JPH0573560U - 携帯用においセンサ - Google Patents

携帯用においセンサ

Info

Publication number
JPH0573560U
JPH0573560U JP1152492U JP1152492U JPH0573560U JP H0573560 U JPH0573560 U JP H0573560U JP 1152492 U JP1152492 U JP 1152492U JP 1152492 U JP1152492 U JP 1152492U JP H0573560 U JPH0573560 U JP H0573560U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
odor
frequency
circuit
crystal
portable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP1152492U
Other languages
English (en)
Other versions
JP2557961Y2 (ja
Inventor
文博 海老沢
健児 横山
治樹 小沢口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP1992011524U priority Critical patent/JP2557961Y2/ja
Publication of JPH0573560U publication Critical patent/JPH0573560U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2557961Y2 publication Critical patent/JP2557961Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 においの対象を限定せず、携帯に便利な小型
で、消費電力が少なく長時間の使用に耐える携帯用にお
いセンサを実現する。 【構成】 二つの水晶振動子1,2の一方に、においに
対して吸着性を有し、しかも対象を限定しない薄膜をコ
ーティングし、これらの水晶振動子1,2を発振回路3
で独立して発振させ、この2つの発振周波数の差周波数
を周波数混合回路5で取り出す。この差周波数は、その
薄膜へのにおい吸着量により変化する。そこで、この差
周波数を狭帯域バンドパスフィルタ6で通過させた後、
その差周波数の透過量の大小を増整流増幅してLEDア
レー10で表示することにより、においの吸着量を視覚
的に知らせる。このように、周波数カウンタや加熱の必
要な酸化物半導体を使用しないことで、小型化,軽量
化,低消費電力化を達成し、汎用的で携帯用に好適にす
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、小型で簡便な携帯用においセンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯用として使用できるにおいセンサとして、従来、以下のようなものが開発 されてきた。
【0003】 (1)携帯型アルコールチェッカ(原理:酸化物半導体の電気伝導度):フィガ ロ技研(株)販売カタログ (2)口臭チェッカ(原理:酸化物半導体の電気伝導度):フィガロ技研(株) 販売カタログ (3)携帯用香りセンサ(原理:酸化物半導体の電気伝導度):B&Hラボ(株 )販売カタログ (4)においセンサ(原理:水晶振動子の周波数変化):相互薬工(株)販売カ タログ
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のにおいセンサを携帯用として使用するには、それぞ れ次のような欠点があった。
【0005】 (1)携帯型アルコールチェッカは、小型で携帯に便利であるが、酸化物半導体 を用いているため、アルコールなどに利用が限定される。しかも、酸化物半導体 を加熱して用いるために、消費電力が大きく、電池など携帯用電源では長時間の 使用に耐えない。
【0006】 (2)口臭チェッカは、口臭のなかのおもにSH基を含む有機物を検出するもの で、小型で携帯に便利であるが口臭チェックに利用が限定される。アルコールチ ェッカと同様に酸化物半導体を加熱して用いるために、消費電力が大きく、電池 など携帯用電源では長時間の使用に耐えない。
【0007】 (3)携帯用香りセンサは、香りの相対濃度を記録できるようになっているが、 大きさが31cm×30cm×20cm、重量6kgと携帯にはやや不便である 。これも酸化物半導体を加熱して用いるために、消費電力が大きく、電池など携 帯用電源では長時間の使用に不向きである。また、酸化物半導体の電気伝導度の 変化を利用したセンサでは、測定の対象とするにおいが限定される欠点がある。
【0008】 (4)においセンサは、水晶振動子方式を用いているために酸化物半導体方式に 比べて、検出できるにおいの種類が多く、加熱する必要もないのでセンサヘッド の消費電力が少ないなどの特徴があり、携帯用に適した検出原理といえる。しか し、周波数カウンタで直接計測しその周波数変化を液晶パネルで表示するために 、大きさが25cm×21cm×11cm、重量が2.5kgと携帯にはやや不 便である。しかも、周波数カウンタ等の動作が必要なために動作電力が大きく、 携帯用電池等では長時間の使用に向かない。
【0009】 以上のように計測対象を限定し、しかも間欠的に使用するチェッカなどでは比 較的実用性のある携帯用においセンサが可能であるが、汎用的な小型で携帯性に 優れたにおいセンサはまだ開発されていない。
【0010】 本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的は 、(1)においの対象を限定しないこと、(2)携帯に便利な小型であること、 (3)消費電力が少なく長時間の使用に耐えることの点を解決した携帯用におい センサを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本考案の携帯用においセンサにおいては、電極を 有する他ににおいに対して吸着性を有する薄膜をコーティングした第1の水晶振 動子と、電極のみを有する第2の水晶振動子と、前記第1の水晶振動子および第 2の水晶振動子を独立して発振させる水晶発振回路と、これら2つの水晶振動子 の発振周波数の差周波数を取り出す回路とを具備し、一つの構成では、該差周波 数を通過させる帯域の狭いバンドパスフィルタと、該差周波数の透過量の大小を 増幅または整流増幅する回路と、該増幅出力または整流増幅出力の大小を表示素 子の発光状態でまたは可動部材の振れで表示する表示手段とを具備し、また、別 の構成では、該差周波数を可聴音域周波数に変換する回路と、該可聴音域周波数 信号を電力増幅する回路と、該電力増幅出力を可聴音に変換する音響器とを具備 することを特徴としている。
【0012】
【作用】
本考案の携帯用においセンサでは、二つの水晶振動子の一方に、においに対し て吸着性を有する薄膜をコーティングし、これらの水晶振動子を水晶発振回路で 独立して発振させ、この2つの発振周波数の差周波数を電気的な回路で取り出す 。この差周波数は、その薄膜へのにおい吸着量により変化する。ここで、二つの 水晶振動子の差周波数をとることにより、温度変化等のにおいの吸着以外の原因 による周波数変化をキャンセルし、計測場所による環境変化に対してより安定し た動作を可能にしている。以降、一つの構成では、差周波数を帯域の狭いバンド パスフィルタで通過させた後、その差周波数の透過量の大小を増幅または整流増 幅して表示することにより、においの吸着量を視覚的に知らせる。また、別の構 成では、差周波数を可聴音域周波数に変換し、におい吸着量を音の高低で知らせ る。このように、本考案の携帯用においセンサでは、周波数カウンタや加熱が必 要でかつにおいの対象が限定される酸化物半導体を使用しないことで、小型化, 軽量化,低消費電力化を達成し、汎用的で携帯用に好適なものにしている。
【0013】
【実施例】
以下、本考案の実施例を、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】 図1は発光ダイオードアレーをセンサ出力とする本考案の第一の実施例の携帯 用においセンサの構成図であって、(a)は側面図、(b)は前面図である。図 において、1は水晶振動子、2はにおい吸着膜付き水晶振動子、3は発振回路、 4は周波数調整回路、5は周波数混合回路、6は狭帯域バンドパスフィルタ、7 は増幅回路、8は整流回路、9はLED(発光ダイオード)ドライバ、10はL EDアレー、11はLED調整回路、12は吸引ファン、13はDCモータ、1 4はモータタイマ回路、15は電源スイッチ、16はNiCdバッテリ、17は ACアダプタ端子を示す。本実施例の大きさは、先端部直径18mm程度、バッ テリ部直径32mm程度、長さ180mm程度に作製可能である。
【0015】 図2はセンサ回路の回路構成を示すブロック図であり、3は発振回路、5は周 波数混合回路、6は狭帯域バンドパスフィルタ、7は増幅回路、8は整流回路、 9はLEDドライバ、10は4ドットLEDアレー(正常値;緑色、第一レベル ;オレンジ色、第2レベル;赤色、第3レベル;赤色)、11はLED調整回路 である。
【0016】 水晶振動子1は参照用であり、電極表面にはにおい吸着剤は塗布していない。 一方、水晶振動子2はにおい吸着用であり、振動子表面には高分子被膜(ポリビ ニルアセテート,ポリブチレンアジペート,ポリハイドロキシルビニルセルロー ス,ポリビニルピロリドン,ポリフェニレンオキシド,ポリビニルブチラール, ポリイオンコンプレックス,ポリカプロラクトンなどの1つまたは混合物)を形 成している。これらを2台の独立した発振回路3で例えば60MHzで直接発振 させる。この時、2つの発振周波数にはわずかな差があり、この差分の変化を利 用して、においの直接センシングを行う。本実施例では、水晶振動子1を60. 000MHzで発振させ、水晶振動子2を60.455MHzで発振させる。こ の2つの高周波をダブルバランスドミキサなどの周波数混合回路5に入力し、2 つの差周波数成分を取り出す。この中の差周波数成分のみを狭帯域バンドパスフ ィルタ6(中心周波数455KHz)で取り出す。これを増幅回路7で増幅し、 整流回路8で直流電圧に変換する。
【0017】 ここで、におい物質が水晶振動子1,2付近に飛来した場合、水晶振動子2に のみにおいが吸着し、水晶振動子2の振動数がにおいの吸着量に比例して僅かに 減少する。このとき、水晶振動子1は電極のみであるために、におい物質は吸着 せず、発信周波数も変化しない。従って、周波数混合器5からの差周波数は45 5KHzより低くなる。狭帯域バイドパスフィルタ6からの出力は帯域特性を関 数として、周波数変化に応じて減少することになる。この高周波出力を増幅器7 ,整流回路8で直流に変換すると、におい吸着に伴う周波数変化が直流電圧の変 化として取り出せる。この直流出力を電圧値が測定可能なLEDドライバ9に入 力し、直流電圧に変化によってLEDアレー10の複数個のLEDを順次発光さ せ、においの存在および強弱をLEDの発光状態(点灯色変化や点灯数変化等) で視覚的に示すことができる。なお、LEDアレー10に代えて、数字表示LE D素子や可動部材を振れさせる小型メータ等を使用して表示を行っても良い。小 型メータ等が交流式であれば、整流回路8は不要である。以下に、さらに具体的 構成例による動作例を詳しく述べる。
【0018】 携帯においセンサの水晶振動子2に厚さ0.5μmのポリカプロラクトンを被 膜し、水晶振動子1の銀電極の状態として、3次オーバートーンの発振を行わせ た。水晶振動子1の発振周波数を60.000MHzとし、水晶振動子2の発振 周波数を60.455MHzとした。この状態でLEDアレー10の4つのLE Dの中でにおいの無い状態を示す緑のLEDを発光させた。ここでDCモータ1 3を動かし、吸引ファン12を回し、大気を水晶振動子1,2側に吸引した。吸 引時間はモータタイマ回路14でプリセットが可能であり、ここでは5秒とした 。吸引ファン12を無臭の状態で5秒間回しても、吸引前と同じ緑色のLEDが 点灯していた。
【0019】 次にT&Tオルファクトメータを用いて、におい強度を補正した。この試験は 人間の嗅覚障害を検査する機器であり、5つのにおいの異なる試薬がにおい強度 を1桁づつ変えて試薬瓶に入ったものである。5つのにおいは、A:バラの花の におい、B:焦げたカラメルのにおい、C:汗くさいにおい、D:桃のにおい、 E:糞臭,口臭,いやなにおいである。携帯用においセンサの最大値の校正は、 T&TオルファクトメータA2,B2,C2,D2,E2(嗅覚の正常な人間の 嗅覚閾値より100倍ににおい強度が強い)を用いて行った。各瓶の蓋を取り、 瓶口から3cmの距離に携帯用においセンサの先端部を持って行き、吸引ファン 12で5秒間においを吸引した。この時、携帯用においセンサの最大感度を示す 赤色LEDが点灯するようにLED調整回路11を用いて調整した。この操作で 人間の嗅覚閾値から2桁強い濃度を最大値とする携帯用においセンサの校正が終 了した。
【0020】 このようににおいの感度が人間の嗅覚と同程度に調整された携帯用においセン サを用いて、表1のようなにおいセンシングを行った。いずれも吸引ファン12 を用いた値である。結果は実用的ににおいが検出できることを示している。吸引 ファン12を用いなくても、においの検出は可能であるが、におい強度レベルが 低下するとともに、応答時間が10倍程度長くなる。しかし、長時間のバッテリ 動作による携帯が必要な場合は、消費電力の多い吸引ファン12による動作を必 ずしも必要としない。
【0021】
【表1】
【0022】 次に、本考案の第二の実施例を示す。図3は可聴音の周波数変化をセンサ出力 とする本考案の第二の実施例の携帯用においセンサの構成図であって、(a)は 側面図、(b)は前面図である。図において、1は水晶振動子、2はにおい吸着 膜付き水晶振動子、3は発振回路、4は周波数調整回路、5は周波数混合回路、 18はローパスフィルタ、19は差周波数を可聴音域の周波数に変換するための 発振器、20は周波数混合器、21は可聴音周波数域増幅器、22は音量調整回 路、23は電力増幅器、24はスピーカ、12は吸引ファン、13はDCモータ 、14はモータタイマ回路、15は電源スイッチ、16はNiCdバッテリ、1 7はACアダプタ端子を示す。
【0023】 図4は上記センサ回路の回路構成を示すブロック図であり、3は発振回路、5 は周波数混合回路、18はローパスフィルタ、19は差周波数を可聴音域の周波 数に変換するための発振器、20は周波数混合器、21は可聴音周波数域増幅器 、22は音量調整回路、23は電力増幅器、24はスピーカである。本実施例の 大きさも、先端部直径18mm程度、バッテリ部直径32mm程度、長さ180 mm程度に作製可能である。
【0024】 第一の実施例と同様に水晶振動子1は参照用であり、電極表面にはにおい吸着 剤は塗布していない。一方、水晶振動子2はにおい吸着用であり、振動子表面に は高分子被膜(ポリビニルアセテート,ポリブチレンアジペート,ポリハイドロ キシルビニルセルロース,ポリビニルピロリドン,ポリフェニレンオキシド,ポ リビニルブチラール,ポリイオンコンプレックス,ポリカプロラクトンなどの1 つまたは混合物)を形成している。これらを2台の独立した発振回路3で、例え ば60MHzで直接発振させる。この時、2つの発振周波数にはわずかな差があ り、この差分の変化を利用して、においの直接センシングを行う。ここでは、一 例として水晶振動子1を60.000MHzで発振させ、水晶振動子2を60. 455MHzで発振させる。この2つの高周波をダブルバランスドミキサなどの 周波数混合回路5に入力し、2つの差周波数成分を取り出す。この中の差周波数 成分のみをローパスフィルタ(遮断周波数1MHz)18で取り出す。19の発 振器を454.5KHzで発振させ、これを周波数混合器20に入力し、可聴音 域周波数のみ増幅器21に入力する。音量調整回路22を通して、電力増幅器2 3に入力し、これをスピーカ24で可聴音として取り出す。においが吸着して水 晶振動子2の周波数が変化すると、この周波数変化に応じて、可聴音の周波数は 変化し、においの吸着量が直接、音の周波数変化として取り出せる。なお、上記 のスピーカ24に代えて、イヤホンや圧電素子等の他の音響器を用いても良い。 以下に、さらに具体的構成例による動作例を詳しく述べる。
【0025】 携帯においセンサの水晶振動子2に厚さ0.5μmのポリカプロラクトンを被 膜し、水晶振動子1の銀電極の状態として、3次オーバートーンの発振を行わせ た。水晶振動子1の発振周波数を60.000MHzとし、水晶振動子2の発振 周波数を60.455MHzとした。においの無い状態でスピーカ24から出る 音の高さは500Hzになるように発振器19の周波数を調整し、音量調整回路 22で適当な音量に調整した。ここでDCモータ13を動かし、吸引ファン12 を回し、大気を水晶振動子1,2側に吸引した。吸引時間はモータタイマ回路1 4でプリセットが可能であり、ここでは第一の実施例と同様に5秒とした。吸引 ファンを無臭の状態で5秒間回しても、音の周波数は変化せず、においの無い状 態を表していた。
【0026】 次に第一の実施例と同様にT&Tオルファクトメータを用いて、におい強度を 補正した。校正に用いたT&Tオルファクトメータは正常な嗅覚の持ち主の嗅覚 閾値より100倍におい強度の大きな試薬瓶A2,B2,C2,D2,E2を用 いて行った。各瓶の蓋を取り、瓶口から3cmの距離に携帯用においセンサの先 端部を持って行き、吸引ファン12で5秒間においを吸引した。この時、携帯用 においセンサの音の高さはA2で3KHz、B2で3.5KHz、C2で2.8 KHz、D2で2.6KHz、E2で3KHzと高くなった。これで人間の嗅覚 閾値から2桁強い濃度をにおいがセンサヘッドに吸引された時に、500Hzか ら3000Hzまで音の周波数が高くなる可聴音周波数変化型携帯用においセン サができた。
【0027】 このように、においの感度が人間の嗅覚と同程度な可聴音周波数変化型の携帯 用においセンサを用いて、表2のようなにおいセンシングを行った。いずれも吸 引ファンを用いた値である。結果は、実用的ににおいを検出できることを示して いる。吸引ファンを用いなくてもにおいの検出は可能であるが、におい強度レベ ルが低下するとともに、応答時間が10倍程度長くなる。しかし、長時間のバッ テリ動作による携帯が必要な場合は消費電力の多い、吸引ファンによる動作を必 ずしも必要としない。
【0028】 第一の実施例に比べて、この携帯用においセンサは、肉眼で他の業務を行って いる時でも可聴音による変化でにおいの変化を捕らえることができる利点がある 。可聴音の発生時間はモニタしたい時だけ音が出るようにしてある。吸引ファン を用いるときはファンと連動してモニタ音が出る。
【0029】
【表2】
【0030】 次に本考案の第三の実施例を示す。図5は発光ダイオードアレーの点灯色変化 と可聴音の周波数変化の2つのセンサ出力を有する本考案の第三の実施例の携帯 用においセンサの構成図であって、(a)は側面図、(b)は前面図である。図 において、1は水晶振動子、2はにおい吸着膜付き水晶振動子、3は発振回路、 4は周波数調整回路、5は周波数混合回路、6は狭帯域バンドパスフィルタ、7 は増幅回路、8は整流回路、9はLEDドライバ、10はLEDアレー、11は LED調整回路、12は吸引ファン、13はDCモータ、14はモータタイマ回 路、15は電源スイッチ、16はNiCdバッテリ、17はACアダプタ端子、 18はローパスフィルタ、19は差周波数を可聴音域の周波数に変換するための 発振器、20は周波数混合器、21は可聴音周波数域増幅器、22は音量調整回 路、23は電力増幅器、24はスピーカを示す。本実施例の大きさも、先端部直 径18mm程度、バッテリ部直径32mm程度、長さ180mm程度に作製可能 である。ただし、第一の実施例および第二の実施例に比べて32mmφの部分が 長くなっている。
【0031】 図6はセンサ回路の回路構成を示すブロック図であり、3は発振回路、5は周 波数混合回路、6は狭帯域バンドパスフィルタ、7は増幅回路、8は整流回路、 9はLEDドライバ、10は4ドットLEDアレー(正常値;緑色、第一レベル ;オレンジ色、第2レベル;赤色、第3レベル;赤色)、11はLED調整回路 、18はローパスフィルタ、19は差周波数を可聴音域の周波数に変換するため の発振器、20は周波数混合器、21は可聴音周波数域増幅器、22は音量調整 回路、23は電力増幅器、24はスピーカである。
【0032】 第一の実施例,第二の実施例と同様に水晶振動子1は参照用であり、電極表面 にはにおい吸着剤は塗布していない。一方、水晶振動子2はにおい吸着用であり 、振動子表面には高分子被膜(ポリビニルアセテート,ポリブチレンアジペート ,ポリハイドロキシルビニルセルロース,ポリビニルピロリドン,ポリフェニレ ンオキシド,ポリビニルブチラール,ポリイオンコンプレックス,ポリカプロラ クトンなどの1つまたは混合物)を形成している。これらを2台の独立した発振 回路3で60MHzで直接発振させる。この時、2つの発振周波数にはわずかな 差があり、この差分の変化を利用して、においの直接センシングを行う。ここで は、一例として水晶振動子1を60.000MHzで発振させ、水晶振動子2を 60.455MHzで発振させる。この2つの高周波をダブルバランスドミキサ などの周波数混合回路5に入力し、2つの差周波数成分を取り出す。
【0033】 発光ダイオードでにおいの強度を示す方法は第一の実施例と同様な方法で、ま た可聴音の周波数変化でにおいの強弱を示す方法は第二の実施例と同様に行う。 LEDの発光状態および可聴音の周波数偏移の最大値は人間の正常嗅覚閾値のお よそ100倍のにおい強度を指標とするために、T&TオルファクトメータA2 ,B2,C2,D2,E2を用いて行った。この携帯用においセンサでは視覚と 聴覚の両方によってセンサ情報を表現できるから、におい強度を騒音の激しい場 所では発光ダイオードにより、視覚が他の業務で使用できないときは可聴音の周 波数変化により確実にセンシングすることが可能である。実際の実施例は、第一 実施例と第二実施例の結果を合わせたものと等しくなった。
【0034】 以上に述べた本考案の実施例の携帯用においセンサでは、水晶振動子1に対し 温度変化等のにおいの吸着以外の原因による周波数変化をキャンセルするための 補償用に水晶振動子2を加えたデュアルヘッド構成としている。これにより、計 測場所による環境変化に対してより安定した動作が可能となる。このデュアルヘ ッドの差周波数の変化を、狭帯域バンドパスフィルタと整流回路で直流電圧の変 化に直接変換してLEDの発光状態で知らせるか、または可聴音域周波数に変換 してし音で知らせるかして、従来の周波数カウンタ方式を採らない。この結果、 周波数カウンタを利用しないために小型化,軽量化,低消費電力化が達成される 。また、このように周波数変化に相当する直流電圧をLEDの点灯や音の高低で 知らせるために、周波数の数字表示で知らせる従来の方式に比べて、においの相 対濃度を視覚的にあるいは聴覚的に表示でき、携帯用により便利になっている。 さらに、においを吸引ファンで集めるために計測時間が短く、携帯作業が迅速に 行えるために便利である。以上により、本考案では、水晶振動子方式のにおいセ ンサの長所を十分に生かした携帯に便利な低消費電力,小型な携帯用においセン サを実現している。
【0035】
【考案の効果】
以上の説明で明らかなように、本考案の携帯用においセンサは、従来の携帯用 においセンサに比べて、センサ出力を視覚的な表示あるいは可聴音の周波数変化 すなわち音の高低とし、従来の周波数カウンタを用いないために、大きさが小さ くなり、しかも携帯に便利な低消費電力型になり、非常に携帯に便利になる利点 がある。
【0036】 この結果、本実施例の携帯用においセンサは各種香りにおい製品の最終検査, 嗅覚障害者用携帯用センサ,オフィス環境計測,悪臭腐敗臭検出等の携帯形の随 時計測器として広く応用できる利点がある。さらに、本考案の携帯用においセン サは、センサ出力が視覚的表示あるいは可聴音の周波数変化であるために、騒音 の多い場所,暗い場所,センサ出力を見ることのできない作業など幅広い作業環 境に適応できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は本考案の第一の実施例を示す
発光ダイオードアレーをセンサ出力とする携帯用におい
センサの構成図
【図2】上記第一の実施例の回路構成を示すブロック図
【図3】(a),(b)は第二の実施例を示す可聴音の
周波数変化をセンサ出力とする携帯用においセンサの構
成図
【図4】上記第二の実施例の回路構成を示すブロック図
【図5】(a),(b)は第三の実施例を示す発光ダイ
オードアレーの点灯状態と可聴音の周波数変化の二つの
センサ出力を有する携帯用においセンサの構成図
【図6】上記第三の実施例の回路構成を示すブロック図
【符号の説明】
1…水晶振動子 2…におい吸着膜付き水晶振動子 3…発振回路 5…周波数混合回路 6…狭帯域バンドパスフィルタ 7…増幅回路 8…整流回路 9…LEDドライバ 10…LEDアレー 12…吸引ファン 13…DCモータ 16…NiCdバッテリ 18…ローパスフィルタ 19…差周波数を可聴音域の周波数に変換するための発
振器 20…周波数混合器 21…可聴音周波数域増幅器 23…電力増幅器 24…スピーカ

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極を有する他ににおいに対して吸着性
    を有する薄膜をコーティングした第1の水晶振動子と、
    電極のみを有する第2の水晶振動子と、前記第1の水晶
    振動子および第2の水晶振動子を独立して発振させる水
    晶発振回路と、これら2つの水晶振動子の発振周波数の
    差周波数を取り出す回路と、該差周波数を通過させる帯
    域の狭いバンドパスフィルタと、該差周波数の透過量の
    大小を増幅または整流増幅する回路と、該増幅出力また
    は整流増幅出力の大小を表示素子の発光状態でまたは可
    動部材の振れで表示する表示手段とを具備することを特
    徴とする携帯用においセンサ。
  2. 【請求項2】 電極を有する他ににおいに対して吸着性
    を有する薄膜をコーティングした第1の水晶振動子と、
    電極のみを有する第2の水晶振動子と、前記第1の水晶
    振動子および第2の水晶振動子を独立して発振させる水
    晶発振回路と、これら2つの水晶振動子の発振周波数の
    差周波数を取り出す回路と、該差周波数を可聴音域周波
    数に変換する回路と、該可聴音域周波数信号を電力増幅
    する回路と、該電力増幅出力を可聴音に変換する音響器
    とを具備することを特徴とする携帯用においセンサ。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の携帯用
    においセンサの本体中央部を長くして、測定対象のにお
    いを第1および第2の水晶振動子に向けて強制吸引する
    吸引ファン付き小型モータを設置したことを特徴とする
    携帯用においセンサ。
JP1992011524U 1992-03-09 1992-03-09 携帯用においセンサ Expired - Lifetime JP2557961Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1992011524U JP2557961Y2 (ja) 1992-03-09 1992-03-09 携帯用においセンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1992011524U JP2557961Y2 (ja) 1992-03-09 1992-03-09 携帯用においセンサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0573560U true JPH0573560U (ja) 1993-10-08
JP2557961Y2 JP2557961Y2 (ja) 1997-12-17

Family

ID=11780364

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1992011524U Expired - Lifetime JP2557961Y2 (ja) 1992-03-09 1992-03-09 携帯用においセンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2557961Y2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0868781A (ja) * 1994-08-31 1996-03-12 Ricoh Co Ltd ガスセンサシステム
JPH08261915A (ja) * 1995-03-20 1996-10-11 Olympus Optical Co Ltd 触覚センサプローブ及び触覚センサ
JP2001242057A (ja) * 2000-02-28 2001-09-07 Natl Inst Of Advanced Industrial Science & Technology Meti 簡易小型ガスまたは大気中浮遊微粒子検出装置
JP2004125402A (ja) * 2002-09-30 2004-04-22 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 微量物質の小型検出装置
WO2018221283A1 (ja) * 2017-05-31 2018-12-06 国立研究開発法人物質・材料研究機構 低吸湿性材料からなるナノメカニカルセンサ用受容体及びそれを受容体として使用するナノメカニカルセンサ
WO2023067930A1 (ja) * 2021-10-19 2023-04-27 株式会社レボーン 検出装置、情報処理装置及びプログラム

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56166448A (en) * 1980-05-27 1981-12-21 Yutaka Matsuda Measuring method for mass of suspended particle
JPS5764890A (en) * 1980-10-07 1982-04-20 Matsushita Electric Works Ltd Gas leakage alarm
JPH0289353U (ja) * 1988-12-27 1990-07-16
JPH02206742A (ja) * 1989-02-07 1990-08-16 Mitsubishi Electric Corp ガスセンサ
JPH02293644A (ja) * 1989-05-08 1990-12-04 Hitachi Ltd ルテニウム四酸化物の濃度センサ
JPH03215731A (ja) * 1990-01-20 1991-09-20 Horiba Ltd ガス分析計
JPH0450637A (ja) * 1990-06-13 1992-02-19 Amenitec:Kk 臭気濃度測定システム

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56166448A (en) * 1980-05-27 1981-12-21 Yutaka Matsuda Measuring method for mass of suspended particle
JPS5764890A (en) * 1980-10-07 1982-04-20 Matsushita Electric Works Ltd Gas leakage alarm
JPH0289353U (ja) * 1988-12-27 1990-07-16
JPH02206742A (ja) * 1989-02-07 1990-08-16 Mitsubishi Electric Corp ガスセンサ
JPH02293644A (ja) * 1989-05-08 1990-12-04 Hitachi Ltd ルテニウム四酸化物の濃度センサ
JPH03215731A (ja) * 1990-01-20 1991-09-20 Horiba Ltd ガス分析計
JPH0450637A (ja) * 1990-06-13 1992-02-19 Amenitec:Kk 臭気濃度測定システム

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0868781A (ja) * 1994-08-31 1996-03-12 Ricoh Co Ltd ガスセンサシステム
JPH08261915A (ja) * 1995-03-20 1996-10-11 Olympus Optical Co Ltd 触覚センサプローブ及び触覚センサ
JP2001242057A (ja) * 2000-02-28 2001-09-07 Natl Inst Of Advanced Industrial Science & Technology Meti 簡易小型ガスまたは大気中浮遊微粒子検出装置
JP2004125402A (ja) * 2002-09-30 2004-04-22 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 微量物質の小型検出装置
WO2018221283A1 (ja) * 2017-05-31 2018-12-06 国立研究開発法人物質・材料研究機構 低吸湿性材料からなるナノメカニカルセンサ用受容体及びそれを受容体として使用するナノメカニカルセンサ
JPWO2018221283A1 (ja) * 2017-05-31 2020-03-19 国立研究開発法人物質・材料研究機構 低吸湿性材料からなるナノメカニカルセンサ用受容体及びそれを受容体として使用するナノメカニカルセンサ
WO2023067930A1 (ja) * 2021-10-19 2023-04-27 株式会社レボーン 検出装置、情報処理装置及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2557961Y2 (ja) 1997-12-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2114246B1 (en) Interactive alcometry
JP6625132B2 (ja) 飽和水蒸気検出素子、ガス検出装置及び呼気検査システム
WO2017008420A1 (zh) 触摸压力检测装置和方法
JP2557961Y2 (ja) 携帯用においセンサ
JP2573865Y2 (ja) 携帯用小型においセンサ
JPH1151828A (ja) 臭気濃度測定装置
CN112255402A (zh) 用于呼吸道病毒筛查的快检装置
CN208206570U (zh) 一种室内用多功能空气采样装置
CN201653956U (zh) 一种家用usb即插即用型气体检测器
US5627307A (en) Method for measuring intensity index of odor
CN211663439U (zh) 一种无人机恶臭自动监测装置
CN109307767A (zh) 一种干式荧光免疫分析仪
JP2023524396A (ja) 環境中の化学物質を検出するための方法、感知モジュールおよびキット
CN220419348U (zh) 抗原检测仪及抗原检测系统
JP2801546B2 (ja) 赤外線センサー駆動回路
JPH01259250A (ja) におい検知装置
TW200827704A (en) Optical gas density sensor
RU2771452C1 (ru) Детектор угарного газа
JPH0225830U (ja)
US20230404430A1 (en) Air borne pathogens detection device
CN213715333U (zh) 一种简单实用的口罩有效静电检测电路
JPH0743328A (ja) 臭気濃度測定装置
CN201508342U (zh) 有毒气体检测仪
CN209727835U (zh) 多点阵式高低浓度数字二氧化氮传感器
CN112740036B (zh) 呼吸气感测系统及其使用方法

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term