JPH0574628U

JPH0574628U - 平膜状のろ材を用いたろ過装置

Info

Publication number: JPH0574628U
Application number: JP2302892U
Authority: JP
Inventors: 栄一石垣
Original assignee: 石垣機工株式会社
Priority date: 1992-03-16
Filing date: 1992-03-16
Publication date: 1993-10-12

Abstract

(57)【要約】【目的】微細通孔を有する平膜状のろ材を用いたろ過
装置において、ろ材の目詰りを簡単に解消することがで
きるろ過装置を提案する。【構成】少なくともその一面に中凹状のろ過床を設け
た多数の板状のろ板を水平状に案内レール上に移動自在
に並列し、これらろ板をチェーンで互いに連結して、こ
れらが同時に開閉するようにするとともに、これらろ板
のろ過床に、平膜状のろ材を張設し、さらに、これらろ
板を開板したときの各ろ板のろ材に向けて洗浄ノズルを
設けたものである。運転を継続してろ材が目詰りしたと
きには、ろ板を開板して洗浄ノズルから洗浄水を噴射す
ることにより、各ろ板に張設したろ材を一挙に洗浄して
再生することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、微細な粒子を含む原液のろ過に用いて卓効を奏する装置を提供せんとするものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、希薄な濃度の食品排水や産業排水を平膜状のろ材を用いてろ液と濃縮液に分離することは公知である。特公平３−５５１７３号発明はその一例であり、この発明では、平膜状のろ材を張設したろ板を多数並列して、それらのろ板間に原液を流している。また、平膜状のろ材を用いたろ過装置としてこの他特開昭６４−７９１０、特開平２−９５４２１号もある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

然しながら、上述のような従来装置では、何れもろ材を張設したろ板が固定されており、従って、ろ材が目詰りしたときには分解するかろ板に装着した状態のろ材を薬液等で洗浄するより他なく、完全に再生することは困難である。また、メンテナンスするに際しても手数を要する。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上述のような課題を解消し得るものであって、その要旨とするところは、少なくともその一面に中凹状のろ過床を設けた多数のろ板を水平状の案内杆上に移動自在に並列し、これらろ板が同時に開閉するようにするとともに、各ろ板のろ過床にろ過膜を張設し、さらに、ろ板には、ろ板間に形成されるろ過室に連通する原液の供給路と、ろ過床に連通するろ液の取出路と、ろ過室に連通する濃縮液の取出路とを設け、一方、ろ板列の近傍の機枠には、開板した状態のろ板のろ過膜に向けて洗浄液の噴射ノズルを設けたものである。

【０００５】

【作用】この考案は、上述のように構成されており、各ろ板を閉板したときには、各ろ板間に、ろ過膜によって囲まれたろ過室を形成することができる。従って、このろ過室に原液を送入することで、これをろ過膜によって濃縮液とろ液とに分離することができる。そして、このようなろ過運転をしてろ過膜が目詰りしたときには、各ろ板を開板することによって、各ろ過室を開放することができ、従って、各ろ過膜面に対して洗浄液を直接噴射することができ、目詰り物を完全に除去することができる。この洗浄操作は、一勢に開板したろ板のろ過膜に対して同時に行うことができるので効率的である。また、ろ板を開板することによって、ろ過膜が露出するので、ろ過室のメンテナンス等を容易にすることができる。以下、図面に基づいてこの考案を具体的に説明する。

【０００６】

【実施例】

図１は、この考案に係るろ過機の概略の側面図であり、図中、符号１はフレーム、２はフレーム１，１間に橋架したガイドレール、３はガイドレール上に移動自在に並列したろ板、４は各ろ板３を互いに連結するチェーン、５は各ろ板３の開閉と締付をするための油圧シリンダー、６は洗浄水管である。先浄水管６は、ろ板列の下方を図中前後に往復動できるようにするとともに、噴射ノズル７ａを付設したノズル管７を分岐してこのノズル管７が開板したろ板間を往復動できるようにしている。

【０００７】次に、各ろ板３の構成について、図２に基づいて説明する。図中、３ａは、ろ板３の両面に設けた凹所、３ｂはろ過床、３ｃは原液の供給路、３ｄはろ液の取出路、３ｅは濃縮液の取出路である。また、符号８は、微小通孔を有するろ過膜、９ａ，９ｂはろ過膜８の支持材、１０は、ろ過膜８および支持材９ａ，９ｂの押え板である。

【０００８】このように構成したろ板３は、図１に示すようにガイドレール２上に並列され、ろ板３を閉板したとき、各ろ板３に設けた原液路３ｃ、ろ液の取出路３ｄ、濃縮液の取出路３ｅが互いに連通して流動路を形成するようにしている。その状態を図１では、仮想線で模式的に示している。すなわち、図１において、符号１１は原液の貯留槽、１２は原液の供給ポンプ、１３はろ液の貯留槽、１４は原液の供給管を示すものである。

【０００９】この考案に係る装置は、上述のように構成してあり、供給ポンプ１２によって圧送された原液は、供給路３ｃを経て各ろ板３間のろ過室３ｇに送られ、ろ過膜８によってろ過される。そして、そのろ液はろ過床３ｂ、取出路３ｄを経て、機外の貯留槽１３に集液される。一方、ろ液が分離されて濃縮された原液は、取出路３ｅを経て貯留槽１１に返送され、元の原液に混合する。尚、この濃縮原液は、別途に貯留することができるは勿論である。

【００１０】次に、このようなろ過運転を継続してろ過膜８が目詰りしたときには、各ろ板３を開板することによって、各ろ板３の下部が開口し、ろ過室３ｇの下部を開放することができる。従って、洗浄水管６をろ板列の下方に移動させ、そのノズル管７に設けたノズル７ａでろ過膜８の表面を洗浄することができる。このろ過膜８を洗浄するに当って、この考案では、単にろ板３を開板するのみで、然も各ろ板が一勢に開板し、洗浄水も全ろ過膜８に一勢に噴射されるので、簡単迅速である。以上は、ろ過膜８の表面洗浄であるが、各ろ板を閉板した状態でろ液取出路から洗浄液を送ることによって、ろ過膜８を逆洗できるのは勿論である。

【００１１】

【考案の効果】

このように、この考案に係るろ過装置は、多数並列したろ過膜を一勢に洗浄することができ、然も、ろ過膜に直接洗浄液を噴射できるので、確実、完全に洗浄でき、従来難渋したこの種ろ過膜の洗浄再生上の課題を解消し得るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係るろ過機の概略の側面図である。

【図２】図１のろ過機のろ板の一部の縦断側面図であ
る。

【符号の説明】

２ガイドレール３ろ板３ｂろ過床３ｅろ液の取出路３ｇろ過室７ａ噴射ノズル８ろ過膜

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】少なくともその一面に中凹状のろ過床３
ｂを設けた多数のろ板３を水平状の案内杆２上に移動自
在に並列し、これらろ板が同時に開閉するようにすると
ともに、各ろ板３のろ過床３ｂにろ過膜を張設し、さら
に、ろ板３には、ろ板３間に形成されるろ過室３ｇに連
通する原液の供給路３ｃと、ろ過床３ｂに連通するろ液
の取出路３ｄと、ろ過室３ｇに連通する濃縮液の取出路
３ｅとを設け、一方、ろ板列の近傍の機枠には、開板し
た状態のろ板３のろ過膜８に向けて洗浄液の噴射ノズル
７ａを設けてなる平膜状のろ材を用いたろ過装置。