JPH0575013B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0575013B2
JPH0575013B2 JP13204486A JP13204486A JPH0575013B2 JP H0575013 B2 JPH0575013 B2 JP H0575013B2 JP 13204486 A JP13204486 A JP 13204486A JP 13204486 A JP13204486 A JP 13204486A JP H0575013 B2 JPH0575013 B2 JP H0575013B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pva
starch
chain alkyl
alkyl group
aqueous solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP13204486A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62288643A (ja
Inventor
Koji Takano
Koji Morya
Toshiaki Sato
Junnosuke Yamauchi
Takuji Okaya
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP61132044A priority Critical patent/JPS62288643A/ja
Priority to US07/054,899 priority patent/US4835198A/en
Priority to CA000538950A priority patent/CA1324848C/en
Priority to KR1019870005714A priority patent/KR900003355B1/ko
Priority to EP87108178A priority patent/EP0252303B1/en
Priority to DE8787108178T priority patent/DE3774779D1/de
Publication of JPS62288643A publication Critical patent/JPS62288643A/ja
Publication of JPH0575013B2 publication Critical patent/JPH0575013B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は澱粉と末端に炭素数が4〜50の長鎖ア
ルキル基を有するポリビニルアルコール系重合体
からなる、非常に相溶性の良好な高分子組成物に
関するものである。 従来の技術 ポリビニルアルコール(以下PVAと略記する)
と澱粉との混合物は、水溶性であることと皮膜形
成能が良好なこと、また澱粉は安価であること等
から繊維用経糸糊剤や紙加工剤等に使われてき
た。しかしPVA、澱粉は共に高分子化合物であ
るため相溶性に劣り、PVAと澱粉との混合水溶
液の安定性が悪く、すぐ分離する傾向が見られ、
またこの同じ混合水溶液より得られた皮膜は透明
性が悪く、皮膜物性もあまり良いものではないの
である。 PVAと澱粉との相溶性を向上させるために澱
粉として各種の化工澱粉、例えばエーテル化澱
粉、エステル化澱粉、カチオン化澱粉等の澱粉誘
導体や、酸化澱粉やデキストリン等の澱粉分解産
物を用いることが広く試みられているが、澱粉誘
導体はコストが高くなる欠点を有し、一方澱粉分
解産物は元の澱粉に比べて分子量が小さく従つて
PVAとの混合水溶液の安定性は向上するものの、
この混合水溶液から作つた皮膜の物性はあまり良
くなくかえつて劣る結果となることすらあるので
ある。即ちこれらの澱粉誘導体や澱粉分解産物を
用いてもPVAとの相溶性がまだ十分ではないの
である。 これに対して、炭素数4〜20の長鎖アルキル基
を共重合した変性PVAを用いると生澱粉との相
溶性が向上することが知られている(特開昭56−
14544)が、これも確かに混合水溶液の安定性は
通常のPVAと比較して向上するがそれでもまだ
ゲル化しやすく、またその混合水溶液から製造し
た皮膜の物性も十分満足するとは言えないのであ
る。また上記の化工澱粉には効果がないのであ
る。末端に炭化水素の長鎖アルキル基を有する
PVA系重合体の製造技術は既に知られているこ
とである(特公昭48−1831、特開昭58−108207)。
しかしこのPVA系重合体と澱粉との相溶性に関
する技術は未だ知られていない。 発明が解決しようとする問題点 生澱粉は水溶性で価格が安いこと、入手が容易
なこと、一方PVAは水溶性の合成高分子化合物
であつて品質が安定しており、銘柄の数も多くそ
の優れた皮膜形成能の点から数多くの分野で使わ
れているが、合成高分子であるため澱粉に比べて
価格が高いという欠点を有する。このため両者の
中間的な物性を示すPVAと澱粉との混合物が使
われているのである。しかしこの両者は本質的に
は相溶性の良くないものであるため混合水溶液の
安定性も悪く、分離したり、粘度が経時的に増大
するなど取扱い上の種々の問題を有し、またこれ
らの混合水溶液から製造した成形物の物性も満足
出来るものではないのである。 問題を解決する為の手段 これに対し、かかる状況下本発明者が鋭意検討
した結果、炭素数が4〜50の長鎖アルキル基を末
端に有するPVA系重合体と澱粉とは非常に相溶
性が良好で、この両者の混合水溶液の安定性が向
上し、混合水溶液の粘度の経時変化も小さく、ま
たこの混合水溶液から作製した皮膜は透明性に優
れ、皮膜物性も良好であることを見出し本発明を
完成させたものである。 本発明に使用される末端に炭素数4〜50の長鎖
アルキル基を有する末端疎水基変性PVA系重合
体について説明する。末端の長鎖アルキル基とし
ては、炭素数4〜50のものが適当である。炭素数
が4未満では未変性のPVAとあまり変わらず澱
粉との相溶性も良くない。また炭素数が50を超え
るものは疎水性が強過ぎて該重合体自身の水溶性
が乏しくなり結果的に澱粉との相溶性も悪くやは
り本発明の目的を達しえず、炭素数4〜50が適当
であるが、好ましくは炭素数が8〜24のものであ
る。このような例としては炭素数が4〜50の長鎖
アルキル基、枝分れしたアルキル基、アルキルア
リール基等があげられるが、O、N、S等の原子
から構成される連結基を有するものも含まれる。 次に該重合体の重合度は、導入される末端基量
と密接に関係するが10〜3000、望ましくは50〜
2500が適当である。けん化度については特に制限
はないが、通常50モル%以上のものが用いられ、
好ましくは70モル%以上である。 また該重合体はビニルアルコール単位、酢酸ビ
ニル等の残ビニルエステル単位の他に少量の単位
を含有することが可能であり、これらの例として
は、エチレン、プロピレン、イソブテン等のα−
オレフイン、アクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸
等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはアルキル
エスル等、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキ
ルビニルエーテル、N,N−ジメチルアクリルア
ミド、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、プロピオン酸ビニル、バーサテイツ
ク酸ビニル、2−アクリルアミドプロパンスルホ
ン酸およびその塩等があげられる。しかし必ずし
もこれらに限定されるものではない。 以上の如き末端に炭素数4〜50の長鎖アルキル
基を有するPVA系重合体は、いくつかの方法に
より製造可能であるが、工業的には炭素数4〜50
の長鎖アルキル基を有するメルカプタンの存在下
に酢酸ビニル等のビニルエステルを主体とするモ
ノマーを重合し、得られたポリビニルエステル系
重合体を常法によりけん化する方法が最も好まし
い。 一方澱粉としては、小麦、コーン、米、馬れい
しよ、甘しよ、タピオカ、サゴ椰子等より採つた
澱粉が用いられるが、一般的には小麦澱粉、コー
ンスターチが適当である。またこれら上記の生澱
粉を原料として製造したデキストリンや酸化澱粉
等の澱粉の分解産物、あるいはエーテル化澱粉、
エステル化澱粉、カチオン化澱粉等の澱粉誘導体
を用いてもよい。 澱粉(A)と末端に長鎖アルキル基を有するPVA
系重合体(B)との配合割合は、(A):(B)=100:0.5〜
1:100が適当で、更に好ましくは(A):(B)=100:
5〜5:100である。澱粉水溶液の放置安定性の
向上が主目的の場合は澱粉(A)100重量部に対して
(B)を0.5重量部以上、更に好ましくは5重量部以
上が適当である。澱粉(A)100重量部に対して(B)が
0.5重量部未満では(B)の添加効果があまりない。
一方澱粉皮膜の品質向上が主目的の場合は澱粉(A)
100重量部に対して10重量部以上、更に好ましく
は20重量部以上が適当である。 逆に末端に長鎖アルキル基を有するPVA系重
合体(B)100重量部に対して澱粉(A)が1重量部未満
では(B)そのものと物性的に何等変わらないのであ
る。 このような澱粉と末端に長鎖アルキル基を有す
るPVA系重合体との混合物からなる本発明によ
る高分子組成物は次のような特徴を有する。 即ち、本発明の組成物の水溶液は、澱粉と他の
PVA系重合体(通常のPVA、アニオン変性
PVA、カチオン変性PVA、ノニオン変性PVAそ
の他の変性PVA等)との混合物の水溶液と比較
して、水溶性の透明性が高く、放置安定性も良好
で粘度の経時変化が非常に小さく取扱いが容易で
ある。これは澱粉と末端に長鎖アルキル基を有す
るPVA系重合体とが非常に相溶性が良いため澱
粉が水溶液中であまり凝集しないで均一に分散し
ているためと思われる。長鎖アルキル基をランダ
ムに共重合したPVA系重合体も通常のPVAに比
べると澱粉との水溶液の安定性を多少向上させる
効果を有するが、本発明の組成物の水溶液はそれ
よりも更に安定である。 末端に長鎖アルキル基を有するPVA系重合体
(B)が澱粉(A)と特異な相互作用を有することが、(B)
と(A)との混合水溶液の粘度挙動から推定出来る。
即ち、末端にC12H25−のアルキル基を有し、重
合度100、けん化度99.2モル%のPVA系重合体と
コーンスターチとを種々の割合で混合したものを
水中に投入し、充分撹拌しながら95℃で2時間加
熱糊化し濃度5重量%の水溶液を作製した。この
水溶液の90℃での粘度をB型粘度計にて測定し
た。次に重合度550けん化度98.5モル%のPVA
(クラレポバール PVA−105)/コーンスター
チ系についても同様に粘度を測定した。結果を第
1図に示す。第1図に於て、1の実線で表わした
ものが末端に長鎖アルキル基を有するPVA系重
合体/コーンスターチ系であり2の点線で表わし
たものがPVA−105/コーンスターチ系の粘度挙
動である。PVA−105/コーンスターチ系の水溶
液が、PVA含有量の増加と共に粘度が低下して
いるのに対して、末端に長鎖アルキル基を有する
PVA系重合体/コーンスターチ系の水溶液は全
般的にPVA−105/コーンスターチ系の水溶液よ
りも粘度が高く(このPVA系重合体自身の水溶
液の粘度はPVA−105の水溶液の粘度よりも低
い)、しかも末端に長鎖アルキル基を有するPVA
系重合体の含有量が10〜30重量%のところで極大
を示し、明らかに末端に長鎖アルキル基を有する
PVA系重合体とコーンスターチとが特異な相互
作用を有することを示している。 長鎖アルキル基を共重合させた変性PVAも混
合水溶液の安定性を向上させる効果を有するが、
それでもまだゲル化しやすい傾向を有し、また化
工澱粉には効果が無いと言われている。これに対
し末端に長鎖アルキル基を有するPVA系重合体
(B)は、末端の疎水性基としての長鎖アルキル基と
親水性基としてのPVA部分がブロツク的に結合
しているため非常に界面活性能力があると共に、
末端に存在する長鎖アルキル基が澱粉との相溶性
を向上させ、一方の端のPVA部分が水中への分
散を容易にしているものと考えられ、この点がラ
ンダムに長鎖アルキル基が入つている共重合変性
PVAと異なる所である。 本発明の組成物の水溶液粘度の経時変化が非常
に小さい、このことは、澱粉の老化現象を防止す
る効果があることを示している。澱粉は一般にア
ミロースとアミロペクチンとからなるが、この老
化現象は澱粉中のアミロースの結晶化に起因する
と言われている。このアミロースは高級脂肪酸と
相互作用を有し相溶性の良いことは既に知られて
いる事実である。本発明に用いられている末端に
長鎖アルキル基を有するPVA系重合体も末端に
高級脂肪族と同じような長鎖アルキル基を有して
いるためアミロースと相互作用を有し、また一方
のPVA部分が水中への分散を容易にしている。
このことが澱粉の老化現象を防止する効果がある
理由と考えられる。 一方澱粉中のもう一つの成分であるアミロペク
チンとの相互作用については従来あまり知られて
いないのであるが、本発明に用いた末端に長鎖ア
ルキル基を有するPVA系重合体はアミロペクチ
ンともアミロースと同様に相互作用を有すること
が認められた。即ち、コーンスターチから分離し
たアミロペクチンと末端にC12H25−の長鎖アル
キル基を有し、重合度280、けん化度98.5モル%
のPVA系重合体とを種々の割合で混合したもの
を水中に投入し、95℃で2時間加熱糊化して濃度
1.5重量%の水溶液を作製した。この水溶液の20
℃での粘度と透過率とを測定した。 ◎ 水溶液の透過率測定方法 日立分光光度計(日立製作所(株)製)使用 波長 650nm セル幅 10mm 結果を表−1に示す。末端に長鎖アルキル基を
有するPVA系重合体のみの1.5重量%の20℃での
粘度は約1センチポイズでほとんど水と変わらな
いのにもかかわわらず末端に長鎖アルキル基を有
するPVA系重合体の割合が増えるに従つて粘度
が上昇し透過率も高くなつている。
【表】 重合度550、けん化度98.5モル%の通常のPVA
(クラレポバール PVA−105)とアミロペクチ
ンの水溶液は粘度も約8センチポイズでPVA−
105を加えても変化せず、透過率も16〜18%とほ
とんど変わらなかつた。このことから末端に長鎖
アルキル基を有するPVA系重合体はアミロペク
チンとも特異な相互作用を有していることが推定
される。このことは長鎖アルキル基を共重合した
PVAやその他のPVA系重合体には見られない特
徴である。 このように末端に長鎖アルキル基を有する
PVA系重合体がアミロースのみならずアミロペ
クチンとも相互作用を有することが、生澱粉のみ
ならず酸化澱粉やその他の化工澱粉とも相溶性の
良い理由ではないかと思われる。 また本発明の組成物の水溶液から製膜した皮膜
は、極めて均質であつて透明性も良好で、他の
PVA系重合体と澱粉との混合物と比較して皮膜
の強度、伸度が高く、優れた皮膜物性を示すので
ある。この理由としては末端の長鎖アルキル基が
澱粉との相互作用を高める働きをし、一方の親水
性であるPVA部分が澱粉同士の凝集を妨げ、均
一に微粒子状で分散させる働きがあるものと思わ
れる。この効果は疎水性の長鎖アルキル基と親水
性のPVA部分とがブロツク的に存在するために
非常に効果的に作用しているものと思われる。 澱粉(A)と末端に長鎖アルキル基を有するPVA
系重合体(B)との混合は、両者を粉体で混合してか
ら水を加え又は水中に投入して糊化する方法、(A)
と(B)とをそれぞれ別個に糊化してから混合する方
法など任意の方法が採用される。両者の混合物に
は可塑剤、着色剤、フイラー、塩類、硼酸、又は
硼砂、他の水溶性高分子や界面活性剤その他の添
加剤を加えても良い。 本発明の組成物は繊維用糊剤特に経糸用糊剤、
紙加工剤、接着剤、フイルム形成用などに用いる
ことができる。 次に参考例として末端に長鎖アルキル基を有す
るPVA系重合体の製造方法の一例を示す。 参考例 酢酸ビニル(以下VAcと略記)960部、メタノ
ール230部およびn−ドデシルメルカプタン(以
下n−DDMと略記)0.99部を反応容器にとり内
部を充分に窒素置換した後、外温を65℃にあげ、
内温が60℃に達したところで2,2−アゾビスイ
ソブチロニトリル0.174部を含むメタノール10部
を加えた。直ちにn−DDM15.3部を含むVAc/
メタノール溶液(VAc濃度80%)60部を5時間
にわたつて均一に加えた。5時間後の重合率は
48.2%であつた。5時間後に容器を冷却し、減圧
下に残留するVAcをメタノールとともに系外に
追い出す操作をメタノールを追加しながら行な
い、PVAcのメタノール溶液(濃度72%)を得
た。このメタノール溶液の一部をとり、PVAc濃
度50%、[NaOH]/[VAc]=0.1(モル比)とな
るようにNaOHのメタノール溶液を加え、40℃
でけん化して、けん化度99.2%のPVAを得た。
アセトン中の[η]より中島式で計算した重合度
は82であつた。 作用及び発明の効果 末端に長鎖アルキル基を有するPVA系重合体
は末端の長鎖アルキル基が澱粉との相互作用を高
め、一方のPVA部分が澱粉の水中への分散を安
定させる働きがあるため、水溶液の放置安定性が
良好で、澱粉の老化現象の防止に効果がある。 またこれらの水溶液から製膜した皮膜は、澱粉
が微粒子状で均一に存在するため、均質で透明性
が良好で、優れた皮膜物性を有するものである。 以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明す
るが、下記の実施例はこの発明を何等制限するも
のではない。実施例中の%は特にことわりのない
限りいずれも重量基準である。 なお使用した末端に長鎖アルキル基を有する
PVA系重合体の明細は表−2の通りである。
【表】 実施例 1 末端に長鎖アルキル基を有するPVA系重合体
(P−2)とコーンスターチとの混合物を、125℃
のオートクレーブ中で1時間加熱溶解し固形分濃
度5%の水溶液を調製した。その水溶液の20℃で
の粘度を水溶液の調製直後と1週間後に測定し
た。また一週間後の水溶液の状態も観察した。同
様に末端に長鎖アルキル基を有するPVA系重合
体(P−6)についても調べた。 比較例としてコーンスターチ単独の溶液と、重
合度550、けん化度98.5モル%のPVA(クラレポ
バール PVA−105)/コーンスターチ系との溶
液についても同様に測定した。 結果を表−3に示すがPVA−105を用いた溶液
は粘度の経時変化が大きくまたすぐ分離しやす
い。コーンスターチ単独系もすぐにゲル化する傾
向がある。これに対して末端に長鎖アルキル基を
有するPVA系重合体を使用した溶液は粘度の経
時変化も小さく、また放置安定性も良好であるこ
とが判る。
【表】 実施例 2 各種の末端に長鎖アルキル基を有するPVA系
重合体とコーンスターチとを50:50(重量基準)
の割合で混合したものを95℃の熱水中で2時間加
熱溶解し5%濃度の水溶液を調製した。この水溶
液の20℃に於ける粘度を溶解直後と2日後に測定
した。 比較例3として重合度1750、けん化度98.5モル
%のPVA(クラレポバールPVA−117)、比較例
4としてラウリルビニルエーテルを0.6モル%共
重合させた重合度700、けん化度98.6モル%の長
鎖アルキル基PVA(PVA−L)、比較例5として
バーサテイツク酸を3モル%、イタコン酸を1モ
ル%共重合した重合度700、けん化度96.5モル%
の共重合変性PVA(PVA−V)、比較例6として
PVA系重合体P−8を用いた水溶液を同様に調
製し粘度を測定した。 結果を表−4に示す。末端の長鎖アルキル基の
炭素数としては4以上であることが必要で3以下
ではほとんど効果がない。長鎖アルキル基を共重
合させた変性PVAを使用したものも水溶液の透
明性は若干向上するが、ゲル化傾向があり取扱い
上問題がある。これに対して末端に炭素数が4以
上の長鎖アルキル基を有するPVA系重合体を使
用した水溶液は粘度の経時変化も小さく流動性が
あり取り扱いやすい。
【表】 実施例 3 本発明例8として、末端に長鎖アルキル基を有
するPVA系重合体としてP−2を用い、このP
−2と酸化澱粉マーメイドM−200(敷島スターチ
(株)製)とを95℃の熱水中で溶解し濃度10%の水溶
液を調製した。 末端に長鎖アルキル基を有するPVA系重合体
を添加した系は、酸化澱粉単独の水溶液よりも透
明度が良くなり相溶性の良いことを示している。
これを第2図の透過率(1の実線)で示す。 比較例7として、重合度550、けん化度98.5モ
ル%のPVA(クラレポバール PVA−105)と酸
化澱粉マーメイドM−200との水溶液の透過率を
同じ第2図に示す(3の一点鎖線)が、透過率が
ほとんど変化せず相溶性が良くないことを示して
いる。 比較例8として、ラウリルビニルエールを0.6
モル%共重合させた重合度700、けん化度98.6モ
ル%の長鎖アルキル基共重合変性PVA(PVA−
L)と酸化澱粉マーメイドM−200とを用いて本
発明例8と同様にして透過率を測定した。結果を
第2図(2の点線)に示すがPVA−105/酸化澱
粉系よりは酸化澱粉との相溶性は良好であるが本
発明例8の末端に長鎖アルキル基を有するPVA
系重合体を添加した系には劣るのである。 * 水溶液の透過率測定方法 日立分光光度計(日立製作所(株)製)使用 波長650nm、セル幅10nm 実施例 4 本発明例9として、末端に長鎖アルキル基を有
するPVA系重合体(P−3)を熱水中で溶解し
濃度10%の水溶液を調製した。一方コーンスター
チを120℃で1時間加熱糊化して濃度10%の水溶
液を調製した。この二つの溶液を種々の割合で混
合した後、70℃に設定したドラム上で製膜した。
その皮膜を20℃×65%RH下で一週間湿した後皮
膜の強伸度を測定した。 比較例9として重合度550、けん化度98.5モル
%のPVA(クラレポバールPVA−105)を、比較
例10としてラウリルビニルエーテルを0.6モル%
共重合させた重合度700、けん化度98.6モル%の
長鎖アルキル基共重合変性PVA(PVA−L)を
用いて本発明例9と同様に皮膜の強伸度を測定し
た。 結果を表−5に示すが、末端に長鎖アルキル基
を有するPVA系重合体/コーンスターチ系の皮
膜は、PVA−105/コーンスターチ系やPVA−
L/コーンスターチ系の皮膜に比べて皮膜の強
度、伸度ともに高く良好な皮膜物性を示してい
る。また皮膜の透過率も高く透明度が比較例のも
のよりも良いことを示している。この皮膜物性に
於ても長鎖アルキル基を共重合した変性PVAよ
りも末端に長鎖アルキル基を有するPVA系重合
体の方が澱粉との相溶性が良いために皮膜物性も
良好である。 * 皮膜物性の測定方法 島津オートグラフDCS−100型(島津製作所
製)使用 試料 幅15mm、厚さ約60μm、 測定長 50mm 引張速度500mm/分 * 皮膜の透過率の測定方法 日立分光光度計(日立製作所(株)製) 波長 650nm ブランク PVA−105単体の皮膜
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は、PVA系重合体とコーンスターチ系
混合物中のPVA系重合体の含有量と水溶液の粘
度との関係を表わす図である。図中、Xは全固形
分に対するPVA系重合体の含有量(重量%)を
表わし、Yは水溶液の20℃でのB型粘度計による
粘度を表わす。第2図は、PVA系重合体と酸化
澱粉混合物中のPVA系重合体の含有量と水溶液
の透過率との関係を表わす図である。図中、Xは
全固形分中のPVA系重合体の含有量(重量%)
を表わし、Yは水溶液の20℃での透過率を表わ
す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 澱粉(A)及び炭素数が4〜50の長鎖アルキル基
    を末端に有するポリビニルアルコール系重合体(B)
    よりなる高分子組成物。 2 (A)と(B)との重量混合比が100:0.5〜1:100
    である特許請求の範囲第1項記載の高分子組成
    物。
JP61132044A 1986-06-06 1986-06-06 高分子組成物 Granted JPS62288643A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61132044A JPS62288643A (ja) 1986-06-06 1986-06-06 高分子組成物
US07/054,899 US4835198A (en) 1986-06-06 1987-05-28 Polymer composition and textile sizing agent made therefrom
CA000538950A CA1324848C (en) 1986-06-06 1987-06-05 Terminally modified vinyl alcohol polymer composition and textile sizing agents made therefrom
KR1019870005714A KR900003355B1 (ko) 1986-06-06 1987-06-05 중합체 조성물 및 이를 사용하여 제조한 섬유용 가호제
EP87108178A EP0252303B1 (en) 1986-06-06 1987-06-05 Polymer composition and textile sizing agent made therefrom
DE8787108178T DE3774779D1 (de) 1986-06-06 1987-06-05 Polymere zusammensetzung und daraus hergestellte schlichte fuer textilmaterialien.

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61132044A JPS62288643A (ja) 1986-06-06 1986-06-06 高分子組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62288643A JPS62288643A (ja) 1987-12-15
JPH0575013B2 true JPH0575013B2 (ja) 1993-10-19

Family

ID=15072200

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61132044A Granted JPS62288643A (ja) 1986-06-06 1986-06-06 高分子組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS62288643A (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IL94587A (en) * 1989-06-19 1997-04-15 Novon International Polymer base blend compositions containing destructurized starch
IL94647A0 (en) * 1989-07-06 1991-04-15 Warner Lambert Co Polymer base blend compositions containing destructurized starch
US20240239995A1 (en) * 2021-06-29 2024-07-18 Kuraray Co., Ltd. Starch composition and molded body

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62288643A (ja) 1987-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3300546A (en) Water soluble envelope prepared from a graft polymer of alkyl acrylate on a polyvinyl alcohol/polyvinyl acetate co-polymer
JP4630396B2 (ja) 水溶性フィルム
US5387638A (en) Emulsion composition
JP2004161823A (ja) 水溶性フィルム
JP7252140B2 (ja) 薬剤包装用フィルム、及び包装体
JPWO2015020045A1 (ja) フィルム
JP2005194295A (ja) 水溶性フィルム及びその製造方法
JP6456132B2 (ja) 水溶性フィルム及び薬剤包装体
US3472804A (en) Insoluble films based on polyvinyl alcohol and process for the preparation thereof
US4638024A (en) Polymer composition comprising a protein and a block copolymer which contains a polyvinyl alcohol polymer unit and an ionic polymer unit
JPH0575013B2 (ja)
JPS6214575B2 (ja)
JP3618440B2 (ja) ビニルアルコール系重合体
JP4540809B2 (ja) 水溶性樹脂組成物および水溶性フィルム
JPH0575014B2 (ja)
JP2008239848A (ja) 接着剤
JPWO2017043506A1 (ja) 水溶性フィルム及び薬剤包装体
US3098049A (en) Composition comprising reaction product of hydrolyzed vinyl acetate polymer and periodate oxidized polysaccharide and process for preparing same
JPH10324785A (ja) ビニルアルコール系重合体組成物
JPH111595A (ja) 水性組成物
JPH0284450A (ja) 高分子組成物
JPS6155532B2 (ja)
JPS6223974B2 (ja)
JP6825358B2 (ja) 水溶性フィルムの製造方法
JPH10324786A (ja) 重合体組成物

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees