JPS6246851Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は噴射開始圧力の調整作業を簡素化した
デイーゼルエンジンの噴射弁に関する。

従来、デイーゼルエンジンの燃料噴射において
は、低速における不斉噴射を防止するために、噴
射開始圧力を低、高の二段階にしている例があ
る。

このため、噴射弁に２個の噴射開始圧力の調整
手段を設けている。

第１図において、初期噴射（ここで言う初期噴
射とは噴射の初期の低い噴射開始圧力による噴射
を言う。）の噴射開始圧力の調整手段（以下第１
の調整手段という）Ａは、ノズル１の噴射の開
始、噴射量、終了を規制するニードル弁２の上部
に配設されており、ノズルホルダ３のノズル側
（以下この側を下方、対向する側を上方という）
に穿設された下部内孔４と、ニードル弁２の上端
部に嵌装された第１のばね座５と、前部下部内孔
４の上端面に配設されたシム６と、このシム６と
第１のばね座との間に張設された第１の圧力ばね
７とよりなつている。

メイン噴射の噴射開始圧力の調整手段（以下第
２の調整手段という）Ｂは、ノズルホルダ３の上
部に配設されており、ノズルホルダ３の上端部に
穿設された上部内孔８のねじ部９に螺合する筒状
体１０と、その筒状体１０に穿設された内孔１１
のねじ部１２に螺合する調整ねじ１３と、前記内
孔１１内に第２のばね座１４を有し、筒状体１０
の底部とノズルホルダ３を貫通し下端は第１のば
ね座５の突起面１５と間隔Ｃを有しているロツド
１６と、第２のばね座１４と調整ねじ１３の端面
との間に張設された第２の圧力ばね１７とよりな
つている。

このような構成になつており、図示しない燃料
噴射ポンプからの圧油が油路１８を経てノズル１
の内孔に供給されて、その圧力が第１の圧力ばね
７の張力に打勝つた時点でニードル弁２が上昇し
初期噴射が開始される。そして、第１のばね座５
の突起面１５がロツド１６に当接した時点から、
圧油の圧力は、更に、第１および第２の圧力ばね
７および１７の張力に抗してニードル弁２を上昇
させて、メイン噴射を開始するようになつてい
る。この初期噴射およびメイン噴射の噴射開始圧
力の調整は、それぞれ第１および第２の調整手段
の圧力ばね７および１７の張力と、間隔Ｃを調整
して行うようになつている。

第２の圧力ばね１７の調整は調整ねじ１３の回
動により、また、間隔Ｃの調整は筒状体１０の回
動により容易に行うことができる。

しかし、第１の圧力ばね７の張力の調整は、そ
の圧力ばね７の組込部寸法、ばね定数、ばね自由
長にはばらつきがあるので、シム６の厚みを選択
する必要があり、その都度、ノズルナツト１９等
を脱着しなければならず、非常に手間がかゝると
いう問題がある。

本考案は上記した問題を解決するためのもの
で、初期噴射の噴射開始圧力を調整する手段をノ
ズルホルダのノズルと対向する端部に配設し、中
継体を介してメイン噴射の噴射開始圧力を調整す
る手段を連設して、噴射開始圧力の調整作業を簡
素化するデイーゼルエンジンの噴射弁を提供する
ことを目的としている。

以下本考案の一実施例を図面にもとづいて説明
するが、第２図において第１図と同一のもの、ま
たは、等価のものは同一符号を付して説明を省略
する。

第２図において、第１の調整手段Ａは、ノズル
ホルダ３のノズル１と対向する端部に配設されて
おり、上部内孔８と、そのねじ部９に螺合する中
継体２０と、前記上部内孔８内に第１のばね座５
を有し、１端はノズルホルダ３を貫通し図示され
ない方法でニードル弁２と連結し、他端は中継体
２０の底部を貫通して後出の第２のロツド２１と
間隔Ｃを有する第１のロツド２２と、第１のばね
座５と中継体２０の底面との間に張設された第１
の圧力ばね７とよりなつている。

第２の調整手段Ｂは、前記中継体２０に穿設さ
れた内孔２３のねじ部２４に螺合する筒状体１０
と、調整ねじ１３と、筒状体の内孔１１内に第２
のばね座１４を有し筒状体１０の底部を貫通し第
１のロツド２２と端面が対向している第２のロツ
ド２１と、第２の圧力ばね１７とよりなつてい
る。

このように構成されているので、第２の圧力ば
ね１７および間隔Ｃの調整は、第１図と同様に、
それぞれ、調整ねじ１３および筒状体１０を回動
させて行い、また、第１の圧力ばね７の調整は、
中継体２０を回動することによつて容易に行うこ
とができる効果がある。

以上説明したように本考案によれば、初期噴射
の噴射開始圧力の調整手段をノズルホルダのノズ
ルと対向する端部に配設し、中継体を介してメイ
ン噴射の噴射開始圧力の調整手段を連設するよう
にしたので、噴射開始圧力の調整作業が大きく簡
素化される効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の初期噴射を行う噴射弁の縦断面
図、第２図は本考案の一実施例を示す縦断面図で
ある。 Ａ……第１の調整手段、Ｂ……第２の調整手
段、１……ノズル、２……ニードル弁、３……ノ
ズルホルダ、５……第１のばね座、６……シム、
７……第１の圧力ばね、８……上部内孔、１０…
…筒状体、１１……内孔、１３……調整ねじ、１
４……第２のばね座、１６……ロツド、１７……
第２の圧力ばね、１９……ノズルナツト、２０…
…中継体、２１……第２のロツド、２２……第１
のロツド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パイロツト噴射およびメイン噴射の噴射開始圧
   力を調整する第１および第２の調整手段を有する
   デイーゼルエンジンの噴射弁において、第１の調
   整手段が、ノズルホルダのノズルと対向する端部
   に穿設した内孔と、その内孔のねじ部に螺合する
   中継体と、一端を前記ノズルホルダを貫通してニ
   ードル弁に連結するとともに他端が前記中継体の
   底部を貫通する第１のロツドと、この第１のロツ
   ドに設けたばね座と中継体との間に張設された第
   １の圧力ばねとからなり、第２の調整手段が、前
   記中継体に穿設した内孔のねじ部に螺合する筒状
   体と、その筒状体に穿設した内孔のねじ部に螺合
   する調整ねじと、この筒状体の底部を貫通して前
   記第１のロツドに対向する第２のロツドと、この
   第２のロツドに設けたばね座と前記調整ねじとの
   間に張設した第２の圧力ばねとからなり、前記第
   １および第２のロツドの対向する端面が調整自在
   な間隔を有することを特徴とするデイーゼルエン
   ジンの噴射弁。