JPH0573082A - 音場シミユレータ - Google Patents

音場シミユレータ

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JPH0573082A
JPH0573082A JP3259582A JP25958291A JPH0573082A JP H0573082 A JPH0573082 A JP H0573082A JP 3259582 A JP3259582 A JP 3259582A JP 25958291 A JP25958291 A JP 25958291A JP H0573082 A JPH0573082 A JP H0573082A
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sound
sound field
field
sounds
reverberation
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JP3259582A
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English (en)
Inventor
Tadao Fukuyama
忠雄 福山
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Toda Corp
Original Assignee
Toda Corp
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Publication date
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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 可聴室内においてより自然な音場を作り出す
ことのできる音場シミュレータを提供すること。 【構成】 音場内の所定音源からの音が所定受音点でど
のように聞こえるかを、音場の設計データを基にして方
向別にシミュレートし、可聴室内に音源からの直接音2
00、各方向からの初期反射音210および残響音22
0から構成される模擬音場を形成する音場シミュレータ
である。この音場シミュレータは、前記各方向からの残
響音220を、互いに少しずつ異なるタイミングで発生
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は音場シミュレータ、特に
設計段階にある音場の音環境を、設計データを基にして
シミュレートし、試聴者に模擬体験させることの出切る
音場シミュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、コンサートホール、スタジ
オ、試聴室などの各音場を設計する初期段階において
は、音場を構成する部屋形状の基本的な性質を把握する
ために、音線法や虚像法などの幾何音響解析を行うこと
が多い。
【0003】しかし、空間の広がり感、音の方向性、残
響感といった音響イメージを、幾何学的音響解析による
数値データから正確に把握することは容易ではない。
【0004】このため従来より設計段階で、完成時のコ
ンサートホールの音響効果を聴覚的に体験できる音場シ
ミュレータの提案が行われている。このような提案とし
ては、例えば特開平3−38695号公報、特開平1−
239674号公報、特開平3−15896号公報、特
開昭61−262000号公報、特開昭60−1403
95号公報などがある。
【0005】このような音場シミュレータは、いずれも
コンサートホールなどの音場内において、音源からの音
が受音点でどのように聞こえるかを設計データを基にし
てシミュレートし、可聴室内に模擬音場を作り出すよう
になっている。
【0006】したがって、試聴者は、設計された音場内
における音環境を前記可聴室内において実際に体験し、
設計された音場が試聴者の音響イメージと一致するか否
かの評価を行うことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
音場シミュレータでは、音場内の所定音源からの音が受
音点でどのように聞こえるかを、音場の設計データを基
にして方向別にシミュレートしている。そして、可聴室
内において、音源からの音を、直接音と、各方向からの
初期反射音群および残響音群とで再現し模擬音場を形成
している。
【0008】すなわち、試聴者が音場内で音を聞いた場
合、まず最初に音源からの直接音が到来し、次に天井や
壁からの離散的な反射音が到来する。そして、到来する
反射音の密度は時間の経過と共に高くなり、やがて個々
に分離不能な反射音群、いわゆる残響音となる。
【0009】通常、前記残響音は、同一パルス密度、同
一周波数特性を有するパターン化されたパルス列を、ド
ライソースからくる音信号に畳込み演算し形成される。
そして、このようにして得られた残響音は、各方向から
の初期反射音に連続するよう同じタイミングで発生さ
れ、可聴室内に模擬音場を形成している。
【0010】しかし、前記残響音は、全ての方向で全く
同一となるように演算されるため、従来のように同一の
タイミングで各方向から同じ残響音を発生させると、
各方向からの残響音同士が干渉し合い、しかも各方向
からの残響音が同位相で耳に到達するので、これらが試
聴者に違和感を感じさせる一因となっていた。
【0011】本発明は、このような従来の課題に鑑みな
されたものであり、その目的は、可聴室内においてより
自然な音場を作り出すことのできる音場シミュレータを
提供することある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、音場内の所定音源からの音が所定受音点
でどのように聞こえるかを、音場の設計データを基にし
て方向別にシミュレートし、可聴室内に音源からの直接
音、各方向からの初期反射音および残響音から構成され
る模擬音場を形成する音場シミュレータにおいて、前記
各方向からの残響音を、互いに少しずつ異なるタイミン
グで発生させることを特徴とする。
【0013】
【作用】このように、本発明の音場シミュレータでは、
可聴室内において、音源からの直接音、各方向からの初
期反射音および残響音から構成される模擬音場を創生し
ている。
【0014】このとき、本発明では、前記各方向からの
残響音を、互いに少しずつ異なるタイミングで発生させ
るため、残響音同士の干渉を抑制し、しかも各方向から
の残響音が異なる位相で耳に到達することになり、この
結果、可聴室内に実際の音場に近い、自然な感じの模擬
音場を創生することが可能となる。
【0015】
【実施例】次に本発明の好適な実施例を図面に基づき詳
細に説明する。
【0016】図1には、本発明に係る音場シミュレータ
の好適な一例が示されている。実施例の音場シミュレー
タは、コンサートホールなどの所定の音場を設計する音
響設計用CADシステム10と、設計された音場のデー
タから、可聴室100内に模擬音場を作り出す演算処理
システム40とを含む。
【0017】図2には、前記音響設計用CADシステム
10により設計されたコンサートホールなどの音場の一
例が示されている。
【0018】実施例の音響設計用CADシステム10は
このような音場の設計を行うと共に、この音場内におい
て、音源12からの音が所定の受音点14でどのように
聞こえるかを、音場の設計データを基にして演算し、演
算したシミュレーションデータを演算処理システム40
のメモリ42内に書き込み記憶する。
【0019】このときメモリ42内に書き込まれるシミ
ュレーションデータは、音場内において音源12からイ
ンパルス音波が出力されるとき、受音点14に受音され
るインパルスレスポンスとして算出することができる。
このインパルスレスポンスは、音源12から受音点14
へ直接到達する直接音と、次に天井,壁面などの反射面
から反射されて到来する初期反射音群と、残響音群とを
含む(前記反射音の密度は時間の経過と共に高くなり、
やがて個々に分離不能な反射音群、いわゆる残響音とな
る)。このとき見られる各インパルスレスポンスは、音
場内における音の吸収,反射などの各種効果を総合的に
表す。
【0020】実施例の音響設計用CADシステム10
は、受音点14に置けるこのようなインパルスレスポン
スを、受音点を中心とした半球面を方向別に12分割
し、各方向毎に演算し、メモリ42内に書き込み記憶し
ている。なお、前記分割数は、12分割に限らず、必要
に応じて任意に設定できることは言うまでもない。
【0021】また、この音場をシミュレートする可聴室
100は、そのフロア中央に試聴者が着座する試聴席1
10が設置され、その前には試聴者が操作する操作盤1
30が設置されている。そして、この試聴席110の前
方には、左右一対の直接音用スピーカ120R,120
Lが配置され、さらにこの試聴席110を中心とした半
球面上には、前記音場の12分割領域と対応するよう1
2個の反射音用スピーカ122−1,122−2…12
2−12が配置されている。なお、実施例では水平方向
を8分割、天井方向を4分割するよう前記各スピーカ1
22−1,122−2…122−12が配置されてい
る。
【0022】試聴席110の前方に設置されたモニター
112上には、音響設計用CADシステム10により演
算設計された図2に示す音場の設計画像が、AVシステ
ム30により画像表示されるようになっている。
【0023】前記演算処理システム40は、メモリ42
に記憶された音場12のシミュレーションデータに基づ
き、ドライソース20からの音を信号処理し、アンプ4
4を介し一対の直接音用スピーカ120R,120Lか
ら直接音として出力し、12個の反射音用スピーカ12
2−1,122−2…122−12から各方向別のイン
パルスレスポンスに対応した反射音を出力させる。これ
により、可聴室100内には、図2に示す音場の音源1
2からの音を、受音点14で聞いたときと同様の模擬音
場が創生されることになり、試聴者は設計段階の音環境
を実際に体験することができる。
【0024】このとき、コンサートホール等の発注者
が、模擬音場内で体験した音環境から、例えば後方空間
の音の拡がり感を増やした場合にはどのような音環境に
なるか、あるいは前方からの直接音を増やした場合にに
はどのような音環境になるかなどを実際に体験できれ
ば、その体験結果を、設計の変更などに有効に活用でき
る。このため、実施例の音場シミュレータでは、試聴者
が前記操作盤130を操作することにより、アンプ44
のゲインを制御し、直接音用スピーカ120R,120
L、間接音用スピーカ122−1,122−2…122
−12の音量を個別に制御できるようになっている。こ
れにより、可聴室100内で設計段階の音場の音環境を
体験中の試聴者が、手元の操作盤130の操作で、直接
音の音量や、各方向からの反射音をそれぞれ個別に制御
し、例えば後方のスピーカ122−4,122−5の原
音を大きくし、後方空間の音の拡がり感を増やした場合
にはどのような音環境になるか等をを実際に体験でき、
好みの音場を作り出すこともできる。
【0025】したがって、このように作り出した好みの
音場のデータを、メモリ42の解析データ領域へ書込む
ことにより、この記憶データを基にデータ解析用に用
い、試聴者の希望に添うよう音場の設計データを変更す
ることができる。
【0026】なお、模擬音場の創生に用いる音源として
は、無響音室で収録したドライソース20を用いること
が好ましいが、実施例の音場シミュレータでは、可聴室
100内に設置された集音マイク124で集音した音声
(肉声や生演奏等)からも、これをドライソースとして
同様にして模擬音場を創生するようになっている。
【0027】図3には、実施例の音場シミュレータの詳
細な回路図が示されている。
【0028】本実施例において、前記メモリ42に記憶
されるシミュレーションデータは、音響設計用CADシ
ステム10を用い、音源12をステージ中央に位置さ
せ、この音源12が無指向性の音源であると仮定した場
合に、計算により得られるシミュレーションデータであ
る。
【0029】図4には、メモリ12に記憶されるシミュ
レーションデータの一例が示されている。同図(a)は
全インパルス応答の波形図であり、同図(b)は、直接
音のインパルス波形200であり、同図(c)は、12
分割された各方向からの初期反射音のインパルス波形2
10、残響音のインパルス波形220である。前記各初
期反射音のインパルス波形210は、演算処理システム
40による演算の負担を軽減するために、音源12から
の音波パルス出力時から500msの間のインパルス応
答として記憶されている。そして、500ms以降の残
響音は、図中点線で示すように同一パターンのインパル
ス応答200として求められ、各チャンネル毎に設定さ
れている。
【0030】周知のように、音場シミュレータでは、直
接音および初期反射音以外の、一般に後部残響音といわ
れる室内音場成分を、時間的に減衰するマクロの反射音
群として各チャンネル毎にシミュレートするものであ
る。例えば、第n回の反射音パルスまでを、初期反射音
を表すインパルス応答としてシミュレートした場合に
は、第n+1回反射音パルス以後を残響音を表すパルス
列としてシミュレートすることになる。本実施例では、
残響音のインパルス応答は、一定の密度および周波数特
性を持つものとし、12チャンネル分のすべての残響音
を表すインパルス応答は、同一パターン,同一周波数に
設定されている。なお、この残響音のインパルス応答
は、必要に応じ、初期反射音のインパルス応答と一定時
間重ね合うようにして形成してもよい。
【0031】従来の音場シミュレータでは、このインパ
ルス応答に基ずく残響音の生成を、各チャンネル毎に、
同一のタイミングで行っているため、残響音同士の干渉
などが発生し、しかも各方向からの残響音が同位相で聞
こえ、これらが模擬音場の不自然さを醸し出す一因とな
っていた。
【0032】本実施例の装置では、各チャンネルの残響
音の時間位相、すなわち発生タイミングを互いに少しず
つずらすようにすることにより、残響音同士の干渉を抑
制し、しかも各方向から聞こえる残響音の位相をずら
し、より自然に近い模擬音場を創生するようになってい
る。
【0033】また、実施例のドライソース20は、CD
プレーヤー20a,DATプレーヤー20b,カセット
プレーヤー20c,ディスクプレーヤー20d,ビデオ
デッキ20eを含み、各出力は切替器22へ入力される
ようになっている。また、この切替器22には、可聴室
100内に設置されたマイク124の出力が、アンプ1
26を介して入力されるようになっている。そして、切
替器22は、これら各入力を、図示しない中央制御装置
の制御により任意に選択し、選択された入力信号に含ま
れる音声信号を演算処理システム40へ入力すると共
に、その映像信号をAVシステム30へ入力するように
形成されている。
【0034】実施例の演算処理システム40は、デジタ
ル信号処理器60と、このデジタル信号処理器用のDS
Pコントローラー50とを含む。そして、DSPコント
ローラー50は、可聴室100内に設置された操作盤1
30からの選択信号に応じ、メモリ42から音場のシミ
ュレーションデータを読出し、その読出したシミュレー
ションデータに基づき、デジタル信号処理器60を制御
するよう構成されている。
【0035】デジタル信号処理器60は、切替器22を
介して入力される音声信号と、DSPコントローラー5
0から入力される制御信号とに基づき、直接音と、12
チャンネル分の初期反射音群および残響音群を合成再生
し、これらをデジタルアンプ44を介し、対応する直接
音用スピーカ120R,120L、間接音用の12チャ
ンネル分のスピーカ群122−1,122−2…122
−12へ向け出力する。
【0036】これにより、図1に示す可聴室100内に
は、図2に示す音場をシミュレートした模擬音場が創生
され、試聴室110に座った試聴者は、図2に示す音場
内において、音源12の音を受音点14においてどのよ
うに聞けるかの音環境を実体験することができる。
【0037】また、このとき操作盤132で選択された
音場のイメージデータは、ホール室形データメモリ32
から読出され、切替器34を介してモニタ112上に画
像表示される。
【0038】なお、ドライソース20として用いられる
ディスクプレーヤー20dやビデオデッキ20eから
は、音声信号と共に映像信号も出力されるが、このよう
な映像信号をディスプレイ112上に表示したい場合に
は、図示しない中央制御装置からの指令により切替器3
4に、切替器22からの入力を選択させるように制御す
ればよい。
【0039】図5には、実施例において用いられる前記
デジタル信号処理器60およびデジタルアンプ44の詳
細な構成が示されている。
【0040】前記デジタル信号処理器60は、切替器2
2を介して入力される音声信号をAD変換器62を介し
て第1および第2の初期遅延生成部64,68へ入力し
ている。前記AD変換器62は、切替器22を介して入
力される音声信号が、デジタル信号である場合にはこれ
をそのまま出力し、入力される音声信号がアナログ信号
である場合にはこれをデジタル変換した後、出力するよ
うに形成されている。
【0041】前記第1の初期遅延生成部64は、メモリ
42から読出される図4(b)のインパルス応答に基づ
き、直接音の到達時間分だけ音声信号に遅延処理を施
し、これを直接音制御部66R,66Lと、12チャン
ネル分の反射音生成部66−1,66−2…66−12
へ向け出力する。
【0042】直接音生成部66R,66Lは、入力され
る音声信号と、図4(b)に示すインパルス応答とを畳
み込み演算し、直接音を生成する。そして、このように
して得られた直接音を、DAアンプ44R,44Lを介
し、スピーカ120R,120Lへ向け出力し、可聴室
100内に直接音を発生させる。
【0043】また、12チャンネル分の反射音生成部6
6−1,66−2…66−12は、第1の初期遅延生成
部64から入力されるドライソースの音信号に、メモリ
42から読出された図4(c)に示す各チャンネルの初
期反射音用インパルス応答を畳み込み演算し、各方向か
ら聞こえる12チャンネル分の初期反射音を生成する。
そして、このようにして生成された12チャンネル分の
初期反射音は、DAアンプ44−1,44−2…44−
12を介し、対応する12チャンネル分の反射音用スピ
ーカ122−1,122−2…122−12を介して可
聴室100へ向け出力される。
【0044】また、前記第2の初期遅延生成部68は、
入力されるドライソースの音信号に所定の遅延処理を施
し、12チャンネル分の残響音生成部70−1,70−
2…70−12へ向け出力する。
【0045】各チャンネルの残響音生成部70−170
−2…70−12は、第1の初期遅延生成部64から入
力されるドライソースの音信号に、メモリ42から読出
された図4(c)に示す残響音用のインパルス応答を畳
み込み演算し、12チャンネル分の残響音を生成し、こ
れを各チャンネルの反射音生成部66−1,66−2…
66−12、デジタルアンプ44−1,44−2…44
−12を介し、対応する間接音用のスピーカ122−
1,122−2…122−12から可聴室100へ向け
出力する。このとき、各チャンネルの残響音生成部70
−1,70−2…70−12は、このような残響音の演
算を、所定の周波数特性を持つように、すなわち複数の
周波数帯域において所定の重み付けを与えるよう行なっ
ている。
【0046】特に、実施例の各残響音生成部70−1,
70−2…70−12は、各チャンネル毎に残響音用の
インパルス応答の時間位相を互いに少しずつずらしてド
ライソースの音信号と畳み込み演算することにより、ス
ピーカ122−1,122−2…122−12から出力
される残響音同士の干渉を抑制し、より自然な残響音を
形成している。
【0047】なお、実施例では、n回反射音までを初期
反射音としてシミュレートした場合に、第n+1回反射
音以降を残響音としてシミュレートしたが、本発明はこ
れに限らず、初期反射音と残響音とが一部オーバーラッ
プするように残響音を生成してもよい。
【0048】また、本実施例においては、操作盤130
上に、各デジタルアンプ44R,44L,44−1,4
4−2…44−12に対応した図示しないボリュームス
イッチが設けられ、これら各スイッチを操作することに
より、任意のアンプのゲインを個別制御できるようにな
っている。これにより、直接音の音量や、任意の方向か
ら聞こえてくる反射音の音量等を個別に制御することが
できる。
【0049】本実施例は以上の構成から成り、次にその
作用を説明する。
【0050】まず、図2に示すコンサートホールの発注
者が、本実施例の音場シミュレータを用いてコンサート
ホールの音場を体験する場合を想定する。
【0051】この場合には、発注者は試聴者となって、
可聴室100の試聴席110に座り、操作盤130を操
作し、メモリ42内に記憶されている設計段階の音場
(図2に該当)を選択する。
【0052】これにより、DSPコントローラー50
は、メモリ42から設計段階にある音場のシミュレーシ
ョデータを読出し、デジタル信号処理器60を制御す
る。
【0053】これにより、デジタル信号処理器60は、
ドライソース20から入力される音信号から直接音を演
算し、直接音用スピーカ120R,120Lから出力す
ると共に、入力される音信号から12チャンネル分の初
期反射音および残響音を演算し、対応する反射音用スピ
ーカ122−1,122−2…122−12から出力さ
せる。
【0054】このようにして、可聴室100内には、設
計段階のコンサートホールの模擬音場が形成されるた
め、試聴席110に座った試聴者は、図2に示す音場の
音源12からの音が受音点14でどのように聞こえるか
を模擬体験することができる。
【0055】特に、本実施例の音場シミュレータでは、
模擬音場を形成する際に、各チャンネルの残響音を同一
タイミングで発生させるのではなく、各チャンネルから
の残響音を、図4に示すようにチャンネル1を基準にし
てΔt1 ,Δt2 …(Δt1 ≠Δt2 …)ずつ互いに時
間位相をずらして発生させている。このため、各チャン
ネルの残響音相互間の干渉が抑制され、しかも各方向か
らの残響音が異なる位相で耳に到達するので、より実際
の音場に近い模擬音場、すなわち自然な感じの模擬音場
を形成することができる。
【0056】また、実施例の音場シミュレータでは、疑
似体験した音場が自分のイメージした音場と幾分異る場
合には、操作盤130上に設けられた図示しないボリュ
ームスイッチを操作し、各アンプ44R,44L,44
−1,44−2…44−12のゲインを任意に調整し、
可聴室100内において、理想に近い音場を試行錯誤し
ながら形成するとことができる。このとき各アンプのゲ
インは、メモリ42内の解析データ領域内へ書込まれる
ため、後にこの記憶データを解析することにより、発注
者の希望に添うよう設計データを変更することができ
る。
【0057】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨の範囲内で各種の変形実施が
可能である。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
音場内の所定の音源からの音が受音点でどのように聞こ
えるかを、方向別にシミュレートし、可聴室内に音源か
らの直接音、各方向からの初期反射音群および残響音群
から構成される模擬音場を形成する音場シミュレータに
おいて、前記各方向からの残響音を、互いに少しずつ時
間をずらすようにして発生させることにより、残響音同
士の干渉を抑制し、しかも各方向からの残響音が異なる
位相で耳に到達するので、実際の音場に近いより自然な
感じの模擬音場を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音場シミュレータの実施例の説明図で
ある。
【図2】図1に示す設計用CADシステムで設計された
設計段階の音場の全体斜視図である。
【図3】図1に示す音場シミュレータの詳細な回路図で
ある。
【図4】図3のメモリに記憶される直接音、反射音、残
響音のインパルスレスポンスの波形図である。
【図5】図3に示すデジタル信号処理器およびデジタル
アンプの詳細な構成を示すブロック回路図である。
【符号の説明】 20 ドライソース 40 演算処理システム 42 メモリ 60 デジタル信号処理器 64 第1の初期遅延生成部 68 第2の初期遅延生成部 66R,66L 直接音制御部 66−1,66−2…66−12 反射音制御部 70 残響音制御部 100 可聴室 120R,120L 直接音用スピーカ 122−1,122−2,…122−12 反射音用ス
ピーカ 130 操作盤
TD005201
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G10K 15/08 7227−5H G10K 15/00 L

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音場内の所定音源からの音が所定受音点
    でどのように聞こえるかを、音場の設計データを基にし
    て方向別にシミュレートし、可聴室内に音源からの直接
    音、各方向からの初期反射音および残響音から構成され
    る模擬音場を形成する音場シミュレータにおいて、 前記各方向からの残響音を、互いに少しずつ異なるタイ
    ミングで発生させることを特徴とする音場シミュレー
    タ。
JP3259582A 1991-09-11 1991-09-11 音場シミユレータ Pending JPH0573082A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3259582A JPH0573082A (ja) 1991-09-11 1991-09-11 音場シミユレータ

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