JPH0576542A - 先端取替え機構付レーザプローブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 先端部の消毒や使い捨てが必要な場合に、先
端部を容易に着脱できる、先端取替え機構付レーザプロ
ーブを提供することをその目的としている。 【構成】 赤外レーザ用の金属ハライド光ファイバ１に
取り付けたレーザプローブにおいて、前記金属ハライド
光ファイバ１の先端部を、この金属ハライド光ファイバ
１の外径に近い内径を有するチューブ２に収納し、この
チューブ２の先端に赤外レーザ透過減衰量が小さい材料
製ロッド３を取り付けて、レーザプローブ本体側先端部
を構成し、この本体側先端部に、レーザプローブ取替え
側先端部を構成すると共に、その内面を粗さ１μｍ以下
に研磨されて金メッキが施された金属中空導波路４を、
前記本体側先端部に着脱可能に取り付けたことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、レーザ加工において、
加工用レーザを出射するレーザプローブに関し、特に、
医療手術用レーザプローブの先端取替え機構に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、医療手術用レーザとしては、
炭酸ガスレーザが出射する赤外レーザが使用されてい
る。このレーザによる医療手術に使用される従来のレー
ザプローブの先端部の一例を図４に基づいて説明する。
図４において、図示されていない炭酸ガスレーザが出
射する波長１０．６μｍを主体とする赤外レーザを伝送
する塩化銀・臭化銀からなる銀ハライド光ファイバ１
（赤外レーザの減衰量が少なくその大きなエネルギを伝
送できる）の先端部を、内面に金メッキを施したリン青
銅製の金属チューブ２に、前記銀ハライド光ファイバ１
の先端面が、前記金属チューブ２の先端面から数ｍｍ内
側に位置するようにして挿入されている。赤外レーザは
図４のａ−ｂの区間は、前記金属チューブ２の金メッキ
された内面を反射しながら進行して、金属チューブ２の
先端面ｂから出射される。そして、前記銀ハライド光フ
ァイバ１と前記金属チューブ２との隙間を通して、ガス
を流し、前記銀ハライド光ファイバ１と前記金属チュー
ブ２とを冷却すると共に、レーザ加工の際の飛散物が銀
ハライド光ファイバ１の先端面ａに付着しないようにし
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来の
レーザプローブ先端部の構成では、銀ハライド光ファイ
バ１を内部に収納している金属チューブ２を取り替える
ために脱着することは困難である。これを、医療手術用
に使用する場合、衛生上、レーザプローブ先端部を取り
替えて使い捨てるか又は、取り外して消毒を行う必要が
あるが、従来の構成ではこれらの必要に応じられないと
いう問題点があった。

【０００４】本発明は、上記の問題点を解決して、先端
部の着脱が容易な先端取替え機構付レーザプローブを提
供することをその課題としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の先端取替え機構
付レーザプローブは、上記の課題を解決するために、赤
外レーザ用の金属ハライド光ファイバに取り付けたレー
ザプローブにおいて、前記金属ハライド光ファイバの先
端部を、この金属ハライド光ファイバの外径に近い内径
を有するチューブに収納し、このチューブの先端に赤外
レーザ透過減衰量が小さい材料製ロッドを取り付けて、
レーザプローブ本体側先端部を構成し、この本体側先端
部に、レーザプローブ取替え側先端部を構成すると共
に、その内面を粗さ１μｍ以下に研磨されて金メッキが
施された金属中空導波路を、前記本体側先端部に着脱可
能に取り付けたことを特徴とする。

【０００６】又、赤外レーザ透過減衰量が小さい材料製
ロッドはダイヤモンド又はフッ化ストロンチウム製であ
ることが好適である。

【０００７】又、チューブに、冷却用ガス流路のスリッ
トを設けることが好適である。 又、金属中空導波路
を、本体側先端部に着脱可能に套嵌する中空導波路ホル
ダー部に接続することが好適である。

【０００８】

【作用】本発明の先端取替え機構付レーザプローブは、
赤外レーザ透過減衰量が小さい金属ハライドからなる赤
外レーザ用の金属ハライド光ファイバを使用することに
よって、例えば、炭酸ガスレーザが出射する大エネルギ
の赤外レーザを小さな減衰量で伝送できる（これ以外の
光ファイバを使用すると、赤外レーザのエネルギが熱に
変わって減衰し、その熱で光ファイバが溶融してしま
う。）。この金属ハライド光ファイバの先端に、レーザ
プローブを取り付けると、炭酸ガスレーザが出射する赤
外レーザの大エネルギを、医療用、例えば、歯の治療に
使用することができる。

【０００９】又、金属ハライド光ファイバの先端部を、
この金属ハライド光ファイバの外径に近い内径を有する
チューブに収納し、このチューブの先端に赤外レーザ透
過減衰量が小さい材料製ロッドを取り付けて、レーザプ
ローブ本体側先端部を構成し、この本体側先端部に、そ
の内面を粗さ１μｍ以下に研磨されて金メッキが施され
た金属中空導波路を、レーザプローブ取替え側先端部と
して、前記本体側先端部に着脱可能に取り付けているの
で、歯の治療等に使用して、消毒又は使い捨てのために
レーザプローブの先端部を取り替える必要があれば、前
記金属中空導波路だけを容易に着脱できる。この場合、
レーザプローブ本体側先端部は、金属ハライド光ファイ
バの先端部を、この金属ハライド光ファイバの外径に近
い内径を有するチューブに収納し、このチューブの先端
に赤外レーザ透過減衰量が小さい材料製ロッドを取り付
けた構造によって、金属ハライド光ファイバの端面が充
分に保護されており、赤外レーザ透過減衰量が小さい材
料製ロッドがガイドの役割を果たすので、着脱作業が容
易である。又、前記金属中空導波路の内面が粗さ１μｍ
以下に研磨されて金メッキを施されているので、前記金
属ハライド光ファイバの先端部から出射された赤外レー
ザは、この金メッキ面で略完全に反射されて、この金属
中空導波路の先端から、殆ど減衰することなく出射され
る。

【００１０】又、赤外レーザ透過減衰量が小さい材料製
ロッドがダイヤモンド製であると、コストは高いが、ダ
イヤモンドの硬度によって、取り扱いが非常に容易にな
る。

【００１１】赤外レーザの透過減衰量が小さい材料製ロ
ッドがフッ化ストロンチウム製であると、ダイヤモンド
よりも取り扱いの容易性に劣るが、コスト安になる。

【００１２】又、チューブに、冷却用ガス流路のスリッ
トを設けると、金属ハライド光ファイバとチューブとの
間隙に、冷却用ガスを流すことができ、レーザプローブ
全体、特に、赤外レーザの透過減衰量が小さい材料製ロ
ッドと金属中空導波路とを冷却できる。

【００１３】又、金属中空導波路を、本体側先端部に着
脱可能に套嵌する中空導波路ホルダー部に接続するよう
にすると、レーザプローブ取替え側先端部の取替えが極
めて容易になる。

【００１４】

【実施例】本発明の先端取替え機構付レーザプローブの
一実施例を図１から図３に基づいて説明する。

【００１５】図１から図３において、本実施例の先端取
替え機構付レーザプローブの本体側は、塩化銀・臭化銀
からなる銀ハライド光ファイバ１と、この銀ハライド光
ファイバ１を内部に収納すると共に、冷却ガスを流出さ
せるスリットｅを有するリン青銅製金属チューブ２と、
この金属チューブ２の先端に取り付けられると共に、前
記銀ハライド光ファイバ１の先端面を保護し、これに略
当接しているダイヤモンド製ロッド３と、前記金属チュ
ーブ２の先端から少し内側寄り位置に取り付けられ、本
実施例のレーザプローブの先端取替え機構のレーザプロ
ーブ取替え側先端部の中空導波路ホルダー部６の内面の
突出部ｄを係止する係止溝ｃを有するコネクタ部５とか
らなり、本実施例の先端取替え機構付レーザプローブの
レーザプローブ取替え側先端部は、前記本体側に套嵌さ
れると共に、前記係止溝ｃに係止する突出部ｄを有する
中空導波路ホルダー部６と、この中空導波路ホルダー部
６に取り付けられ、その内面を粗さ１μｍ以下に光学研
磨されて金メッキが施されているリン青銅製金属中空導
波路４とからなる。

【００１６】次に、本実施例の動作を説明する。

【００１７】中空導波路ホルダー部６を金属チューブ２
にその先端から套嵌し、中空導波路ホルダー部６の突出
部ｅをコネクタ部５の係止溝ｃに係止すると、本実施例
の先端取替え機構付レーザプローブの本体側とレーザプ
ローブ取替え側先端部との連結が完了する。

【００１８】図示されていない炭酸ガスレーザが出射す
る赤外レーザを、銀ハライド光ファイバ１が殆ど減衰な
しに伝送し、赤外レーザをダイヤモンド製ロッド３に出
射する。ダイヤモンド製ロッド３は、この赤外レーザを
殆ど減衰なしに透過し、金属中空導波路４内に出射す
る。金属中空導波路４内に出射された赤外レーザは、粗
さ１μｍ以下に研磨された内面上に施された金メッキに
よって略完全に反射され殆ど減衰せずに、金属中空導波
路４の先端から出射され、歯の治療等に使用される。
歯の治療等に使用されて、消毒又は使い捨てのために、
レーザプローブの先端を取り替える必要が生じると、中
空導波路ホルダー部６の突出部ｅとコネクタ部５の係止
溝ｃとの係止を外すと、本実施例の先端取替え機構付レ
ーザプローブの本体側とレーザプローブ取替え側先端部
との連結を容易に外すことができる。

【００１９】本発明の先端取替え機構付レーザプローブ
は、上記の実施例に限らず種々の態様が可能である。例
えば、金属ハライド光ファイバ１は、ヨウ化タリウム・
臭化タリウムからなるタリウムハライド光ファイバでも
良い。

【００２０】金属中空導波路４は、ニッケルチューブの
内面にゲルマニウムの薄膜を設けたものでも、内面研磨
のステンレスチューブでも良い。

【００２１】赤外レーザ透過減衰量が小さい材料製ロッ
ド３は、フッ化ストロンチウムや塩化ナトリウムやフッ
化バリウムや塩化カリウム等でも良い。

【００２２】金属チューブ２は、チタン製、金製のチュ
ーブでも、内面に金メッキを施した金属チューブでも、
テフロンチューブ等の樹脂チューブでも良い。

【００２３】

【発明の効果】本発明の先端取替え機構付レーザプロー
ブは、レーザプローブの本体側にレーザプローブ取替え
側先端部を容易に着脱できるので、炭酸ガスレーザ等の
大エネルギの赤外レーザを伝送し、出射して、歯の治療
等に使用し、消毒や使い捨てが必要な場合には、レーザ
プローブ取替え側先端部を容易に着脱して、消毒や使い
捨てができるという効果を奏する。

【００２４】又、冷却用ガスの冷却効果によって、使用
し得る赤外レーザのエネルギを大きくすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を連結した状態の断面図であ
る。

【図２】本発明の一実施例を分離した状態の側面図であ
る。

【図３】図２のＡ−Ａ断面図である。

【図４】従来例の断面図である。

【符号の説明】

１ 銀ハライド光フアイバ（金属ハライド光フアイバ） ２ リン青銅製チューブ（チューブ） ３ ダイヤモンド製ロッド（赤外レーザ透過減衰量が小
さい材料製ロッド） ４ 金属中空導波路 ５ コネクタ部 ６ 中空導波路ホルダー部 ｃ 係止溝 ｄ 突出部 ｅ スリット

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 赤外レーザ用の金属ハライド光ファイバ
   に取り付けたレーザプローブにおいて、前記金属ハライ
   ド光ファイバの先端部を、この金属ハライド光ファイバ
   の外径に近い内径を有するチューブに収納し、このチュ
   ーブの先端に赤外レーザ透過減衰量が小さい材料製ロッ
   ドを取り付けて、レーザプローブ本体側先端部を構成
   し、この本体側先端部に、レーザプローブ取替え側先端
   部を構成すると共に、その内面を粗さ１μｍ以下に研磨
   されて金メッキが施された金属中空導波路を、前記本体
   側先端部に着脱可能に取り付けたことを特徴とする先端
   取替え機構付レーザプローブ。
2. 【請求項２】 赤外レーザ透過減衰量が小さい材料製ロ
   ッドはダイヤモンド又はフッ化ストロンチウム製である
   請求項１に記載の先端取替え機構付レーザプローブ。
3. 【請求項３】 チューブに、冷却用ガス流路のスリット
   を設けた請求項１又は２に記載の先端取替え機構付レー
   ザプローブ。
4. 【請求項４】 金属中空導波路を、本体側先端部に着脱
   可能に套嵌する中空導波路ホルダー部に接続した請求項
   １又は２又は３に記載の先端取替え機構付レーザプロー
   ブ。