JP2002366162A - 音響シミュレーション装置および音響調整装置 - Google Patents

音響シミュレーション装置および音響調整装置

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JP2002366162A
JP2002366162A JP2001176965A JP2001176965A JP2002366162A JP 2002366162 A JP2002366162 A JP 2002366162A JP 2001176965 A JP2001176965 A JP 2001176965A JP 2001176965 A JP2001176965 A JP 2001176965A JP 2002366162 A JP2002366162 A JP 2002366162A
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sound
sound source
impulse response
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response data
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Application number
JP2001176965A
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English (en)
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Kuniaki Osawa
邦昭 大澤
Matsumi Takeuchi
松巳 竹内
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 位相特性を含む高精度の音場予測を行う
こと。また、精度の高い音響調整を短時間で行うこと。 【解決手段】 記憶部9に記憶されているスピーカの全
方向インパルス応答データ(インパルス応答には振幅と
位相の情報が含まれている)を利用して、スピーカによ
り形成される音場を解析する。また、受音点におけるイ
ンパルス応答データおよびスピーカクラスタのインパル
ス応答データを用いて、各スピーカクラスタに対する空
間伝達関数を算出し、得られた空間伝達関数の逆特性伝
達関数を算出し、得られた結果を音源側に反映させ、そ
の結果をディスプレイ5に表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音響シミュレーシ
ョン装置、音響シミュレーション方法、および音響シミ
ュレーションプログラム、ならびに音響調整装置、音響
調整方法、および音響調整プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、劇場やホールをはじめとして競技
場、スタジオ、ホームシアターなどさまざまな音場を予
測するために、限られた帯域幅の音圧エネルギーまたは
音圧レベルをスピーカ(音源)のデータとして保持して
おき、虚像法や音線法(どちらも周知)によって室内の
音場特性(たとえば、受音点における音圧レベル)を算
出することで、音響シミュレーションを行っていた。図
19は、従来のスピーカデータの一例を示すイメージ図
である。
【0003】また、音響調整に関しては、ピンクノイズ
のような周波数軸上で平坦な特性を持つ音信号をスピー
カから放射し、その音を調整領域内の受音点でマイクロ
ホンにより集音し、集音結果を音響アナライザなどでリ
アルタイムに分析し、周波数特性上のピークやディップ
をなくすようにEQ(イコライザ)やディレイなどを利
用して手動で調整を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
音響シミュレーションにおいては、音源であるスピーカ
のデータが音圧エネルギーまたは音圧レベルの形でしか
保持されていないため(図19参照)、位相特性を含む
精度の高いデータが存在せず、スピーカと受音点の間の
正確な伝達関数またはインパルス応答の算出は不可能で
あった。このため、たとえば、スピーカ間の位相干渉を
含めて複数のスピーカをスタッキングしてクラスタを組
んだ際の音場を予測することも不可能であった。
【0005】また、従来の音響調整においては、前述の
ように、位相特性を含めた高精度の音場予測が不可能で
あったことから、調整システムと予測システムは互いに
リンク(連携)されていないシステムであり、予測結果
を調整に反映させることは不可能であった。そのため、
前述のような手動調整に頼らざるを得ず、しかも、その
手動調整自体も現場で個々のスピーカごとに行う必要が
あるため、音響調整に多大の時間を要していた。
【0006】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、位相特性を含む高精度の音場予測を行うことが
できる音響シミュレーション装置、音響シミュレーショ
ン方法、および音響シミュレーションプログラムを提供
することを目的とする。
【0007】また、本発明は、精度の高い音響調整を短
時間で行うことができる音響調整装置、音響調整方法、
および音響調整プログラムを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の音響シミュレー
ション装置は、音源の全方向インパルス応答データを記
憶する全方向インパルス応答データ記憶手段と、前記音
源の全方向インパルス応答データを用いて前記音源によ
り形成される音場を解析する音場解析手段と、を有する
構成を採る。
【0009】この構成によれば、音源の全方向インパル
ス応答データ(インパルス応答には振幅と位相の情報が
含まれている)を利用して音場の解析を行うため、位相
特性を含む高精度の音場予測を行うことができる。ま
た、インパルス応答を利用するため、任意の帯域幅を選
択して解析を行うことができる。
【0010】本発明の音響シミュレーション装置は、上
記の構成において、前記音場解析手段は、前記音源の全
方向インパルス応答データを用いて音圧レベルの分布を
算出する音圧分布算出手段と、前記音源の全方向インパ
ルス応答データを用いて受音点におけるインパルス応答
を算出するインパルス応答算出手段と、を有する構成を
採る。
【0011】この構成によれば、音源の全方向インパル
ス応答データを利用するため、音圧レベルの分布および
受音点におけるインパルス応答を高精度に算出すること
ができる。
【0012】本発明の音響シミュレーション装置は、上
記の構成において、前記インパルス応答算出手段は、室
内に設定された受音点におけるインパルス応答を算出す
る場合、壁面の伝達関数を作成し、得られた壁面伝達関
数を用いてインパルス応答の算出を行う、構成を採る。
【0013】この構成によれば、壁面の伝達関数を利用
してインパルス応答の算出を行うため、高精度の音場予
測を直接音のみならず反射音をも考慮して行うことがで
きる。
【0014】本発明の音響シミュレーション装置は、上
記の構成において、前記インパルス応答算出手段は、頭
部伝達関数を用いて左右2チャンネル分のインパルス応
答の算出を行う、構成を採る。
【0015】この構成によれば、頭部伝達関数を利用し
て左右2チャンネル分のインパルス応答の算出を行うた
め、高精度の音場予測を人間の耳で聞くのと同じ状態の
下で行うことができる。
【0016】本発明の音響シミュレーション装置は、上
記の構成において、受音点におけるインパルス応答デー
タおよびあらかじめ登録された楽音データを用いて楽音
を再生する可聴化手段、を有する構成を採る。
【0017】この構成によれば、楽音の再生(可聴化)
を行うため、高精度の音場予測の結果を音で確認するこ
とができる。
【0018】本発明の音響シミュレーション装置は、上
記の構成において、操作の入力により、前記音源に与え
られる電気信号を処理するための音場補正用パラメータ
を設定する音場補正用パラメータ設定手段、を有する構
成を採る。
【0019】この構成によれば、操作の入力により音場
補正用パラメータの設定を行うため、音場を予測する際
に、ソフトウエア上で、音場を補正するための、EQ設
定、ディレイ設定、クロスオーバ設定その他のプロセッ
サ設定を行うことができ、予測システムにおいて音質の
調整を行うことができる。
【0020】本発明の音響シミュレーション装置は、上
記の構成において、前記音源の全方向インパルス応答デ
ータを用いて操作の入力により音源システムの特性を検
討する音源システム検討手段、を有する構成を採る。
【0021】この構成によれば、音源システムの特性の
検討を操作の入力により行うため、ユーザは、音源単体
のシステム設計(たとえば、スピーカユニットの種類、
プロセッサ設定など)を自分の好みに応じて自由自在に
行うことができる。
【0022】本発明の音響シミュレーション装置は、上
記の構成において、前記音源の全方向インパルス応答デ
ータおよび音源システムの設定情報を用いて操作の入力
により音源クラスタの特性を検討する音源クラスタ検討
手段、を有する構成を採る。
【0023】この構成によれば、音源クラスタの特性の
検討を操作の入力により行うため、ユーザは、音源クラ
スタの設計(たとえば、スピーカユニットの種類・個
数、各スピーカユニットの位置・振角・プロセッサ設定
など)を自分の好みに応じて自由自在に行うことができ
る。
【0024】本発明の音響シミュレーション装置は、上
記の構成において、前記音源クラスタ検討手段は、音源
ユニットのCADデータを用いて前記音源クラスタのC
ADデータを作成する手段と、作成された前記音源クラ
スタのCADデータを用いて前記音源クラスタのモデル
を表示する手段と、を有する構成を採る。
【0025】この構成によれば、音源クラスタのCAD
データを作成して音源クラスタのモデルの表示を行うた
め、ユーザは、音源クラスタの特性を検討する際に、検
討対象の音源クラスタを視覚的に確認することができ
る。
【0026】本発明の音響シミュレーション装置は、上
記の構成において、前記音源クラスタのCADデータお
よび室形のCADデータを用いて室内における前記音源
のレイアウトを表示する手段、を有する構成を採る。
【0027】この構成によれば、室内における音源のレ
イアウトの表示を行うため、ユーザは、室内に音源クラ
スタを設定した場合の、その室内における音源レイアウ
トを、たとえば、内観パース表示の形で、確認すること
ができる。
【0028】本発明の音響シミュレーション装置は、上
記の構成において、前記音源クラスタのCADデータお
よび室形のCADデータを用いて前記音源クラスタと建
築物との干渉をチェックする手段、を有する構成を採
る。
【0029】この構成によれば、音源クラスタと建築物
との干渉チェックを行うため、音源クラスタを室内に設
定した場合の音場予測を行う際に、自動的に、音源クラ
スタと建築物との干渉をチェックすることができる。
【0030】本発明の音響シミュレーション装置は、音
源の全方向インパルス応答データを記憶する全方向イン
パルス応答データ記憶手段と、前記音源の全方向インパ
ルス応答データを用いて操作の入力により音源システム
の特性を検討する音源システム検討手段と、前記音源の
全方向インパルス応答データおよび検討後の前記音源シ
ステムの設定情報を用いて操作の入力により音源クラス
タの特性を検討する音源クラスタ検討手段と、前記音源
クラスタのCADデータおよび室形のCADデータを用
いて前記音源クラスタと建築物との干渉をチェックする
干渉チェック手段と、検証後の前記音源クラスタの全方
向インパルス応答データを用いて音圧レベルの分布を算
出する音圧分布算出手段と、検証後の前記音源クラスタ
の全方向インパルス応答データを用いて受音点における
インパルス応答を算出するインパルス応答算出手段と、
受音点におけるインパルス応答データおよびあらかじめ
登録された楽音データを用いて楽音を再生する可聴化手
段と、を有する構成を採る。
【0031】この構成によれば、音源の全方向インパル
ス応答データを利用して音場の解析と可聴化を行い、し
かも、その際に、設計段階における音源システム設計、
音源クラスタ設計、建築条件を含めた音響設計、電気音
響的なプロセッサ設定を行うため、設計完成後の、位相
特性を含む高精度の音場予測を行うことができ、高品質
の音響設計を支援することができる。
【0032】本発明の音響シミュレーション方法は、音
源の全方向インパルス応答データを用いて操作の入力に
より音源システムの特性を検討するステップと、前記音
源の全方向インパルス応答データおよび検討後の前記音
源システムの設定情報を用いて操作の入力により音源ク
ラスタの特性を検討するステップと、前記音源クラスタ
のCADデータおよび室形のCADデータを用いて前記
音源クラスタと建築物との干渉をチェックするステップ
と、検証後の前記音源クラスタの全方向インパルス応答
データを用いて音圧レベルの分布を算出するステップ
と、検証後の前記音源クラスタの全方向インパルス応答
データを用いて受音点におけるインパルス応答を算出す
るステップと、受音点におけるインパルス応答データお
よびあらかじめ登録された楽音データを用いて楽音を再
生するステップと、を有するようにした。
【0033】この方法によれば、音源の全方向インパル
ス応答データを利用して音場の解析と可聴化を行い、し
かも、その際に、設計段階における音源システム設計、
音源クラスタ設計、建築条件を含めた音響設計、電気音
響的なプロセッサ設定を行うため、設計完成後の、位相
特性を含む高精度の音場予測を行うことができ、高品質
の音響設計を支援することができる。
【0034】本発明の音響シミュレーションプログラム
は、コンピュータによって実行される音響シミュレーシ
ョンプログラムであって、前記コンピュータに、音源の
全方向インパルス応答データを用いて操作の入力により
音源システムを検討するステップと、前記音源の全方向
インパルス応答データおよび検討後の前記音源システム
の設定情報を用いて操作の入力により音源クラスタを検
討するステップと、前記音源クラスタのCADデータお
よび室形のCADデータを用いて前記音源クラスタと建
築物との干渉をチェックするステップと、検証後の前記
音源クラスタの全方向インパルス応答データを用いて音
圧レベルの分布を算出するステップと、検証後の前記音
源クラスタの全方向インパルス応答データを用いて受音
点におけるインパルス応答を算出するステップと、受音
点におけるインパルス応答データおよびあらかじめ登録
された楽音データを用いて楽音を再生するステップと、
を実行させるようにした。
【0035】このプログラムによれば、音源の全方向イ
ンパルス応答データを利用して音場の解析と可聴化を行
い、しかも、その際に、設計段階における音源システム
設計、音源クラスタ設計、建築条件を含めた音響設計、
電気音響的なプロセッサ設定を行うため、設計完成後
の、位相特性を含む高精度の音場予測を行うことがで
き、高品質の音響設計を支援することができる。
【0036】本発明の音響調整装置は、受音点における
インパルス応答データおよび音源クラスタのインパルス
応答データを用いて各音源クラスタに対する空間伝達関
数を算出する空間伝達関数算出手段と、算出された空間
伝達関数の逆特性伝達関数を算出する逆特性伝達関数算
出手段と、を有する構成を採る。
【0037】この構成によれば、与えられた二種類のイ
ンパルス応答データから空間伝達関数の逆特性伝達関数
を算出するため、得られた結果を音源側に反映させるだ
けで、最適な音響調整を行うことができ、精度の高い音
響調整を短時間で行うことができる。
【0038】本発明の音響調整装置は、上記の構成にお
いて、前記受音点におけるインパルス応答データは、上
記いずれかの音響シミュレーション装置で得られたデー
タである構成を採る。
【0039】この構成によれば、受音点におけるインパ
ルス応答データとして上記高精度シミュレーションの結
果を利用するため、予測システムと調整システムとのリ
ンク(連携)を図ることができ、音響予測設計と音響調
整を統一化した機能を実現することができる。
【0040】本発明の音響調整装置は、上記の構成にお
いて、前記受音点におけるインパルス応答データは、実
際に測定して得られたデータである構成を採る。
【0041】この構成によれば、受音点におけるインパ
ルス応答データとして実際の測定データを利用するた
め、より精度の高い音響調整を行うことができる。
【0042】本発明の音響調整装置は、算出された逆特
性伝達関数を用いて対応する音源クラスタの系統を調整
するための演算を行う調整用演算手段、を有する構成を
採る。
【0043】この構成によれば、算出された逆特性伝達
関数を音源側に反映させるため、自動的に音響調整を行
うことができる。
【0044】本発明の音響調整方法は、受音点における
インパルス応答データおよび音源クラスタのインパルス
応答データを用いて各音源クラスタに対する空間伝達関
数を算出するステップと、算出された空間伝達関数の逆
特性伝達関数を算出するステップと、を有するようにし
た。
【0045】この方法によれば、与えられた二種類のイ
ンパルス応答データから空間伝達関数の逆特性伝達関数
を算出するため、得られた結果を音源側に反映させるだ
けで、最適な音響調整を行うことができ、精度の高い音
響調整を短時間で行うことができる。
【0046】本発明の音響調整プログラムは、コンピュ
ータによって実行される音響調整プログラムであって、
前記コンピュータに、受音点におけるインパルス応答デ
ータおよび音源クラスタのインパルス応答データを用い
て各音源クラスタに対する空間伝達関数を算出するステ
ップと、算出された空間伝達関数の逆特性伝達関数を算
出するステップと、を実行させるようにした。
【0047】このプログラムによれば、与えられた二種
類のインパルス応答データから空間伝達関数の逆特性伝
達関数を算出するため、得られた結果を音源側に反映さ
せるだけで、最適な音響調整を行うことができ、精度の
高い音響調整を短時間で行うことができる。
【0048】
【発明の実施の形態】本発明の骨子は、スピーカの全方
向インパルス応答データを用いて音響予測設計を行うこ
と、および、空間伝達関数の逆特性伝達関数を用いて音
響調整を行うことである。
【0049】以下、本発明の実施の形態について、図面
を参照して詳細に説明する。なお、以下では、実施の形
態1に係る音響シミュレーション装置および実施の形態
2に係る音響調整装置を、適宜、「本装置」と略称す
る。
【0050】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1に係る音響シミュレーション装置の構成を示すブ
ロック図である。
【0051】この音響シミュレーション装置は、通常の
コンピュータと同様であり、コンピュータ本体1と、キ
ーボードやマウスなどの入力装置3と、表示装置として
のディスプレイ5とを備えている。本実施の形態で使用
されるコンピュータは、任意であり、たとえば、パソコ
ンでもワークステーションでもよい。
【0052】コンピュータ本体1は、演算と制御の処理
を行うCPU7と、プログラムやデータを記憶する記憶
部9と、入力装置3やディスプレイ5との間で信号をや
りとりするためのインタフェース部11とを備えてい
る。記憶部9は、後述するアルゴリズム(処理手順)を
実行するための音響シミュレーションプログラムをはじ
めとする各種のプログラム(「ソフトウエア」または単
に「ソフト」とも呼ばれる)を記憶するプログラム領域
13と、ワーキングエリアとして一時的にデータを記憶
する作業領域15と、データを所定の形式で蓄積したデ
ータベースを保有するデータベース領域17とを有す
る。記憶部9は、たとえば、ROMやRAM、ハードデ
ィスクなどで構成されている。プログラムやデータは、
外部の記憶媒体(たとえば、フロッピー(R)ディスク
やCD−ROMなど)から図示しない専用の読み取り装
置によって読み取られ、または、コンピュータ本体1が
ネットワーク(インターネットやLANなど)と通信で
きる機能を有する場合はそのネットワーク上の機器から
ダウンロードされて、記憶部9内の所定の領域に格納さ
れる。
【0053】また、本装置では、ユーザインタフェース
として、コンピュータの操作に図形などの視覚情報を利
用するGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェー
ス)が用いられている。GUIは、情報や機能を表す視
覚的図形(グラフィックシンボル)に基づく入出力形式
である。GUIは、GUI用のアプリケーションプログ
ラムの下、入力装置3(特にマウス)とディスプレイ5
を通じて実現される。
【0054】本実施の形態では、スピーカの全方向イン
パルス応答データを用いて音響シミュレーションを行う
ため、スピーカの全方向インパルス応答データが、スピ
ーカデータとしてあらかじめデータベース化され、デー
タベース用のプログラムの下、所定の形式で保管・管理
されている。
【0055】図2は、スピーカの全方向インパルス応答
のデータ形式を説明するための図である。図2におい
て、α方向(Z軸回転方向の角度)は5度ごとに0度か
ら180度まで、β方向(X軸回転方向の角度)は5度
ごとに0度から360度までそれぞれ設定されている。
ここでは、一つのスピーカに72個のファイルが存在す
る。ファイル名は、*_1〜*_72である(β=0度が、*_
1、β=5度が、*_2、…、β=355度が、*_72)。た
とえば、ファイル***_1には、βが0度でαが0度から
180度まで計37個の振幅(amplitude)と位相(pha
se)の値(音圧レベルの100倍された値で整数型)が
データ長分、おのおの格納されている。
【0056】ここで、振幅と位相について説明すると、
たとえば、時間軸上のインパルス応答(音の波形)を周
波数軸上へ変換すると、実数部XRと虚数部XIが算出
される。振幅は音圧レベル値を表しており、振幅と位相
は、下記の式(1)および(2)、
【数1】
【数2】 でそれぞれ表される。
【0057】このように、スピーカの全方向インパルス
応答データを上記の形式(振幅と位相のデータ値を10
0倍したもの)で保有することで、1データ当たり4バ
イトの整数型のデータ形式で保有することが可能であ
り、時間軸のデータ(1データ当たり8バイト)に対し
て半分の大きさでデータベースを構築することができ
る。よって、ここでは、上記の形式でスピーカの全方向
インパルス応答データベースが作成されている。
【0058】図3は、各ファイルの形式の一例である。
各ファイルは、図3に示す形式で構成されたバイナリー
ファイルである。たとえば、「日付」から「ダミー×
6」までは、ファイルのヘッダである。実際のデータ
は、「音圧レベル」と「位相角度」であり、それぞれ、
次のような数字の羅列である。 振幅→8506、7535、…、8536(データ長×
37個) 位相→3523、5432、…、6532(データ長×
37個) なお、ファイルに格納されるデータは、スピーカに電圧
を1V与えた時のデータである。
【0059】図4は、本実施の形態に対応する上記スピ
ーカデータの一例を示すイメージ図である。図4(A)
は、周波数に対する振幅を示し、図4(B)は、周波数
に対する位相を示している。ここで、α=0度、β=0
度である。このように、スピーカの全方向インパルス応
答データは、いわば、所定の基準測定条件の下、スピー
カの全方向に配置された複数の受音点で受音した音波の
測定波形そのものの集合である(比較のため離散的な周
波数ごとの振幅で表されているα=0度、β=0度の時
の従来のスピーカデータの一例を示す図19参照)。
【0060】本実施の形態では、後述するように、音圧
分布・指向特性解析とインパルス応答解析のいずれの方
法においても、上記全方向インパルス応答データにアク
セスすることで、解析演算を開始する。よって、ここ
で、上記データベースへのアクセス方法を説明してお
く。
【0061】全方向インパルス応答データベースにアク
セスする場合、まず、音源(スピーカ)と受音点(計算
ポイント)の位置関係から方向ベクトルを求め、スピー
カの全方向に存在する方向ベクトルの中から、得られた
方向ベクトルと一致するものを検索し、抽出して、計算
に利用する。
【0062】具体的には、図5に示すように受音点Aと
受音点Bが存在する場合、まず、各受音点A、Bに対応
するα角度(Z軸回転方向の角度)とβ角度(X軸回転
方向の角度)を算出する。このとき、αとβの角度の算
出に当たっては、音源と受音点間の方向ベクトルと音源
の向き(図5の例では、X軸の正方向を向いている)と
を考慮する。受音点Aの場合を例にとってデータアクセ
ス方法を説明すると、算出の結果としてα=0度となる
ので、まず、α=0度に対応するファイル(たとえば、
***_1というファイル)にアクセスする。そして、抽出
したファイル(全部で5度ずつα=0度から180度ま
であるため37個のデータが存在)の中から、βの算出
結果(値)を用いて、アクセスしたいデータを抽出す
る。すなわち、受音点Aの場合は、α=0度という算出
結果から、***_1というファイルにアクセスし、β=0
度という算出結果から、計算に必要なデータを抽出す
る。
【0063】なお、ここでは、データアクセス上の工夫
点として、上記のように、α、βという二つのインデッ
クスを設け、ファイルを72分割している。すなわち、
スピーカの全方向インパルス応答データをデータベース
の形で保持することは、一つのスピーカで約44Mバイ
トの情報量を要するため、この大きさの情報量を持つス
ピーカを使ってシミュレーション計算を行う場合には、
使用するスピーカの個数が多いと、シミュレーション実
行時のメモリ消費量が膨大となってしまう。そこで、
α、βというインデックスを設け、ファイルを72分割
することで、無駄なデータをメモリ上に残さないように
し、もって解析のスピードと安定性を確保している。
【0064】また、スピーカの駆動系を含めたスピーカ
システム全体の構成としては、一つのプロセッサで一つ
のスピーカユニットを駆動するシングルアンプ方式と、
一つのプロセッサで複数のスピーカユニットを駆動する
マルチアンプ方式とがある。
【0065】図6は、シングルアンプ方式の構成の一例
である。シングルアンプ方式では、図6に示すように、
一つのプロセッサ21に一つのアンプ23を介して一つ
のスピーカユニット25が接続されている。
【0066】図7は、マルチアンプ方式の構成例を示し
ている。マルチアンプ方式には、一つのプロセッサが駆
動するスピーカユニットの個数に応じて、図7(A)と
図7(B)に示すように、一つのプロセッサ21で二つ
のスピーカユニット25a、25bを駆動する2Way
方式や、図7(C)に示すように、一つのプロセッサ2
1で三つのスピーカユニット25a、25b、25cを
駆動する3Way方式などがある。2Way方式のう
ち、図7(A)は、二つのスピーカユニット25a,2
5bが同一の筐体(図中破線で示す)内に存在する場合
であり、図7(B)は、二つのスピーカユニット25
a、25cが別々に存在する場合である。
【0067】プロセッサ21では、操作の入力に従っ
て、スピーカ25(ここでは、スピーカクラスタを含む
広義の意味)により形成される音場(音質を含む)を補
正するための各種処理、たとえば、EQ(イコライザ)
設定、クロスオーバ設定、ディレイ(DLY)設定、レ
ベル(LVL)設定などが行われる。
【0068】ここで、図8を用いて、クロスオーバ設定
について説明しておく。スピーカユニットには、ホーン
と呼ばれる高音域用スピーカユニット、ウーハと呼ばれ
る低音域用スピーカユニット、サブウーハと呼ばれる超
低音域用スピーカユニットなどがある。たとえば、図8
(A)は、低音域専用スピーカの出力特性の一例であ
り、図8(B)は、高音域専用スピーカの出力特性の一
例である。マルチアンプ方式のスピーカシステムを設計
する場合、低音域専用スピーカ(図8(A)参照)に
は、たとえば、図8(C)に示すような低音域用のフィ
ルタをかけて、低音域に不要な成分を除去し、高音域専
用スピーカ(図8(B)参照)には、たとえば、図8
(D)に示すような高音域用のフィルタをかけて、高音
域に不要な成分を除去する。クロスオーバ設定では、こ
のような処理を繰り返すことによって、結果的に、図8
(E)に示すように、低音域と高音域とがきれいにつな
がった(つまり、全帯域をカバーする)特性を有するス
ピーカシステムを設計する。
【0069】次いで、上記構成を有する音響シミュレー
ション装置の動作について、図9〜図16に示す処理フ
ロー図および図17に示す説明図を用いて説明する。
【0070】(メインアルゴリズム)まず、図9に示す
メインアルゴリズムを参照して、本装置によって実現さ
れる高精度音響シミュレーションの全体フローを説明す
る。
【0071】まず、ステップS1では、コンピュータ本
体1上に音響シミュレーションを行う建物内の三次元的
な解析モデルを作成するために、室形(建物)の三次元
CADデータを入力する。
【0072】そして、ステップS2では、あらかじめ作
成された壁面データベースを参照して、壁面材料を設定
し、壁面の反射特性のデータ(たとえば、吸音率デー
タ)を入力する。
【0073】そして、ステップS3では、GUI上で、
スピーカシステムの選定を行う。スピーカシステムの選
定は、使用するスピーカユニットの種類、個数、駆動
系、組み合わせ(クラスタ設定)などを指定することに
よって行われる。
【0074】そして、ステップS4では、GUI上で、
ステップS3で選定されたスピーカシステムに対し、ま
ず、スピーカ単体(個々のスピーカユニットのシステ
ム)について検討を行う。スピーカ単体の検討は、指向
特性、インパルス応答、および周波数応答といった物理
特性(物理的指標)、ならびに可聴化を通して行われ
る。このステップは、後述するスピーカ単体検討アルゴ
リズムに従って実行される。このステップの結果、ユー
ザ(音響設計者)の意図したとおりにスピーカ単体の特
性が作り込まれる。
【0075】そして、ステップS5では、GUI上で、
ステップS3で選定されたスピーカシステムに対し、ス
ピーカクラスタについて検討を行う。スピーカクラスタ
の検討も、指向特性、インパルス応答、および周波数応
答といった物理特性、ならびに可聴化を通して行われ
る。このステップは、後述するスピーカクラスタ検討ア
ルゴリズムに従って実行される。このステップの結果、
ステップS4で理想的な特性が得られた単一のスピーカ
ユニットを組み合わせてスピーカクラスタを組んだ時に
生じる特性のずれを補償(再調整)して、ユーザの意図
したとおりにスピーカクラスタの特性が作り込まれる。
【0076】ここで、本実施の形態では、あらかじめス
ピーカユニットの外観を三次元CADデータとしてデー
タベース化しておき、スピーカユニットの種類を選択し
てスピーカクラスタを検討する際に、視覚的なイメージ
(三次元CADデータ)を自動作成してGUI画面に表
示するようにしている。
【0077】そして、ステップS6では、検討後のスピ
ーカクラスタを室内に設定する。この処理は、ステップ
S5のスピーカクラスタ検討時に作成されたスピーカク
ラスタの三次元CADデータと、ステップS1で入力さ
れた室形の三次元CADデータとを用いて行われる。こ
れにより、室内におけるスピーカのレイアウトが表示さ
れる。表示の形態としては、たとえば、観客の顔の向き
および客席ポイントから見た内観パースが表示される。
なお、本明細書中、スピーカクラスタとは、便宜上、一
つのスピーカユニットからなる場合と、複数のスピーカ
ユニットを組み合わせてなる場合の両方を含んでいるも
のとする。
【0078】そして、ステップS7では、室内に設定さ
れたスピーカクラスタと建築物との物理的干渉具合を検
証する。この検証は、スピーカクラスタの三次元CAD
データと室形の三次元CADデータを用いて、既存の干
渉シミュレーションソフトを利用して行われる。このと
き、GUI上の操作により、検証結果がOKの場合は、
引き続き、音場の解析を実行するが、検証結果がNGの
場合は、ステップS3に戻って、再度上記の処理を行
う。
【0079】そして、ステップS8では、後述する音場
解析アルゴリズムに従って、音場の解析を行う。ここで
は、解析項目として、直接音の音圧分布の解析(以下
「音圧分布解析モード」という)と、受音点におけるイ
ンパルス応答の解析(以下「インパルス解析モード」と
いう)の二つの項目がある。どちらの項目を選択するか
は、ユーザのGUI操作による。
【0080】ここで、音圧分布解析モードでは、スピー
カの全方向インパルス応答データを利用して、ステップ
S5のスピーカクラスタ検討で設定された内容における
音圧分布を解析し、解析の結果を画面に表示する。この
とき、GUI上の操作により、解析結果がOKの場合
は、処理を終了し、解析結果がNGの場合は、ユーザの
選択により、ステップS3またはステップS6に戻る。
ここで、解析結果がOKか否かの判断は、計算した対象
エリア内全体において所定の音圧レベル以上の音場が形
成されているか否か(各帯域における音場の均一性の有
無)を基準として行われる。
【0081】また、インパルス解析モードでは、室内に
受音点を設定し、スピーカの全方向インパルス応答デー
タを利用して、スピーカクラスタ間の位相干渉を含む高
精度の室内インパルス応答を算出し、結果を画面に表示
する。算出アルゴリズムについては、従来から利用して
いる虚像法を用い、3〜5回まで反射可能とする。壁面
での反射については、従来から利用している残響室法吸
音率データから壁面の伝達関数を作成し、作成した壁面
伝達関数を音線が壁面に入射するごとに周知の畳み込み
積分演算(以下単に「畳み込み演算」という)を行うこ
とで、反射応答を考慮した室内インパルス応答の計算を
行う。なお、図17は、このときの計算エリアのイメー
ジを示している。このとき、GUI上の操作により、解
析結果がOKの場合は、処理を終了し、解析結果がNG
の場合は、ステップS3に戻る。ここで、解析結果がO
Kか否かの判断は、音響障害の有無や周波数特性などを
考慮して行われる。
【0082】そして、ステップS9では、可聴化による
検証を行う。具体的には、ステップS8の音場解析の中
のインパルス解析モードで算出された室内インパルス応
答データと、楽音データベースに登録されている楽音デ
ータとの畳み込み演算を行い、その結果をWAVファイ
ルの形式で保存する。そして、そのデータを再生専用の
画面から読み出して再生を行う。好ましくは、再生の際
に、受音点を視点とした内観パースを表示し、さらに
は、再生中の波形を表示して再生の進捗状況がわかるよ
うな形式とする。この可聴化を通して、ユーザは、EQ
処理などのプロセッサ処理が施された音を確認すること
ができる。なお、インパルス解析モードで左右2チャン
ネル分のインパルス応答が算出された場合は、モノラル
のみならずバイノーラルでも楽音データを計算し、再生
することができる。
【0083】(スピーカ単体検討アルゴリズム)次に、
図10を参照して、スピーカ単体検討アルゴリズム(ス
テップS4)について説明する。
【0084】まず、検討するスピーカシステムを選択す
る(ステップS11)。そして、選択したスピーカシス
テムがシングルアンプ方式か否かを判断する(ステップ
S12)。
【0085】選択したスピーカシステムがシングルアン
プ方式の場合は(S12:YES)、選択したスピーカ
単体の指向特性、インパルス応答、および周波数応答と
いった物理特性を計算して表示するとともに、楽音デー
タを作成して再生する(可聴化)(ステップS13)。
これにより、物理特性の確認と可聴化による音の確認
が、ユーザによって行われる。この結果、OKの場合は
(S14:YES)、ユーザの意図したとおりの特性が
得られたので、ステップS21に進み、NGの場合は
(S14:NO)、GUI操作の入力により、EQ設定
を行い(ステップS15)、ステップS13に戻る。
【0086】一方、選択したスピーカシステムがマルチ
アンプ方式の場合は(S12:NO)、複数のスピーカ
ユニットの中から一つのスピーカユニットを選定し、選
定したスピーカユニットに対して、GUI操作の入力に
より、プロセッサの設定、具体的には、EQ設定、クロ
スオーバ設定、ディレイ設定、レベル設定などを行う
(ステップS16)。そして、選定した単一のスピーカ
ユニットの指向特性、インパルス応答、および周波数応
答といった物理特性を計算して表示するとともに、楽音
データを作成して再生する(可聴化)(ステップS1
7)。これにより、物理特性の確認と可聴化による音の
確認が、ユーザによって行われる。この結果、OKの場
合は(S18:YES)、ユーザの意図したとおりの特
性が得られたので、ステップS19に進み、NGの場合
は(S18:NO)、ステップS16に戻る。
【0087】ステップS19では、検討後のスピーカユ
ニットを含んだマルチWAYでの指向特性、インパルス
応答、および周波数応答といった物理特性を計算して表
示するとともに、楽音データを作成して再生する(可聴
化)(ステップS19)。これにより、マルチWAYで
の物理特性の確認と可聴化による音の確認が、ユーザに
よって行われる。この結果、OKの場合は(S20:Y
ES)、ユーザの意図したとおりの特性が得られたの
で、ステップS21に進み、NGの場合は(S20:N
O)、ステップS16に戻る。
【0088】そして、この一連の処理(ステップS12
〜ステップS20)をすべてのスピーカシステムについ
て行う(ステップS21)。そして、これが終了する
と、ステップS13およびステップS16における設定
情報をファイル化して保存し(ステップS22)、図9
のメインアルゴリズムにリターンする。
【0089】(スピーカクラスタ検討アルゴリズム)次
に、図11を参照して、スピーカクラスタ検討アルゴリ
ズム(ステップS5)について説明する。
【0090】まず、検討するスピーカクラスタを選択す
る(ステップS31)。そして、GUI操作の入力によ
り、選択したスピーカクラスタを構成する各スピーカユ
ニットの位置(ユニット座標)と振角の設定/調整を行
ったり、あるいは、スピーカユニットごとにプロセッサ
の設定/調整、具体的には、EQ(イコライザ)やクロ
スオーバ、ディレイ、レベルなどの設定/調整を行った
りする(ステップS32)。そして、ステップS32で
設定した情報を基に、選択したスピーカクラスタの指向
特性、インパルス応答、および周波数応答といった物理
特性を計算して表示するとともに、楽音データを作成し
て再生する(可聴化)(ステップS33)。これによ
り、スピーカクラスタの物理特性の確認と可聴化による
音の確認が、ユーザによって行われる。この結果、OK
の場合は(S34:YES)、ユーザの意図したとおり
の特性が得られたので、ステップS35に進み、NGの
場合は(S34:NO)、ステップS32に戻る。
【0091】そして、この一連の処理(ステップS32
〜ステップS34)をすべてのスピーカクラスタについ
て行う(ステップS35)。そして、これが終了する
と、ステップS32で設定した情報ならびに検討後の各
スピーカクラスタの直接音インパルス応答のデータをフ
ァイル化して保存し(ステップS36)、図9のメイン
アルゴリズムにリターンする。
【0092】(音場解析アルゴリズム)次に、図12〜
図14を参照して、音場解析アルゴリズム(ステップS
8)について説明する。
【0093】まず、室内の複数の位置に離散的に受音点
を設定する(図17参照)(ステップS41)。そし
て、複数の受音点の中から一つの受音点を選択する(ス
テップS42)。
【0094】そして、虚像法によって算出された音線情
報を取得する(ステップS43)。そして、複数の音線
の中から一つの音線を選択する(ステップS44)。
【0095】そして、複数存在するスピーカユニットの
中から一つのスピーカユニットを選択し(ステップS4
5)、当該スピーカユニットから受音点に向かう方向ベ
クトル(直接音の場合)、または、当該スピーカユニッ
トから第1反射点に向かう方向ベクトル(反射音の場
合)を算出する(ステップS46)。そして、全方向イ
ンパルス応答データベースにアクセスして、算出した方
向ベクトルに対応するインパルス応答データを取得する
(ステップS47)。
【0096】そして、取得したインパルス応答データ
を、入力W(印加電力)、スピーカユニットと受音点間
の距離減衰、到達時間などを考慮して補正する(ステッ
プS48)。
【0097】そして、補正後のデータに対してフィルタ
処理を施す(ステップS49)。具体的には、フィルタ
情報(プロセッサ情報)を取得してフィルタを作成し、
作成したフィルタを用いて上記補正後のデータを処理す
る(畳み込み演算)。
【0098】そして、フィルタ処理後のデータに対して
逆FFT演算を施し(ステップS50)、得られた時間
軸上の時系列データを前回の結果に加算し、加算結果を
保存する(ステップS51)。
【0099】そして、この一連の処理(ステップS46
〜ステップS51)をすべてのスピーカユニットについ
て行う(ステップS52)。
【0100】そして、これが終了すると、壁面を反射す
る反射回数をカウントし(ステップS53)、後述する
壁面伝達関数作成アルゴリズムを実行する(ステップS
54)。そして、ステップS51で保存されたデータに
対して、FFT演算を施した後、作成した壁面伝達関数
を用いて畳み込み演算を順次実施する(ステップS5
5)。そして、この一連の処理(ステップS54とステ
ップS55)を、反射回数が設定回数に到達するまで行
う(ステップS56)。
【0101】そして、得られた結果(各音線のインパル
ス応答)に対して逆FFT演算を施した後(ステップS
57)、モノラル解析の場合は(ステップS58:YE
S)、ただちに、各音線のインパルス応答を時間軸上で
加算し(ステップS60)、一方、モノラル解析でない
場合、つまり、バイノーラル解析の場合は(ステップS
58:NO)、後述するバイノーラルインパルス応答算
出アルゴリズムを実行してバイノーラルインパルス応答
を算出した後(ステップS59)、各音線のインパルス
応答を時間軸上で加算する(ステップS60)。
【0102】そして、この一連の処理(ステップS45
〜ステップS60)をすべての音線について行う(ステ
ップS61)。そして、これが終了すると、データ(選
択された受音点におけるインパルス応答)を保存する
(ステップS62)。
【0103】そして、インパルス解析モードの場合は
(ステップS63:YES)、ステップS62で保存し
たデータ(選択された受音点におけるインパルス応答)
をインパルス解析結果としてGUI画面上に描画表示し
(ステップS64)、図9のメインアルゴリズムにリタ
ーンする。
【0104】一方、音圧分布解析モードの場合は(ステ
ップS63:NO)、ステップS62で保存したデータ
(選択された受音点におけるインパルス応答)に対して
FFT演算を施した後(ステップS65)、パワースペ
クトルを算出する(ステップS66)。
【0105】そして、帯域幅を選択し(ステップS6
7)、周波数範囲を選択する(ステップS68)。この
とき、周波数範囲は、選択した帯域幅に対応した帯域幅
の周波数が選択されうるように制御される。そして、選
択した周波数範囲内にある帯域内の音圧レベルを加算し
(ステップS69)、その帯域内の音圧レベルの平均値
(受音点における指定周波数の音圧レベル)を算出し、
保存する(ステップS70)。
【0106】そして、この一連の処理(ステップS69
とステップS70)をすべての周波数範囲について行う
(ステップS71)。
【0107】そして、以上の一連の処理(ステップS4
3〜ステップS71)をすべての受音点について行う
(ステップS72)。そして、これが終了すると、ステ
ップS70で保存したデータ(各受音点における指定周
波数の音圧レベル)を基に、指向特性を含む音圧分布を
音圧分布解析結果としてGUI画面上に描画表示し(ス
テップS73)、図9のメインアルゴリズムにリターン
する。
【0108】(壁面伝達関数作成アルゴリズム)次に、
図15を参照して、壁面伝達関数作成アルゴリズム(ス
テップS54)について説明する。
【0109】まず、帯域を選択する(ステップS8
1)。そして、選択した帯域に対応する壁面の吸音率デ
ータを読み込む(ステップS82)。このとき、吸音率
データは、残響室法による吸音率を使用する。そして、
読み込んだ吸音率を下記の式、 ゲイン=10*log(1−吸音率) に当てはめて、EQ(イコライザ)のゲインを決定する
(ステップS83)。そして、得られたゲインを用いて
当該帯域の壁面伝達関数を生成する(ステップS8
4)。
【0110】そして、以上の一連の処理(ステップS8
2〜ステップS84)をすべての帯域について行う(ス
テップS85)。そして、これが終了すると、図12〜
図14の音場解析アルゴリズムにリターンする。なお、
このときの処理は、周波数軸上での解析である。
【0111】(バイノーラルインパルス応答算出アルゴ
リズム)次に、図16を参照して、バイノーラルインパ
ルス応答算出アルゴリズム(ステップS59)について
説明する。
【0112】まず、ステップS57で逆FFT演算が施
された各音線のインパルス応答に対してFFT演算を施
し(ステップS91)、一方、受音点に入射する角度に
応じた頭部伝達関数に対してFFT演算を施した後(ス
テップS92)、両結果の畳み込み演算を実施して左チ
ャンネルと右チャンネルの左右2チャンネル分の伝達関
数(インパルス応答)を作成する(ステップS93)。
そして、作成した2チャンネル分の伝達関数に対して逆
FFT演算を施し(ステップS94)、図12〜図14
の音場解析アルゴリズムにリターンする。
【0113】このように、本装置によれば、スピーカの
全方向インパルス応答データを利用して音場の解析と可
聴化を行い、しかも、その際に、設計段階におけるスピ
ーカシステム設計、スピーカクラスタ設計、建築条件を
含めた音響設計、電気音響的なプロセッサ設定を行うた
め、設計完成後の、位相特性を含む高精度の音場予測を
行うことができ、高品質の音響設計を支援することがで
きる。
【0114】(実施の形態2)本発明の実施の形態2に
係る音響調整装置も、通常のコンピュータと同様であ
り、図1に示す実施の形態1に対応する音響シミュレー
ション装置と同様の基本的構成を有するため、その説明
を省略する。なお、実際には、両装置を一つのコンピュ
ータで構成する、換言すれば、実施の形態1に対応する
音響シミュレーション装置としての機能と実施の形態2
に係る音響調整装置としての機能を一つのコンピュータ
に併有させることができる。
【0115】次いで、本装置の動作について、図18に
示す処理フロー図を用いて説明する。
【0116】まず、ステップS101では、受音点にお
けるインパルス応答データを取得する。取得する方法に
は、二つある。第1の方法は、実施の形態1に係る音響
シミュレーション装置で算出した高精度のインパルス解
析データを利用する方法であり、第2の方法は、実際に
測定して得られたデータを利用する方法である。第1の
方法によれば、上述した高精度シミュレーションの結果
を利用するため、予測システムと調整システムとのリン
ク(連携)を図ることができ、音響予測設計と音響調整
を統一化した機能を実現することができる。また、第2
の方法によれば、実際の測定データを利用するため、よ
り精度の高い音響調整を行うことができる。
【0117】そして、ステップS102では、スピーカ
クラスタのみの伝達関数を算出する。
【0118】そして、ステップS103では、ステップ
S101で取得したデータαからステップS102で算
出したデータβをデコンボリューションして各スピーカ
クラスタの空間伝達関数γを算出する。つまり、データ
βに対しデータγの畳み込み演算を施してデータαが得
られた場合の、そのデータγを算出する。
【0119】そして、ステップS104では、ステップ
S103で算出した空間伝達関数の逆特性伝達関数(以
下単に「逆特性」という)(逆フィルタ)を算出する。
【0120】そして、ステップS105では、ステップ
S104で算出した逆特性を音源側に反映させる。反映
させる方法には、たとえば、二つある。第1の方法は、
コンボルバと呼ばれる専用の畳み込み装置を利用して、
各スピーカクラスタの系統に上記逆特性を畳み込む方法
である。また、第2の方法は、プロセッサのイコライザ
によって上記逆特性に対応する周波数特性を作成し、各
スピーカクラスタの系統のEQ設定に反映させる方法で
ある。
【0121】このように、本装置によれば、与えられた
二種類のインパルス応答データから空間伝達関数の逆特
性伝達関数を算出し、得られた結果を音源側に反映させ
るため、最適な音響調整を自動的に行うことができ、精
度の高い音響調整を短時間で行うことができる。特に、
ステップS101で第1の方法を採用し、このステップ
S105で第2の方法を採用した場合には、音場の予測
から調整までを連続して行うことができ、利便性を大幅
に向上することができる。
【0122】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
位相特性を含む高精度の音場予測を行うことができる。
【0123】また、本発明によれば、精度の高い音響調
整を短時間で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る音響シミュレーシ
ョン装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の音響シミュレーション装置で用いられ
る、スピーカの全方向インパルス応答のデータ形式を説
明するための図
【図3】本発明の音響シミュレーション装置で用いられ
るスピーカの全方向インパルス応答データを構成する各
ファイルの形式の一例を示す図
【図4】本発明の実施の形態で利用するスピーカデータ
の一例を示すイメージ図
【図5】本発明の音響シミュレーション装置で用いられ
る、全方向インパルス応答データベースへのアクセス方
法を説明するための図
【図6】シングルアンプ方式の構成の一例を示す図
【図7】マルチアンプ方式の構成例を示す図
【図8】クロスオーバ設定を説明するための図
【図9】本発明の音響シミュレーション装置における、
高精度音響シミュレーションを行うためのメインアルゴ
リズムの処理フロー図
【図10】本発明の音響シミュレーション装置における
スピーカ単体検討アルゴリズムの処理フロー図
【図11】本発明の音響シミュレーション装置における
スピーカクラスタ検討アルゴリズムの処理フロー図
【図12】本発明の音響シミュレーション装置における
音場解析アルゴリズムの処理フロー図
【図13】図12に続く処理フロー図
【図14】図13に続く処理フロー図
【図15】本発明の音響シミュレーション装置における
壁面伝達関数作成アルゴリズムの処理フロー図
【図16】本発明の音響シミュレーション装置における
バイノーラルインパルス応答算出アルゴリズムの処理フ
ロー図
【図17】本発明の音響シミュレーション装置における
音場解析処理の計算エリアのイメージを示す説明図
【図18】本発明の音響シミュレーション装置における
自動音響調整を行うためのアルゴリズムの処理フロー図
【図19】従来のスピーカデータの一例を示すイメージ
【符号の説明】
1 コンピュータ本体 3 入力装置 5 ディスプレイ 7 CPU 9 記憶部 11 インタフェース部 13 プログラム領域 15 作業領域 17 データベース領域 21 プロセッサ 23 アンプ 25 スピーカ

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音源の全方向インパルス応答データを記
    憶する全方向インパルス応答データ記憶手段と、 前記音源の全方向インパルス応答データを用いて前記音
    源により形成される音場を解析する音場解析手段と、 を有することを特徴とする音響シミュレーション装置。
  2. 【請求項2】 前記音場解析手段は、 前記音源の全方向インパルス応答データを用いて音圧レ
    ベルの分布を算出する音圧分布算出手段と、 前記音源の全方向インパルス応答データを用いて受音点
    におけるインパルス応答を算出するインパルス応答算出
    手段と、 を有することを特徴とする請求項1記載の音響シミュレ
    ーション装置。
  3. 【請求項3】 前記インパルス応答算出手段は、 室内に設定された受音点におけるインパルス応答を算出
    する場合、壁面の伝達関数を作成し、得られた壁面伝達
    関数を用いてインパルス応答の算出を行う、 ことを特徴とする請求項2記載の音響シミュレーション
    装置。
  4. 【請求項4】 前記インパルス応答算出手段は、 頭部伝達関数を用いて左右2チャンネル分のインパルス
    応答の算出を行う、 ことを特徴とする請求項2記載の音響シミュレーション
    装置。
  5. 【請求項5】 受音点におけるインパルス応答データお
    よびあらかじめ登録された楽音データを用いて楽音を再
    生する可聴化手段、 を有することを特徴とする請求項1記載の音響シミュレ
    ーション装置。
  6. 【請求項6】 操作の入力により、前記音源に与えられ
    る電気信号を処理するための音場補正用パラメータを設
    定する音場補正用パラメータ設定手段、 を有することを特徴とする請求項1記載の音響シミュレ
    ーション装置。
  7. 【請求項7】 前記音源の全方向インパルス応答データ
    を用いて操作の入力により音源システムの特性を検討す
    る音源システム検討手段、 を有することを特徴とする請求項1記載の音響シミュレ
    ーション装置。
  8. 【請求項8】 前記音源の全方向インパルス応答データ
    および音源システムの設定情報を用いて操作の入力によ
    り音源クラスタの特性を検討する音源クラスタ検討手
    段、 を有することを特徴とする請求項1記載の音響シミュレ
    ーション装置。
  9. 【請求項9】 前記音源クラスタ検討手段は、 音源ユニットのCADデータを用いて前記音源クラスタ
    のCADデータを作成する手段と、 作成された前記音源クラスタのCADデータを用いて前
    記音源クラスタのモデルを表示する手段と、 を有することを特徴とする請求項8記載の音響シミュレ
    ーション装置。
  10. 【請求項10】 前記音源クラスタのCADデータおよ
    び室形のCADデータを用いて室内における前記音源の
    レイアウトを表示する手段、 を有することを特徴とする請求項8記載の音響シミュレ
    ーション装置。
  11. 【請求項11】 前記音源クラスタのCADデータおよ
    び室形のCADデータを用いて前記音源クラスタと建築
    物との干渉をチェックする手段、 を有することを特徴とする請求項8記載の音響シミュレ
    ーション装置。
  12. 【請求項12】 音源の全方向インパルス応答データを
    記憶する全方向インパルス応答データ記憶手段と、 前記音源の全方向インパルス応答データを用いて操作の
    入力により音源システムの特性を検討する音源システム
    検討手段と、 前記音源の全方向インパルス応答データおよび検討後の
    前記音源システムの設定情報を用いて操作の入力により
    音源クラスタの特性を検討する音源クラスタ検討手段
    と、 前記音源クラスタのCADデータおよび室形のCADデ
    ータを用いて前記音源クラスタと建築物との干渉をチェ
    ックする干渉チェック手段と、 検証後の前記音源クラスタの全方向インパルス応答デー
    タを用いて音圧レベルの分布を算出する音圧分布算出手
    段と、 検証後の前記音源クラスタの全方向インパルス応答デー
    タを用いて受音点におけるインパルス応答を算出するイ
    ンパルス応答算出手段と、 受音点におけるインパルス応答データおよびあらかじめ
    登録された楽音データを用いて楽音を再生する可聴化手
    段と、 を有することを特徴とする音響シミュレーション装置。
  13. 【請求項13】 音源の全方向インパルス応答データを
    用いて操作の入力により音源システムの特性を検討する
    ステップと、 前記音源の全方向インパルス応答データおよび検討後の
    前記音源システムの設定情報を用いて操作の入力により
    音源クラスタの特性を検討するステップと、 前記音源クラスタのCADデータおよび室形のCADデ
    ータを用いて前記音源クラスタと建築物との干渉をチェ
    ックするステップと、 検証後の前記音源クラスタの全方向インパルス応答デー
    タを用いて音圧レベルの分布を算出するステップと、 検証後の前記音源クラスタの全方向インパルス応答デー
    タを用いて受音点におけるインパルス応答を算出するス
    テップと、 受音点におけるインパルス応答データおよびあらかじめ
    登録された楽音データを用いて楽音を再生するステップ
    と、 を有することを特徴とする音響シミュレーション方法。
  14. 【請求項14】 コンピュータによって実行される音響
    シミュレーションプログラムであって、前記コンピュー
    タに、 音源の全方向インパルス応答データを用いて操作の入力
    により音源システムを検討するステップと、 前記音源の全方向インパルス応答データおよび検討後の
    前記音源システムの設定情報を用いて操作の入力により
    音源クラスタを検討するステップと、 前記音源クラスタのCADデータおよび室形のCADデ
    ータを用いて前記音源クラスタと建築物との干渉をチェ
    ックするステップと、 検証後の前記音源クラスタの全方向インパルス応答デー
    タを用いて音圧レベルの分布を算出するステップと、 検証後の前記音源クラスタの全方向インパルス応答デー
    タを用いて受音点におけるインパルス応答を算出するス
    テップと、 受音点におけるインパルス応答データおよびあらかじめ
    登録された楽音データを用いて楽音を再生するステップ
    と、 を実行させることを特徴とする音響シミュレーションプ
    ログラム。
  15. 【請求項15】 受音点におけるインパルス応答データ
    および音源クラスタのインパルス応答データを用いて各
    音源クラスタに対する空間伝達関数を算出する空間伝達
    関数算出手段と、 算出された空間伝達関数の逆特性伝達関数を算出する逆
    特性伝達関数算出手段と、 を有することを特徴とする音響調整装置。
  16. 【請求項16】 前記受音点におけるインパルス応答デ
    ータは、上記請求項1から請求項12のいずれかに記載
    の音響シミュレーション装置で得られたデータであるこ
    とを特徴とする請求項15記載の音響調整装置。
  17. 【請求項17】 前記受音点におけるインパルス応答デ
    ータは、実際に測定して得られたデータであることを特
    徴とする請求項15記載の音響調整装置。
  18. 【請求項18】 算出された逆特性伝達関数を用いて対
    応する音源クラスタの系統を調整するための演算を行う
    調整用演算手段、 を有することを特徴とする音響調整装置。
  19. 【請求項19】 受音点におけるインパルス応答データ
    および音源クラスタのインパルス応答データを用いて各
    音源クラスタに対する空間伝達関数を算出するステップ
    と、 算出された空間伝達関数の逆特性伝達関数を算出するス
    テップと、 を有することを特徴とする音響調整方法。
  20. 【請求項20】 コンピュータによって実行される音響
    調整プログラムであって、前記コンピュータに、 受音点におけるインパルス応答データおよび音源クラス
    タのインパルス応答データを用いて各音源クラスタに対
    する空間伝達関数を算出するステップと、 算出された空間伝達関数の逆特性伝達関数を算出するス
    テップと、 を実行させることを特徴とする音響調整プログラム。
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