JPH0573027A - 個人筆跡辞書作成装置及び個人筆跡辞書を用いた文字出力処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 個人の筆跡に類似した文字による出力を可能
とし、既存の文字フォントによる出力とは異なる人間味
のある個性的な文字を出力し得るようにする。 【構成】 文字認識装置２に入力された手書き文字から
認識辞書３を参照しつつ個人の筆跡特徴を抽出し、この
筆跡特徴を基に、予め用意された筆跡特徴を有するＮパ
ターンの標準筆跡文字フォントから筆跡対応テーブル７
に基づいて個人の筆跡に最も類似した特徴を有する個人
筆跡類似文字フォントを選択することにより、個人ＩＤ
と個人筆跡類似文字フォントパターン番号とを有する個
人筆跡辞書６を作成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、特徴抽出方式の文字認
識装置を用いて個人筆跡辞書を作成する個人筆跡辞書作
成装置及びこの個人筆跡辞書を用いて文字を出力する出
力処理装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、特徴抽出方式の文字認識装置で
は、入力された手書き文字から文字の特徴を抽出し、こ
の抽出した文字特徴と予め認識辞書に格納されている各
文字に固有の標準的な文字特徴との照合を行うことによ
って、入力手書き文字の認識を行う構成となっていた。
しかし、本来人間は、丸い文字、角張った文字、右上が
り文字等、様々な筆跡特徴を有している。そのため、各
個人の筆跡特徴を考慮し、文字認識時に個人の筆跡特徴
を保存した個人辞書を用いる場合もある。この個人辞書
は、文字認識時の認識精度の向上を主目的としたもので
ある。

【０００３】一方、文書ファイル等の被出力ファイルの
形式で保存されている文書をプリンタ等の出力装置によ
り出力する場合は、プリンタ内蔵の文字フォント或いは
制御装置の管理する既存の標準文字フォントによる出力
となっており、誰の文書を出力しても、標準文字フォン
トでしか出力できなかった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このように、従来まで
の技術では、文書ファイル等の被出力ファイルに格納さ
れた文書を出力する場合、標準文字フォントによる出力
となっていたので、文書出力時、誰の文書を出力しても
同じ書体の文字での出力しか得られず、個人の筆跡に類
似した文字による出力を行うことができないという問題
点があった。

【０００５】そこで、本発明は、個人の筆跡に類似した
文字による出力を可能とし、既存の文字フォントによる
出力とは異なる人間味のある個性的な文字を出力し得る
ようにした個人筆跡辞書作成装置及び個人筆跡辞書を用
いた文字出力処理装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明による個人筆跡辞
書作成装置は、個人識別情報を入力する入力手段と、入
力された手書き文字の認識を行う特徴抽出方式の文字認
識手段と、筆跡特徴を有する複数パターンの標準筆跡文
字フォントの各パターン番号と筆跡特徴情報との筆跡対
応テーブルと、前記複数パターンの標準筆跡文字フォン
トの中から前記文字認識手段で抽出された筆跡特徴に類
似する標準筆跡文字フォントを前記筆跡対応テーブルに
基づいて選択してそのパターン番号を前記個人識別情報
とともに個人筆跡辞書に格納する処理手段とを備えた構
成となっている。

【０００７】本発明による文字出力処理装置は、個人識
別情報を入力する入力手段と、文字情報が格納された被
出力ファイルと、筆跡特徴を有する複数パターンの標準
筆跡文字フォントが格納された標準筆跡文字フォントフ
ァイルと、前記複数パターンの標準筆跡文字フォントの
中から選択された文字フォントのパターン番号が個人識
別情報と対応して格納された個人筆跡辞書と、前記入力
手段から入力された個人識別情報に対応するパターン番
号を前記個人筆跡辞書から選択し、そのパターン番号に
対応する前記標準筆跡文字フォントファイルに格納され
た標準筆跡文字フォントを用いて前記被出力ファイルか
らの文字情報を出力する出力手段とを備えた構成となっ
ている。

【０００８】

【作用】本発明による個人筆跡辞書作成装置において、
文字認識装置に入力された手書き文字から個人の筆跡特
徴を抽出し、この筆跡特徴を基に、予め用意された筆跡
特徴を有する複数（Ｎ個）パターンの標準筆跡文字フォ
ントから個人の筆跡に最も類似した特徴を有する個人筆
跡類似文字フォントを選択することにより、個人ＩＤと
個人筆跡類似文字フォントパターン番号とを有する個人
筆跡辞書を作成する。また、この個人筆跡辞書を参照し
つつ個人筆跡類似文字フォントを用いて出力し、個人の
筆跡に類似した文字を用いて文書等の出力を行うことに
より、既存の文字フォントによる出力とは異なる人間味
の有る個性的な文書の出力が可能となる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図１は、本発明による個人筆跡辞書作成装
置の一実施例を示すブロック図である。図において、手
書き文字は文字読取部１で読み取られ、その読取文字情
報は文字認識装置２に供給される。この文字認識装置２
は特徴抽出方式の認識装置であり、認識辞書３に基づい
て文字読取部１を介して入力された手書き文字の認識処
理を行うと同時に、個人筆跡特徴情報の抽出処理を行
う。認識辞書３には、文字認識時に使用する各文字に固
有の標準的な文字特徴が予め格納されている。

【００１０】文字認識装置２で抽出された個人筆跡特徴
情報は格納処理部４に供給される。格納処理部４は、図
２に示す個人筆跡辞書格納値テーブル５に従って個人筆
跡特徴情報を図３に示す形式からなる個人筆跡辞書６に
格納するとともに、個人筆跡辞書６中の個人筆跡特徴と
図４に示す筆跡対応テーブル７とを用いて、予め用意さ
れたＮ個のパターン（以下、Ｎパターンと略称する）の
標準筆跡文字フォントから個人筆跡に最も類似した特徴
を有する個人筆跡類似文字フォントを選択し、そのパタ
ーン番号を、入力部８から入力される個人識別番号（以
下、個人ＩＤと称する）と一緒に個人筆跡辞書６に格納
する処理を行う。

【００１１】ここで、初期個人筆跡辞書には、個人筆跡
類似文字フォントパターン番号及び全ての個人筆跡特徴
の初期値として“０”が格納されている。また、全ての
筆跡特徴がないものとして、個人ＩＤが“０”の個人筆
跡辞書が予め用意される。この個人筆跡辞書には、個人
筆跡類似文字フォントパターン番号及び全ての個人筆跡
特徴に“０”が格納されている。なお、個人ＩＤが
“０”の個人筆跡辞書は更新できないものとする。

【００１２】次に、個人筆跡辞書の作成の際の処理手順
を図５のフローチャートに従って説明する。先ず、文字
読取部１を介して文字認識装置２に文字を入力する際
に、入力部８からオペレータにより入力された個人ＩＤ
を読み込み（ステップＳ１）、続いて個人筆跡辞書の個
人ＩＤを参照する（ステップＳ２）。ここで、入力個人
ＩＤが“０”の場合は、個人筆跡辞書は更新できないの
で、本処理を終了する。入力個人ＩＤを有する個人筆跡
辞書が既に登録されている場合は、入力個人ＩＤを有す
る個人筆跡辞書の更新を行うものとして次の処理へ進
む。一方、入力個人ＩＤを有する個人筆跡辞書が登録さ
れていない場合は、入力個人ＩＤを有する個人筆跡辞書
を新規に作成するものとし、入力個人ＩＤを有する初期
個人筆跡辞書を作成し（ステップＳ３）、次の処理へ進
む。

【００１３】入力個人ＩＤを有する個人筆跡辞書が既に
登録されている場合、又は入力個人ＩＤを有する初期個
人筆跡辞書の作成後、特徴抽出方式の文字認識装置２へ
の入力文字の有無を判断し（ステップＳ４）、入力文字
が有る場合、文字認識装置２により入力文字の特徴抽出
を行い（ステップＳ５）、この特徴抽出によって得た抽
出文字特徴を、認識辞書３に予め記憶されている各文字
に固有の標準的な文字特徴と照合することによって入力
文字を認識する（ステップＳ６）。

【００１４】次に、入力文字から抽出した文字特徴と認
識辞書３中の標準的な文字特徴との差分から、文字全体
の大きさ・傾斜・形、線の形態・太さ、はねの角度・長
さ、折れ線の角度等の個人の筆跡特徴を抽出し（ステッ
プＳ７）、この抽出によって得た筆跡特徴を、図２の個
人筆跡辞書格納値テーブルに従ってそれぞれｎ（０，
１，２，……，ｎ）段階に分類しつつ個人筆跡特徴に関
する個人筆跡辞書への格納値を決定する（ステップＳ
８）。なお、筆跡特徴の差が無い場合は、格納値を
“０”とする。そして、個人筆跡辞書６の個人筆跡特徴
欄（図３参照）へステップＳ８で決定した格納値を格納
する（ステップＳ９）。このステップＳ４からステップ
Ｓ９までの処理を、文字認識装置２への入力文字が存在
する間繰り返す。

【００１５】ステップＳ４で入力文字が無いと判定した
場合は、入力文字が存在する間繰返し実行された処理で
得られた個人筆跡辞書と図４の筆跡対応テーブルの筆跡
特徴の格納値を比較することにより、個人筆跡に最も類
似した特徴を有する標準筆跡文字フォントのパターン番
号を決定する（ステップＳ１０）。ここで決定したパタ
ーン番号の標準筆跡文字フォントを個人筆跡類似文字フ
ォントとする。こうして決定したパターン番号を個人筆
跡辞書６の個人筆跡類似文字フォントパターン番号（図
３参照）として格納する（ステップＳ１１）。そして、
個人筆跡辞書６を登録し（ステップＳ１２）、個人筆跡
辞書作成の一連の処理を終了する。

【００１６】この一連の処理において、完全な個人筆跡
辞書を作成するためには、全ての筆跡特徴を網羅する個
数の入力手書き文字を必要とするが、１文字だけの入力
の場合でもその文字の有する筆跡特徴から個人筆跡辞書
を作成する。その場合、入力文字から抽出できない筆跡
特徴については、標準的な文字特徴との差分が無いもの
とし、個人筆跡辞書の該当欄には“０”を格納する。

【００１７】また、個人筆跡辞書は更新が可能であるの
で、同一個人ＩＤを有する個人筆跡辞書に対して学習用
に入力する文字数またはその回数を多くすることによ
り、個人の筆跡特徴に、より類似した個人筆跡類似文字
フォントを選択することが可能となる。

【００１８】図６は、以上のようにして作成された個人
筆跡辞書を用いた本発明による文字出力処理装置の一実
施例を示すブロック図である。図において、出力装置１
１として、フォント内蔵のプリンタ等が用いられ、この
出力装置１１は制御装置１２によって出力の制御がなさ
れる。制御装置１２は、入力部１３で指定入力された被
出力ファイル名に対応する文書ファイル等の被出力ファ
イル１４の有無を確認するとともに、同様に入力部１３
で指定入力された個人ＩＤを有する個人筆跡辞書１５を
参照する。

【００１９】標準筆跡文字フォントファイル１６には、
筆跡特徴を有するＮパターンの標準筆跡文字フォントが
格納されている。一方、既存標準文字フォントファイル
１７には、既存の標準文字フォントが格納されている。
制御装置１２は、個人筆跡辞書１５を参照して得られる
個人筆跡類似文字フォントパターン番号（図３参照）に
対応する文字フォントを標準筆跡文字フォントファイル
１６又は既存標準文字フォントファイル１７から得てこ
の文字フォントを用いて出力を行う。

【００２０】次に、個人筆跡辞書を用いた個人筆跡類似
文字フォントによる文書等の出力処理の処理手順を図７
のフローチャートに従って説明する。先ず、入力部１３
から指定入力された個人ＩＤ及び出力ファイル名を読み
込み（ステップＳ２１）、続いて指定された被出力ファ
イルの有無を判断する（ステップＳ２２）。指定された
被出力ファイルが存在しない場合は、本処理を終了す
る。指定された被出力ファイルが存在する場合は、個人
筆跡辞書の個人ＩＤを参照する（ステップＳ２３）。

【００２１】指定された個人ＩＤを有する個人筆跡辞書
が存在しない場合は、プリンタ内蔵或いは制御装置１２
の管理する既存標準文字フォントファイル１７に格納さ
れた通常の既存標準文字フォントを用いて出力を行う
（ステップＳ２４）。指定された個人ＩＤを有する個人
筆跡辞書が存在する場合は、個人筆跡辞書中の個人筆跡
類似文字フォントパターン番号を参照し（ステップＳ２
５）、続いてこの処理で得られたパターン番号に該当す
る文字フォントを標準筆跡文字フォントファイル１６か
ら得てこの文字フォントを用いて出力を行う（ステップ
Ｓ２６）。

【００２２】このように、指定された個人ＩＤを有する
個人筆跡辞書を参照し、登録された個人筆跡類似文字フ
ォントを用いて出力を行うことにより、個人の筆跡に類
似した文字を用いて文書等の出力を行うことができるこ
とになる。なお、上記処理において、通常の既存標準文
字フォントを用いて出力を行いたい場合は、個人ＩＤと
して“０”を指定すれば良い。

【００２３】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、文字認識装置に入力された手書き文字から個人の
筆跡特徴を抽出し、この筆跡特徴を基に、予め用意され
た筆跡特徴を有するＮパターンの標準筆跡文字フォント
から個人の筆跡に最も類似した特徴を有する個人筆跡類
似文字フォントを選択することにより、個人ＩＤと個人
筆跡類似文字フォントパターン番号とを有する個人筆跡
辞書を作成するようにしたので、個人に特有の筆跡特徴
を有する文字フォントの登録が可能な、出力まで考慮し
た形式の個人筆跡辞書を得ることが可能となるととも
に、この個人筆跡辞書を利用することによって個人と個
人特有の筆跡特徴を有する文字フォントとを対応させた
出力を実現できることになる。

【００２４】また、この個人筆跡辞書を参照し、個人筆
跡類似文字フォントを用いて出力するようにしたので、
個人の筆跡に類似した文字を用いて文書等の出力を行う
ことが可能となり、既存の文字フォントによる出力とは
異なる人間味の有る個性的な文書の出力が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による個人筆跡辞書作成装置の一実施例
を示すブロック図である。

【図２】個人筆跡辞書格納値テーブルの一例を示す図で
ある。

【図３】個人筆跡辞書の形式の一例を示す図である。

【図４】筆跡対応テーブルの一例を示す図である。

【図５】個人筆跡辞書の作成の際の処理手順を示すフロ
ーチャートである。

【図６】本発明による文字出力処理装置の一実施例を示
すブロック図である。

【図７】個人筆跡辞書を用いた個人筆跡類似文字フォン
トによる文書等の出力処理の処理手順を示すフローチャ
ートである。

【符号の説明】

１ 文字読取部 ２ 文字認識装置 ３ 認識辞書 ５ 個人筆跡辞書格納値テーブル ６ 個人筆跡辞書 ７ 筆跡対応テーブル １１ 出力装置 １２ 制御装置 １４ 被出力ファイル １５ 個人筆跡辞書 １６ 標準筆跡文字フォントファイル １７ 既存標準文字フォントファイル

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 個人識別情報を入力する入力手段と、 入力された手書き文字の認識を行う特徴抽出方式の文字
   認識手段と、 筆跡特徴を有する複数パターンの標準筆跡文字フォント
   の各パターン番号と筆跡特徴情報との筆跡対応テーブル
   と、 前記複数パターンの標準筆跡文字フォントの中から前記
   文字認識手段で抽出された筆跡特徴に類似する標準筆跡
   文字フォントを前記筆跡対応テーブルに基づいて選択し
   てそのパターン番号を前記個人識別情報とともに個人筆
   跡辞書に格納する処理手段とを備えたことを特徴とする
   個人筆跡辞書作成装置。
2. 【請求項２】 個人識別情報を入力する入力手段と、 文字情報が格納された被出力ファイルと、 筆跡特徴を有する複数パターンの標準筆跡文字フォント
   が格納された標準筆跡文字フォントファイルと、 前記複数パターンの標準筆跡文字フォントの中から選択
   された文字フォントのパターン番号が個人識別情報と対
   応して格納された個人筆跡辞書と、 前記入力手段から入力された個人識別情報に対応するパ
   ターン番号を前記個人筆跡辞書から選択し、そのパター
   ン番号に対応する前記標準筆跡文字フォントファイルに
   格納された標準筆跡文字フォントを用いて前記被出力フ
   ァイルからの文字情報を出力する出力手段とを備えたこ
   とを特徴とする文字出力処理装置。