JPH0576409U - 乳房ｘ線撮影装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】乳房を圧迫板を介して圧迫して撮影する際、疾
患部と推定される乳房の被撮影部を、Ｘ線照射野内に確
実に捕捉して撮影することができる乳房Ｘ線撮影装置を
提供する。 【構成】乳房Ｘ線撮影装置において、圧迫板の乳房圧迫
面を、乳房圧迫時に乳房の被撮影部が乳房圧迫面内に収
容される凹部を有する形状に形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、乳房Ｘ線撮影装置に係わり、特に、乳房を圧迫板を介して圧迫して 撮影する際、疾患部と推定される乳房の被撮影部を、Ｘ線照射野内に確実に捕捉 して撮影するのに好適な乳房Ｘ線撮影装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の一般的な乳房Ｘ線撮影装置の全体構成を図５を参照して説明する。図に おいて、１はコ字形状のケースで、ケース１の上部には図示しないＸ線管装置が 内設され、該Ｘ線管装置に高電圧が印加されることにより、照射野制限部２から 撮影に必要な照射面積に制限されたＸ線ビームが照射される。下部にはカセッテ ホルダ４が形成されていて、前記Ｘ線ビームが照射されるフィルムを収納したカ セッテ３が載置されている。また、ケース１の側面には、ステー５およびその先 端に取り付けられている透明なアクリル樹脂製のほぼ円形の圧迫板６を上下移動 させる図示しない圧迫板上下動機構が内設されている。７はステー５の基部に取 り付けられている圧迫レバーで、該圧迫レバー７を手動または電動操作すること によりステー５および圧迫板６を、カセッテ３との間に挟まれる乳房を圧迫する 方向およびその圧迫を解除する方向に変位させることができる。８は圧迫レバー ７による圧迫力を微調整する圧迫つまみである。９は支柱で、内部には上記Ｘ線 圧迫板の乳房圧迫面を、乳房圧迫時に乳房の被撮影部が乳房圧迫面内に収容され る凹部を有する形状に形成した管装置等を内設したケース１の上下移動機構が設 けられており、ケース１を側面に沿って上下動させるようになっている。１０は Ｘ線保護板、１１はＸ線高電圧装置である。

【０００３】 圧迫板６を介しての乳房のＸ線撮影は、乳房全体を撮影する密着撮影，疾患部 と推定される関心部（触診により確認されたしこり部分）を特に重点的に撮影す るスポツト撮影，被撮影部を拡大して撮影する拡大撮影等の各種の撮影手技があ り、それら撮影手技の使いわけに応じて数種類の圧迫板６が乳房Ｘ線撮影装置に 付属されている。そして、いずれの圧迫板６も図６，図７に示すように、平板状 のカセッテ３に相対する乳房圧迫面が、平面に形成されていて乳房１２ができる だけ均一な厚さで撮影されるようにしている。なお、この場合、圧迫板６の先端 側は、被検者の胸骨を圧迫しないように直線状にカットされている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記の如く従来の乳房Ｘ線撮影装置における撮影は、乳房１２ができるだけ均 一な厚さになるように乳房圧迫面が平面に形成されているため、乳房１２を圧迫 した際、所望の被撮影部が確実に照射野制限部２内に入らず、そのため、カセッ テ３に収納されたフィルムの所定の位置より外れて撮影される不具合を有してい た。これは、特に前記スポット撮影において、他の部分より硬くてしこりになっ ている関心部１３が、圧迫板６に押されて均一の厚さになろうとする場合に、該 圧迫板６から外れる方向へ移動することが多く、関心部１３を確実にＸ線照射野 の中心に位置させて撮影することができない問題点を有していた。

【０００５】 本考案は、上記従来技術の問題点に鑑み、乳房を圧迫板を介して圧迫して撮影 する際、疾患部と推定される乳房の被撮影部を、Ｘ線照射野内に確実に捕捉して 撮影することができる乳房Ｘ線撮影装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案は、Ｘ線照射野内のカセッテ上に載置した被 検者の乳房を、圧迫板を介して圧迫して撮影する乳房Ｘ線撮影装置において、前 記圧迫板の乳房圧迫面を、乳房圧迫時に乳房の被撮影部が乳房圧迫面内に収容さ れる凹部を有する形状に形成したものである。 そして、前記乳房圧迫面の凹部の形状を、凹レンズ状に形成することが望まし い。

【０００７】

【作用】

上記構成としたことにより、しこりになっている関心部を圧迫板にて圧迫した 場合、該圧迫板の乳房圧迫面が凹部を有する形状に形成されているため、従来、 圧迫板により押し出されていた関心部が、反対に凹部内に引き寄せられるように 作用し、該凹部内に関心部を確実に捕捉することが可能になる。従って、関心部 を所望のフィルム位置に撮影することができる。

【０００８】 そして、前記乳房圧迫面の凹部形状を、凹レンズ状に形成することにより、関 心部を圧迫板にて圧迫した場合に、関心部が凹部の中心側に引き寄せられるよう になり、関心部の捕捉を一層確実にすることができる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図１ないし図４を参照して説明する。図１は第１の実 施例の乳房圧迫中の圧迫板の平面図、図２は図１のII−II矢視図、図３は第２の 実施例の圧迫板の側面図、図４は第３の実施例の圧迫板の側面図である。図中、 図６，７と同符号のものは同じものを示す。

【００１０】 図１，２において、１６は前記従来と同様にステー５の先端に取り付けられて いる透明なアクリル樹脂製の圧迫板であるが、図に示すように、乳房１２の圧迫 面が凹レンズ状に形成されている。このため、しこりになっている関心部１３を 圧迫板１６にて圧迫した場合、従来、圧迫板により押し出されていた関心部１３ が、反対に凹部の中心側に引き寄せられるように作用し、該凹部内に関心部１３ を確実に捕捉することが可能になる。従って、関心部１３を所望のフィルム位置 に撮影することができる。

【００１１】 つぎに、図３に示す圧迫板１７は、乳房圧迫面は平面であるが、該乳房圧迫面 を縁より所定寸法だけ引っ込めて凹部を有する形状に形成したものである。この 場合にも前記関心部１３を圧迫した場合、関心部１３が凹部の中心側に引き寄せ られるように作用するから、該凹部内に関心部１３を確実に捕捉することができ る。

【００１２】 つぎに、図４に示す圧迫板１８は、その径Ｄを、通常の６０ｍｍ〜８０ｍｍよ り小さくして３０ｍｍ〜５０ｍｍにし、乳房圧迫面を有しない筒状にして凹部を 有する形状に形成したものである。この場合、径Ｄを小さくすることにより、乳 房は乳房圧迫面を設けなくても、乳房の皮膚面の張力によりほぼ平面状に均一な 厚さに圧迫される。従って、前記各実施例と同様に、関心部１３を圧迫した場合 、関心部１３が凹部の中心側に引き寄せられるように作用し、該凹部内に関心部 １３を確実に捕捉することができる。

【００１３】 上記各実施例において、乳房の圧迫時に、圧迫板中心部と周縁部とでは中心部 が凹になっている分だけ乳房の厚さに多少の差を生じ、その差によるフィルム濃 度差が発生するが、前記各凹部の深さは、フィルム濃度差が実用上問題にならな い程度に制限して形成されている。

【００１４】 なお、上記各実施例においては、前記したスポット撮影用の圧迫板について説 明したが、圧迫面積の大きい密着撮影用の圧迫板および他の撮影用の圧迫板につ いても、乳房の被撮影部が乳房圧迫面内に収容される凹部を形成することにより 、同様の作用・効果を奏することは勿論である。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように本考案は、乳房Ｘ線撮影装置において、圧迫板の乳房圧迫 面を、乳房圧迫時に乳房の被撮影部が乳房圧迫面内に収容される凹部を有する形 状に形成したから、乳房を圧迫板を介して圧迫して撮影する際、疾患部と推定さ れる乳房の被撮影部を、Ｘ線照射野内に確実に捕捉して撮影することができる効 果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の第１の実施例を示す乳房Ｘ線撮影
装置における乳房圧迫中の圧迫板の平面図である。

【図２】 図１のII−II矢視図である。

【図３】 本考案の第２の実施例の圧迫板の側面図であ
る。

【図４】 本考案の第３の実施例の圧迫板の側面図であ
る。

【図５】 従来の一般的な乳房Ｘ線撮影装置の全体構成
説明図である。

【図６】 従来の乳房圧迫中の圧迫板の一例を示す平面
図である。

【図７】 図６のＶII−ＶII矢視図である。

【符号の説明】

１ ケース ２ 照射野制限部 ３ カセッテ ４ カセッテホルダ ５ ステー ６ 圧迫板 ７ 圧迫レバー １２ 乳房 １３ 関心部 １６ 圧迫板 １７ 圧迫板 １８ 圧迫板

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】Ｘ線照射野内のカセッテ上に載置した被検
   者の乳房を、圧迫板を介して圧迫して撮影する乳房Ｘ線
   撮影装置において、前記圧迫板の乳房圧迫面を、乳房圧
   迫時に乳房の被撮影部が乳房圧迫面内に収容される凹部
   を有する形状に形成したことを特徴とする乳房Ｘ線撮影
   装置。
2. 【請求項２】前記乳房圧迫面の凹部の形状が、凹レンズ
   状に形成されてなる請求項１記載の乳房Ｘ線撮影装置。