JPH05763Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、熱交換器を内蔵した暖房器に関し、
特に、暖房器内において、熱交換量の切換えと排
気ガスの排気方向の変更とを可能にした熱交換器
内蔵の暖房器に関する。

〔従来の技術〕

最近、石油あるいはガスなどの燃焼を利用した
暖房器には熱交換器を内蔵した熱交換器内蔵の暖
房器がある。熱交換器には、たとえば床暖房器具
に温水のような加熱された流体を送り、再び熱交
換器に戻す流体循環回路が接続される。

従来のこの種の暖房器においては、第３図に一
例を示すように、暖房器本体１の内部で、かつそ
の下部に石油を収納したポツト２が設けられてい
る。ポツト２の上方には、下部燃焼筒３とその上
方にガラス等の透明体で形成された中間燃焼筒４
を介して上部燃焼筒５が載せ受けられている。上
部燃焼筒５は、中間燃焼筒４の上端に載せ受けら
れている筒部８を有している。筒部８の上端に
は、その上端から筒部８の外方向にのびた排気下
板９を有している。排気下板９の周縁には、その
周縁から上方にのびた側板１０を有している。側
板１０の開口上端部は、排気上板１１で閉口され
ている。

上部燃焼筒５の内部において、その側板１０の
近傍かつ、排気下板９の上面には、熱交換器１５
が設けられている。熱交換器１５の上方の排気上
板１１には、排気口１７が形成されている。ま
た、熱交換器１５の一部には、ダンパ１８が回動
自在に取付けられている。ダンパ１８は、熱交換
器１５と排気上板１１との間に作られた排気通路
を開閉する。さらにダンパ１８は、熱交換器１５
を通過する排気ガスの経路をも開閉する役目も果
す。

今、ポツト２に収納した石油が着火されて燃焼
すると、排気ガスは、図示する矢印の向きに上昇
する。即ち、排気ガスは、上部燃焼筒５に向けて
上昇し、排気上板１１と排気下板９との間に向け
て導びかれる。その結果、排気ガスは、熱交換器
１５を通過し排気口１７から排出される。熱交換
器１５は、排気ガスの熱を取り入れて、その内部
の流体が加熱され、床暖房器具（図示せず）に送
り込まれる。加熱流体は、床暖房器具において加
熱された後に、再び熱交換器１５に戻る流体循環
を繰返し、床暖房を得ることができる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上述の熱交換内蔵の暖房器で
は、熱交換器１５が排気口１７の下方に位置して
いるために、排気ガスが熱交換器１５に達するま
での経路が長くなる。このため、排気ガスの温度
は低下して熱交換器１５に送り込まれることか
ら、十分な熱交換が得られないという問題があ
る。特に、燃焼量が少ない場合には、熱交換量が
不足するという問題がある。

また、排気口１７は、熱交換器１５の近傍に設
けられるため、排気口１７に取付ける煙突の位置
も限られることから、設置場所にも問題が生じ
る。

それ故に本考案の目的は、排気ガスの熱を取入
れる熱交換器の熱交換量を増加させるとともに、
排気口を設ける部分を一箇所に限定することなく
選択可能とした熱交換器内蔵の暖房器を提供する
ことにある。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

本考案によれば、縦にのびた縦燃焼筒と、該縦
燃焼筒の上端に中間部分を接続されて該縦燃焼筒
から排ガスを案内する横にのびた横燃焼筒とを含
む暖房器において、上記縦燃焼筒と上記横燃焼筒
との接続部分の内部を第１の流路と第２の流路と
に仕切るとともに、これらを開閉するダンパと、
該第１の流路に配された熱交換器とを含み、上記
横燃焼筒の両端近傍に排気口をそれぞれ設け、一
方の排気口に円筒を接続し、他方の排気口に蓋を
設けたことを特徴とする熱交換器内蔵の暖房器が
得られる。

〔実施例〕

第１図は、本考案の熱交換器内蔵の暖房器にお
ける一実施例を示している。暖房器は、石油ある
いはガスなどの燃料の燃焼を得る部分、即ち、下
部燃焼筒２０とその上方にガラス等の透明体で形
成された中間燃焼筒２１を介して上部燃焼筒２２
が載せ受けられている。上部燃焼筒２２は、中間
燃焼筒２１の上端にその軸中心を一致させて載せ
受けられる筒部２５を含んでいる。下部燃焼筒２
０、中間燃焼筒２１及び筒部２５が全体として縦
にのびた縦燃焼筒２３を構成する。筒部２５の下
端には、その下端から内向きに、かつリング状に
形成された底面板２６を有している。この底面板
２６は、中間燃焼筒２１の上端に直接載せ受けら
れている。筒部２５の上端には、その上端から筒
部２５の外方向にのびた排気下板２７を有してい
る。排気下板２７の周縁には、その周縁から上方
にのびた側板２８を有している。側板２８を有し
ている。側板２８の上端開口部分は、排気上板２
９で閉口されている。排気下板２７、側板２８及
び排気上板２９によつて横にのびた横燃焼筒２４
が構成されている。すなわち、縦燃焼筒２３の上
端には横燃焼筒２４の中間部分が接続されてい
る。排気上板２９の一部には、排気口３０が設け
られている。

このようにして作られた上部燃焼筒２２の筒部
２５の内部には、熱交換器３５が設けられてい
る。熱交換器３５は、上部燃焼筒２２の筒部２５
の内壁面に沿つて円筒形に設けられている。熱交
換器３５の内側には、排気ガスの経路切換え用の
ダンパ４０が設けられている。ダンパ４０は、第
２図にも示すように、円筒状の垂直部４１の下端
が筒部２５の底面板２６に近づくように下降でき
るものである。下降したダンパ４０の下端は、底
面板２６の内側を少し上向きに曲げた部分の先端
に載せ受けられる。ダンパ４０は、その垂直部４
１の上端から外部きにフランジ状にのびた平板部
４２を有している。この平板部４２には、排気上
板２９を貫通して上方にまでのびた操作部４３が
設けられている。この操作部４３は、ダンパ４０
の上昇、下降の操作に用いられる。今、ダンパ４
０を上昇した状態では、第１図に示すように、高
い温度の排気ガスが、熱交換器３５を配置した第
１の流路３６を通過して、筒部２５に沿つて上昇
し、横燃焼筒２４を通つて排気口３０から排出さ
れる。

排気口３０には、煙突５０が設けられているた
め、排気ガスはこの煙突５０を通して暖房器の外
へ排出される。たとえば、この煙突５０を他の位
置に設置したい場合には、排気上板２９の別箇所
に排気口５２を設けて排気することが可能であ
る。この排気口５２を使用しない場合には、そこ
に蓋５３をかぶせて閉口される。ここで、横燃焼
筒２４には両端近傍のそれぞれに排気口３０及び
５２が設けられている。

床暖房器具（図示せず）の放熱を必要としない
場合には、ダンパ４０は操作部４３を押し下げる
ことによつて下降される。ダンパ４０は下降され
ると、排気ガスが、第２図の矢印で示すように、
ダンパ４０の内側を上昇し、第２の流路５４を通
つて横燃焼筒２４に入る。そして、排気ガスは、
排気口３０から煙突５０へ排出される。その結
果、熱交換器３５の内部の流体は、排気ガスがダ
ンパ４０の外側を上昇した場合と比較して熱交換
量が減少する。したがつて、床暖房器具は、その
放熱量を、ダンパ４０の上昇、下降によつて増加
または減少させることが可能となる。

〔考案の効果〕

以上、説明したように本考案の熱交換器内蔵の
暖房器によれば、燃焼ガスの最も温度の高い部分
に熱交換器を設けているので、排気ガスによる熱
交換器の熱交換量をダンパの切換えによつて増加
または減少させることができる。

また、熱交換器は縦燃焼筒と横燃焼筒との接続
部分に設けられているので、横燃焼筒の排気口の
位置を自由に選択でき、その排気口と接続される
煙突の位置が制約されることがないため、暖房器
の設置場所も有効に使用が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の熱交換器内蔵の暖房器におけ
る一実施例を示す簡略断面図、第２図は第１図の
熱交換内蔵の暖房器におけるダンパを下降した状
態を示す簡略断面図、第３図は従来の熱交換器内
蔵の暖房器を示す簡略断面図である。 １……暖房器、３……下部燃焼筒、５……上部
燃焼筒、１５……熱交換器、１７……排気口、１
８……ダンパ、２０……下部燃焼筒、２１……中
間燃焼筒、２２……上部燃焼筒、２３……縦燃焼
筒、２４……横燃焼筒、２５……筒部、２６……
底面板、２７……排気下板、２９……排気上板、
３０……排気口、３５……熱交換器、４０……ダ
ンパ、４３……操作部、５０……煙突、５２……
排気口、５３……蓋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 縦にのびた縦燃焼筒と、該縦燃焼筒の上端に中
   間部分を接続されて該縦燃焼筒から排ガスを案内
   する横にのびた横燃焼筒とを含む暖房器におい
   て、上記縦燃焼筒と上記横燃焼筒との接続部分の
   内部を第１の流路と第２の流路とに仕切るととも
   に、これらを開閉するダンパと、該第１の流路に
   配された熱交換器とを含み、上記横燃焼筒の両端
   近傍に排気口をそれぞれ設け、一方の排気口に煙
   突を接続し、他方の排気口に蓋を設けたことを特
   徴とする熱交換器内蔵の暖房器。