JPH057504Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は運転中噴射圧を変化させることのでき
る燃料噴射弁に関する。

第１図は従来の燃料噴射弁の縦断面を示す。図
で１′は燃料噴射弁本体、２′は内部に針弁３′を
収め、先端部に放射状にあけられた噴口５′を有
するノズルチツプであり、針弁３′はノズルチツ
プ２′の軸心部に設けられ軸心方向に摺動可能に
挿入されている。４′はノズルチツプ２′と本体
１′との間に設けられた針弁３′リフトの制限リン
グである。６′は針弁３′の上方に接触して設けら
れたばね受け、７′はばね受６′を介して針弁３′
の開弁圧力を調整するノズルばね、８′はノズル
ばね７′を調整する調整ねじ、９′は調整ねじ８′
を固定するナツト、１０′は燃料油入口、１１′は
噴射弁内の油通路、１２′はノズルチツプ２′を本
体１′に締め付けるための締付キヤツプ、１３′は
ノズルチツプ２′と針弁３′とで形成される油だま
りである。

次に上記従来装置の作用について説明する。

図示しない燃料ポンプから圧送された高圧燃料
油は燃料油入口１０′より油通路１１′を通り、油
だまり１３′に入る。油だまり１３′の油圧がノズ
ルばね７′の付勢力より高くなると同時に針弁
３′が開く。針弁３′が開くと同時に油だまり１
３′内の高圧燃料油が噴口５′を通つて燃料室内に
噴出される。従来の方法では、ノズルばね７′を
一定の強さに調整して、この調整ねじ８′をナツ
ト９′で固定するやり方であるため、運転中はエ
ンジンの負荷の高低に拘らず、一定の開弁圧力に
固定され、高、中、低負荷の全域にわたつて良好
な性能を発揮することができない欠点であつた。

本考案の目的は、前記欠点を解消し、エンジン
の運転中、負荷に応じて開弁圧力を変化させるこ
とが出来るようにした燃料噴射弁を提供するにあ
る。

本考案に係る燃料噴射弁は、運転中燃料噴射圧
を変化させるノズルばねの付勢力をコントロール
する調整ねじと、この調整ねじの駆動手段を設
け、前記目的を達成できるよう構成したものであ
る。

以下第２図を参照して、本考案による燃料噴射
弁の一実施例について説明する。

ここにおいて、前記従来装置と同一もしくは均
等構成部分には、同一符号を用いて説明する。

第２図において、１は燃料噴射弁本体、２は内
部に針弁３を収め先端には放射状にあけられた噴
口５を有するノズルチツプである。針弁３はノズ
ルチツプ２の軸心部に設けられ、軸心方向に摺動
可能に挿入されている。４はノズルチツプ２と本
体１との間に設けられた針弁３リフトの制限リン
グである。６は針弁３の上方に接触して設けられ
たばね受け、７はばね受６を介して針弁３の開弁
圧力を調整するノズルばね、１０は燃料油入口、
１１は噴射弁内の油通路、１２はノズルチツプ２
を本体１に締付けるための締付用キヤツプ、１３
はノズルチツプ２と針弁３とで形成されている油
だまりである。以上は従来装置と殆んど同様のも
のである。

８はノズルばね７の上端を支持するばね押え、
１５は前記本体１内に上下移動自在に螺着された
スリーブ、９は該スリーブ１５固定用のナツトで
ある。１４は下端面がばね押え８の上端面と当接
される調整ねじで、前記スリーブ１５にねじ部１
６にて螺着され、スリーブ１５との間に軸方向間
隙を存したストツパ部Ａを形成している。１７，
１８はＯリング、１９は調整ねじ１４を回転させ
るためのフオークでありピン２０により調整ねじ
１４と連結されている。

本考案の燃料噴射弁は、ノズルばね７の上端に
当接するばね押え８と、噴射弁本体１に螺合され
下端がばね押え８の肩部上面８ａに当接するスリ
ーブ１５と、該スリーブ１５内にこれと針弁の軸
方向に相対移動自在に螺合され下端が前記ばね押
え８の上端と当接する調整ねじ１４と、該調整ね
じ１４の上端に連結され該調整ねじを回動する駆
動手段１９，２０とを有してなることを特徴とし
ている。

次に上記実施例の作用について説明する。

フオーク１９を外部の駆動装置より左右に回転
させる事により調整ねじ１４が回転し、スリーブ
１５のねじ部１６の作用により調整ねじ１４の上
下に移動する。この上下運動により調整ねじ１４
に接触するばね押え８が上下してノズルばね７の
長さが変化することになりばね力を変化させるこ
とができる。従つてこの操作をエンジンの運転中
に行うことにより、開弁圧を自由にかえエンジン
の負荷に応じて最適な燃料噴射圧力に調整でき
る。

次に開弁圧の最小値を設定する際には、ナツト
９を弛めてスリーブ１５を燃料噴射弁本体１に対
して上下させ、ストツパＢ部の位置即ちスリーブ
１５の下端とばね押え８の肩部上面との当接部の
位置を上下させて、ノズルばね７の最大取付長さ
を設定する。開弁圧の最大値を設定するには、ス
リーブ１５と調整ねじ８の相対位置を変えてスト
ツパ部Ａの軸方向間隙即ち調整ねじ１４がストツ
パがスリーブ１５に当接して下方へ移動できなく
なる位置を決めてノズルばね７の最小取付長さを
設定する。

本考案の燃料噴射弁はＡ，Ｂのストツパーによ
り開弁圧セツト時に幾何学的位置を確実に決めら
れるのと、スリーブ１５内に調整ねじ１４を設け
ることによりノズルばね力の可変機能とセツト時
調整機能に分けている点が特徴である。

前述のとおり、本考案の燃料噴射弁は、噴射圧
をコントロールするノズルばねの付勢力を運転中
変更可能な調整ねじと、この調整ねじの駆動手段
とを設けたので、開弁圧をエンジンの負荷に応じ
て最適な燃料噴射圧に調整でき大巾な燃費の軽減
が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の燃料噴射弁の縦断面図、第２図
は本考案に係る燃料噴射弁の断面構成図である。 ７……ノズルばね、１４……調整ねじ、１９…
…ピン、２０……フオーク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ノズルばね７の付勢力により開弁圧をコントロ
   ールするものにおいて、ノズルばね７の上端に当
   接するばね押え８と、噴射弁本体１に螺合され下
   端がばね押え８の肩部上面８ａと当接しこの当接
   面を上下せしめて開弁圧の最小値を設定するスト
   ツパ部Ｂを形成するスリーブ１５と、該スリーブ
   １５内にこれと針弁３の軸方向に相対移動自在に
   螺合され下端が前記ばね押え８の上端と当接する
   とともに前記スリーブ１５との軸方向間隙を変え
   て開弁圧の最大値を調整するストツパ部Ａを形成
   する調整ねじ１４と、該調整ねじ１４の上端に連
   結され該調整ねじ１４を回動する駆動手段１９，
   ２０とを有してなる燃料噴射弁。