JPH0574341A - シヤドウマスク用原板およびシヤドウマスク - Google Patents
シヤドウマスク用原板およびシヤドウマスクInfo
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Abstract
合金からなるシャドウマスク用原板において、エッチン
グにより穿設される孔の径や形状のばらつきをなくし、
開孔マトリックスの透過光にむらが生じないようにす
る。また同時に、エッチング後の焼鈍工程における焼き
付きも防止する。 【構成】 ダル仕上げ加工等により、シャドウマスク用
原板の表面粗さを、中心線平均粗さRa で 0.3を超えて
1μm 以下、表面粗さの凹凸の平均間隔Sm が100μm
以下、凸部の平均傾斜角△qが 2度〜10度という適正な
値に調整する。
Description
ウマスクを製造する際に用いる金属原板およびそれを用
いたシャドウマスクに関する。
は、所定の設計基準に基づいてマトリックス状に穿設さ
れた、多数の開孔を有するシャドウマスクが配設されて
いる。そして、カラー受像管に対する高精細度化の要求
に伴い、このようなシャドウマスクにおいても高精密化
が要求され、その要求は年々厳しさを増している。
ームは、シャドウマスクの開孔を透過して蛍光面におけ
る所定位置の蛍光ドットを照射し、そこにカラー画像を
現出させるが、このとき射出された電子ビームの全てが
開孔を通過するわけではなく、開孔を通過する電子ビー
ムは全体の約 1/3以下であり、残りの電子ビームはシャ
ドウマスクを直撃してこれを加熱する。その結果、シャ
ドウマスクは熱膨脹して開孔の位置が設計基準からずれ
て変位するため、蛍光面における色ずれ現象を招くこと
がある。そのため最近では、低熱膨脹特性を備えた Ni-
Fe系合金、例えば36wt%Ni-Fe合金(アンバー合金)でシ
ャドウマスク自体を構成し、色ずれ現象を防止すること
が試みられている。
ャドウマスクを製造する場合、まず所定の合金組成に調
整され溶解鋳造された素材塊に、常法により鍛造、圧
延、焼鈍等の各処理を施して所定の厚さにし、かつ必要
な幅寸法にスリットして原板とする。次いで、この原板
の開孔位置をエッチングして、所定形状の電子ビーム透
過孔をマトリックス状に穿設する。エッチング方法とし
ては、まず原板にフォトレジストを塗布、乾燥し、レジ
スト膜を形成した後、シャドウマスクのパターンを焼き
付けたワーキングネガ(ネガ)を、レジスト膜を設けた
板上に配置し、真空引きにより密着させる。次いで、水
銀ランプ等により光(UV光)を照射してレジストを感
光させた後、現像、乾燥、焼き付けを順に行ってから、
エッチング液で腐食して穿孔する方法が採られている。
さらに、こうしてエッチングが終了したシャドウマスク
においては、プレス成形性を向上させるために、焼鈍が
行われている。
Ni-Fe系合金等からなるシャドウマスク用原板では、エ
ッチングにより形成された開孔(電子ビーム透過孔)の
径や形状にばらつきが発生し易く、開孔部に光を透過さ
せた際にむらが生じるといった難点があった。そのた
め、近年のカラー受像管における高精細度化の要求に充
分に応えることができないという問題があった。
を複数枚重ねて行っているが、この焼鈍の際に原板に焼
き付きが生じる易いという問題もあった。
るためになされたもので、本発明の第1の目的は、エッ
チング加工により開孔マトリックスを形成した際に、孔
径や孔形状にばらつきが発生することを防止でき、かつ
エッチング後の焼鈍工程においても焼き付きを生じない
高品位のシャドウマスク用原板を提供することにあり、
また第2の目的は、開孔部に光を透過させた際にむらが
生じることを防止したシャドウマスクを提供することに
ある。
記したエッチングむらの原因について検討を重ねた結
果、原板の表面状態が大きく影響し、その表面状態が不
適当な場合に、原板上に塗布形成されるレジスト膜の密
着性が不充分となり、エッチング時のレジスト膜の剥離
およびこれによるサイドエッチングが生じ、孔径や孔形
状にばらつきが生じることを見出だした。また、原板の
表面状態が不適当な場合には、原板の表面状態がその上
のレジスト膜にまで影響するため、ネガを密着させるた
めに行っている真空引きが不充分となり、ネガと原板と
の間に空隙が生じ、これが開孔精度を低下させる原因と
なっているという知見を得た。
た知見に基づいてなされたものであり、電子ビーム透過
孔が形成され、シャドウマスクを製造する際に用いられ
る金属原板において、その表面は、中心線平均粗さRa
が 0.3μm を超えて 1μm 以下、表面粗さの凹凸の平均
間隔Sm が 100μm 以下、かつ表面粗さの凸部の平均傾
斜角△qが 2度以上10度以下であることを特徴とするも
のである。
たシャドウマスク用原板を用いたことを特徴とするもの
である。
素材は、特に限定されるものではなく、各種合金を適用
することが可能であり、例えば Ni-Fe系合金、Ni-Cr-Fe
系合金、Ni-Co-Fe系合金、 Ni-Co-Cr-Fe系合金等が例示
される。
る原板の表面粗さを、JIS B 0601による中心線平均粗さ
Ra 、凹凸の平均間隔Sm (基準長さ内での断面曲線の
平均線上に突出した凸部の間隔の平均値)、および凸部
の平均傾斜角△q(粗さ曲線の二乗平均傾斜角)という
3つのパラメータで規定している。
超えて 1μm 以下と限定したのは、以下に示す理由によ
る。すなわち、Ra が 0.3μm 以下では、原板に対する
レジスト膜の密着性が弱すぎるため、サイドエッチング
が進み過ぎて、孔径および孔形状に乱れが生じ、逆にR
a が 1μm を超えた場合には、レジスト膜の密着性が強
すぎるため、現像後、穿孔されるべき部分にもレジスト
が残存することがあるためである。
に限定したのは、粗さのピッチがあまり大きくて、Sm
が 100μm を超えた場合には、局部的にレジスト膜の密
着性が弱くなり、その部分でサイドエッチングが過度に
進むため、孔形状が乱れるためである。Sm が適度に小
さい場合には、レジスト膜の密着性が孔のどの部分でも
均一となり、孔形状に乱れが生じない。特に、高温でエ
ッチングする場合や孔径が小さい高精度マスクを製造す
る場合には、Sm を50μm 以下とすることが望ましい。
範囲としたのは、△qが 2度未満では、レジスト膜の密
着性が弱すぎるため、サイドエッチングが進み過ぎて孔
径および孔形状の乱れが生じ、逆に△qが10度を超えた
場合には、レジスト膜の密着性が強すぎるため、現像
後、穿孔されるべき部分にもレジストが残存することが
あるためであるまた、本発明のシャドウマスク用原板に
おいては、エッチング後の焼鈍工程における焼き付きを
より効果的に防止するために、表面粗さを示すその他の
パラメータである相対性(スキューネスRsk)の値が、
正であることが好ましい。
次のようにして製造することができる。すなわち、まず
所望する組成のとなるように、Ni、Fe等の各成分金属を
所定量配合してこれを溶解し、合金塊を鋳造する。次い
で、得られた合金塊に鍛造、圧延、焼鈍等の各処理を施
して所定の厚さ(通常 0.1mm〜 0.3mm)の原板とする
が、最終圧延工程で、以下に示すようなダル加工を施
す。すなわち、ロール表面が任意の表面状態とされた圧
延ロールを使用して仕上げを行い、原板表面にロール表
面の凹凸を転写する。これによって、Ra やSm を本発
明の範囲内とした上で、△qやRskを適正な値とするこ
とができる。
バー合金を溶解し、鋳造した後、熱間圧延、冷間圧延、
焼鈍等を順に行い、厚さ0.25mmの原板とし、最終圧延工
程でダル仕上げ加工を行って、それぞれ表面粗さを表1
に示すように調整した。
仕上げ加工を省く以外は同様にして、シャドーマスク用
原板を作製した。これらの表面粗さを併せて表1に示
す。
表面の脱脂を行った後、両面に感光液を塗布してそれぞ
れレジスト膜を形成した。次いで、両面のレジスト膜上
に大小の孔パターンを有するネガを配置し、真空引きに
より密着させた後、ネガの後方から超高圧水銀ランプで
露光することにより、レジストを感光させた。その後、
現像、乾燥、焼き付け硬化を経て、塩化第二鉄溶液を使
用してエッチングを行っって、電子ビーム透過孔を形成
した。
を、暗室内で透過光により観察し、むら品位を評価し
た。その結果を表1に示す。なお、むら品位は、むらが
全くなく特に品位が良好なものをA、むらがほとんどな
く品位が良好なものをB、むらが少しあるが実用上問題
がないものをC、むらがあり実用できないものをDと表
した。
シャドウマスク用原板は、表面粗さRa 、表面粗さの凹
凸の平均間隔Sm 、および凸部の平均傾斜角△qの全て
が適切な範囲にあるため、むらがなく良好なシャドウマ
スクが得られている。また、エッチング後の焼鈍工程で
も焼き付きが発生することがなかった。
m 、△qの中で、少なくとも 1つのパラメータが本発明
の範囲を外れているため、得られるシャドウマスクはむ
らが強く実用に供し得ないものであった。
マスク用原板によれば、適度な表面粗さを有しているの
で、孔径や孔形状のばらつきが小さくなり、よってむら
のない高品位のシャドウマスクを得ることができる。し
たがって、設計基準に適合し、性能の優れたシャドウマ
スクが得られ、近年のカラー受像管の高精細度化の要求
を充分に満足させることができると共に、エッチング後
の焼鈍工程で焼き付きが生じることもないので、工業的
な価値は極めて大きい。
Claims (2)
- 【請求項1】 電子ビーム透過孔が形成され、シャドウ
マスクを製造する際に用いられる金属原板において、 その表面は、中心線平均粗さRa が 0.3μm を超えて 1
μm 以下、表面粗さの凹凸の平均間隔Sm が 100μm 以
下、かつ表面粗さの凸部の平均傾斜角△qが 2度以上10
度以下であることを特徴とするシャドウマスク用原板。 - 【請求項2】 請求項1記載のシャドウマスク用原板を
用いたことを特徴とするシャドウマスク。
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---|---|---|---|
JP23802291A JP3155782B2 (ja) | 1991-09-18 | 1991-09-18 | シャドウマスク用原板 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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EP0553535B2 (en) † | 1992-01-28 | 2004-04-14 | Seiko Epson Corporation | Ink tank cartridge and container therefor |
JP2005206851A (ja) * | 2004-01-20 | 2005-08-04 | Fuji Photo Film Co Ltd | アルミニウム板エンボス加工用ロール |
-
1991
- 1991-09-18 JP JP23802291A patent/JP3155782B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US7571542B2 (en) | 2004-01-20 | 2009-08-11 | Fujifilm Corporation | Aluminum sheet embossing roll |
JP4516761B2 (ja) * | 2004-01-20 | 2010-08-04 | 富士フイルム株式会社 | アルミニウム板エンボス加工用ロール |
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