 17 ピストン頂板裏面 18 所定の絞り部 30 環状部材 32 ピストン頂板 33 ピストン頂板の裏面 34 ピストン本体 35 ピストン 36 裏面外周部 37 所定厚さの軽合金層 38 メタライズ層(金属化処理) 39 アルミナイズ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02F 3/08 8503−3G

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軽合金製のピストン本体と、このピストン
    本体の頂部を覆うセラミック製のピストン頂板とを備
    え、前記ピストン頂板が前記ピストン本体にて一体的に
    鋳ぐるまれてなるセラミック鋳ぐるみピストンにおい
    て、 前記ピストン頂板の裏面外周部に前記軽合金との結合を
    促す金属化処理を施すと共に、この裏面外周部に近接し
    たところに、前記軽合金と前記セラミックとの中間の熱
    膨張率を有する材料からなり、前記軽合金との結合が促
    されるよう処理された環状部材を、前記ピストン本体と
    共に一体的に鋳ぐるんで、この環状部材と前記裏面外周
    部との間に、所定の絞り部を介して前記ピストン本体と
    繋がる所定厚さの軽合金層を形成したことを特徴とする
    セラミック鋳ぐるみピストン。
  2. 【請求項2】軽合金製のピストン本体と、このピストン
    本体の頂部を覆うセラミック製のピストン頂板とを備
    え、前記ピストン頂板が前記ピストン本体にて一体的に
    鋳ぐるまれてなるセラミック鋳ぐみピストンにおいて、 前記軽合金と前記セラミックとの中間の熱膨張率を有す
    る材料からなる環状部材を、当該環状部材の一部が前記
    ピストン頂板の裏面に当接するよう前記ピストン本体と
    共に一体的に鋳ぐるんで、この環状部材と前記裏面外周
    部との間に前記ピストン本体から分離される所定厚さの
    軽合金層を形成し、前記裏面外周部には前記軽合金層と
    の結合を促す金属化処理が施され、前記環状部材は前記
    軽合金層および前記ピストン本体との結合が促されるよ
    う処理されていることを特徴とするセラミック鋳ぐるみ
    ピストン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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