JPH0574525B2 - - Google Patents

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JPH0574525B2
JPH0574525B2 JP62068479A JP6847987A JPH0574525B2 JP H0574525 B2 JPH0574525 B2 JP H0574525B2 JP 62068479 A JP62068479 A JP 62068479A JP 6847987 A JP6847987 A JP 6847987A JP H0574525 B2 JPH0574525 B2 JP H0574525B2
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JP
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mullite
aluminum
aqueous
powder
water
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JP62068479A
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JPS63233009A (ja
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Mineaki Kabayama
Teizaburo Tomita
Masanori Hirano
Akira Kani
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Noritake Co Ltd
Tomita Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
Tomita Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Noritake Co Ltd, Tomita Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Noritake Co Ltd
Priority to JP62068479A priority Critical patent/JPS63233009A/ja
Publication of JPS63233009A publication Critical patent/JPS63233009A/ja
Publication of JPH0574525B2 publication Critical patent/JPH0574525B2/ja
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は、ムライト粉末の製造法及びムライト
焼結体の製造法に関する。 従来の技術 3Al2O3・2SiO2の組成で表されるムライトは、
低密度であり、熱膨張係数が小さく、高温でのク
リープ特性が良好である等の優れた特性を有する
酸化物セラミツクスであり、耐熱性高強度材料と
して有用性が高まりつつある。 このムライトの製法としては、一般に粘土質物
質にアルミナを混合し、焼成する方法が行なわれ
ている。しかしながら、この様な方法では原料と
して天然物を使用するので原料組成の変動が大き
い上に、完全な均一混合は困難であるため、得ら
れるムライトの組成の均一性に劣る。更に、ムラ
イト化するためには1600℃以上の高温度を要し、
多大のエネルギーが必要となるという欠点もあ
る。また、この様な方法で得られたムライト焼結
体の強度は10Kg/mm2程度と低く、産業面への利用
という点に於て、より強度の高いムライトの製法
が要求されている。 そこで、高強度のムライトの製造法について
種々の方法が検討され、ケイ酸塩もしくはシリ
カゾルとアルミニウム塩もしくはアルミナゾルと
を400℃、300Kg/mm2程度の高温高圧の条件下で反
応させる方法、アルミニウム及びシリカのアル
コキシドを反応させる方法、水溶性アルミニウ
ム塩とシリカゾルとを混合し、アルカリを加えて
反応させる方法、共沈法として多塩基性アルミ
ニウム塩溶液中にケイ酸アルカリを滴下反応させ
る方法もしくはケイ酸アルカリ溶液中にアルミニ
ウム塩の溶液を滴下反応させる方法等が新たに検
討されている。 発明が解決しようとする問題点 しかしながら、これらのムライトの製造法のう
ち、上記の方法では、高温高圧下で反応させる
ために特殊な設備が必要となり、多額の設備投資
が必要となることに加えて、原料として用いるシ
リカゾルは、シリカの集合体であり、シリカの集
合体のままアルミニウムと共沈する形態となるの
で、原子オーダーでの組成の均一性に劣るものと
なり、かつアルミニウムとの結合性も弱く、ムラ
イト化する温度が高くなる。また、上記のアル
コキシドを使用する方法では、原料のアルコキシ
ドが高価であり、かつ加水分解に加熱加圧が必要
となる。このため、得られるムライトは高価格と
なり、極めて限定された用途において用いられて
いるだけである。また上記の水溶性アルミニウ
ム塩とシリカゾルの混合液へアルカリを加えて反
応させる方法では、アルカリを加えることによつ
て、反応溶液のPHが変化し、反応生成してくる共
沈物の組成は一定せず、均一性の悪い粒子ができ
易い。この事は、上記の多塩基性アルミニウム
塩水溶液中へケイ酸アルカリを滴下する方法やケ
イ酸アルカリ溶液中にアルミニウム塩水溶液を滴
下反応させる方法でも同様であり、反応生成時の
溶液のPHが変化するので反応生成物の組成は一定
せず、粒子も均一にならない。この様な均一性の
悪いムライト粉末では、不純物の除去が困難であ
り、水洗に多量の水や労力が必要となり、また、
この様なムライト粉末を用いて得られるムライト
焼結体は品質が不均一となり、強度やクリープ特
性等の特性が劣るものとなる。 問題点を解決するための手段 本発明者は、上記した如き現状に鑑みて、高純
度のムライト粉末を低コストで製造し得る方法、
及び高純度で緻密な高強度ムライト質セラミツク
スを簡単な工程で製造し得る方法を見出すべく鋭
意研究を重ねてきた。その結果、特定のアルミニ
ウム化合物を含有する液状原料と、ケイ酸アルカ
リの水溶液とをPH4.5〜10の水中へ同時に滴下し、
反応させて得られる生成物は、900〜1600℃とい
う比較的低い温度でムライト化させることが可能
であり、しかも得られるムライト粉末は高純度で
焼結活性に優れたものであることを見出した。ま
た、このムライト粉末を成形、焼成して得られる
ムライト質セラミツクスは、ムライト微結晶が強
度に焼結した均一な組成となり、高温における強
度やクリープ特性が優れたものとなることを見出
し、ここに本発明を完成するに至つた。 即ち本発明は、 a)アルミニウム塩水溶液、b)アルミニウム
塩水溶液及びアルミン酸アルカリ水溶液、又は
c)水酸化アルミニウムゲルのスラリー、である
アルミニウム含有液状原料と、ケイ酸アルカリ水
溶液とを攪拌下に水中に同時滴下して、PH4.5〜
10で反応させ、得られた生成物を水洗し、乾燥し
た後、900〜1600℃で焼成することを特徴とする
ムライト粉末の製造法、及び a)アルミニウム塩水溶液、b)アルミニウム
塩水溶液及びアルミン酸アルカリ水溶液、又は
c)水酸化アルミニウムゲルのスラリー、である
アルミニウム含有液状原料と、ケイ酸アルカリ水
溶液とを攪拌下に水中に同時滴下し、PH4.5〜10
で反応させ、得られた生成物を水洗し、乾燥した
後、900〜1600℃で焼成し、次いで成形した後
1500〜1800℃で焼成することを特徴とするムライ
ト焼結体の製造法、 を提供するものである。 本発明方法において、アルミニウム源として
は、アルミニウム塩の水溶液、アルミニウム
塩の水溶液及びアルミン酸アルカリの水溶液、又
は水酸化アルミニウムゲルのスラリー、のいず
れかであるアルミニウム含有液状原料を用いる。 アルミニウム塩としては、例えば硝酸アルミニ
ウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、酢
酸アルミニウム及びこれらの塩基性塩等を用いる
ことができる。アルミン酸アルカリとしては、ア
ルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム等を用
いることができる。 アルミニウム塩水溶液及びアルミン酸アルカリ
水溶液は、各々Al2O3として1〜20重量%程度の
濃度のものを用いることが適当である。 水酸化アルミニウムゲルのスラリーとしては、
X線回折的に非晶質な水酸化アルミニウムゲルが
水に分散した状態のものであればよく、好ましく
は、反応生成直後のスラリーであつて、PH5.0〜
7.0、より好ましくはPH5.0〜6.0のものを用いるこ
とができ、濃度は1〜20重量%程度のものが適当
である。 また上記において、アルミニウム塩水溶液と
アルミン酸アルカリ水溶液とを併用する場合に
は、前者:後者の比率をAl2O3換算で0.5〜3.0(重
量比)程度とすることが適当である。 また、本発明方法では、シリカ源として、ケイ
酸アルカリ水溶液を用いる。ケイ酸アルカリとし
ては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ
酸リチウム等が好ましく用いられる。ケイ酸アル
カリ水溶液は、SiO2量として5〜30重量%程度
のものが適当である。 本発明方法では、まず上記したアルミニウム含
有液状原料とケイ酸アルカリ水溶液と攪拌下に水
中に同時に滴下して、アルミニウム化合物とケイ
酸アルカリとを反応させる。アルミニウム化合物
とケイ酸アルカリとの滴下量の割合は、酸化物換
算して、Al2O3/SiO2(モル比)=1.1〜2.4、好ま
しくは、1.25〜2.0程度とすればよい。 反応媒体となる水のPHは、4.5〜10とし、好ま
しくは、6.0〜7.5とする。PH4.5未満では、アルミ
ニウム化合物が多塩基性アルミニウム塩となり、
またシリカの一部が塊状物として遊離し、均一な
ムライト組成となり難く、一方、PHが10を上回る
とアルミニウム金属がゼオライト状、ドーソナイ
ト状等の物質として残存し、後行程で酸洗浄を行
なつてもアルカリ金属酸化物を除去し難くなるの
で好ましくない。 また、滴下反応時のPHの変動は、反応生成物の
粉体物性に著しく影響を与え、嵩密度、比表面
積、ムライト化温度等にバラツキを生じる原因と
なるので、滴下反応時のPHの変動を極力小さくす
ることが望ましく、好ましくはPHの変動を±0.25
以内とする。 滴下反応時にPHの変動が生じ易い場合には、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカ
リ化合物や塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸を適宜添加
して、PHの変動を抑制すればよい。 反応時の液温は、10〜80℃程度が好ましく、40
〜80℃程度がより好ましい。反応時の圧力は、常
圧でよい。 反応媒体として用いる水の量は、形成される含
水ケイ酸アルミニウムの理論収量に対して2〜20
重量倍程度とすることが好ましく、7〜15重量倍
程度とすることがより好ましい。 反応時間は、3〜6時間程度とすればよい。 反応終了後、得られた生成物を別し、水洗し
た後、脱水し、60〜100℃程度で通風乾燥するこ
とによつて含水ケイ酸アルミニウムが得られる。 上記した方法によれば、アルミニウム化合物と
ケイ酸アルカリとが、イオン同士の反応又はケイ
酸イオンと反応性の高い水酸化アルミニウムゲル
との反応により均一かつ強固に結合し、均一性の
良好なケイ酸アルミニウム化合物が得られる。こ
のため、洗浄が容易となり、反応で副生したアル
カリ金属、アニオン等が除去され易く、簡単に高
純度品が得られる。例えば、通常の含水ケイ酸ア
ルミニウム中には、不純物としてのアルカリ金属
分が酸化物換算で2〜3%含まれているが、上記
した方法では、通常の水洗法によつて、アルカリ
金属酸化物量0.05%以下、陰イオン(SO4,Cl,
NO3等)0.5%以下の高純度の含水ケイ酸アルミ
ニウムが容易に得られる。また、この含水ケイ酸
アルミニウムは、フイルタープレスによつても洗
浄できるので、生産効率が良く、コストダウン化
が容易である。更に、得られるケイ酸アルミニウ
ムでは、ケイ酸とアルミニウムとが強固に結合し
ており、低温度、短時間の焼成によつて容易にム
ライト化する。 本発明では、上記した方法で得られる含水ケイ
酸アルミニウムを粉砕し、900〜1600℃程度、好
ましくは、1100〜1500℃程度で加熱処理した後、
平均粒子径5μm程度以下、好ましくは3μm程度以
下に解砕することによつて、ムライト粉末を得
る。加熱時間は、0.5〜50時間程度が適当である。
加熱温度が900℃未満では、ムライト化が不充分
であり、1600℃を上回るとムライト微粒子が粗大
化するので好ましくない。 得られたムライト粉末は、不純物、沈澱剤、陰
イオン等の混入が極めて少ない高純度品であり、
かつ凝集二次粒子もほとんど含まない。 上記ムライト粉末は、Na2O,K2O,Li2O等
のアルカリ金属酸化物量が0.1重量%以下である
ことが好ましく、0.05重量%以下であることがよ
り好ましい。アルカリ金属酸化物量が0.1重量%
を上回ると、得られる焼結体の高温特性の劣化に
つながるので好ましくない。また、該ムライト粉
末は、比表面積が3m2/g〜100m2/gの範囲で
あることが好ましい。ムライト粉末の比表面積
は、焼結活性の点から高比表面積であることが望
ましく、成形性及び成形体の生密度を高くする点
からは低比表面積であることが望ましいが、両条
件を共に満たすために上記範囲内とすることが適
当である。特に、金型プレス、ラバーブレス、押
出、スリツプキヤスト、射出、シートキヤスト等
の各種の成形法により成形可能とするためには、
5〜50m2/gとすることが好ましい。 本発明では、上記した方法で得られたムライト
粉末に、ポリビニルアルコール等の成形助剤を加
えて所定の形状に成形し、1500〜1800℃程度好ま
しくは1550〜1750℃程度で通常0.5〜100時間程度
焼成することによつて、ほぼ理論密度の緻密かつ
高強度ムライト焼結体を得ることができる。焼成
温度が1500℃未満では、柱状、プリズム状、棒
状、球状等のムライト微結晶が互いに絡み合つた
焼成体組織が発達し難く、一方1800℃を上回る温
度では、粒子が粗大化するので好ましくない。 得られる焼成体が主としてムライト相からなる
ものとするためには、Al2O3/SiO2の重量比が
65/35〜80/20の範囲であることが好ましく、
68/32〜78/22であることがより好ましい。Al2
O3/SiO2がこの範囲を下回ると焼結体に含まれ
るガラス質が多くなり、強度、耐クリープ特性の
劣化につながり、この範囲を上回ると焼結体中に
含まれるAl2O3粒子の割合が多くなつて、高温で
の強度低下につながるので好ましくない。また、
ガラス質やアルミナ粒子を含まない実質的にムラ
イト単相からなる焼結体を得るためにはAl2O3
SiO2の重量比が71/29〜76/24の範囲であるこ
とが好ましい。 また、焼結体の嵩密度は、3.00g/cm2以上であ
ることが好ましく、3.05g/cm2以上であることが
より好ましい。また、気孔率は、4%以下である
ことが好ましく、2%以下であることがより好ま
しい。嵩密度又は気孔率がこの範囲外では、焼結
体の機械的特性が劣つたものとなり易い。ここで
気孔率とは、真気孔率を意味し、次式により与え
られるものである。 気孔率(%)=100×(1−嵩比重÷真比重) 本発明方法によるムライト焼結体の製造法で
は、用いるムライト粉末の焼結活性が極めて優れ
ているので、高強度の焼結体が得られる。例え
ば、従来のムライト焼結体の曲げ強度は最高30
Kg/mm2程度であつたのに対して、本発明法によれ
ば40Kg/mm2程度という高強度の焼結体を得ること
が可能である。 発明の効果 以上に詳細に説明したように、本発明の方法に
よつて得られるムライト粉末は、従来法の粘土質
原料にアルミナを混合する方法とは異なり、化学
的に合成させてえられることにより、組成の均一
性に優れ品質が安定している。しかも、出発原料
として、低価格の物質であるアルミニウム塩、ア
ルミン酸アルカリ、水酸化アルミニウムゲル及び
ケイ酸アルカリを使用し、しかも高温高圧等の特
殊な条件を必要とすることなくムライト用原料で
ある含水ケイ酸アルミニウムを得ることが可能と
なるので、原料粉体の製造コストが低く、工業的
な大量生産に適し、経済的に非常に有利である。
その上、得られた含水ケイ酸アルミニウムは、
900〜1600℃程度でムライト化し、得られるムラ
イト粉末は、アルカリ金属成分等の不純物量が極
めて少なく、高純度で、焼結活性に優れたもので
ある。また本発明のムライト焼結体の製造法によ
つてえられる焼結体は、主としてムライト相から
なり、ムライト微結晶同志が強固に焼結した組織
を有する高純度で高密度な焼結体であるため、従
来のムライト磁器に比べて、室温あるいは高温に
おける強度、クリープ特性等の機械的特性に一段
と優れる。 本発明によつて製造されるムライト焼結体は、
その優れた機械的特性のために、ルツボ、こう
鉢、棚板、保護管、特にローラーハースキルンの
焼成ローラなどを始めとする高温用材等の耐熱
用材料は勿論のこと、鉄鋼用あるいは熱処理用の
送風機のフアン、耐摩耗バルブ、耐薬品性のポン
プ、メカニカルシール、精密測定機器、医療機器
の部材、高温用バーナー、デイーゼルエンジンや
ガスタービン等の内燃機関の各部材など耐熱性高
温構造品或いはムライト基板をはじめとする電子
用セラミツクスとして有用であり、その性能の向
上に大きく寄与するものである。 実施例 以下に、本発明の実施例を詳細に示す。 実施例 1 塩化アルミニウム水溶液(Al2O310重量%)
800Kg、アルミン酸ナトリウム水溶液(Al2O320
重量%)593Kg及びケイ酸ナトリウム水溶液
(SiO220重量%)389Kgとを、水温40℃の水4m2
中に攪はんしつつ、PH6.3〜6.5にて同時滴下し
た。滴下終了時PHは6.4、液温は40℃であつた。
1時間攪はん後、フイルタープレスにてスラリー
をろ別し、水洗し、80℃で乾燥し平均粒径約7μm
に粉砕して含水ケイ酸アルミニウムの粉体を得
た。得られた粉体の分析結果を第1表に示す。 第1表 収 量 397Kg Al2O3 41.87% SiO2 19.46% 強熱減量 37.96% Cl 0.10% SO4 0.10% Na 0.023% また、この粉体のX線回折(条件30KV,
10mA,CuKα)を行なつた結果を第1図に示す。
第1図から判るように得られた粉体はX線回折的
に不定形を有する含水ケイ酸アルミニウムであつ
た。この粉体を1200℃で熱処理した後X線回折を
行なつた結果を第2図に示す。第2図から1200℃
での焼成によりムライトが生成した事が判る。こ
の様にして得られたムライト用原料である含水ケ
イ酸アルミニウムを大気中1200℃で2時間加熱処
理し、粉砕して、平均粒径1μm、比表面積30m2
g、Al2O3/SiO2の重量比が68.3/31.7であり、
粉末に含まれるNa2O及びK2Oの合量が0.04重量
%であるムライト粉末を得た。得られたムライト
粉末を2.0ton/cm2の圧力で等方的に成形し1600℃
の温度で2時間焼成した。得られた焼結体は、3
×4×40mmに切断研摩加工し、密度及び室温、
1300℃での抗折強度を測定した。焼結体の密度は
3.10g/cm3で、室温での3点曲げ強度は33kgf/
mm2、1300℃で35kgf/mm2であり、優れた機械的特
性を示していた。 なお各物性の測定方法として、室温の抗折強度
はJIS規格に従い、3×4×40mm試料片を用い、
スパン30mm、クロスヘツド速度0.5mm/minの3
点曲げにより求めた。高温強度は1300℃の大気
中で、室温と同様に測定を行つた。比表面積の測
定は、BET吸着法により行つた。焼結体の密度
の測定はアルキメデス法により求めた。 実施例 2 塩化アルミニウム水溶液(Al2O310重量%)
920Kg及びケイ酸ナトリウム水溶液(SiO220重量
%)180Kgを水2m3中に攪拌しつつ、PH6.0になる
様に炭酸ナトリウム水溶液(Na2CO320重量%)
を加えながら同時に滴下した。滴下終了時のPH
6.1、液温39℃であつた。1時間攪拌後、フイル
タープレスにスラリーをろ別し、水洗し、80℃で
乾燥し平均粒径約7μmに粉砕して含水ケイ酸アル
ミニウムの粉体を得た。得られた粉体の分析結果
を第2表に示す。 第2表 収 量 180Kg Al2O3 50.12% SiO2 19.50% 強熱減量 29.86% Cl 0.27% SO4 0.19% Na 0.011% この様にして得られたムライト用原料の含水ケ
イ酸アルミニウムを大気中1000〜1450℃で2時間
加熱処理し、解砕を加えて平均粒径約1μmのムラ
イト粉末を得た。このようにして得られたムライ
ト粉末の加熱処理温度と比表面積の関係のグラフ
を第3図に示す。 第3図の曲線より、加熱処理温度が900〜1600
℃の範囲において、100m2/g〜3m2/gの比表
面積の粉体が得られ、含水ケイ酸アルミニウムの
加熱処理温度は900〜1600℃が望ましいことが確
認された。なお、本実施例により加熱焼成後得ら
れたムライト粉末に含有されるNa2O及びK2
の合計は0.01重量%であつた。 次に各加熱処理温度で2時間加熱処理した後、
解砕したムライト粉末を用いて、実施例1と同様
にして成形体を作り、各焼結温度で焼成し、ムラ
イト焼結体を得た後、物性を測定した。結果を第
3表に示す。 第3表から本発明の焼成温度範囲内において、
緻密かつ高強度のムライト焼結体が得られること
が判る。また1650℃で焼結した試料No.5の焼結体
の表面を研摩エツチングし、表面を電子顕微鏡に
て観察したところ、柱状あるいは針状のムライト
結晶がからみあつた焼結体組織が発達しているこ
とが確認された。また気孔率は全て4%以下であ
つた。
【表】 実施例 3 水1m3の中にペースト状の水酸化アルミニウム
ゲル(Al2O310重量%)500Kgを投入し、激しく
攪拌し、均一な水酸化アルミニウムゲルスラリー
とした。この懸濁液の液性はPH5.6であつた。別
のタンクに水1m3を用意し、液温を50℃に上げ、
攪拌しつつこの中へ水酸化アルミニウムゲル懸濁
液とケイ酸ナトリウム(SiO220重量%)94Kgと
を同時滴下した。同時滴下終了時の液性はPH7.1
であつた。1時間攪拌後、フイルタープレスにて
スラリーをろ別し、水洗し、90℃にて乾燥し、粉
砕して含水ケイ酸アルミニウムを得た。得られた
粉体の分析結果を第4表に示す。 第4表 収 量 94Kg Al2O3 51.04% SiO2 19.26% 強熱減量 29.47% Cl 0.003% SO4 0.012% Na 0.021% 実施例1と同様にして、得られた粉体のX線回
折を行なつた結果、不定形を有する含水ケイ酸ア
ルミニウムであつた。また得られた粉体を1200℃
で熱処理後X線回折を行なつた結果、ムライトの
生成を示していた。 次に、得られた含水ケイ酸アルミニウム粉末を
1280℃で2時間加熱焼成し、粉砕し、平均粒径約
0.8μm、比表面積22m2/g、Al2O3/SiO2の重量
比が72.6/27.4であり、粉末に含有されるNa2
及びK2Oの合量が0.02重量%であるムライト粉末
を得た。またこのムライト粉末を1.5ton/cm2の圧
力で等方的に成形し、1650℃の温度で2時間焼成
した。焼結体の密度は3.12g/cm3で室温での3点
曲げ強度は37kgf/mm2、1300℃で36kgf/mm2であ
り、優れた機械的特性を有していた。 実施例 4 塩化アルミニウム水溶液及びケイ酸ナトリウム
水溶液の使用量を第5表に示す量とする以外は、
実施例2と同様にして、ムライト焼結体を得た。
密度及び強度の測定結果を第6表に示す。 また、比較として、カオリン等のアルミニウム
シリケート粘土鉱物を主原料とする市販のムライ
ト磁器から試料を切り出し(比較品A及びB)、
同様に密度及び強度を測定した。なおこのムライ
ト磁器には、Al2O3,SiO2以外に数%のTiO2
Fe2O3,CaO,MgO,Na2O,K2O等が含まれ
ていた。 第6表から、本発明方法により得られたムライ
ト焼結体は、市販のムライト磁器に比して高密度
であり、かつ室温及び高温において高強度である
ことが判る。 また、本発明品No.13の焼結体の表面を研磨、エ
ツチングし、走査電子顕微鏡にて観察したとこ
ろ、球状のムライト結晶からなる焼結体組織が発
達していることが確認された。
【表】
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1における含水ケイ酸アルミ
ニウム粉末のX線回折結果を示した図、第2図は
実施例1における1200℃で熱処理を行なつて得ら
れたムライト粉末のX線回折結果を示した図であ
り、第3図は、実施例2におけるムライト用原料
の含水ケイ酸アルミニウムの加熱処理温度と比表
面積の関係を示したグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 a)アルミニウム塩水溶液、b)アルミニウ
    ム塩水溶液及びアルミン酸アルカリ水溶液、又は
    c)水酸化アルミニウムゲルのスラリー、である
    アルミニウム含有液状原料と、ケイ酸アルカリ水
    溶液とを攪拌下に水中に同時滴下してPH4.5〜10
    で反応させ、得られた生成物を水洗し、乾燥した
    後、900〜1600℃の焼成することを特徴とするム
    ライト粉末の製造法。 2 a)アルミニウム塩水溶液、b)アルミニウ
    ム塩水溶液及びアルミン酸アルカリ水溶液、又は
    c)水酸化アルミニウムゲルのスラリー、である
    アルミニウム含有液状原料と、ケイ酸アルカリ水
    溶液とを攪拌下に水中に同時滴下し、PH4.5〜10
    で反応させ、得られた生成物を水洗し、乾燥した
    後、900〜1600℃で焼成し、次いで成形した後
    1500〜1800℃で焼成することを特徴とするムライ
    ト焼結体の製造法。
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